トレーナーは後程スタッフ(ゴールドシップ)が美味しく頂きました。

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トレーナーとゴールドシップがベタベタにイチャイチャしながらラーメンを食べる話

 ゴールドシップは猛烈に腹が減っていた。

 どれぐらい空腹かと言うと、今自分が後ろからヘッドロックしているトレーナーが何か美味しい物体に見える程だ。

 

「なあ〜ゴルシちゃんお腹空いた〜」

「そうか」

 

 トレーナーは黙々と仕事をしていた。首に技をかけられて視界が90度近く曲がっているにも関わらずパソコンを打つ様は職人芸だ。

 

「トレーナー、耳食っていいか?」

「好きにしろ」

 

 トレーナーは黙々と仕事を続けた。

 

「本当に良いのか?」

「好きにしろ」

 

 トレーナーは黙々と仕事をしていたので、これらの返事は全て空返事である。しかしそんな事は暴君ゴールドシップに関係無い。

 

「いただきまーす」

「余り騷g……何を頂くって……?」

「あーむ」

「い゛っ゛て゛え゛!゛」

 

 思い切り耳を齧られたトレーナーは痛みの余り悶絶し床を転げ回ろうとするが、首に技をかけられている状態では自由に動けず、耳を齧られ舐められ舌を入れられ好き放題に弄ばれる他に出来る事はなかった。

 

「やめろ! 突然何するんだよ!」

「耳食べていいか? って聞いて良いよって言ったのはそっちじゃねえかよ!」

「はあ? 俺、そんな事許可したのか?」

「嘘だと思うならアタシの目を見ろよ」

 

 ようやく拘束を解かれたトレーナーは言われるがままにゴールドシップの目を見た。

 

「まあ、綺麗な色だと思うよ」

「キャッ♡ ……で、他には?」

「嘘つきの目にも見える」

「……よし、お前今からガンジーな」

 

 その瞳がギュウッと絞られたのを見てトレーナーは妙な胸騒ぎを覚えた。

 

「え? なに?」

「トレーナーはガンジーだから何をされても非暴力不服従運動で耐えなければいけない」  

「お、おい暴力は反対だぞ」

「あ? 暴力じゃねえよ。いや、暴力的か」

「何する気なんだ?」

「ゴルシちゃんとっておきの、お仕置き♡」

 

 お仕置きの後につけられたハートマークにトレーナーは命の危機を感じた。

 

「よし分かった、飯を食いに行こう。な?」

「じゃあ愛しのゴルシちゃんほっといてパソコンに浮気するのやめるか?」

「やめるやめる。だからお仕置きはやめて」

 

 今トレーナーの生殺与奪権はこの美人芦毛ウマ娘が握っている。実を言えば他の場所も握られているのだがそれは割愛する。

 

「よーし、じゃあラーメン屋へ出港ー!」

 

 ようやく全身からゴールドシップが離れてトレーナーは生きた心地が戻った。

 

→→→→→→→→→

 

 ゴールドシップに連れられて(傍から見れば大柄なウマ娘が成人男性を担いで運搬している様にしか見えない)ラーメン屋へとやって来たトレーナー(納品、や搬入という言葉が似合う)はメニューに目を通した。

 

「何食うんだ? ゴルシちゃん腹ペコだから何でも食べられるぜ!」

「俺は醤油ラーメンと餃子のセット」

「お? オメー、ニンニクが沢山入ったヤツが好きって前に言ってなかったか?」

 

 それは以前にトレーナー同士の会話を偶然(盗聴とも言う)聞いた時に知った情報だ。

 

「ん? いや、今日はいい」

「ふーん。じゃあアタシは炒飯と塩ラーメンとレバニラ炒めと……」

 

 嬉しそうにメニューの端から頼んでいく愛バの姿をトレーナーは人知れずニヤけながら見つめた。財布の中身が空になる事など考えてはいけない。ウマ娘と付き合う大前提だ。

 

「おい、なにジロジロ見てんだよ。もしかして、ゴルシちゃんに見惚れちゃったか?」

「そうだな」

「──へ!?」

 

 ゴールドシップから湯気が立ち昇るが料理の湯気と混じり合って見えなくなった。

 

「れ、レッドカード!」

「なんでだよ」

「ズリーぞ! 反則だからな!」

 

 トレーナーは理不尽だなと思いつつも、顔を紅くする恋人が可愛いので水を飲んでそのニヤケを誤魔化した。

 

「ほ、ほらラーメンが来たぞ」

「うう……卑怯者め……」

 

 結局ゴールドシップは高鳴りする胸が苦しくてラーメンを味わう事が出来なかった。

 

→→→→→→→→→

 

 ラーメン屋を出た2人は人気の少ない公園へやって来た。葉は全て落ちて寒空の下に寂しく広がっている。

 

「はー、食った食った」

「アタシは全然満腹じゃないぞ!」

「量は食ってたろ」

「味のしねーもん食っても美味しくねえよ」

 

 余りにも当然過ぎて描写を忘れていたが、2人は腕組みをして互いの指を絡ませたゲロ甘恋人繋ぎをしている。もう、そうしていないと落ち着かない程に当たり前なのだ。

 

「じゃあ、ほれ」

 

 トレーナーはゴールドシップから手を離して両手を広げると投げやりに呟いた。

 

「なんだよ、それ」

「何って、非暴力不服従運動だよ」

 

 ゴールドシップが大袈裟に瞬きをする。自分がとても恥ずかしい事をしている自覚のあるトレーナーは首を振って目線を逸らした。

 

「あと10秒で不服従やめるぞ。10……9……」

 

 嬉しすぎて良く分からないテンションに身を任せたゴールドシップはトレーナーにラリアットするとそのまま地面へ倒れ込んだ。

 

 このバカップルの行方は辺りに散らばる落ち葉だけが知っている。

 




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