ドラゴンボールFZ 真・超サイヤ人   作:カンナム

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すまん!

転生者の話のはずが、こっちが先に出来上がってしまった。

予告詐欺してしまった〜、お許しを。゚(゚´Д`゚)




第13話 悟空、地球の戦士って強いよな?

 カプセルコーポレーションの中庭で、俺は周りの人に見られながら変身していた。

 

「ふぅん?ベジータのクローンだけじゃなく。大っきいトランクス、ピッコロのクローンにもなれんのね」

 

「こんな変身できるんなら、いっそ元の姿に戻してくれ」

 

 久住史朗が、どれほど一般人かを皆様に分かっていただけると思う。

 

 ええ、間違いなく。

 

 意識を緩めると緑色の光が胸元から放たれて山吹色の道着を着たクローン悟空に身体が戻る。

 

 着てる服まで元どおりとは、中々便利かもしれない。

 

「紅朗さん、スゲー!!」

 

「いいな、クローンを操るだけじゃなくて他のキャラにも変身できるのか〜」

 

「羨ましいなぁ」

 

 この三バカは、悪気はないんだろうが。それだけにイラつく。

 

「お前ら、羨ましいとか言ってるが。俺の代わりに折戸や21号をぶっ倒す悟空の役を引き受けてくれんのかよ?」

 

 瞬間、首を横に振って退がる。

 

 期待してませんでしたけどね、流石にそこまで嫌がられたら思うところがありますな。

 

「クリリン、ヤムチャ、天津飯。この弱っちい転生者達、アンタ達が引き受けて鍛え直してあげなさいよ!」

 

 壱悟を眺めていたブルマの突然の言葉に思わず三バカプラス俺が目を見開いている。

 

「紅朗は、今から16号と一緒に善い方の21号を助けに行くんだから、暇がないでしょ?それなら、各地に散らばった転生者とかクローン達をぶっ飛ばすのはクリリン達がやれば良いじゃない。ちょうど、その子達もクリリン達のクローンなんだし。自分の体なら鍛え方も分かるでしょ?」

 

 要約すると、だ。

 

 俺と16号だけでラスボス叩いてヒロイン助けて、他のメンツは暴走した転生者や街を破壊してるクローン共を倒して来いってことかぁ。

 

「簡単に言わないでくれませんかねぇ!?マジで!!」

 

「何よ、アンタ。負ける気なの?」

 

「いや、そもそも俺。折戸に負けてるんですがーー?」

 

 どういう訳か、不意打ち食らって倒されたはずが荒野を歩いてたんだよねぇ。

 

「その、折戸だっけ?ソイツも孫君のクローンなのよね?だったら100パーセント、アンタが勝つわよ」

 

「な、何故に?」

 

「決まってるじゃない。アンタは他のクローンと違って孫君達と同じ超サイヤ人になれるのよ?オマケに真・超サイヤ人とかいうヤツにも」

 

 真・超サイヤ人かぁ。

 

 それ、変身してる間の記憶ないから自分がどれだけの力を持って戦ってるのか、分かんないんだよなぁ。

 

 まぁ、あんまり頼らないようにしよう。

 

 と、いうか。

 

 俺、この身体(クローン悟空)にも大分馴染んで来ていたみたいだ。さっき、クローンベジータやトランクス、ピッコロになってみて違和感が半端なかったから。

 

 クローン悟空の身体に戻したら、元の自分の身体くらいにシックリ来る。しかし何気に使えるな、この変身能力。

 

 ピッコロ達になれるって事は、変身した状態なら折戸にも気付かれない可能性が高い。俺の身体はクローン悟空だと思ってるだろうしな。

 

「あ、でも古井って偽物フリーザのヤツが言ってたんですが、向こうも超サイヤ人3になれるらしいんですよね」

 

「ああ、孫君の顔が怖くなるアレかぁ」

 

 そこでブルマは壱悟を見て言った。

 

「壱悟が居るじゃない!なんとかなるわよ、きっと!」

 

 不安だ、不安でしかない。というか、壱悟よ。コクリと頷いて拳を握らない。

 

 流石に2人がかりとはいえ、超サイヤ人で超サイヤ人3に挑んだら瞬殺されるって、間違いなく。

 

 超サイヤ人3になったから分かるが。

 

 体力の消費具合から言うと折戸のガス欠狙っても良いかもしれないが、うーん。

 

 前途多難だなぁ、とため息を吐いた。

 

「能力は同じだから俺たちの修行にもなるんだけどーー。もう少し、頑張ってみないか?」

 

 クリリンがなにかを話しているので、そちらを向くと栗林や天津達が早速、修行を受けていた。

 

「ぜ、全然違う〜!」

 

「み、見えないよ。動きが」

 

「今の、まったく分からなかった」

 

 尻もちついて肩で息してるよ、ヤツら。軽いスパーリングだと思うが? 破壊神のネコに比べたら。

 

「紅朗さん、呆れた顔して俺たちを見てるけど。天津飯さん達に勝てんの?」

 

「え?そ、それはーー!!」

 

 天津くん、たしかに私は呆れた顔をしていたように見えたかもしれない。しかし、それは誤解だ。私はーー。

 

 言い訳を考えて並べていた俺に容赦なく武道家達が構えてくる。

 

「そうだな。よし、紅朗!お前の力を見せてもらうぞ!」

 

「それじゃ、クリリンと天津飯は見ておいてくれ。紅朗、俺と組手だ」

 

「侮るなよ、ヤムチャ。紅朗はビルス様を相手にアレだけ戦ったんだからな」

 

 亀仙流の道着を着た長い黒髪の色男ーーヤムチャか。

 

 ブルマさんと話していたから見てなかったが、飲伏が尻もちついてて、ヤムチャさんは無傷だから。

 

 やられるかもしれない、割とガチで。

 

「こちらは素人なんで、加減してくださいね?」

 

「とか言って、俺に勝つつもりなんだろ?遠慮は要らないぜ、荒野の狼牙。とくと見せてやる!!」

 

 なんで、やる気満々なんだよ!?ヤムチャさん、アンタそんなキャラじゃないよね!?

 

「行くぜ、はぃいいっ!!」

 

 一瞬で目の前に現れたヤムチャは、腕が霞んで見える超スピードで貫手を連続で仕掛けてくる。

 

 嘘だろ、クローン悟空の目でも霞んで見えるのかよ!?

 

「と、た、わわっ!?」

 

 見てガードする余裕なんかない。肘と肘をぶつけ合わせて、右拳を返すも紙一重で首をひねってかわされた。

 

 ヤムチャに反撃した俺のことを飲伏くんが目を輝かせて見ている。

 

「すげぇ。流石、紅朗さん!」

 

 クローン悟空の身体が反応するままに腕を動かして三発は防いだが、顎に放たれた拳を腹に軌道修正して叩き込まれ、息を吐きながら前のめりになったところを左右のフックで首を回されて後退りし、辛うじて倒れるのは防いだが膝が揺れていた。

 

「中々、大したもんだな。目で追わなきゃもっと鋭く動けるぞ」

 

 今のは、完璧に打ち負けた。ヤムチャが肩を回しながら茫然としている俺に言ってくる。

 

 俺が目を見開いてると、クリリンと天津飯がセコンドのように俺の後ろに立った。

 

「紅朗、目が良いのも長所だけど。相手の気を感じて行動しないと、目に見えるものだけにとらわれちまうぞ」

 

「…まずは、じっくりと心を落ち着けろ。相手の動きをよく観察するんだ。もう一度、やってみろ」

 

 的確な二人のアドバイスだが、気持ちを落ち着けるだけで見えたり感じたりできるんだろうか?

 

 いやいや、此処は疑う前にやってみよう。

 

「悟空に地球を任されてたが、今の動きに驚いてビビってるようじゃ。この地球は守れないぜ?その道着も宝の持ち腐れになるかもな?」

 

 ヤムチャの言葉に、俺は見開いていた目をゆっくりと彼の顔に向けて見つめる。

 

 彼はニヤリと笑っている。

 

「らしい顔になって来たじゃないか。そうだよ、紅朗。悟空の代わりをするんなら、そんな顔をしてくれよ!」

 

 野生の狼のような咆哮と笑みに背筋が震える。拳に力が入る。胸が熱くなる。

 

 そうだ。悟空から貰った道着を汚すわけにはいかない。悟空の顔で弱音を吐くなんざ、許されない。

 

 気合いが入る俺の全身を明るい金色のオーラが包み込んだ。肌の色が死人から活気ある超人へと変わる。

 

 これにヤムチャの笑みが鋭くなる。

 

「ーー超サイヤ人、か。クローンみたいな見せかけだけじゃないよな?」

 

 身体から力が湧き出てくる。

 

 この身体が出せる本来の実力か。破壊神ビルスを相手にした時は、差があり過ぎて分からなかったが、ヤムチャならどうだ?

 

「遠慮は要らないぜ、来い!!」

 

「なら、行くぞ!!」

 

 一気に目の前まで踏み込むーー。ヤムチャは笑いながら拳を構えてる。敢えて迎え撃ったな、この野郎!

 

 右拳を交差するように繰り出し、互いの左手でつかみ止める。

 

「超サイヤ人は、フリーザも恐れた伝説の戦士だって事を思い出させてやる!!」

 

「あいにく、超サイヤ人でも素人に負けるような牙を俺は持ってないぜ!?」

 

 金色のオーラと白色のオーラを纏い、俺たちはカプセルコーポレーションの広大な敷地を、狭いとばかりに飛び回る。

 

 鋭い貫手を放ってくるヤムチャの拳は、本当に牙のようだ。ガードしても肉が削がれて血が流れる。

 

 蹴りも鋭い槍のようだ。

 

 俺よりも手足が長い分、ヤツの懐に踏み込まないとまともに殴り合えない。

 

 このラッシュ力は、とてもじゃないが足下がお留守だなんて言ってられない。それぐらい手数もスピードもキレも半端じゃない。

 

 これが、地球の戦士。ヤムチャの実力か。

 

 ハッキリ言う。殴り合いでは絶対に勝てない。技術が違う、スピードが違う、手数が違う。

 

 おまけに殴り合いの経験も違う。向こうは、俺の動きに対応して致命打となる拳を何発も急所にカウンターで叩き込んでくる。

 

 鮮やかで見惚れちまうくらいだ。

 

 なるほど、こりゃ反則だ。

 

 だが空気を読めない俺の身体は、クリーンヒットしてるのに仰け反りすらしない。

 

 ヤムチャの鋭い貫手やラッシュの数々を、俺はクローン悟空の反応に任せても防ぎ切れてない。まともに貰ってるのに、それを冷静に見れる。

 

 ヤムチャには、こちらの攻撃は当たっていない。紙一重で捌いたり、当たってもガードの上だ。なのにヤムチャの顔には余裕がない。

 

 何回か拳と蹴りを交換してから、俺はバックステップして距離を取り、ヤムチャを見つめる。

 

「……ヤムチャ、さん」

 

 彼は肩で息をしていた。身体は、俺の攻撃に当たっていないのにボロボロだ。

 

 こんな、理不尽な話があるか?

 

 素人の俺が、クローン悟空の身体だからって。超サイヤ人だからって。

 

 こんなに研鑽して努力してる人間を簡単に超えてる。そんなことが、許されんのかよ…!?

 

「紅朗、お前は確かに良いヤツだな。ビルス様のワガママもあったが。悟空が、お前に託すのも分かるぜ」

 

 真剣な表情で、汗で髪が顔に張り付いてる。それでも、それでもヤムチャの口許には笑みがあった。

 

 目には力があった、この人は俺なんかに負けていい男じゃないのにーー!!

 

 拳が震えて真っ直ぐに彼を見れない。そんな俺に、ヤムチャは言った。

 

「紅朗。お前がいいヤツだって分かった上で言わせてくれ。ーー俺を、ヤムチャ様を舐めんなよ」

 

 その言葉の力強さに、俺は目を向けるしかなかった。

 

 目の前には、傷を負いながらも強い意志を黒目に宿した男がいる。

 

 天津飯の声が、俺の背中に浴びせられた。

 

「紅朗。武道家にとって、勝負の最中に情けをかけられることほど屈辱はない。忘れるな、悟空は確かに甘い。だがそれは生き死にを賭けた時だけだ。武道家としての大会ならヤツは、手を緩める事を侮辱だと思うだろう」

 

「難しいよな。武道をしたことないのに、いきなり武道家の気持ちを分かれってのはさ。でもな、それが今のお前なんだ」

 

 クリリンの言葉に前を向く。ヤムチャが、ゆっくりと俺に向かって右手を上げて下ろし、左手を下から上げて顔の前で手首を上下にあわせる。

 

「さあ、決着だ。紅朗!!」

 

 ヤムチャの腰に置いた両手からは、一つの強烈な青い光の塊が生まれている。

 

「……でもよ。俺はーー」

 

「構えろよ、紅朗。この先、お前の前に居るのは俺みたいな弱っちいヤツじゃない。追い詰められたら地球を丸ごと破壊しちまうような悪党達なんだからよ」

 

 肩で息をしてる。彼の練り上げた光は、俺には効かないってーー見ただけで分かっちまう。

 

 避けるまでもなく、撃ち返すまでもなく、かき消すまでもない。

 

 今の俺には、まったく効かない。

 

「…相手が弱っていようが、自分より弱かろうが。情けをかけて自分がヤバイ状況にはなるな。お前なら、分かるよな。油断大敵って言うだろ?俺が、言ってるんだからよ」

 

 ああ、分かるさ。サイバイマンの時か、歴代の天下一武道会のことかは分からないが。

 

 アンタは、そうだよな。油断さえしなけりゃって、何度もそう思ったよ。でも、アンタは言い訳をしないんだよな。

 

 足の骨を折られても、クリリンを庇ってサイバイマンに殺されても、アンタは誰かのせいには絶対にしない。

 

「ーー分かったよ、ヤムチャさん」

 

 この人の気持ちに応えるなら、この技しかない。

 

 気を練りながら両手を広げた後、前に。手首を上下に合わせて腰をひねりながら、右腰に両手を置いて構える。

 

 力の塊が青い光を放ちながら生まれ、ヤムチャさんは嬉しそうに笑った。

 

「「かぁ……!めぇ……!はぁ……!めぇ……!!」」

 

 俺たちは、同時に相手に向けて両手を突き出した。

 

「「波ぁああああっ!!!」」

 

 二つの青い光は、俺たちの真ん中でぶつかる。ヤムチャさんの放った光は、俺の光よりもふた回りは小さい。

 

 だけど、俺の光は形を変えてグニャリと凹むのに、ヤムチャさんの光は形をまったく変えずに俺の光にのめり込んでいく。

 

「気の大きさは超サイヤ人に敵わないが、練度なら負けないぜーー!!」

 

「…っ!アンタ、本当にすげぇよ。素直に尊敬する。だからさーー!!」

 

 気を練るーー。それは昨日、今日で出来ない。この硬い気を打ち破るには、圧倒的な質量しかない。

 

 イメージしろ、細い鉄の棒を曲げるほどに強大な質量の塊を。

 

「俺の全力を、アンタで試す!!」

 

 自分が放っている光を見る。イメージしろ、一気に爆発させるんだ。

 

 口を大きく開けて、俺は叫んだ。

 

「フルパワァアアア、だぁあああ!!!」

 

 俺の放った光は、一気に爆発して倍近くまで太くなり動かなかったヤムチャの光を押し返していく。

 

「ぐ、気の量が違うと、こうまで差が出る、かぁ!!」

 

 ヤムチャの光が破壊されて飛び散り、一気に俺の光はヤムチャに迫る。

 

 ヤバイ、力を込めすぎたーーヤムチャに当たる!!

 

「気功砲ーーっ!!」

 

 傍らから、強烈な咆哮と共に金色の光が俺のかめはめ波の側面に当たって、狙いが逸れ青い空を撃ち抜いて行った。

 

「ぜ、全力のかめはめ波を、アッサリと!?」

 

 目を見開く俺に天津飯はニッと笑いかけてきた。

 

「気の練度が高ければ、威力が劣っていても撃ち抜く角度で進行方向を変えるくらいできる」

 

「凄いじゃないか、紅朗! 凄い気の量だったぞ!!」

 

 クリリンの笑顔に、なんとか返事をしながら立っているのがやっとのヤムチャに手を差し伸べる。

 

「だ、大丈夫ーーですか?」

 

「あ、…ああ。派手にやってくれたな、まったく」

 

 肩を貸してくれ、と言いながら出された腕を掴む。確かに、俺は勝った。

 

 でも、こんなものは勝利とは言えない。

 

 悟空の身体だから、超サイヤ人だから、勝っただけ。技術が、経験が、練度が、何一つ足りてない。

 

 ビルスと戦った時より、俺は敗北感を感じていたが。それ以上に、嬉しくあった。

 

 地球の戦士達は。

 

 Z戦士は、強いんだ!!!

 

 天津飯とヤムチャの実力に、悔しさと敗北感もあるけれど。それでも、憧れていた想いは間違いじゃない。

 

 優しくて強い、英雄なんだと改めて実感できる。

 

 茫然と俺を見てる天津や飲伏、栗林に向かって俺は笑いかけた。

 

「どうだ、お前ら。ヤムチャや天津飯ーーZ戦士はネタキャラなんかじゃないだろ?」

 

 俺の言葉に、3人は力強く凛と輝く赤い目で頷いてきた。

 




次回こそは、21号と転生者の話になりまする。

お楽しみに(´ー`* ))))

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