ドラゴンボールFZ 真・超サイヤ人   作:カンナム

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ボスラッシュが終わったと思いました?

残念、これからでした( *´艸`)


第19話 悟空、イメチェンした?

 

 

 セル達との闘いを終えて、西の都を出た俺は、クリリン達や天津達、ブルマと別れて16号と2人一組のペアを組んで行動することになった。

 

「ムン!」

 

 安全に街道を進む為にも、俺は超サイヤ人に変身した。

 

「…そういや不思議だよなぁ。一回、超サイヤ人になったらアッサリなれるようになるなんて」

 

「身体は孫悟空のデータを基に作られているからな。なり方さえ分かれば簡単だろう」

 

 今、俺が成ってる超サイヤ人はセルゲームで悟空が覚醒した第4段階。超サイヤ人を自然体のまま、使える。

 

 殆ど意識してない状態での変身だが、肌の色が透き通るような血色の良いものに変わるから自分でも一目瞭然だ。

 

 とりあえず超サイヤ人の状態なら素人の俺でも、それなりに戦えるだろう。

 

 なぁんて思っていた矢先だ。前方より三体のクローン戦士がゾンビウォークして来た。

 

 全員、身長も俺と同じくらいーーって、黒に近い灰色の道着に赤いインナーと帯。燻んだ逆立った金髪に赤い目ーークローン悟空が三体かよ。

 

「クローンって、何処にでも湧いて来やがるんだなぁ。レッドリボン軍め」

 

「ーーーー」

 

「別に、アンタを責めてる訳じゃないって。悪かった、気にすんなよ」

 

 黙って唇を噛む16号を見て、思わず手を横に振って言ってしまった。

 

 やり辛いーー。そもそも、21号ってヤツはクローンをこんな大量に作り出して何をするつもりなんだ?

 

 16号に聞いても、当分の食料の確保だとしか教えてもらってないってこったが。

 

 どんだけ食うんだよ、あの細い身体で。

 

 いや、普通に食うかもな。悟空やベジータの細胞があるのなら、だが。

 

「…紅朗、来るぞ!」

 

「オーケー!」

 

 クローンは、とりあえずクローン仲間以外の目の前に立ったヤツを攻撃するようにプログラムされてるらしい。

 

 作戦もクソも無いな。

 

 しかし、俺もクローンのはずなんだが。

 

「…21号はプログラムで作り上げた精神をクローンに入れて操っている。お前はプログラムの精神がないしバイタルエナジーを登録されてないから、敵と認識されてるんだ」

 

「よく分からんが、殴りに来るなら殴り倒すだけだ!」

 

 もう、いちいちいちいち考えんのは、辞めだ!面倒くさいし。向こうは、そんな葛藤もねぇ。躊躇なく殴りに来やがるからな。気を遣ってんのが、アホらしくなる!!

 

「おら、来いや!!」

 

 俺の声に反応するようにクローンが3体、同時に突っ込んで来やがった。

 

 不思議だが、随分と今の俺は落ち着いてる。自分に対して左手側から来る奴が一番速い。

 

 真ん中が最後で、右側が2番目か。

 

 俺は左から来る奴の右ストレートを拳の外側を掌で弾いて狙いを逸らし、ガラ空きの腹に膝を叩き込む。

 

 動きの止まったヤツを盾にして、右側から来る奴の更に右ーー死角に入り、さっきまで俺の居た空間に拳を突き出して空振るマヌケの左頬を右ストレートで打ち抜く。

 

 最後の一人に向かって二人目を右ストレートで吹き飛ばし、拳を突き出して来た3人目の盾にする。

 

 邪魔そうに左腕で払おうとする3人目だが、脚が止まってる。踏み込むには充分の隙、ガラ空きの顎に拳を叩きつけて吹き飛ばした。

 

 同時に倒れる3人のクローンを見て、俺はハッと目を見開く。

 

 アレ?今の動き、俺は認識できてたぞ?

 

 それどころか俺は今、狙って動いてた。

 

 コレは、ダメだな。ダメな感覚だ。

 

 自分の想像どおりに身体が動くーーこの感覚は、万能感が出て来る。

 

 なるほど。10代の子どもが、こんな感覚を味わったら天狗になんのも当たり前、か。

 

「紅朗ーー。今の動きは孫悟空のーー」

 

「分からん。なんで、いきなり悟空の動きが出来るようになってんのかも。それが当たり前にできると知ってんのかもーーな」

 

 俺の頭は混乱するはずだった。確かに身体の動く感覚に身を委ねれば悟空の動きは出来た。ビルスに組み手をしてもらった時に、それは確認してる。

 

 でもーーこんな、やった事のない動きを自分の組み立てたとおりに動くなんて。

 

 今までなら、そんなことが出来る自分に混乱するはずだった。でも、してない。

 

 まるでーー自分だけど自分じゃない感覚だ。

 

 セルと戦った時に、俺の様子がおかしかったらしいが。もしかして、それが影響してるのか?

 

 分からない。分からないが、今の俺はタガが緩んでる。

 

 随分と昔に締め切っていたタガが。

 

 人を殴ることへの迷いが、傷付けることへの躊躇いが、緩んでる。

 

 代わりに来るのは、どす黒い喜びだ。

 

 自分を傷付ける(俺にケンカを売る)ヤツは皆、返り討ちにしてやる。そんな腐った根性が、息吹き始めてる。

 

 白目を剥いてる3体のクローン悟空を見て、掌に埋め込まれた緑の球を突き出す。

 

「ついでに16号、知ってたら教えてくれ」

 

 突き出した右手の球が緑色の光を放って3体のクローンに当たり、当たったクローンは身体が消えて緑色の球になると地面に転がる。

 

「この能力は、なんなんだ?」

 

 転がった球は光になって、俺の掌の球に吸収された。壱悟やクローンベジータ達の時と同じだな。

 

「その能力ーー。そういえば、お前は壱悟という孫悟空のクローンをその球から出していたな。その球はおそらく、クローンを作る際に開発されたコアだろうが、そのような力があったとはーー」

 

「…天津達も知らなかったよな。古井や折戸が知ってたら使わない訳ねえし」

 

「やはり、紅朗が特別なのだろう」

 

 誰だか知らんが、そういう特別なのは要りませんって言ってやりたいね。俺が右手の球を見ると、数字が浮かんでいた。

 

「?なんだ、この数字?えっと「4」て書いてるな?」

 

 16号が掌の球を覗き込んで来た後、ジッと俺を見た。

 

「紅朗、壱悟を出せるか?」

 

「へ?そりゃ出せるが、なんでだ?」

 

「見た方が早いだろう」

 

 言われて、取り敢えず右手を前に突き出し壱悟を心の中で呼ぶ。

 

 よし、来い!相棒!!

 

 セルやビルスやらのおかげか知らんが、俺の中で壱悟は単なるクローンじゃない。なんつうか、一緒に闘う半身とか相棒って位置に来てる。

 

「ーー!」

 

 俺の言葉に応えるように、壱悟が超サイヤ人になった状態で俺の前に立っていた。

 

「おお!道着も同じで超サイヤ人だから一瞬、本物の悟空に見えたよ!!いや、超サイヤ人の悟空ってカッコいいよなぁ!!」

 

 そう考えると、見た目は自分も超サイヤ人孫悟空なんだけど。鏡を一々確認してるのは、ちょっとダサイしな。

 

 なぁんて言ってる場合じゃねぇ!?

 

 壱悟さんってば、いつの間にか超サイヤ人になっちゃってるよ?

 

 透き通るような肌の色に明るい金髪、綺麗な翡翠の瞳。おいおいおいおいおい! 君が超サイヤ人になったら俺、要らない子じゃないですか!?

 

 驚愕に目を見開く俺に、何故か壱悟は首を横に振る。

 

ーーぬ?今の首振りは、そんなことないよってこと?心が読めるのか?壱悟?

 

 今度は別の意味で目を見開く俺に、壱悟は首を縦に振った。

 

 通じちまってるよ、なんてこったい。

 

「ーーで、16号。壱悟を呼んだけど、何かあるのか?」

 

「数字を確認してみると良い」

 

 数字?ああ、掌の球のことか。

 

 どれどれ、と見てみると数字が「3」に変わってやがる。コイツはーーもしかして?

 

「そうだ、紅朗。お前が吸収した孫悟空タイプのクローンの数だ。おそらく、壱悟を含めた4体まで生み出せると言う意味だろう」

 

「!ま、マジか。早速、悟空からもらった道着と変身装置。ブルマさんから貰ったメモに従って名前を付けないといかんな」

 

 道着の帯からメモとカプセルを取り出す俺。左手首に巻いた通信機を兼ねた腕時計の脇にあるボタンを押すだけでクローンの道着は悟空から貰った山吹色の道着にチェンジする。グレートサイヤマンの変身スーツの応用だ。

 

 クローンベジータ達への変身は切り札にして、クローン悟空なら16号と行動を共にしても違和感はない。潜入もしやすくなるって理由から元々あったクローンカラーの道着とプレゼントされた山吹色の「紅」マークの道着を状況に応じて使いまわすつもりだ。

 

 鼻歌交じりで準備をする俺に16号は何かを言いたげにジッと見てくる。

 

 何だよ、自分の所有物には名前を付けないとダメだろう。そんな俺の疑問に応えるように16号は告げて来た。

 

「紅朗。この先に後6体同タイプのクローンが、まだ居るぞ」

 

 マジかよ。ったく悟空タイプのクローンだけ、ずいぶんと集まって来てるみたいだな。

 

「さらに言えば、戦闘中のようだ」

 

「なんだと!? 一般人に手を出してるのか!?」

 

 シャレにならんぞ、一般人に被害が出るなんぞ!!

 

 思わず構えた俺は、壱悟に目配せした後に街道の先へと急いだ。

 

ーーーー

 

 俺たちが駆け込んだ先には、6体のクローン悟空に囲まれた一人の男が居た。

 

 左右非対称に跳ねた独特な髪型の黒髪。黒い長袖のインナーシャツの上に灰色の道着。下は黒い道着のズボンに白いブーツを履き、赤い帯を腰で巻いている。

 

 左の耳にポタラによく似た深緑色のイヤリングをしている。

 

「ーーいかに紛い物とは言え、俺と同じ孫悟空を名乗るならば。もう少し、強くあってもらいたいものだ」

 

 男の顔も声も、間違いない。

 

 悟空ーー孫悟空だ。

 

 だけど、雰囲気が違うし目つきも違う。話し方もーー。アレか、バーダックやターレスと同じ、悟空のそっくりさんか? いや待て、今ーー孫悟空って名乗らなかった?

 

「孫悟空で間違いないようだがーー」

 

 16号まで困惑気味だ。そらそうだ、さっきビルスに連れて行かれた悟空とは明らかに違う。着ている道着も亀仙流のデザインとは違う。

 

 クローン悟空は、一斉に黒い道着の悟空に襲い掛かる。

 

 黒い道着を着た悟空の眼が一瞬、銀色に輝いたーーと思ったら、一瞬で6体のクローンは倒されている。

 

「ーーえ?」

 

 思わず俺は、そんな声を上げてしまっていた。

 

 今、何が起こった?

 

 俺の知ってる悟空も、とんでもない強さだけど。コイツーー!!

 

 目を見開いて動きを止めている俺に向かって、黒い道着の悟空はふりかえって来た。

 

「ーーほう?山吹色の道着を着た紛い物、か。しかし超サイヤ人孫悟空ではあるようだ」

 

「て、テメェーー誰だ? バーダックじゃないよな?」

 

 左頬に傷もないし、形見のバンダナもない。違うはずだが、悟空とは違う。

 

「俺は孫悟空ーー」

 

「ふざけんな! 孫悟空は、テメェのような冷たい目をした男じゃない!!」

 

「ほう? だが、それは貴様にも言えることではないのか? 紛い物の躰をもった人間よ」

 

 俺は一言も孫悟空を名乗ってないだろうが!

 

 そう言い返してやろうと思ったが、男はつづけた。

 

「そうだな。俺の名は、悟空。ゴクウブラック」

 

「ーー何?」

 

「我が躰は、本物の孫悟空の肉体。我が魂は唯一神ザマスのモノ。我こそは、罪深き人間を裁く正義の執行者と告げておこうか?」

 

 や、やべぇ。言ってる意味が、ほとんど分からん!!

 

 なんだ、この頭のイカれてる野郎は?

 

 おまけに、あの強さはおかしいだろう!?

 

 黒髪状態の悟空も凄かったけど、こいつの底知れなさは、本当に悟空と同じくらいかもしれない。

 

 その時、倒れていたクローン悟空達の躰から緑色の光が溢れていき、コアだけになると脈絡もなく俺の右手に取り込まれていった。

 

 その様子をジッと見た後、ゴクウブラックとか言う奴は俺に向かって冷酷な笑みを浮かべた。

 

「ーーそうか、貴様が世界の平和を乱す異界人か。手間が省けたぞ」

 

 言うと同時、紫色と漆黒のオーラを身体から噴き出して笑っている。

 

 こ、これはーーヤバイかもしれない。超サイヤ人のオーラを身に纏いながら、俺は構える。

 

「壱悟、16号! 来るぞ!!」

 

 俺たちに向かってゴクウブラックは構えた。

 

「平和な世界を荒らす愚かな人間よーー。貴様は、此処で死ぬがいい!!」

 

 





次回も、お楽しみに( *´艸`)

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