ドラゴンボールFZ 真・超サイヤ人   作:カンナム

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と、言うわけで続きです(´ー`* ))))

今回は状況整理をさせていただきました(´ー`* ))))

たのしんでください(´ー`* ))))


第12話 悟空、プレゼントありーー!?

 人騒がせな猫神に連れて行かれた我らが孫悟空。

 

 悟空クローンの身体に不本意ながらなった俺に対し、猫神は悟空の代わりをやれって言う。

 

 自分の大言を吐いた唾は飲めんと言わんばかりのワガママでーー。いや、無理だ。

 

 冷静に考えてみても、無理だ。

 

 どう考えても、上手くやれる気がしない。

 

 頭を抱える俺の横ではクリリンが16号と話をしていた。

 

「改めて言わせてくれ。さっきまでは落ち着いて話も出来なかったからな。良かった、16号! お前も蘇ったんだな!!」

 

「…いや、俺は前の16号とは別の個体だ。確かに前の16号の記録データはインプットされているが」

 

 これに天津飯が声をかけた。

 

「それなら、17号がセルに吸収された時。俺に逃げるように言ってくれたことも?」

 

「…インプットされている」

 

「そうか。なら、俺からも礼を言わせてくれ。あの時、お前が一番危険だったにも関わらず、気遣ってくれたな。ありがとう」

 

 頭を下げる天津飯に16号が微かに眼を閉じた後、絞り出すように声を上げた。

 

「…俺の方が礼を言うべきだろう。クリリン、天津飯。お前達にはセルに破壊された前の俺や18号が世話になった。顔を破壊された時は天津飯。お前がいなければ、逃げられなかっただろう。そして、クリリン。お前は足手まといだった俺の願いを聞いてくれたーー。ありがとう」

 

 神妙な表情で頭を下げる16号にクリリンが両手を横に振って応えた。

 

「何を言ってんだよ、16号!頭を上げてくれ!!」

 

 天津飯も横から続けた。

 

「お前も俺たちと共に地球を守る為に戦った仲間だ。悟飯から聞いたぞ」

 

「そうだぜ!サタンとお前が居なけりゃ、悟飯が目覚めずに手遅れになってたかもしれないんだ!命の恩人だよ、お前は!!」

 

 ヤムチャも16号に笑顔で告げている。そんな彼らに16号が目を見開いていた。

 

「不思議な奴等だ。孫悟空も同じことを言っていたーー」

 

「はは、そりゃそうだろ。なんたって俺たちは悟空に影響受けてるからな!」

 

 クリリンが笑いながら話し、天津飯とヤムチャもニッと頷いてる。

 

 そうだよな。

 

 悟空に出会う前はヤムチャは盗賊で、天津飯とチャオズは殺し屋見習い、クリリンは武道家だけど先輩を見返そうとする小生意気でズル賢い小坊主だった。

 

 最初は皆、悟空を嫌いだったんだよなぁ。

 

 ピッコロやベジータもーー。

 

「……何故、孫悟空が強いのか。少し分かった気がする」

 

 寂しげに呟いた16号の顔にクリリン達の笑顔が止んで真剣な表情に変わった。

 

「16号、いったい何が起こってるんだ?紅朗が巻き込まれてる事やクローン達を操って街を破壊してるのは、誰なんだ?なんで、お前がーーそんなヤツの仲間に?」

 

「………っ!」

 

 明らかに16号の顔が歪む。思わず俺は周りにいる天津飯クローン達ーー天津、栗林、飲伏に声をかけた。

 

「お前ら、ゲームしてたんだよな?ドラゴンボールの最新作のーーええと?」

 

「ファイターズ、です。新しいキャラクター人造人間21号の物語で、俺たち3人はゲームをプレイし始めたばかりなんです」

 

 簡単に説明すると、ファイターズの中にマイナス波動やリンクシステムが出て来るらしい。

 

 悟空達は波動の影響で気を失い、力を出せない。その身体にゲーム主人公が乗り移り、悟空達を操作して戦うんだそうだ。

 

 主人公が乗り移ると動けない悟空も動けるようになる。

 

 ただし、神の気は使えないし力も制御されていて、一定以上のパワーは出せないらしい。

 

 コレは超サイヤ人になっても同じなんだとか。

 

 ナッパで最終形態のフリーザや魔人ブウと互角に渡り合えるようになってる、らしい。

 

 波動の影響下ってスゲェな。いわゆる格ゲー補正っていうのを、波動で説明してるのか。

 

「そっか。じゃあ21号のヤツが何を企んでるのか、とか。どんなヤツなのかってのはーー」

 

「ごめんなさい。みんな、知らないと思います。ファイターズは発売されてまだ1日目ですし」

 

 栗林の言葉に俺は戦慄する。なんだと?じゃあ折戸や古井は発売して1日目でシナリオクリアしてるって?

 

 ヘヴィーゲーマーじゃねぇか!?

 

「折戸から、21号の企みとかは聞いたんだがーー」

 

 俺がそんな話を天津達にしていると、クリリンが声をかけてきた。

 

「おいおい、紅朗。そうゆう大事な話は俺たちを抜いてしないでくれよ」

 

「あ、すみません。だけど、ゲームの話ですから。どこまでこちらの世界で通用するか分からないし、そもそも俺に彼女の企みを伝えたヤツ。俺と同じクローン悟空の身体を持ってる折戸ってヤツなんですが、信用できないんですよ」

 

 俺が真剣な顔で応えるとクリリンは驚いた顔をした後に何とも言えない微妙な表情になる。

 

「すまん。悟空の顔で敬語を使われると、ものすごく違和感がする」

 

 これにヤムチャと天津飯が続いた。

 

「そう言われてみれば、悟空の顔をしたヤツと話をする事も多くなったなぁ。悟空の父親のバーダックにベジータ達とは違う惑星から来たサイヤ人ターニッブ、か」

 

「拳を交わした友であり、仲間である奴等と。一般人の紅朗を一緒にするのは無理があるだろう。クリリン、ヤムチャ。ここは紅朗に合わせるべきだ」

 

 3人に会釈しながら俺も頷く。天津飯の配慮が正直ありがたい。子どものように無邪気な悟空と違って彼らは一般常識や立場などもある程度分かってるから。初対面で敬語を使わないのは意識しないとできない。

 

 少し離れた場所ではブルマが悟空から渡されたものを探していた。

 

 確かに右ポケットのカプセルに入れたらしいのだが。他のカプセルも一緒に入れていた為、分からなくなったらしい。天才なのに、抜けてんだよなぁ。ブルマさん。

 

「それじゃ、16号に聞いてみるけど。21号の企みとか、知ってるか?」

 

「…いや。俺は命令を受けていただけだ。紅朗、知っているなら教えてくれ」

 

 俺は目を閉じてから、ゆっくりと開ける。

 

「あくまで、コレはゲームの話だ。それに、俺を嵌めた折戸が本当の事を隠して俺に話してる可能性もある」

 

「構わない」

 

 16号の真っ直ぐな目を見返し、真剣な表情のクリリン達を見渡してから転生者の天津達に目をやる。

 

 天津達は不安ながらも興味はあるようだ。クリリン達と同じ見た目であるが、精神が違うと表情だけでなく見た目にも随分と差が出るな。

 

「実はーー」

 

 俺は折戸から聞いた事を出来るだけ簡潔にまとめて言ってみた。波動に関する情報、21号の中にある二つの心。

 

 悪の心が身体の主導権を握る。彼女の目的はクローン悟空達を使って世界を混乱させ、無力化した悟空達を食うことだと。

 

 どうやっても、21号の善の心は消える、とも言ってた。

 

「……その、21号ってヤツが今回の黒幕なんだな」

 

「善に悪、か。神様とピッコロや、ブウみたいな話だな」

 

 クリリンとヤムチャに、俺は21号の特徴を伝えておく。赤茶色の髪に白い肌をしていて、鋭い目に眼鏡をかけている美女だ、と。

 

「うぅむ、今回の敵は女なのかぁ〜」

 

「ヤムチャさん、まだ女性苦手なんですか?」

 

「うぅん、ちょっとな」

 

 ヤムチャとクリリンの会話を尻目に俺は16号に目を向ける。彼は傷ついた表情で、うつむいていた。

 

「…なぁ、16号。お前と21号って、どんな関係なんだ?」

 

 思わず聞いてしまった。だって16号のヤツ、本気で21号を助けようとしていたから。

 

 いや、助けようとしてるのが分かったから。

 

「今の俺は21号に作られた。前の16号の記憶を引き継いだ状態で。理由を聞いたが、ヤツの理由は曖昧だった。俺を作り出したのは、一緒に居たいからだと言っていた」

 

「一緒に、居たい?恋人かなんか、なのか?」

 

「いや、そもそも俺は無から作られた。前の16号以上の記憶は存在しない。21号とは、はじめて会った。だがーー」

 

 一つ息を吐いて、16号は続ける。

 

「何故だかは俺にも分からない。ただ、懐かしい気がしたんだ。彼女の明るい笑顔が、彼女の温かな声が。昔から知ってる大切な何かのような、そんな気がした。プログラムされていない事だがーー」

 

「プログラム、か。時折、そういう事を言ってくれないとアンタがメカだって忘れちまいそうだ」

 

 思わずボヤいてしまったが、まあ仕方ないだろう。

 

 昔から知ってる、大切な何か。カンだが、恋人とかじゃないかもな。あの16号の寂しそうな幼い顔は、恋人を失う男の顔じゃない、と思う。

 

 人生経験って意外と異世界に来ても役に立つよなぁ。

 

「なぁ、紅朗。16号と21号って、もしかしてーー」

 

「分かんねぇっす。もしかしたら、恋人なんかもしれませんし、それ以外な関係なんかも。俺には分かんねぇっす」

 

「ーー棒読みだぞ?でも、確かにな。俺たちが踏み入っちゃいけないような気もするよ」

 

 さすが、クリリンさんは空気読めるよな。

 

「だけど、そうすると。このまま21号の善の心が消えちまうのはダメなんじゃないのか?何か手を考えないと」

 

「そうは言うが、ヤムチャ。何か思い付くのか?」

 

「そ、そうだなぁ。神様やブウの時みたいに、善と悪の心を分けちまうって、どうだ?」

 

 名案だと手を打つヤムチャに俺も頷いた。

 

「スゲェ!天才かよ、ヤムチャさん!!確かに、それが出来たら。後は悪をぶっ倒すか、封印しちまえば良い!!」

 

「ん?だ、だろう?俺にかかれば、これぐらいーー!!」

 

 盛り上がる俺とヤムチャに天津がゆっくり手を挙げてきた。

 

「あ、あの。その21号を善と悪の二人に分けるのって。どうやるんですか?」

 

 沈黙が空気の読めない少年(八つ当たり)の当たり前の質問によって降り立った。

 

 たしか、善と悪に分かれるケースは。

 

「き、気合いじゃねぇか?神様もピッコロ大魔王と分かれた時は気合いで悪を追い出したし。ブウも怒りの気が煙になって外に出て、悪になったし。純粋ブウもデブブウを吐き出したしーー。気合いで、なんとかーー」

 

 こんな時だけ漫画理論は、ダメですよね。周りの冷たい目で、ようやく与太話をやめる。

 

 と、思ったがクリリンが割と真面目に考えてくれていた。

 

「何か手がないもんか。ブウに聞いてみても分かんないだろうしなぁ」

 

「具体的な方法が思いつかないなら、その話を広げても無意味だろう」

 

 天さん、ジュース冷やせそうなくらいクールだよね。

 

「な、なんか、悪いな。16号」

 

「いやーー。何かのヒントにはなりそうな気がする。魔人ブウや地球の神、か」

 

「え?自分で言うのもなんだが。あんないい加減な、というか。テキトーな話がヒント?」

 

 すると16号が穏やかな笑顔を向けてきた。

 

「ーー俺を元気付けるために、ワザと言ったのだろ?」

 

「…前例があるって話を、したかっただけだよ」

 

 あんまり良いように言われたくねぇ。正味、無責任な話をしただけだし、解決にも気休めにもならん。

 

 むしろ、21号をおちょくってるような内容で、振り返ってみて過去の自分を殴りたくなる。

 

「前例か。そう考えれば希望がない、訳でもないかもしれない。彼女はセルと同じ多数の細胞から作られたバイオタイプの人造人間だ」

 

 16号の言葉に、思わず俺は目を見開く。セミっぽくもないし、異形な感じしなかったんだけど?

 

「彼女を構成する細胞の一つに、どれほど細切れにされても元どおりになる粘土のような細胞があった。その細胞は彼女の普段の姿を自在に変化できる。彼女の真の姿は別にあるんだ」

 

「粘土のように変化したり、コマ切れになっても再生するってーー。それ、まさかーー」

 

 俺の疑問は、この場の全員が感じてるはずだ。間違いなく、ヤバい。

 

「21号は、この地球上にあるあらゆる生物から細胞を取り出して作られた。お前達やサイヤ人の細胞もだ。しかし、先程話した再生する細胞によって、数多の細胞は特性をそのままに全て吸収されて一つになったらしい。強烈な捕食衝動も、再生する細胞とサイヤ人の細胞が関係しているのかもしれない」

 

「ブウと悟空達の細胞を混ぜちゃいました、ってなんだその最強生命体は!?ドクターゲロのクソジジイは、死んでも碌な真似をしないな!!!」

 

 イライラしながらも、心を落ち着けようと腕を組む。

 

 13号、14号、15号といい。セルの時といい、この世界のコンピュータはおかしくねぇか!?

 

 ゲロ関係なしなら、地球襲来時のサイヤ人より強いウィローとか、メタルクウラとビックゲデスターとか。

 

 未来ならマシンミュータントなんてのもあるんだよな。

 

「だが、紅朗。希望が出て来たのは事実だ。魔人ブウの細胞が21号に使われているなら、善と悪の心を二つに分けられる可能性がある」

 

「…やり方が分からないんだよなぁ。ブウに聞こうにも波動の影響で寝てるし。中和装置で起こすにも、人数制限があるってブルマさんが言ってたからな。今のところ問題ないみたいだけど。闘うとなるとこれ以上増やすのはやめた方がいいかもな」

 

 天津飯とクリリンの言葉に俺も頭をひねる。そもそも、ミスターブウに聞いてもよく分からんのではなかろうか?

 

 ヤツ、どう見ても賢くはなさそうだ。

 

 中和装置がないと、クリリン達も動けないようだし。

 

 仲間を増やして中和装置の効果を半端なものにしちゃうか、人数少なくても波動の上限を超える力を出せる現在の面子で固めるか。

 

 でもなぁ、手数を増やさないと各地にウヨウヨいるらしいクローンに対応できないんだよなぁ。

 

「よし、見つけたわ!!」

 

 悩んでいるとブルマが声を上げた。カプセルを二つ手にしてる。

 

「アンタ達の不安を解消するのに、丁度いいのが出来たのよ。ホラ、さっきのフリーザ擬きが手首に嵌めてた腕輪」

 

 そう言って俺たちに見せてくれたのは、古井がしていた金属性の腕時計のベルトのようなものを付けた腕輪だ。

 

 腕時計なら、時計が付いてあるディスプレイには、病院で見る心電図のようなものが波打っている。

 

「コレを解析して量産したわ。腕輪にバイタルデータを登録すれば、範囲内なら全力を出せるはずよ。ただし登録できるのは5名までみたいだから、仲間を作るなら慎重にね。3つ作ったから、クリリン、ヤムチャ、天津飯にあげるわ。名付けて、中和リング!」

 

 言いながらカプセルを押して投げ捨て、煙からアタッシュケースが現れる。それを開けてブルマはクリリン達3人に中和リングを渡した。

 

「え?俺は!?」

 

 思わず問いかけた俺にブルマは呆れた顔をしてる。

 

「アンタは、ビルス様のおかげで超サイヤ人になれるようになったじゃない。しかも、アレだけ闘えるなら中和装置なんか要らないわよ。ビルス様と戦ってるときのアンタ、明らかに波動の上限を超えてたから」

 

「記憶がないもんで。不安でしかないんですが」

 

 そんな俺を無視して、ブルマは続ける。

 

「取り敢えず孫君からのプレゼントもあるから、そっちを見なさいよ」

 

 そう言って、もう一つのカプセルを投げる。煙から出てきたアタッシュケースの中には綺麗に折り畳まれた山吹色の上下道着と青いインナーシャツにブーツ、リストバンドに帯一式。

 

 俺が今着てる道着のオリジナルーー孫悟空の亀仙流道着だ。

 

「え?コレを、俺に?」

 

 胸と背中の◯の中には悟空の「悟」ではなく「紅」と書かれている。

 

「孫君が、書いてたわよ。顔に似合わず字は綺麗よね」

 

「…確かに」

 

 思わず呻いてしまう俺だが、道着が一着でないことに気づいてジッと見てしまう。

 

 ブーツやリストバンドまで何組もあるんだが。

 

「クローンの孫君へ、だって。私を守ってくれたお礼と、この先、アンタが仲間にする孫君のクローン達に着せてやってってさ」

 

「…いつの間にか、クローン使いみたいになってる?」

 

「違った?まあ、何にしろ助けてもらったんだもの。私からもクローンにお礼がしたいわ」

 

 なんだか催促されてるようなんで、取り敢えず右手を前方にかざして呼んでみる。

 

 するとクローン悟空が猫背でーーあれ?猫背じゃない。

 

 背筋をピンと伸ばして気をつけをしてる。

 

「アンタ、ありがとうね!孫君からのプレゼントと、私から名前をあげるわ!!」

 

 え?飼い主である俺を無視して名前をつける?どゆことやねん?

 

 心なしか、クローン悟空も紅目を訝しげに、というか首を傾げてますね。あれ?意思疎通できてるぅう!?

 

「アンタの名前は悟空クローンの一番最初の仲間だから、壱悟「イチゴ」よ!!どう?」

 

 て、テキトー過ぎませんか、そのネーミング!?

 

「これから数が何人も増えるんだもの。単純な名前にしないと考えるのに紅朗、苦労するわよ」

 

「うまくないからね、ダジャレでも他人の名前を使うのはダメだからね!」

 

 そんなことを言い合ってると、ブルマは無反応に自分を見るクローン悟空、じゃないーー壱悟に声をかけた。

 

「えっと、壱悟じゃダメかしら?やっぱりちゃんとした名前の方がいいか。ソックスってどう?」

 

「壱悟にしなさい!そうしなさい!!その人、マジで下着の名前付けっから!!脅しじゃないから!!」

 

 そうでした、カプセルコーポレーション一家は下着の名前を何故か付けるんだよ。

 

 すると壱悟はニッと悟空のようにブルマに笑いかけた。

 

「あらやだ、孫君ってこうして見ると。いい男よね〜」

 

「ブルマ、相変わらず面食いだな」

 

 ヤムチャさんのボヤキを聞き流す、踏み入ってはならない。決して。

 

 で、着替えてきた我々だが、壱悟くんは名前を最初から決められていたようだ。

 

 なんせ道着の胸と背中に「壱」て書かれてる。

 

「いちおう「拾」までは書いてるけど、その先になると「悟」マークしかないのよねぇ」

 

「さ、流石に百も書けないだろ。11とかもう、野球とかサッカーみたいじゃん」

 

「名前もね、そこから先は難しいわよね。拾壱悟(じゅういちご)って無理矢理みたいだし」

 

 壱悟も大概ですよ。実際。

 

「その格好したら、ホントに悟空と変わらないな」

 

「確かに。ちょっと肌の色が悪くて髪が燻んでるが、悟空だな」

 

 クリリンとヤムチャの言葉に口元がヒクつく。

 

 せっかくの亀仙流道着。悟空からプレゼントされて嬉しくないわけ無いんだよ。

 

 こんな状況でなければな!!

 

 素直に喜べない自分に悲しむも、右手の球を見る。

 

「そういえば、壱悟だけでなくベジータやピッコロも吸収してたよな。アイツら出せるか、試してみよ」

 

 俺は壱悟を召喚した時と同じようにまず、クローンベジータを思い浮かべる。

 

 光が掌の球体から放たれーー何も呼ばれなかった。

 

「あれ?クローンベジータやピッコロは呼べないのか?」

 

 首を傾げる俺を、全員が目を見開いて見ている。なんだよ、と壱悟を見上げる俺。

 

 おかしい。俺と壱悟は同じ身体だ。何故、目線が俺よりも高い?ブルマと目が合うと、先まで見下ろしていた視線が同じくらいになってる。

 

「アンタよ」

 

「へ?俺?」

 

「アンタがベジータのクローンになってるのよ!ほら!」

 

 鏡を向けられた先には、黒のフィットスーツに白い手袋とブーツ、黒を基調としたバトルジャケットは赤いベルトが肩を通している。

 

 燻んだ逆立った金髪と赤い瞳に死人のような肌は変わらないが、俺の額はM字に変わってやがった。

 

「な、な、な、なんじゃこりゃあああっ!!?」

 

 俺の声が三度、異世界の空に響いていた。





次回から、本格的に転生者達とのバトルになります。

ストレスが溜まるかもしれませんので、予めご了承ください(´・ω・`)

では、次回もお楽しみに(´ー`* ))))
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