ドラゴンボールFZ 真・超サイヤ人   作:カンナム

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ちょっと変えていくとか言ってましたが、ちょくちょく進めていきます( *´艸`)

よろしく~( *´艸`)



第26話 悟空、またコイツ等だ

 

 

 俺の前に、二人の男の背がある。

 

 片方は緑色の肌に白い髪を持つ神ーーザマス。

 

 もう一人は、緑色のジャケットを着たオレンジ色の髪をモヒカン風にした大柄な人造人間ーー16号。

 

「て、テメェらーー!」

 

 思わず呟く俺をザマスが一瞥した後で、隣に立つ16号を横目で見て言う。

 

「心意気は良いが、先程のクローン程度に手こずるお前の力では相手にならんぞ。どうするつもりだ?」

 

 これに16号は構えながら呟く。

 

「防御に徹すれば時間稼ぎくらい可能だ。お前でも21号二人を相手には苦戦するぞ」

 

「ーー愚かだな。神たる私が、人間如きに作り出された醜い化け物二匹に劣ると思うのか?」

 

 肩をすくめて呆れたように呟いて笑うザマス。

 

「ーーっ」

 

 自分を笑うザマスを無視して16号は二人の21号を睨みつけている。

 

 その真剣な態度に微かにザマスの目が細められ、21号に向けて構え直した。

 

「好きにするがいい。その代わり、私の足を引っ張ろうものなら遠慮なく斬り捨てるぞ?」

 

「ーーすまない」

 

 構える神様と人造人間を前に、浅黒い肌の全身に斑点が浮き出た21号が極悪な笑みを浮かべる。

 

「作戦タイムは、お終いかしら? じゃあ、ティータイムを始めましょう」

 

 桃色の肌をした21号が彼女の後に続く。

 

「16号、アタシに逆らうとどうなるか。分かってて、やってるのよね?」

 

 表情を消し、目にハッキリと怒りを表す21号。

 

「紅朗一人に任せてはいられない。21号、お前は俺が止める。お前の本当の心を、守ってみせる」

 

「ーーそんなにアイツが大事? ふ、フフフ、なんてバカな子なのかしら!?」

 

「…何と言われようと、俺はお前を止める。そして最後まで傍にいる。それが、お前との約束だ」

 

「私はアイツじゃない。そんな事も分からないガラクタに成り下がったのかしら?」

 

 会話を続けようとする二人に浅黒い肌の21号が前に出てきた。

 

「いい加減にしなさいよ。ベラベラと話したいだけなら引っ込んでくれない? 狩りの邪魔だわ」

 

「あら?ーー誰に向かって言ってるの、アンタ?」

 

 浅黒い方に桃色の方が睨みつけていく。

 

 こいつら、自分同士なのに連携するどころか、好き放題やってんぞ。

 

 どうすんだよ、こんな面倒くさい連中。

 

 全身から流れる滝のような汗と、全力疾走し切った後のような心拍数。荒い息で、会話もままならない。

 

 それでも不思議と、周りの連中が何をしているのかは見えており、思考もクリアになってる。

 

 身体が動かない上に、めちゃくちゃ疲れてるから口を動かすのも億劫で、声も出ないが。

 

 文字通り何もできねぇな。

 

「16号と言ったな。お前は、ロゼ色の方をやれ。私は、より醜悪な黒い方を受け持ってやろう」

 

「…いいのか?」

 

「話をしたいのだろう? ならば出来ない方に構っても時間の無駄だ。もっとも、話が出来たからと言って何が変わるとも思えんが」

 

「…やってみなければ、分からない」

 

「諦めの悪いことだな」

 

 それだけを告げるとザマスは右手刀を構えて青紫色の光の刃を生み出し、睨み合う二人の21号の間に一気に躍り出た。

 

 目を見開く桃色の方には目もくれず、こちらを見て笑みを浮かべている浅黒い方に向かって斬りつけた。

 

 甲高い金属音が鳴り響き、ザマスの刃と同じように21号は真紅の刃を右手刀を構えて生み出し、鍔迫り合いをしている。

 

「御大層な事を言ってたけど、大したことないわね。神様の刃って、この程度なの?」

 

「ーーフン。我が剣技について来れると思うな!!」

 

 同時に高速移動で消え、斬閃を繰り出し合う。

 

 相手の斬撃を捌き、払い、巻き上げて斬り返すザマス。

 

 超反応とスピードとパワーで力任せに斬りつける21号。

 

(なるほど。私の技に反応できるだけの力はある、か)

 

(ふぅん、面白いじゃない。アタシの動きに対応できるなんてーーねぇ)

 

 まったく互角の剣戟を空中と地上問わず繰り広げる奴等の下で、16号が桃色の肌の21号を睨みつけていた。

 

「21号!! もう、こんな事は止めるんだ!!」

 

 叫ぶ16号に対峙している21号は不快そうに顔を歪める。

 

「うるさいわね。アタシを裏切るつもりはないって言いたいわけ? なら、向き合う相手が違うでしょう?」

 

「いいや。俺が止めなければならないのは、お前だ」

 

 瞬間だった。

 

 21号はアッサリと16号の前に踏み込むと、手刀を作り赤色に光る刃を形成すると腹に突き刺した。

 

「16号っ!?」

 

 俺の声が張り裂けそうなほど場に大きく響いた。

 

 あの女、躊躇なく腹を貫きやがった。

 

 目を見開く16号に21号は笑いかけた。

 

「今更、アンタに何ができるっていうのかしら?」

 

 深く更に突き刺して、右に光刃を払う。16号の腹に巨大な穴ができ、横薙ぎに斬りつけられて脇腹まで引き裂かれた斬撃痕が生まれ、更に左腕までも斬り落とされた。

 

「あ、の! クソ野郎ぉおお!!!」

 

 膝を崩し、火花を散らす脇腹と左腕を抑えて止まる16号を見てブチ切れる。

 

 本来の人格がヤツの中に居ないなら、もう関係ねぇ!!

 

 ぶっ潰してやる!!!

 

 だが、俺の心に反して身体は全く動かない。

 

 なんでだよ、まだ動いてくれよ!!

 

 この身体は、まだ動けるはずだろうが!!!

 

 そんな俺を嘲笑う様に21号は16号をゆっくりと睨み下ろす。

 

「ーーねぇ、16号。アタシに逆らって、生きていられるなんて思ってないわよね?」

 

「21号ーー!」

 

 瞳を細める16号に、21号は笑みを浮かべながら光刃を頭上にかざした。

 

 あ、あの女。

 

 あのまま振り下ろして16号の首を落とす気か!?

 

 するとザマスと斬り合っている方の21号が叫んできた。

 

「ちょっと! そいつもお菓子にする予定なんだから、勝手に壊さないでくれる?」

 

 ザマスを斬り払いながら、距離を取り構える黒い方。

 

「何を言ってるのよ? 機械が元で出来てるコイツを食べたところでお腹なんか膨れないわよ」

 

 16号の前で光刃を掲げていた桃色の方が、剣を下ろして肩を竦める中、黒いのが言った。

 

「腹の足しっていうでしょ? とにかく壊すならケーキに変えて」

 

「………フン」

 

 そんな二人の21号を前にザマスが目を細めながら笑みを浮かべ、構える。

 

 意外だ。アイツなら、自分と戦ってるのに余裕ぶってる21号を睨みつけるくらいすると思ったが。

 

「この私を相手に、食事の心配をする余裕があるとは。どこまで持つか楽しみだ」

 

 どっちが悪役か分からん顔で笑いやがる、ザマスめ。

 

 ホントに界王神様なのかよ?

 

 そんな俺を置いて二人の悪の21号が告げた。

 

「ーー21号が複数居ると、流石に面倒かしらね」

 

「それもそうね。なら、名前を決めましょう?」

 

 黒い方がメントと名乗り、桃色の方がローフと名付けられた。

 

「ローフ、ね。さすがアタシ、悪くないわ。それならアイツは元の21号かしら?」

 

「アイツは、ディーベで良いでしょ?」

 

 悪意ある笑みを浮かべる二人の21号ーーメント、ローフに16号が目を見開く。

 

「ーー21号」

 

「今の話、聞いてた? アタシはローフって名乗る事にしたから」

 

 桃色の方の21号ーーローフはそう言うと右手の人差し指を伸ばして光を生み出す。

 

「と、言っても。すぐに居なくなるんだから、関係なかったわね」

 

 あの女、今度こそ本気で殺しにかかるつもりか。

 

 16号の気持ちがあるから、黙っていたが。やっぱ俺が出ないとダメか。

 

 理不尽なもんだよな。強大な戦闘力の前には、想いや覚悟なんか、まったく通じないんだから。

 

 クリリンさん達や16号を見るたびに思い知らされる。

 

 つくづくシビアな世界だと。

 

 まだ5分も休めてないが、仕方ない。やらなきゃ誰かがやられる、やられてたまるか。

 

 誰一人、やられる訳にはいかねぇ。

 

 笑う膝に喝を入れ、無理矢理立ち上がろうとする俺の右手がーー掌に埋め込まれたコアが、突如光り出した。

 

「ーーおいおい、いいタイミングだな。丁度、助けて欲しかったところだよ」

 

 俺のボヤキだか、愚痴に応えるように緑色の光は超サイヤ人孫悟空の姿へと変わる。

 

 左胸に「壱」のマークを描いた山吹色の道着を着た、金髪翠眼の男に。

 

「毎度、すまねえ。壱悟」

 

 俺の言葉に壱悟は静かに首を横に振って「気にするな」とジェスチャーしてから俺を背にして庇う。

 

「ーーソイツが自我の芽生えたクローン? 面白そうね」

 

 21号ーーローフは、動けない16号から目を壱悟に向け赤い眼を細めて笑う。

 

「ーー何が、面白い?」

 

 静かな声に思わず俺は壱悟を見つめた。

 

 悟空とそっくりな声は、静かで透き通るように冷たい。

 

「い、壱悟? お前……!」

 

「……」

 

 超サイヤ人孫悟空そのものの見た目をした俺の分身は、静かな翡翠の瞳で俺を見据えてきた。

 

「紅朗さま、この女は俺が倒します。よろしいですか?」

 

 その言葉は冷たく一切の感情が無い。

 

 向かい合う俺が思わず凍り付くほどに冷たい殺意だった。だが、飲まれるわけにはいかない。

 

 16号の為にも此処で壱悟に負けるわけには。

 

「壱悟、俺たちの話は聞いていたんだろ?」

 

「ーーええ。ですが、俺もブラックの言葉に賛成です。この女からは、悪の気しか感じられない」

 

「それでも、ソイツは16号のーー!!」

 

「ーーだから、苦しまずに葬ってやれば良いでしょう」

 

 その言葉に俺は目を見開くしかできない。

 

 氷のように冷たい殺意と声が、悟空やブラックとは全く違う種類の怖さがある。

 

「やめろ。お前はーー!!」

 

「ーー俺は、貴方が憧れる孫悟空という戦士ではない。俺は、あなたの影となるもの」

 

 その言葉に俺の心のどこかに、ひびが入るような音がする。

 

「あなたが出来ないのならば、俺が代わりを務める。紅朗さま、あなたに出来ないことなどない」

 

 呆然とする俺の前でローフが構えを取っている。

 

「言ってくれるじゃない? たかがアタシの非常食に過ぎないクローンの分際で」

 

「……たかが人造魔人が、何様だ?」

 

 冷笑を浮かべる壱悟に、俺は嫌なものを感じる。

 

 それは、その笑みは、俺がーーガキの頃に封じた殺意と悪意を込めた笑みそのものに、見えた。

 

 これにもう一人の21号・メントと鍔迫り合いをしたままザマスが横目で言ってきた。

 

「ほう? ただのクローンではないと思ったが、なるほど。紅朗、壱悟を止めるな」

 

「なんだと、ザマス?」

 

「少しは、貴様も見る目を養え。ソイツは、お前と違って自分自身から逃げ、現実から目を背ける程に弱くはない」

 

「……!」

 

 ハッキリと言い切られて、俺は何も言い返せない。

 

 怒りすら湧かずに、ザマスを見返すことしかできなかった。

 

「ーー黙れ、ブラック。俺の前で紅朗さまを侮辱することは許さん」

 

 瞬間、壱悟の冷たい殺意がザマスを向いていた。

 

「私は事実を言っただけだが?」

 

「……紅朗さまに足りぬモノがあるのなら、俺が補う。それだけだ」

 

「ほう? まぁ、精々がんばることだな。己の主の評価を落とさぬように」

 

「……愚問」

 

 それだけを告げると壱悟は一気に気を高めて爆発させた。

 

 同時にローフの踏み込みからの右ストレートに反応して下をかいくぐり、右拳を返している。

 

 両者の目つきが鋭くなり、一気に秒間100を越える打ち合いが始まる。

 

 その場での打ち合いはどちらも譲らず、高速移動合戦が始まった。

 

 防戦一方だった俺と違い、壱悟は21号相手に引けを取らない。

 

 そらそうか。アイツのセンスは、悟空そのものと言っていい。

 

 完全体のセルも相手にできたセンスの塊だ。

 

 21号--ローフだったか、がどれだけ強くても同じ土俵の上なら負けないだろう。

 

 ローフは自分の攻撃を捌きながら向かってくる壱悟の右拳を左腕で受け止め、表情をはっきりとゆがめた。

 

「少しはできるみたいね。でも、アタシを相手に大口を叩くには足りないかしら?」

 

「……のぼせ上がるのもいい加減にしろ。……下衆が!!」

 

「!!?」

 

 瞬間、黄金の炎が壱悟の足元から吹き上がり翡翠の瞳に黒い瞳孔が現れる。

 

 冷徹な殺意が更に極まる。

 

 絶対零度ーーそんな冷たい炎が、壱悟の瞳から溢れている。大地がめり込むほどに強烈な踏み込み。

 

「なーーんですって!?」

 

 拳を受け止めていたローフが、ガードの姿勢のまま遥か後方へ弾き飛ばされた。

 

(バカな、ダメージが再生できない!?)

 

 空中で驚愕の表情のまま歯を食いしばり、体勢を整えようとするもその背後を高速移動で壱悟が取っている。

 

「紅朗さまが本気で貴様を殺すつもりなら、勝負はとうに付いていた」

 

 拳を振りかぶる。俺には、それが酷くスローモーションに見えた。

 

「思い知れーー!!」

 

 黄金の炎を纏った拳を握りしめて、壱悟がローフの顔に向かって振り下ろした。

 

 横頬にまともに入り、そのまま地面に向かって落ちる。

 

(バカ、な? この、アタシがクローンなんかに?)

 

 二人が地面に接触する瞬間に拳に溜まっていた強大な炎が爆発し、地形を変えて衝撃波が生まれた。

 

 暴力的な力の権化に俺は何も言えない。そっくりだ、あの頃の俺に。自分が抑えつけた、あの力に。

 

「驚いたわ。出来損ないとは言え、ローフ(アタシ)を簡単に倒すなんてーーねぇ?」

 

 ザマスと対峙している方の21号ーーメントが笑みを浮かべながら倒れ伏したローフと拳を引き抜きながら立ち上がる真・超サイヤ人の壱悟を見ている。

 

 だが壱悟は自分に話しかけてくるメントを完全に無視してザマスを見つめる。

 

「……どうした、神さま? その程度の相手に何をてこずっている?」 

 

「フン。少し確認をしていただけだ」

 

「………確認?」

 

 訝しげに眉をひそめながら真から通常の超サイヤ人に戻る壱悟を前にザマスは淡々とした表情で応えた。

 

「分からなければ構わん。だが、確かに貴様の言うとおりだ。時間の無駄だった」

 

 それだけを告げるとザマスの瞳が銀色に輝き白銀のオーラを纏う。

 

 瞬間、鍔迫り合いをしていたメントの刃を巻き上げ、すれ違いざまに右手刀を袈裟懸けに放って斬り捨てる。

 

「ーーな!?」

 

「せっかく上がった力を二つに割いたことで、力が半減しているようだな? そんな程度で私の相手が務まると思っていたか?」

 

 動きが止まるメントを静かにザマスは見据えて告げる。

 

「やはり、お前達の中には本来の人格は残滓すら無い。となれば、誰かがこの場に来る前に抜き取ったーーか。そんなことが出来るのは、例の魔界の小僧しかいない」

 

 呟きながら前のめりに倒れ伏していくメントには見向きもしない。

 

 ザマスの野郎。ゴクウブラックにならなくても、こんなに強いのか!?

 

 一撃で二人の21号を倒した壱悟とザマスを呆然と俺は見ていた。

 

「ようやく目当ての相手の尻尾が見つかったようだ」

 

 ニヤリとザマスは笑っている。

 

 その眼は、真っ直ぐに研究所の扉を見ていた。

 

 左腕を破壊され、腹に大穴を空けられた16号が倒れ伏した二人の21号を見つめて目を細めている。

 

「おかしい、21号には強力な再生能力があるはず。何故?」

 

 一向に起き上がってこない二人の人造魔人に16号は不思議そうだった。

 

 そりゃそうだ、魔人ブウなら一瞬で回復して元通りになってる。実際、二人の21号も傷自体は完治している。

 

 だが、起き上がってこない。

 

 完全に意識を断たれている。

 

「ーー何でもありかよ。真の一撃ってのは」

 

 思わずつぶやく俺にザマスが顔を向けて来た。

 

「当然であろう。この拳は、ただひたすらに己を鍛え神の域に来た拳。絶対的な一撃とさえ言える」

 

「神の域ーーか」

 

 拳を握りしめて俺も頷く。

 

 確かに、俺の超サイヤ人も一気にゴッドを吸収できたレベルに引き上げられてる。それは、超サイヤ人2や3を一気に超えた域だ。

 

 とどのつまり、武術が神の域に来なければ真の一撃とやらは打てないってことか。

 

 とんでもない話だな。

 

 破壊神ビルスと組み手したのが、俺に良い刺激となり結果的に神の域に引き上げられたってわけか。

 

「とりあえず、ありがとうよ。壱悟、ザマス。テメェらのおかげで、なんとか21号を捕らえることができたみたいだ。な、16号」

 

「……ああ。すまなかった」

 

 16号は申し訳なさそうに頭を下げているが、考えてみれば俺って敵を増やして無駄に事態を悪化させただけで何も良いことしてない気がするんだが。

 

「……いえ。二人に分裂させたから、彼女の中に本来の人格が完全に抜け落ちていることが分かった。無駄ではありません」

 

 壱悟のフォローが目に染みる。

 

 そんな俺の内心なんぞお構いなしに、ザマスが告げて来た。

 

「それよりも、気付いているか? 来るぞ」

 

「え?」

 

 瞬間だった。物凄い衝撃と爆発が目の前で起こる。

 

 岩壁に出来た頑強な鉄の扉が紙のように吹き飛び、中から桃色の肌をした白髪の美女が飛び出て来た。

 

「な!? 21号!!」

 

 目を見開く俺の横で淡々とザマスが呟く。

 

「まだ居たか?」

 

 構える壱悟とザマスを16号が止めた。

 

「待ってくれ! アレは本来の人格の21号だ!!」

 

 その言葉に俺たちは動きを止めて改めて出て来た21号を見つめる。

 

 彼女の眼は強膜は白く瞳は黒い瞳孔が拓いた青だった。

 

「16号!!」

 

 彼女は16号を見るなり、一気にこちらに駆け着けて16号を抱き支える。

 

「ごめんね。アタシが弱かったから、こんな目に貴方を遭わせて」

 

「……気にするな。何があっても、俺はお前と共に居る。そう約束した」

 

 涙を流しながら必死に16号を支える21号に、微笑みを浮かべて16号は語っている。

 

 とりあえず、一件落着か?

 

「紅朗、何をボサっとしている?」

 

「……紅朗さま。お下がりください」

 

 ザマスが、壱悟がそう言ってくるので前を向き直ると。

 

 爆炎の向こうから二つの長身の影が見えて来た。

 

 奴らは、手に何かを持って引きずって現れる。

 

 それが人影だと気付いた時には、奴らは俺の前に再び現れた。

 

「ほう? 少し見ない間に見違えたぞ、紅朗」

 

「フン、まさかその女を倒せる程になっていたとは。セルがこだわるのも間違いではなかった、か?」

 

 気取った笑みを端正な顔に浮かべた二人の化け物。

 

 人造人間セルと究極魔人ブウ。

 

 またコイツらか。

 

 表情が引きつるのを感じる。しかも、そいつらの右手には、気を失ったベジータとナッパのクローンがいる。

 

「そ、そいつらは折戸の仲間か?」

 

「ああ。中身は貴様と同じ世界から来た身の程知らずの馬鹿どもだ。もっとも、コイツ等のおかげで折戸とやらのカラクリは分かったがな」

 

 セルが笑みを強めながら俺たちを見つめる。

 

 ブウがニヤリとザマスを見つめた。

 

「久しぶりだな。未来世界とやらで会って以来だ……! あの時は、決着を付けそこなった」

 

「フン、まだ生きていたか。薄汚い魔人風情が」

 

「お互いさまだろう? 世界を滅ぼした神よ」

 

 その言葉に俺はザマスとブウを交互に見てしまう。

 

 こいつら、知り合いなのか? 世界を滅ぼした神? ザマスは、世界を滅ぼしたのか?

 

「折戸とか言う転生者を追いかけるつもりだったが、気が変わった」

 

「そうだな。目の前の連中のほうが奴らよりも面白そうだ」

 

 楽し気に笑いながらセルとブウが神の域に至った炎のような形をした気を纏う。

 

 コイツは、再戦決定か。

 

「おい、21号。16号を頼んだぜ」

 

 俺がそう告げると、21号は俺たちを驚いた表情で見返してきた。

 

「ですが、紅朗さん達は?」

 

 決まってんだろ? 相手が女じゃないなら遠慮は要らない。

 

「上がった腕を教えてやんよ、セミ野郎!!」

 

「……あの時と同じように行くと思うなよ」

 

 俺と壱悟がセルに向かって叫ぶ中、ザマスは指輪を光らせて黒い道着を着たゴクウブラックに変身した。

 

「さて、神の裁きを始めるとしよう」

 

「フフ、楽しめそうだな」

 

 究極魔人ブウがブラックに向かい合う。どっちが悪役か分からん笑みを浮かべて笑い合う二人。

 

 もうね、コイツ等やべぇよ。

 

 だが、頼りになる。

 

「では、ゲームを始めようか? 敗北か死か、それだけの単純なルールのゲームをな」

 

 そう言うセルに向かって俺は超サイヤ人に変身しながら構えた。

 

 

 

 




次回も、お楽しみに( *´艸`)
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