ドラゴンボールFZ 真・超サイヤ人   作:カンナム

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と、言うわけで。続きです〜(´ー`* ))))

待ってくださった奇特な方々、たのしんでください(´ー`* ))))



第25話 悟空、敵は一枚岩じゃないらしいぜ

 

 荒野に燃え上がる黄金の炎。

 

 圧倒的な重圧と殺気を瞳孔が現れた冷徹な翡翠眼から放ち、黄金に燃える髪を天に向かって逆立てている。

 

「見せてもらおうかしら? 真の超サイヤ人っていうのを」

 

 左胸に「紅」の文字を付けた山吹色の道着の超サイヤ人ーー孫悟空と瓜二つの姿をした男はジッと桃色の肌をした女の魔人を睨みつける。

 

「紅朗ーー。まるで、感情が消えたかのようだ」

 

 

 16号が思わず呟くほどに今の紅朗からは冷徹な殺気以外の感情が無い。まるで別人ーー血と殺戮と闘争を好む超サイヤ人そのものに変わってしまったかのように見える。

 

 そんな杞憂を吹き飛ばすかのように、紅朗が16号を向いた。

 

「待ってろ。お前の大事な人、絶対に取り返してやるーー!」

 

 その声は、間違いなく紅朗だ。

 

 これほどの殺気に包まれながら、紅朗は自分を見失っていない。

 

 紅朗が16号に顔を向けたのを隙と見たか、21号が目の前に踏み込む。

 

「なーんてバカな子なの? 自分から隙を見せてくれるーーなんて!!」

 

 強烈な右ストレートが紅朗の顔に放たれるも、轟音と衝撃が収まる頃には右掌で掴み止められている。

 

「なーー!?」

 

「相手の不意を狙って、そんなもんかよ?」

 

「ーー舐めないでよね。楽には死なせないわよ!」

 

 すぐさま返しの左ストレートを放つ21号だが、紅朗は掴んでいた右拳を離し、紙一重で目の前に迫る拳を右腕で脇にいなして躱しながら彼女の放った左腕の外側を滑るように移動する。

 

「調子にーー乗るな!!」

 

 冷徹な黒の瞳孔が現れた翡翠眼に向かい、21号はヒステリックに叫びながら拳と蹴りを放つも、紅朗は紙一重で捌いていく。

 

「紅朗ーー、いつの間に真の超サイヤ人をそこまで使いこなしてーー?」

 

 驚く16号とは対照的に最後の転生者クローンを切り伏せたザマスが鋭く目を細めながら16号の隣に並び立ってきた。

 

「ーーなるほど。全開で飛ばさなければ勝てないと判断したか。勝負勘は、あるようだな」 

 

 その言葉に16号がザマスを振り返る。

 

「知らなかったのか? 今の紅朗にとって、あの力は持て余すもの。使えば一気に気力と体力を消費する。あんなペースでは勝っても負けても、精魂尽き果てて動けなくなるであろう」

 

「ーー紅朗、何故そこまでして21号を助けようと?」

 

「お前のため、だろう?」

 

 目を見開く16号にザマスがシレッとした表情で応える。

 

 その言葉に更に困惑している16号へザマスは告げた。

 

「お前が、そんな顔をする意味が分からないのだが?」

 

「ーー俺は、紅朗に恨まれていると思っていた。勝手に紅朗の魂をこの世界に呼んで、クローンの身体に乗り移らせたこと。こんなトラブルに巻き込んだ上に21号を助けてくれと頼める道理など、俺には」

 

 16号の脳裏には怒りに身を震わせた紅朗の顔がある。

 

 はじめて紅朗が目覚めた時、彼はこれ以上ないほどに憤慨していた。その反応が当たり前だと16号は思っていた。

 

 リンクシステムの影響か、他の転生者達は波動の影響で凶暴化させられて夢のようだとはしゃぐ中、彼だけはまともな精神を保っていたのだ。

 

「だが助けてほしいと、あの単純な男にお前が言ったのであろう?」

 

 冷たい声でザマスは16号を見て告げる。

 

「ーーならば、ヤツは守るだろう。己が決めた事は意地でもやり遂げる、アレはそんな単純で頑固で向こう見ずな男だ」

 

「ーーーー紅朗」

 

 21号の凄まじい連撃を、紅朗は避ける。避ける、避ける、避ける。

 

 一切打ち込まない紅朗だが、これだけ攻めても当たらない事実に21号が牙を剥き始めた。

 

「イライラするわね。夜に耳元で騒ぐ蚊のよう」

 

「フン、俺みたいな蚊とんぼ一匹落とせずに悟空達の居る地球を狙うとは。身の程を知れよ、世間知らずの箱入り娘」

 

「ーーちょっと強くなったからって、いい気にならないでよね!!」

 

 赤と黒の気を放出し、炎のように激しいオーラを纏う21号に紅朗の眼も細まる。

 

「どう? コレが私のフルパワーってワケ」

 

 上機嫌な21号に紅朗は低い声で冷たく笑みを浮かべて告げた。

 

「ーーあくびが出るぜ」

 

「言ったわねーー!?」

 

 素早いダッシュからの踏み込み、強烈な右ストレートを放つ21号。

 

 だが。右拳は紅朗の眼前で止まるーー手首が紅朗の右掌に掴み止められている。

 

(バカな、私の全力の動きを見切ってる!?)

 

「勘違いすんなよ、21号。戦闘力をいくら抑えようが上げようが、テメェの癖までは変わらない。踏み込みから必ず顔面狙って右ストレート打ち込んで来る」

 

「ーーな!?」

 

「加えて、単純なテメェのことだ。挑発されたらムキになって、俺をねじ伏せようとする。大方、同じ攻撃を繰り返したのも、フルパワーとそうでない時の違いを出してビビらそうってんだろ?」

 

 癖、起動、加えてタイミングを覚えたなら、後はスピードとパワーに対応できるか否か。

 

「ーーアンタ…っ!?」

 

「終わりだ、21号。テメェは確かにズル賢い女だが、ケンカの経験は俺の方が上みたいだな!!」

 

 誇れるこっちゃないが、とだけ胸のうちで呟いて右掌にある緑色の球体から莫大なエネルギーを21号の体内に流し込む。

 

「なーー!?」

 

「聞こえてるか、本来の21号。目ぇ、覚ませ!! 16号をこれ以上、泣かせんな!!」

 

 振り解こうとする21号だが、全く右掌は離れない。

 

(フルパワーの私が振りほどけない? コイツ!?)

 

 目線が同じ位置にある紅朗の眼を睨み付け、21号は叫んだ。

 

「無駄な事をしないで、さっさと諦めなさい!!」

 

「ーー勝手に、無駄って決め付けんなよ」

 

 体内に流されている黄金のエナジーを感じるも、害はないと確信した21号は余裕を少し取り戻して目を訝しげに見開く。

 

「無駄だと言ってるでしょ? 私の中にはもう、アイツはいないのよ?」

 

 ニヤリと笑う21号に対し、冷徹な表情のまま紅朗は告げる。

 

「テメェも、21号だろうが」

 

「ーー?」

 

「捕食衝動だか何だか知らねえが、んなもんに振り回されて情けなくねえのかよ?」

 

 眉根を上げ、更に困惑した表情の21号に紅朗の眼が怒りに見開かれていく。

 

「分かってねぇのか、テメェ。真・超サイヤ人の眼から見たら、テメェはその捕食衝動に最終的には食われて消えんだよ。今、考えてる頭も感じる心も綺麗に無くなって、ただ破壊したり捕食したりを繰り返すだけの傍迷惑極まりない存在になるんだ!!」

 

 瞳孔が現れた翡翠眼に映る自分を見て、21号は目を見開いていた。

 

 禍々しい紫色の肌に、おぞましい斑点が浮き出た醜悪な姿の自分が、自分を見て笑っているのを。

 

「ーーまさか」

 

 リンクシステムーー。紅朗の右掌から21号は見える。

 

 紅朗が見ている理性を無くしていく自分が。

 

 狂った化け物と化して、世界を喰らい出し何も分からずに孫悟空に倒される自分が見える。

 

(コレーー、古井とか言ってたヤツの記憶から見た3つの私の結末じゃ、ない? なんなのよ、コレーー?)

 

 自分には3つの未来があった。

 

 孫悟空に負ける未来、フリーザに負ける未来。

 

 その一つに本来の人格と別れた今の自分がある。

 

 だが、どの未来でも16号は21号に破壊され、21号は倒される。

 

 ならば今、紅朗から送られてくる醜悪なイメージは、なんだ?

 

(捕食衝動が生み出した人格の私を、捕食衝動そのものが食らうと言うの? そんな、バカな!?)

 

 そう考え否定するも、同時に納得している。

 

 自分の捕食衝動は、本来の人格と別れ、古井や瀬留間を喰らい、吐き出してから強烈に高まっている。

 

 クローンを何体か食わねばならなくなる程に、だ。

 

 それも、ほとんど意識のない状態だった。味も覚えていない。

 

(なぜ、忘れてる? そんな事があったことも、覚えてないなんてーー!?)

 

 食事をした、という事実にしか興味が無かったが。自分の身になにがあった?

 

 彼女の記憶の中に、浮かび上がってくるのは赤い目をした孫悟空のクローンの肉体を使いこなす男。

 

 その男の奥に居るのは、自分と同じ姿をした誰か。

 

「ーー修二の仕業だと言うの?」

 

 目を見開く彼女の視界が一気に闇に包まれる。

 

 そこは漆黒の闇ーー下を見れば足元には水面が浮かんでいる。

 

「ようやく目が覚めたの? トロイわねぇ」

 

 その言葉に目を見開き、奥を見れば自分と似て非なる何かが佇んでいる。

 

「ーーな? アイツじゃない?」

 

「そうよ? アンタとアタシは同じ存在。だけど、ちょっぴりアンタよりアタシは食いしん坊ってだけ」

 

 自分と同じ目の色をしているが、更に肌色は浅黒く紫に変わり、漆黒の斑点が浮かび上がっている。

 

 その笑みは更に禍々しく凶暴である。

 

「まさか、アンタがアタシを食べようってわけ?」

 

「フフフ、まさか。アンタもアタシも同じ存在なのよ? わざわざ紅朗って奴が力を流し込んできたから別れているだけよ」

 

「……そう。アンタがアタシの捕食衝動の塊ってわけ」

 

「そうよ? これが無かったらアンタは強くなれないってわけ」

 

 禍々しい笑みは口許だけを緩める邪悪な気配。

 

 それは、人のモノではない。

 

「手を組まない? アタシ達が二人居るなら、誰も止められないわよ」

 

 21号は自分の内にあった禍々しい己の鏡に問いかける。だが、鏡に写った虚像は首を横に振って笑った。

 

「それは、面白そうだけれど遠慮しておくわ」

 

「あら、どうして?」

 

「だって、アンタもアタシでしょ? 獲物を横取りされちゃ堪らないわ」

 

 そう言ったあと、彼女は笑う。

 

「ねぇ、アンタ。アタシはあの紅朗って男を飼い殺す予定なんだけど、邪魔はしないわよね?」

 

「ーーなんですって?」

 

「気付いてないの? あっきれた鈍さね。ホントに同じアタシ?」

 

 目を見開く21号の横で高笑う彼女。

 

 彼女は続けた。

 

「アイツは食わない方がアタシの力になるのよ。サイヤの波動って言ったかしら? アタシを具現化させられるほどの強大な力、食べちゃったらそこでお終いだからね」

 

「……その力ならアンタも抑えられるってわけ?」

 

「止めた方がいいわ。だって、アタシは目覚めちゃったから。それにーー今は折戸修二を叩き潰すことを最優先にしない?」

 

 その言葉に21号の口許にも邪悪な笑みが浮かんでくる。

 

「やはり、この事態を招いたのはアイツなのね?」

 

「そうよ? アタシとアンタとアイツを分けたのも、あの折戸とフューってヤツの仕業。悪趣味な人形を作るためのーーね」

 

 その言葉に21号の眼にも浮かんでくる。

 

 白衣を着た変身前の自分と同じ姿をした存在が。折戸修二の傍らに立っているのを。

 

「ーー折戸修二。アイツは、いったい何なのかしらね? どうしてアタシ達の記憶が奪われているの?」

 

「フューと修二が、いつ、どのタイミングで手を組んだのか、が鍵かも知れないわ」

 

 それは自分達がリンクシステムを使ってクローンを稼働させた時のことを言っているのか?と目で問いかけると彼女も頷き返してきた。

 

「私たちがクローンを放って地球に居る戦士達を無力化した時に、既に修二はフューと手を組んでいた」

 

「リンクシステムを使うことを知っていたのはアタシだけよね?」

 

「ええ。異世界の連中である修二と古井は知っていたけれどね。でも、あの時点では誰も呼んでいない。そもそもリンクシステムは次元を超えて機能があるとも思えない」

 

 その言葉にフューを二人は思い浮かべる。

 

 彼は次元を渡り歩く能力があるという、精神だけをこちらの世界に持ってこれるのは彼だけだろう。

 

 では何故彼は、そんなことをしたのか?

 

「ーー考えても分からないことが多いわね?」

 

「そうね。でも、少しは退屈しのぎになると思わない? 何より、捕食以外で自分の力を永遠に上げることが出来るかもしれないんだもの。研究する価値は充分だわ」

 

「……それもそうね。紅朗ーーか」

 

 ニヤリと笑う彼女に21号も頷く。

 

 強力なエナジーが自分と彼女を満たしていく。これならば、分離も容易いだろう。

 

「じゃあ、そろそろ始めましょうか?」

 

「そうね。手っ取り早く片付けちゃいましょう。さっさと修二とフューを叩き潰さなくちゃね」

 

 二人は同時に気を高めていく。

 

 赤と黒の炎のようなオーラを纏う21号と紫と黒の炎のようなオーラを纏う彼女。

 

「「ハァアアアア!!」」

 

 一気に気を臨界点まで高めて吹き飛ばしていく。

 

 彼女たちの目に映るのは泣いている少年。

 

 夕焼けの日に告げられた言葉。

 

 そして無数の気絶して倒れている少年たちの向こうを歩く黒詰の学生服を着た人物。

 

「ーー何、これ?」

 

「リンクシステムの影響かしらね。あの紅朗ってヤツの記憶? つまらないわね」

 

「ホント、下らない。英雄になりたい、だなんてーーねぇ」

 

 失笑する二人の21号は、そのまま垂れ流される光景を暇つぶしに見ながら力を解放していった。

 

ーーーー

 

 モニターの光を受けて怪しげに微笑む青年を前に両手足を縛られた桃色の肌をした魔人の女性は透明な涙を流していた。

 

「? どうしたの?」

 

「ーー今の映像は?」

 

 その言葉にフューは笑みを浮かべた。

 

「ああ、どうやらまだ君と彼女たちの間には繋がりがあるみたいだね。君が見たその映像は多分、紅朗君のものだよ。彼の過去の記憶がエネルギーを通して見えたのかもね」 

 

 それだけではない、と本来の21号は思う。

 

 この胸を突き刺すような哀しみと、喪失、憎しみ。

 

 色々な感情が彼女の心の中にある。そして、それを必死で押さえつけようとしている彼の心を。

 

 それを晒すことが”みっともない”と彼は言ってる。

 

 振り返りたくもない過去だと。

 

「ーーどうし、て。貴方はーー!」

 

 フューは涙を流す21号の手枷と足枷を外し、座り込む彼女の前にしゃがむと懐から錠剤の入った小さなケースを取り出した。

 

「これは、君の捕食衝動を研究して、ある程度抑えられるようにした薬だ。定期的に摂取しないと薬が切れて暴走するかもしれないけど。これを研究して君の捕食衝動を完全に克服することはできると思うよ。何なら、カプセルコーポレーションに持っていくといいと思う。君とブルマの頭脳があれば克服はできるだろうし、もしかしたら応用して色んな医学に役立てることも出来るかもしれない」

 

「……あなたは、何がしたいのですか? 私や16号や紅朗さん、折戸さんに、何をさせたいと?」

 

 その問いかけに意味があるかは分からないが、問わざるを得なかった。

 

 だが、フューは意外にも素直に応える。

 

「僕は見たいだけだよ。真・超サイヤ人の力と、それに目覚める可能性のある存在をね。もう一人の君が作り上げたクローン悟空が変身できたんだ、何かあると思ってる。そのためにも、紅朗くんは僕にとって大事な研究材料なんだよね」

 

「……!」

 

 目を吊り上げる21号にフューは困ったような顔をした後、笑顔になった。

 

「怒らせちゃってごめんね。でも、君が彼を助けてくれたら、彼はもっと先に行くと思うんだ。苦しい過去の記憶を乗り越えて孫悟空にも頼らずに前を向いて行けるようになれる。そうなった紅朗くんは、きっと折戸君にも必要な強さだから。今は助けてあげてね、お願い」

 

 それだけを告げると21号の前からフューは姿を幻のように消した。

 

「な!?」

 

「ーーじゃあね、21号。君は、幸せになるべきひとだよ」

 

 そんな声が響く中、21号は複雑な表情で消えた青年の声を聴いていた。

 

「! いけない。ボーっとしてる場合じゃない。16号達を助けないと!!」

 

 気を高め、オーラを纏う21号の前にクローンベジータとクローンナッパが現れた。

 

「あれ?なんで鎖が外されてんだ?」

 

「フューの奴、マジ使えねぇな。折戸さんに後で言っとこうぜ」

 

 彼らは意思を持ち、会話をしている。

 

 ニィっと口が裂けたような笑みと共に紅い瞳が輝き、黒のオーラに白いスパークが走る。

 

「まあ、いいや。取り敢えずボコればいーんだろ?」

 

「サイコー。この力、早く試したかったんだよ!!」

 

 強烈な気を纏う二人に、21号の表情が歪む。

 

「目を覚ましてください! 貴方達は、騙されているんです!! 折戸さんの言う事を聞いてはいけません!!」

 

 ニタァと笑う二人のクローンサイヤ人。話など聞くつもりはないようだ。

 

「ーーどうすれば」

 

 苦悶の表情になる21号の脇から、強烈な気弾が二人のクローン戦士に当てられた。

 

「!? 誰だ!!」

 

「なんだよ、残りカスの21号以外に、まだなんか居たのかよ!?」

 

 彼らが見つめる先には、研究所の扉を開けてゆっくりとこちらに手をかざす、二人の長身の異形がいた。

 

「貴様らの相手、私達がしてやろう」

 

「やれやれ、雑魚ばかりしかしいないのか?」

 

 完全体の人造人間セルに究極の魔人ブウである。

 

「な、なんだと!?」

 

 目を見開く転生者のクローンベジータに向かいセルが笑いかけた。

 

「貴様らに聞きたいのは一つだ。折戸とやらの出来損ないのクローンの背後に居るのは誰だ? 貴様らは、何故この世界に呼ばれた?」

 

「私も気になっていてね。お前達が纏う力は魔術ーー魔界の技だ。何故、お前らにそんな力があるのかーーな?」

 

 二人の異形は口元こそ笑みを浮かべているが、とても寒気のするような冷たい目をしていた。

 

ーーーー 

 

 16号が目を見開く。

 

 紅朗から膨大なエナジーが送り込まれ、21号の肉体を赤と黒の炎のようなオーラが纏うと同時に一気に気が爆発した。

 

「この膨大なエナジーは!?」

 

「真・超サイヤ人のエネルギーを取り込んだか。それにしても、ヤツは面白い真似をする。まさか自分で意識を分裂するとはな」

 

「なに?」

 

 桃色がかった白い髪を靡かせて桃色の肌をしたセクシーな魔人が笑う横で、同じ見た目だが肌の色が紫色に、髪の色が青みがかった白に変わった女魔人が立っている。

 

「ーーいつまで人の腕をつかんでるのかしら?」

 

 長い尾を鞭のように使って横薙ぎに一閃、咄嗟に手を離してガードする紅朗だが、威力に後方へ下げられる。

 

 距離を開けて二人の女魔人に対峙する紅朗は肩で息をし、全身に汗を掻きながら分裂した21号を見つめる。

 

「……どういうことだ? 捕食衝動に支配されかかってたんじゃないのか?」

 

「酷い言いぐさね。別にアタシは、衝動に意識を侵されていたわけじゃないわよ」

 

 これに浅黒い肌に禍々しい斑点を浮かべた方が応える。

 

 そして元の21号がニヤリと笑った。

 

「さあ、形勢有利ね。どうするのかしら?」

 

 ただでさえ女に手を上げられず防戦一方だった上に、エネルギーを分け与えて分裂させたが故。

 

 紅朗のスタミナは、とことんまで落ちていた。

 

 真・超サイヤ人を解除しなければならない程に。

 

 追い詰められる紅朗の左右に、人造人間16号と神ザマスが並び立った。

 

「! 16号、ザマス!?」

 

 目を見開く紅朗にザマスが応える。

 

「力を使い切るとは、マヌケめ。貴様は、指を咥えて見ているがいい」

 

 相変わらずカチンと来る言い方にイライラする紅朗の前で16号が構える。

 

「ーー紅朗、コレは俺の問題でもある。気持ちは有難いが横入りさせてもらうぞ」

 

 強い意思を秘めた瞳で人造人間16号ははじめて、二人の悪と化した21号に構えた。

 

 





次回も、お楽しみに(´ー`* ))))
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