ホロライブプロダクションのマネージャーとして働く吸血鬼ドラニスは夜空メルの幼馴染。
恐るべき吸血鬼の血を引く彼が引き起こす不思議な日常に、ホロライブメンバーたちは巻き込まれていったりいかなかったり。

1 / 1
メルちゃんと吸死が好きで書きました。
基本的に思いつきで書いてるのでネタがコメントあればください。
ちなみにオリ主はドラルクとは別人です。ジョンも名前が同じだけの別マジロと思ってください。


担当アイドルはヴァンパイアで幼馴染

吸血鬼

それは人や動物の生血を吸うとされる魔物の総称。

その歴史は古く、吸血鬼は多くの人間たちから畏れられてきた。

 

しかし、エルフや獣人、天使と悪魔、異世界人、魔法使い、挙句の果てにはドラゴンと、多くの種族が人間と共存するこの世界において、吸血鬼も同様に人間社会に溶け込み、人間と共に生きていた。

 

 

「さて…今宵も私が目覚めるには素晴らしい月夜だ」

 

「ヌー」

 

ここはホロライブプロダクション。今世界で最も有名なアイドル達が所属するタレント事務所。

そしてこの事務所には、強大な力を持つ古の吸血鬼の血を受け継いだ恐るべき吸血鬼と、その使い魔である一匹のアルマジロが、その眠りから目覚めた。

 

「そうだともジョン…人間たちは存分に、私という存在を畏怖することになるだろうね」

 

「ヌン!」

 

「さあ行こうジョン!」

 

「ヌー!」

 

「あ、ドラニスさん起きたんですね。なら早速この企画書のチェックをお願いします」

 

「あ、はい。わかりました」

 

ホロライブのスタッフである友人Aから渡された資料を受け取る吸血鬼。彼はいそいそと自分のデスクに向かっていった。

 

彼の名は吸血鬼ドラニス。

ホロライブに所属する恐るべきアイドルマネージャー吸血鬼。

そしてアルマジロのジョン。ドラニスの使い魔で、事務所の仕事も手伝ってくれる有能マジロ。

彼らは元々、魔界にある城にひっそりと暮らしていたのだが、ひょんなことからホロライブのマネージャーとして働くことになったのである。

 

 

 

 

 

 

「ふぅ……これでとりあえず終わりかな」

 

「ヌヌヌヌヌヌ」

 

「ありがとうジョン」

 

仕事を終わらせ、背筋を伸ばして溜まった疲れを発散するドラニス。そんな彼に、ジョンは労いの意も込めて、牛乳が入ったマグカップを差し出す。

ドラニスはその小さくも愛らしい手からマグカップを受け取ると、中の牛乳を一口啜る。

 

「仕事もひと段落したところだし、おやつにしようか」

 

「ヌー!」

 

今日のおやつはドラニスお手製のパンケーキ。

両手にナイフとフォークを持ったジョンは、嬉しそうなにパンケーキを頬張る。

ドラニスはそんなジョンの様子を愛らしく思い、優しく頭を撫でる。

 

「まったく…城にいた頃は、こんなにあくせく働くことになるなんて思っていなかったよ」

 

「ヌンヌン」

 

ジョンも同意するように首を縦に振る。彼らは古の吸血鬼の血を引き継ぐ存在であったが、特に何かしたいことがあるわけでもなく、毎日を城で過ごしていた。

 

「それもこれも、あのポンコツ吸血鬼のせいなんだけどね」

 

「ヌー」

 

そう口をこぼしながら再び牛乳を啜ろうとした時、事務所のドアが勢いよく開かれる

 

「あっ、ドラくんにジョンくん!こんかぷ〜!」

 

入ってきたのは、金髪のショートヘアの少女。

彼女は夜空メル。ホロライブ1期生に所属する吸血鬼アイドルVtuber。

そして、ドラニスの幼馴染にして、彼をホロライブに入れた張本人でもある。

 

「やあメルくん。これから配信かい?」

 

「うん!今日の配信はちょこ先生とコラボなんだ〜」

 

「ASMR配信か。君、あまりセンシティブな発言をすれば即BANされてしまうからな。気をつけたまえよ」

 

ドラニスの失礼な発言に、メルは少し憤慨する。

 

「もう!そんなことにはならないよ!」

 

「そうか。ならさっさと行きたまえ。私はこれからジョンと優雅なブレイクタイムと洒落込むのだからね」

 

「は〜い。でもその前に…」

 

「ん?」

 

「ヌ?」

 

部屋から出ていくわけでもなく、メルは徐々にドラナスに、いや正確には,彼の隣にいるジョンに近づいてくる。

 

「ジョンく〜ん!!」

 

「ヌァー!?」

 

「ジョォォォン!!!」

 

すると突然ジョンに飛びつき、そのふわふわの腹毛に顔をうずくめたのだ。

 

「はぅ〜ふわふわ〜♪やっぱりジョンくんのお腹は最高だよ〜♪」

 

「ヌヒィー!」

 

メルにお腹を好き勝手にされ、くすぐったそうな声を上げるジョン。メルはジョンの腹毛がお気に入りで、昔からドラニスとジョンをめぐっての喧嘩が絶えなかった。

 

「かぷかぷしちゃいたいなぁ〜♪」

 

「ヌ"ッ!?」

 

「やめろ!ジョン困っちゃうだろうが!」

 

流石に使い魔を吸血させるわけにもいかず、ドラニスは慌ててジョンをメルから引き剥がした。

 

「あ〜メルのジョンくんがぁ〜!メルのふわふわがぁ〜!」

 

「やかましい!ジョンは私の大切な使い魔だ!私の許可なくお腹を吸おうなんて200年早いわ!」

 

ジョンを優しく抱きしめ、メルから遠ざけようとする。しかし納得いかないのか、メルは両頬を膨らませてむっすりしている。

 

「むぅ〜!なら、ジョンくんのふわふわをかけてメルと勝負だよ!!」

 

「ヌッ!?」

 

メルの突然の提案に驚くジョン。きっと主人なら穏便に沈めてくれることを期待したのか、恐る恐るドラニスの方を見たが.

 

「面白い!この真祖にして無敵のドラニス様を敵にまわしたこと後悔させてやるわ!!キエェェェェ!!!!」

 

「ヌー…」

 

あっさり挑発に乗ってしまう主人に、ジョンの目は憂いた。

今ここに、一匹のマジロのふわふわを賭けた、吸血鬼同士の戦いが勃発したのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅いと思って来てみれば、メル様にドラ様……またやってるのね…」

 

「ヌゥーン…」

 

ホロライブ2期生に所属する魔界の保険医、癒月ちょこがジョンを抱きかかえながら、目の前の光景に呆れていた。

 

「ふふん!ドラくんがメルに歌で勝てるわけないもんねぇ〜」

 

「おのれ舐めよってからに!聴いて慄かせてやるわ私の超絶美声!」

 

ちょことAちゃんに止めに来るギリギリまで、2人の吸血鬼によるくだらない争いは続くのであった。

 

 

 




吸血鬼ドラニス
古き血を継ぐ吸血鬼であり、夜空メルのマネージャー。
自分の城で、のんびりと引きこもりライフを満喫していたが、幼馴染であるメルがアイドルデビューするにあたって彼女にマネージャーとして推薦され、あれよあれよとホロライブに入ることに。

ジョン
ドラニスの使い魔のアルマジロ。
非常に主人思いのいい子であり、ドラニスが酷い目に会うたびに涙を流してくれる心優しいマジロ。
自慢のふわふわ腹毛はホロメンたちにも絶賛されており、その愛らしさからホロメン並みに多くのファンを獲得している。

夜空メル
ドラニスと幼馴染である吸血鬼の少女。彼を強引にホロライブに入社させた張本人。
自らを魔界の天才ヴァンパイアと称しているが、血が苦手でアセロラが好物、ニンニクや十字架、朝日なども平気と吸血鬼らしくない一面が目立つ。
ジョンの腹毛がお気に入りで、よくドラニスと取り合いをしている。

癒月ちょこ
魔界のセクシー悪魔保険医。
料理上手であり、よくドラニスと一緒に料理動画を配信している。


メルちゃんのキャラこれであってるか若干不安…
でも書いたことに一切悔いはない。ジョンの愛らしさを少しでも多くの人に伝えたい。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。