ドラゴンボールFZ 真・超サイヤ人   作:カンナム

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さ、いよいよ殴り込みです。

楽しんでください〜(´ー`* ))))

注意事項

今回、紅朗がやたらめったらネタを連発します。

ご了承くださいm(_ _)m




第23話 悟空、真の一撃って何?

 

 目の前に迫るのは、青黒い光を全身から放つクローンフリーザーー古井とクローンセルーー瀬留間のコンビだ。

 

 二人ともおかしな笑顔を浮かべたまま、俺に殴りかかって来た。

 

「遊ぼうぜ、おじさぁあん!!」

 

「アンタの悲鳴を聞かせてよぉ!!」

 

 コイツは、やべぇ。マジでドン引きするくらい、こえぇ。

 

 どうしよう、人生経験半分のガキんちょにビビってるよ、俺。

 

 古井の左拳を右腕でガードした。物凄い威力に超サイヤ人の俺の腕が痺れる。

 

「!? うっそだろ!?」

 

 いやいや、この野郎。黒髪のブラックより攻撃力高いぞ!?

 

 目を見開く俺に、瀬留間が右ストレートを打ってくる。咄嗟に拳を下にかいくぐってから右ストレートをカウンターで左頬に当てて首を吹き飛ばしてから、バックステップして距離を取る俺だが。

 

 躱されて行き場のない瀬留間の右拳が大地に突き刺さって割れて起こる。

 

「ーーマジかよ」

 

 その威力に俺は目が点になる。これはヤバい。話が通じないのもそうだが、イキ切ってる。見れば瀬留間の拳は、紫色の血を流している。

 

 自分が放ったパンチの威力に拳が耐えられてない。俺からのカウンターのダメージもあって左の口端から血を流している。

 

 なのに、あの野郎は意に介さずにニヤリと笑っている。

 

「あっは、強いねぇ! 俺たちのパンチが躱されちゃってるよ!!」

 

「さすが、オッサン!! ブチ殺し甲斐があるぜぇ!!」

 

 俺に笑いかけてくる強敵となった二人組に、舌打ちしながら俺はザマスを見る。

 

「聞いていいか? これ、明らかに命がヤバいだろ?」

 

「そのようだ。どちらかと言えば洗脳と言うよりも呪いと言った方が良さそうだな。自分の生命力を戦闘力に変えている」

 

 生命力を戦闘力に変える? なんだそれ? ドラゴンボールにそんな話はないぞ。

 

「それがマジなら、バビディよりもヤバいじゃねぇか。アイツの魔術も身体に良くはないだろうがーー」

 

「ああ。潜在能力を全て引き出すバビディの洗脳とは勝手が違う。バビディの魔術で寿命が縮むとするならば身体に無理をさせるが故の副産物だろう。しかし其奴らのは、生命力そのものを使っている。そのままでは確実に1日保たないだろうな」

 

 瞳を鋭く細めてザマスは呟く。

 

「限界以上に己の力を引き出すーー真・超サイヤ人の能力に似せているようだな」

 

 真剣な目でザマスは古井と瀬留間を見つめると続けた。

 

「本物の真・超サイヤ人よりも戦闘力や気の向上は低く無限の上昇ではないが、凄まじいパワーアップだ。ただし代償は真・超サイヤ人よりも大きくーー取り返しのつかないもののようだがな」

 

「真・超サイヤ人よりもって、あの問答無用でエネルギー切れになる状態よりヤバいのか?」

 

「ああ。精神力ではなく生命力を使っているからな。真・超サイヤ人なら気絶か、体力と精神力の著しい消費で済むが。そいつらの場合、力を使い切った時が死ぬ時だ」

 

 その言葉に思わずゾッとする。

 

 そう言えば、コイツ等の異常なまでのハイテンションは真・超サイヤ人に似てるかもしれない。

 

 ダメージを受けてもアドレナリンが出まくって痛みを感じてないってわけか?

 

「力を使い切らせれば、タイムオーバーで自滅しよう。まともに相手にする必要もない」

 

 淡々とした言葉で告げるザマスに16号が悲し気に奴らを見ている。

 

「21号は、リンクした者を犠牲にするようになったのか。…紅朗、助けてやれないか?」

 

 正直に言って、16号よりザマスの意見に賛成したいところだがーー。

 

 俺は拳を握ってザマスに問いかけた。

 

「なぁ、アイツらを気絶させれば死なずに済むのか?」

 

「…理屈ではな。だが、簡単には行かぬぞ」

 

「オーケー。その、理屈で充分だ」

 

 んなもん、あのパワーとタフネスを見れば分かるわい。だが、俺よりも人生半分しか生きてない連中が訳も分からずにラリって死ぬのは、寝覚めが悪いんだよ。

 

 気合いと共に金色のオーラが俺を包み込み、戦闘力が一気に身体に満ち溢れてくる。

 

「よし! やるか!!」

 

 目の前に迫る古井、右拳を顔に向けて放ってくるのをジッと見据えて当たる寸前で左に首を傾けて躱しながら右ストレートをヤツの顔に放つ。

 

 まともに鼻っ柱に突き刺さり、俺は目を見開いて吠えた。

 

「うぉらぁああああ!!」

 

 そのまま地面に向けて叩きつける。

 

 目の前でバウンドして背を向ける古井に左の廻し蹴りを叩き込み、後方へ吹き飛ばして両脚で地面を蹴り右拳を振りかぶる。

 

 黄金の龍が、俺の拳に宿っていた。

 

「くらぇ! 龍拳ぇえええんっ!!」

 

 矢のように走る俺の身体は黄金の龍となって無防備に吹き飛ばされる古井に襲い掛かる。

 

 龍の顎がガッチリと古井の身体を捉えて爆発した。

 

 光が晴れて着地する俺と頭から地面に叩きつけられる古井。

 

 半端な真似はできないからな、悪いが加減無しで叩き潰してやったぜ。そのまま、もう一人ーー瀬留間に目を向けようとして。

 

「紅朗! まだだ!!」

 

 16号の言葉に古井に目を向けなおす。

 

 すると、ヤツは何事もないようにゾンビのようなーーのっとりとした動きで立ち上がって来た。

 

「ウヒャヒャ! 凄いやぁ、おじさん!! 本物のクズロットみたいだねぇ!!! クズロット、クズロットーーぁあ、このクソニートがぁああ!!!」

 

 嘘だろ、龍拳をまともに喰らって、ダメージを感じてないのか?

 

 俺の心の声に応えるように古井はニィッと笑いかけてくる。

 

 ザマスが冷静な声で俺に言ってきた。

 

「無駄だ、紅朗。肉体にいくらダメージを与えても、ヤツ等は立ち上がって来る」

 

「じゃあ、どうすりゃいいんだよ?」

 

 問いかける俺にザマスは淡々と返してきた。

 

「単純だ。意識を断てば良い」

 

「龍拳が効かなくなるまでラリったヤツに、どうしろってんだよ!?」

 

 思わず問いかける俺にザマスは俺の横に静かに立った。

 

「よく見ておけ。特別に"真の一撃"を披露してやろう」

 

 真剣な表情のザマスは銀色の目で古井を睨みつける。

 

 だが、古井や瀬留間の目は俺を見ている。どうやら、野郎どもの狙いは俺、らしい。

 

「クソニィイイイトのクズロットがぁあ! 偉そうに僕を見下してんじゃねぇよ!!!」

 

「あああ、殺す殺す殺す殺す殺すぅうあああ!!!」

 

 再び気を高めてパワーとスピードが上がる古井と瀬留間のうち、古井が特効のように真っ直ぐに仕掛けてきた。

 

 ザマスが俺の前に立って右手刀を構える。その手には青紫色の気を纏っている。

 

「受けよーー!」

 

 振りかぶって拳を放ってくる古井ーー。その拳の先端に向かって、ザマスは右手刀を貫手で放った。

 

「我がーー刃!!」

 

 俺の目には、ザマスの手刀から放たれた気が古井の放った拳ごと腕を真っ二つにしながら胸を突き抜け、心臓を縦に切り裂いたように見えた。

 

「お、おい!?」

 

 思わず叫ぶ俺を無視してザマスは拳を放った姿勢で動きが止まった古井から貫手を引いて一歩、離れる。

 

 瞬間、古井は糸の切れた人形のように前のめりに倒れていった。

 

「なーー!?」

 

 あの全身から放たれていたおかしな光は消え、通常の肌が黒に近い灰色のフリーザに戻る古井。

 

 思わず息を確かめた俺だが、古井は眠るように正常に呼吸している。

 

「これが、肉体でなく精神や概念と言った形なきものを打ち抜くーー心の力を宿した拳。孫悟空達は、これを"真の一撃"と呼んでいる」

 

 真の一撃ーー。なんだか知らんが、凄そうだな。

 

 だが折角披露してもらってなんだが生憎、俺には打てんのだーー。

 

「貴様も放てーー。手本は見せた、相手も居る。心の力を拳に乗せ、打ち抜くのだ」

 

 迫る瀬留間を見て淡々とザマスは言う。古井に比べたら瀬留間の戦闘力は大したことない。セルゲームのセルよりかはパワーアップしてるんだろうが神(ゴッド)の域に力を引き出せる超サイヤ人なら、問題なく倒せる。

 

 こないだやり合ったオリジナルのセルと比べるなんて論外だ。

 

「真の一撃ーー、見せてやるぜ!!」

 

 長い右脚で回し蹴りを顔目掛けて放って来る瀬留間を左手で止め、踏み込みながら右ストレートで顔を打ち抜く。

 

 決まったーー!

 

 後方へ吹き飛ぶ瀬留間を満足して見つめ、まるで悟空のようだ、よしキメ顔しとこうとニヤリと笑う。

 

「どこが、真の一撃だ?」

 

 ザマスのダメ出しが響くと同時、吹っ飛ばされた瀬留間が立ち上がって来る。ゾンビのような動作でーー。

 

 もうね、怖いから。

 

 本当の本当に怖いから。戦闘力なんか問題じゃないくらい不気味すぎて怖いって。

 

「教えて、ザマス様! 真の一撃って、どうすれば良いんだい!?」

 

「さっき見せたとおりだ。やってみよ」

 

 え、何?感覚派?あなた理論派じゃないの?

 

 驚愕する俺の翡翠の目には、手を貸そうとするも他のクローン達に襲われている16号と。余裕そうにぶっ飛ばしてるが手を貸す気はサラサラ無いザマスが映った。

 

「テメェ、ザマス! やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじーーって有名な言葉を知らんのか!? やってみせーーしか出来てないだろうが!?」

 

「知らん。そもそも、手本は見せた。原理は教えた。出来んのは貴様が原因だ」

 

「ああ!?手本たぁて、一瞬じゃねえか!?しかも、訳分からん禅問答みたいなセリフ吐きやがって!!何が心の力を拳に乗せるーーだ?んな説明で出来たら、苦労せんわい!!」

 

「なら、其奴が死ぬまで一方的に殴り、蹴りつくせば良いだろう?」

 

「オール・オア・ナッシング!?」

 

 この駄神、さっき以上の説明をする気は無いんかい!

 

 思わず胸のうちでツッコミながら構える。

 

「ウヒャヒャ!!」

 

 テメェ、楽しそうだなぁ。俺も思考を放棄して笑ってたいよ、ホントに。

 

「時に紅朗。貴様が真の一撃を使う、使わんは自由だが」

 

「自由じゃねえよ、出来ねぇんだよ!!」

 

「ーーそうなると場にいる転生者どもを皆殺しにせねばならなくなるぞ」

 

 え、どゆことやねん?

 

 思わず周りを見渡すと、何ということでしょう。

 

 瀬留間と同じ額に「X」を付けて全身を青白く発光させていらっしゃる方々が、見渡す限り居るではありませんか。

 

 劇的ビフォーアフター。

 

「なんじゃ、こりゃああ!!?」

 

 悲鳴をあげる俺を無視して、ザマスが次々と並み居る目を発光させた方々を倒して行ってる。アンタ、だからその拳の打ち方をですね?

 

「紅朗、ザマスと同じ一撃を使えるのか?」

 

「使えたら苦労してないわい!!さっきから、俺が手を抜いていると言いたいのか、16号!!」

 

「…だがザマスが、お前は使えると言っていた」

 

 なんの根拠もないのに断言してんじゃねえよ、アホ神がぁあ!!

 

 その時だ、俺と対峙する瀬留間が突然、自分の胸を掻き毟り始めた。

 

「ーーぁ、ああ!? 苦しい……! 痛い……!!」

 

「お、おい、大丈夫か!?」

 

「ク、ククク。クビャヒャヒャヒャ! 苦しい〜よ〜。オッサンの心臓を抉り出して食べちゃえば、この苦しみは無くなるかなぁ。クビャヒャヒャヒャ!!」

 

 あかん。完全に理性があかん。

 

 なんて、現実逃避してる場合じゃない。

 

 パワーが、とんでも無いくらいに跳ね上がってる。だけど、感じる。コイツーー確実に死ぬって。

 

 気は上がってるが、生命力っていうのか。命の火が確実に消えかかってる。

 

「ちくしょう、助けてやりたいが。真の一撃なんて、どうしろってんだ!?」

 

「紅朗、孫悟空なら使えるのでは無いのか?」

 

「分かんねぇ。見たことないよ、悟空が使うのは。イメージできたら、やれるかもしれないが。今の俺じゃ」

 

 イメージできてないんだよ、さっきから。

 

 ザマスに見せられたから素直にソレをイメージして使おうとしたけど、駄目だ。

 

 イメージが完全じゃない。

 

 悟空の姿をイメージする。これは長年の経験があるから簡単に見えるし、クローン悟空だから動きも再現できる。

 

 詰まるところ、この便利な身体もイメージ出来なきゃ久住史朗の時と大差ないってことらしい。

 

「紅朗よ、貴様は私(ブラック)を相手に心の力を振るっている。その感覚も忘れたか?」

 

 ザマスの言葉に俺の身体が反応する。

 

 目の前に迫る瀬留間に向かい、左手を顔の前に右拳を腰に置いて中腰に構える。

 

 見えるーー。奴の急所がはっきりと。まるで鍼灸のツボのように点が浮かび上がる。

 

 同時に頭に浮かび上がる。

 

 拳に意思を乗せ、打ち抜くイメージ。

 

 拳が瀬留間の眉間に当たってなお、ヤツの遥か後方を打ち抜くイメージ。

 

 ヤツの身体の中に見えるーー靄を打ち抜く。

 

「コイツか? これがーー!」

 

 理屈を抜け、感覚を研ぎ澄ませろ。正に考えるな、感じろーーだ。

 

 時が止まったような感覚の中で、拳だけが硬く握られている。

 

 瀬留間の命を喰らい続ける靄を睨みつける。ムカつく。

 

 なんだ、このムカつく存在は。消してやる。

 

「自分は他人の身体の中に居て安全だって、ほくそ笑んでるのか? マジで殺すぞ、テメェ!!」

 

 怒りが俺の拳に乗り、打ち抜く。そうか、コレか。

 

 瀬留間の眉間を打ち抜いた拳から、確かに見える。亡霊みたいな靄が、体から悲鳴をあげて消えるのが。

 

 同時に瀬留間の身体から禍々しい光が消えて、黒みがかったセルに戻り倒れた。

 

 間一髪だった気がする。もう少し遅かったら、死んでいたかも。

 

 拳に纏う感触を確かめて、俺はザマスを見た。

 

「随分とかかったな? まあ、それぐらい苦しめても悪くあるまい」

 

「打ち方を知らないもので。だけど何とか分かったよ。コレは確かに理屈じゃないーー!」

 

 白目を剥いて、自分が出来たことに複雑な心境の俺。

 

 いやぁ、我ながら引くわ。

 

「紅朗。打ち方が分かったのなら、此処に集っている操られた転生者達をーー」

 

「オーケー。片っ端から殴り倒す!!」

 

 16号に答えながら、拳を握り締める。

 

「覚悟しやがれ、クソガキどもがぁ!!」

 

 一気に群がってくる青く身体が光る連中を千切っては殴り、千切っては殴り。

 

「ひと〜つ積んでは、父のため〜! ふた〜つ積んでは、母のため〜!!」

 

 なんかもう、殴り過ぎて悟りの境地に達してきた。

 

 間も無く100を迎えようとしているところで、ようやく転生者とクローン達を根こそぎ叩き伏せられた。

 

 な、長かった。

 

「ふ。また、つまらんものを殴り倒してしまった」

 

「先程から思っていたが、中々の口上だな。人間にしては悪くないセンスだぞ、紅朗」

 

「ーーえ?ア、ドウモ」

 

 さっきからテキトーに羅列してるセリフ、どれも昔聞いたものばかりなんすわ〜。

 

「やはりただ闘うだけでは芸がない。他者を惹きつける口上有りきだ。孫悟空や孫悟飯、トランクスには其処が足りん」

 

「え?悟空とトランクスはともかく、悟飯さんは。グレートなサイヤな人になれるっしょ?」

 

「…それは、この世界の孫悟飯の話だ。悪を裁く口上と名乗りはともかく、あの美的センスのかけらもないポーズは有りえん」

 

 ザマスさん、ポージング以外は認めてるんすね。

 

 グレートなサイヤな人を。

 

 セルゲームからのグレートなサイヤな人という、あのジェットコースター並みの落差を味わった当時の少年(俺)たちの思いは、きっと伝わらないんだろうな。

 

 などと遠い目をしていると、倒れていたクローン達が緑色の光になって俺の右手の球に吸収されていった。

 

「その能力ーー。不思議な力だな」

 

「神さまでも分かんねーなら、この球の正体は誰に聞けば良いのやらーー」

 

 トホホ、とため息を漏らす俺の前の扉が開かれた。

 

 中から出てきたのは、白衣を着た長い茶髪の美女。

 

 冷たい視線が眼鏡の奥から覗いてる。

 

「ようこそ、私の研究施設へ。歓迎するわね」

 

「あら、歓迎されてんのかい。テッキリ折戸のカスに俺が施設を破壊して反乱しようとした首謀者だって聞かされたんじゃないかと焦ったぜ」

 

 皮肉たっぷりに笑いかけてくる21号へ返してやる。

 

「聞いてるけれど、無理があるでしょ?修二と違って貴方は目覚めて間もない時期だった。貴方、単独での反乱なら可能性はあるけど。周囲の転生者たちにまで根回しできるとは思わない。つまり、貴方は嵌められたってすぐに分かったわ」

 

 淡々と笑いながら説明してくださる21号に、口許が引きつく。この女、まんまと騙された俺を嘲笑ってやがる。

 

 俺の表情を見て、更に21号は嬉しげに笑う。

 

「それに、16号のはじめてのお友達だもの。歓迎しなくちゃいけないわ。徹底的にーーね」

 

 瞬間、赤い光が21号の足下から吹き出て変わる。

 

 髪はピンクがかった白、肌はピンク色となり、尖った耳やフリーザのような長い尻尾が生えている。

 

 衣装は黒いチューブブラに白いズボン姿で、全体的にその風貌は魔人ブウを連想させる。

 

 何より悪ブウを彷彿とさせる赤い虹彩と黒の瞳孔が開いた瞳に、本来なら白いはずの強膜が黒の不気味な目。

 

「連想ーーっつうか魔人ブウにしか見えん!?ってか、何なんだ、アラビアンナイトの踊り子のような、このエロい衣装は!?」

 

 叫ぶ俺を楽しそうに見て21号は笑いかけてくる。

 

「あらあら、そんなにお目めを開いてどうしたの?」

 

 獲物を弄ぶ猫のような印象を受ける。コイツはやべぇ。非常に恐ろしい女だ。俺が、一番苦手なタイプだ。

 

「何を押されている、紅朗」

 

「い、いや。俺、このタイプの女は。そもそも、女は苦手なんだよ。どうすりゃいいんだよ、女は殴れんぞ」

 

 明らかにタチが悪いのは分かるし、感じる力から強いのだろう。が、しかし。

 

 女は殴れん。

 

 昔から、女だきゃあ苦手なんだよ、俺。

 

「クス、貴方ーー。修二よりも可愛いわね。イジメ甲斐がありそうだわ」

 

「この性悪女ーー!女が苦手な男に、なんてセリフ吐きやがる。トラウマになんぞ」

 

 ゆっくりと歩いて距離を詰めてくる21号に、構えながら後ずさる。

 

 コイツが魔人ブウなら、間違いない。折戸の野郎が言ってたが、お菓子光線にだきゃあ気をつけねば。

 

 対象を菓子に変えるって、姿を見て納得した。

 

 ああ、見た目って大事だな。

 

「安心しなさいな。簡単にはお菓子に変えないから。まずは狩りを楽しませてちょうだい?」

 

「狩りだと? いいぜ。狩るのは俺で、狩られるのはお前だ!!」

 

 し、しまった〜!!

 

 つ、つい使えるセリフが浮かんで来ちゃって叫んじゃった〜!!

 

「フフ。その強がりが何処まで保つのか、楽しませてちょうだいね!」

 

 ちくしょ〜、なんで、こうなるんだぁあ!?

 

 俺の葛藤なんぞ知らずに、21号は残虐に笑みを浮かべて構え、殴りかかってきた。

 

 そんな俺の前に巨大な背中が割り込む。

 

「ーー16号!?」

 

 21号の両肩を抑えるようにして、16号が止めてくれていた。

 

「なんのつもり? 16号」

 

「21号。もう、こんな事はやめるんだ」

 

 真っ直ぐな目で、16号はそう言った。

 

 

 





次回も、お楽しみに(´ー`* ))))
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