若駒ステークスから皐月賞までの間に大きく力を落としたトウカイテイオー。
皐月賞で彼女に勝っても全く表情のさえないナイスネイチャ。
2人はすれ違ったまま、クラシック級の有馬記念で戦うことに――
こういう概念がもっともっと流行って、アプリのシナリオと勝敗に関する違和感が拭い去られますように（祈念）
皐月賞で彼女に勝っても全く表情のさえないナイスネイチャ。
2人はすれ違ったまま、クラシック級の有馬記念で戦うことに――
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連載予定の別作品ですが、2話目を投稿してからプロットの第3腰椎辺りにヒビが入っているのを発見いたしまして。当面は療養させつつ、別の短編を出走させてください。
管理不足を申し訳ありません、再開したらよろしくお願いいたします。
常勝ネイチャサバイバーズギルト概念
管理不足を申し訳ありません、再開したらよろしくお願いいたします。
若駒ステークスのあの走りは、未だに目に焼き付いている。
あれは、今までで一番気持ちよく走れたレースだった。
『まだまだこんなもんじゃないからねっ！ ボクの活躍から、目を離さないよーにっ！』
あの言葉を疑う人なんか、いなかった。
これからもっと速くなれるって、信じてた。
その言葉は、実現しなかった。
実現したかったな、あの言葉。
アタシのせいだ。
あの車のせいだよ。
あの子を庇って、突っ込んで来た車に――
――痛いこと思い出させないでよね。
一番近くにいたのはアタシなのに。
一番早く動けたのがボクだっただけ。
アタシが竦まなければ、みんな助かったんだ。
あの子もボクも生きてるのに、縁起でもないな。
どう償えば良いか、ずっと答えが出ない。
謝る必要もないのに、答えなんかあるわけがない。
皐月賞の主人公は、アタシじゃない。
一番速かったのに、まだ言ってる。
ほんとなら、1バ身以上離されて負けてたはずだ。
全力のボクに勝ったのに、失礼しちゃう。
ダービーを走っても、どうしたってキラキラが遠い。
ボクはまだ終わらないって、本音を言っただけなのに。
ほんとなら、3バ身以上はちぎられてたはずだ。
後ろで足掻いてたボクは、偽物だって言うの？
菊花賞では自分のレースができた……主役のいないレースを。
最も強いウマ娘が、なに弱弱しいこと言ってるのさ。
とうとう欠場して……アタシのせいだ。アタシのせいで……。
ふざけるな。
え……？
あれはボクが決めたことだ。
ちょっと、そんな走り方で！
そこからの苦しみも、回り道も、全部ボクが選んだことだ！
止まって！ 脚が壊れちゃうよ！
どうしたの、偽物のボクに並ばれたよ？
違……そんなつもりじゃ……
じゃあ本物のボクに完敗しなよ、それが望みでしょ？
お願い、止まって……。
ボクを無視し続けた子の言うことなんか、聞いてやらない。
…………わかった。
ふーん？
それならアタシは、アンタに勝つ！
簡単に言ってくれるね。
簡単じゃない。ないからこそ、アタシは勝つ！
この！
誰よりもキラキラしてるアンタを、今日ここで越えてみせる！
……。
もう逃げないんだ！ アタシが主人公になるんだ！！
――バカだなあ、ネイチャは。
テイオー！
とっくにそうなってたのに。ほんとに、バカだ。
あ、ああ……！
なんて顔してるのさ、このボクに勝ったのに。
……あり、がとう。
ねえ。今日のボクも、偽物だった？
違う……ずっと、ずっと本物だった。
今日のボクは、輝けてたかな？
ずっと輝いてた……誰よりも強かった！
じゃあ、ボクに勝ったネイチャは何なのさ。
…………三冠ウマ娘で。グランプリ、ウマ娘。
そんな顔じゃ世界一情けないグランプリになるよ？
うっ う、うう。
いい加減、歩き出しなよ。五冠ウマ娘さん。
……うん。
今のうちに進まないと、すぐ抜いちゃうよ？
うん……！
それまで負けたら、承知しないから。
……待ってる、から。
そ。
アンタを越えた主人公として、待ってるから！
いいね。
もう1回、最高の勝負で負かしてやるんだから！
楽しみだよ。でも勝つのは、ボク……
…………だから。1回も負けずに、待ってるから。
今はおやすみ。テイオー。
こういう概念がもっともっと流行って、アプリのシナリオと勝敗に関する違和感が拭い去られますように（祈念）