Muv-Luv ALTERNATIVE <The White Evil King>   作:段段だ段

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やっと物語が始まります。
まあ、シュバルツェスマーケンよりずっとまえですが。
今回、やべえメインヒロインが登場します。


Muv-Luv ALTERNATIVE <The White Evil King><第一話>

 

 

 

 

Muv-Luv ALTERNATIVE <The White Evil King>

  第一話 現状確認

  

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

自分が寝ているんだなというう感覚ともに覚醒した。

そろそろ起きなくてはならぬ。

癒着されたかのように重い瞼を開けると、実家より見覚えのある、MS格納庫だった。

どうやらガンダムサタナエルのコクピット内らしい。

360度みえるのはガンダムサタナエルの全天周囲モニターから見ているからだ。

身体がフワつく感覚がある。

おそらく現在『ビークゥオド号』が宇宙空間にある証拠だ。

私は網膜投影モニターでコンソールを表示させる。

 

「システム…オールグリーン…OS問題なし…機体損傷率0%…

こいつ…動くぞ!」

 

状態確認を終えると、ガンダムサタナエルにコクピットを開けさせた。

私はそのまま地面へ躍り出る。

黒コートがはためいたことから、私の恰好はどうやらパイロットスーツではなく、我が社の制服らしい。

端末の反射で顔を確認する。

相変わらず神が丹精こめて作ったとしか思えないほど、芸術的に整った顔だ。

息子…デイビットにぶち抜かれた心臓も健在だ。

私は後ろへと踵を返す。

 

「ガンダムサタナエル」

 

私の愛機がそこへ佇んでいた。

 

ガンダムサタナエル…私の愛人…サーシャが設計した、トライ・ドライブ・システムと縮退炉を採用したバケモノMSである。

デイビットに敗北し、大破したはずだが、健全である。

周りを見渡すが、静寂に包まれている。

かつては整備兵たちが汗だくで走り回り、パイロットたちの喧騒につつまれていたのだが、今は私ひとりか。

 

「お互い一人だな」

 

誰にごちることなくサタナエルに呟いてみる。

サタナエルは何も答えない。

 

 

 

 

苦笑していると足に固いものが当たった。

見下ろすとサッカーボールが動いていた。

 

『シャチョウ、オキタ!

シャチョウ、オキタ!』

 

「白ハロ」

 

私の補助用AIロボである。

治療、料理。MS整備、MS操縦…人ができることはあらかたできる。

こいつには人手不足時代大分たすけられたものだ。

白ハロを持ち上げる。

 

「そうか…お前がいたか」

 

白ハロと額を合わせ、笑みを浮かべる。

 

「白ハロ、現在艦内のハロの稼働率を教えろ」

 

そう命令すると、白ハロは目を光らせ、電子音を放つ。

 

『ハロ、シュウゴウ、シュウゴウ!

ハロ、シュウゴウ、シュウゴウ!』

 

目を光らせてそう放つと出るは出るは、MS格納庫に繋がる出入口からカラフルなボールが。

あっという間にMS格納庫はボールプールになった。

パチスロの確変大当たりかよ!

 

「馬鹿!

もういい!

もういい!

ストップ!」

 

私は大声をあげるも、ハロは止まらない。

私の命令は第一優先なのに、なぜ止まらない?!

私は同様を隠せずにいると、MS格納庫に響いていたハロの電子音が止んだ。

 

 

「一人ではありませんよ」

 

 

聞き覚えのある声に顔をあげると、秘書然とした紫髪の女が歩いてきた。

ハロの海がモーゼのように割れる。

タブレットを抱えて、シルバーのブリッジのノンフレーム眼鏡を掛けている。

目つきが鋭すぎる。

彼女は『サーシャ・リターナー』。

わが軍『ホワイト・ホエール・セキュリティー・ガード』社の副指令兼私の秘書官。

特務一佐の地位に就いており、MSパイロットも就いている。

『アニュー・リターナー』タイプの激レアなイノベイトだ。

私の愛人でもある。

お前も世界に来ていたのか!

 

「正確には三人ですが…」

 

三人?

他に誰か来ているのか?

 

「あの子も一緒です。

家族水入らずですね」

 

彼女はそう言って穏やかにほほ笑む。

あの子も巻き込んでしまったことには罪悪感が沸く。

 

「あの子はどこにいる?

会わせてくれ」

 

「貴方様が無事だと分かって泣きつかれて寝ています。

今はそっとしておきましょう」

 

無事だとわかればそれでいい。

今はそっとしておこう。

後でお父様が行くからな。

 

「お前はなぜこんな世界に?

まさかお前も…」

 

そう言いよどんだがすぐさま否定される。

 

「いいえ。

私は貴方様ほど迂闊ではありません」

 

いちいち抉ってくるな!

お前は!

 

「ビークゥオドで待機していた所、突如謎の光に包まれて、気が付いたらこちらの世界にいました。

光で目がくらむ瞬間『おまけにコイツも連れていくか』と聞こえた気がしました」

 

サーシャは眼鏡のブリッジを中指でクイッと挙げる。

米神には青筋が浮かんでいる…。

完全に怒っている。

私はおまけですかと呟いている。

 

「話したい事が多すぎます。

まずはブリッヂへ」

 

左右に揺れるサーシャのデカいケツを追いかけながら歩きだす。

 

「それにしてもどんな世界に来たんだ?」

 

 

 

 

 

「まさか宇宙生物と戦っている世界ではあるまい?」

 

 

 

 

 

私は陽気に笑いながら問いただす。

突如サーシャはピタリと歩みを止める。

 

え?

まさかそんな事無いよね?

私の勘はよく当たる。

後悔することになるのは10分後だった。

 

 

 

 

「それではリターナー特務一佐、状況を知らせたまえ」

 

私は現在、ビークゥオド号のブリッジの艦長席で宇宙用の無煙タバコをふかしていた。

 

「は!

現在、ビークゥオド号は月と地球の宙間を待機中!

ビークゥオド号のコンディションは100%正常です!」

 

ビークゥオド号とサタナエルがあれば何とでもなるはずだ。

 

「この世界の詳細を教えろ」

 

「はい。

この世界は我々の知る歴史とは違う歴史をたどった、いわゆる平行世界(パラレルワールド)と言われるものらしいです」

 

「主な違いは第二次世界大戦において、大日本帝国は1944に年に条件付きで克服。

現在も帝国を名乗っております。

また、原子爆弾がおとされたのはドイツと、違いが出ています」

 

ふーん。

世界がちがえば歴史もちがうか…。

それにしても大日本帝国…家柄とかうるさそうだな。

 

「そして…最大の違いはこれにあります。

サーシャはメインモニターを操作する」

 

そこには月に景色が映しだされた。

 

 

 

 

 

なんだァ…こいつら?

関係ねぇ、殺してえ…。

 

 

 

 

そこに蠢いていたのは生理的嫌悪を抱く、生物群だった。

うーわー。

兎に角キモい…。

イノベイターの感が奴らを殺せと囁いてくる。

 

BETA。

人類に敵対的な異性起源種の英訳の訳。

人類は1958年に奴らに接触。

それ以来、奴らは地球にまで侵略し、それ以降人類は劣勢に立たされているという。

んー…。

どっかで聞いたことあるよーな。

 

「そして…現在の人類の剣がこちらです」

 

モニターに映しあげられたのは、まず鈍重なMSの印象。

カタログスペックは…。

うん、ゴミ。

人類(お前ら)よくこんなガラクタで踏ん張ってられていたな!

逆にびっくりだわ!

それにしてもなんか見覚えが…。

刹那、頭痛を覚える。

 

「何、だ?!」

 

 

 

 

 

――瞬間、私の脳内にあふれ出した――

 

 

 

 

 

 

存在した記憶――。

 

 

 

 

 

『ん?

何だこのロボット?

戦術機?

…。

エロゲのロボットなのか?

へー、エロゲにしては良いデザインだな。

muv-luv alternative?

…。

名作らしいしセール中だし買ってみるか…』

 

『うげ…、まりもちゃん…。

推しだったのに…。

それにしてもR-18とはいえマミるのはやり過ぎだろ…』

 

『うぅ…泣かせるじゃねーか…。

エロゲと言え、あなどれねーな…』

 

 

 

 

 

気が付いたら私は頭抱え、うずくまっていた。

背中に体重を感じる。

わずかに顔を挙げると、サーシャが私の背中に腰をおろし、チョコレートをかじっていた。

このケツデカいんだよ…。

 

「ここ、muv-luv alternative(エロゲ)の世界かよおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」」

 

私は発作的に絶叫した。

 

えーと説明には前々世のことだから記憶が曖昧で難しいが一応記述しておく。

『muv-luv alternative』。

『muv-luv』のスピンオフ作品と作られながら、本編より有名になった作品だ。

たしかアニメ化やゲーム化もされたはず。

本編は学園生活を通した恋愛シュミレーションノベルゲームのはずが、オルタになってからは違う。

兎に角人が死ぬ、死ぬ死ぬ。

人の命がシャーペンの芯の消耗率が早い。

サブキャラだろうが、ヒロインだろうが死にまくる。

何ならメインヒロインは最初から死んでる。

 

「エロゲとは日本発祥のR-18恋愛シュミレーションノベルゲームですね。

総司令官の好きそうなHENTAI文化ですね」

 

サーシャはチョコレートを完食し、そうなじる。

うるさいよ。

私の恋愛はチュートリアルモードだ。

何なら出会って5秒で合体だし。

人生の方はルナティックハードコアだが…。

こっちの世界に来てからはネオサイクロンジェットアームストロングサイクロンジェットハードコアモードだが。

私が予定する女を抱いて、酒飲みながら映画観る余生には奴らが邪魔だ。

良し、決めたぞ。

 

「良し!

我が軍ホワイト・ホエール・セキュリティー・ガード社におけるこの世界の最終目標を決めた!!」

 

ケツを押しのけ、立ち上がり、右手を挙げ、宣誓する。

 

「我が軍の最終目標は地球上からBETAを抹殺し、人類の安全圏の確保こそあるとものとする!!

復唱せよ特務一佐!!」

 

「はっ!

我々の任務はBETAの殲滅、および人類の生存権の確保です!

総司令官殿!」

 

すぐさま返すサーシャ。

しかし、BETAとはどれほどの脅威なのか…。

 

「まずは敵情視察だ!

サタナエルで出撃る!」

 

「目的はBETAへの威力偵察。

そして現地民との接触および、情報交換だ。

特務一佐はCPを頼む。

一日一回定時連絡を入れる。

回線から目を話すな!」

 

サーシャは敬礼で返す。

パイロットスーツに着替えようと踵を返すも、発言許可の挙手で足を止める。

 

「ぶしつけながら、私に作戦達成のためにてっとり早い提言があります」

 

何だ?

ロクでもないアイデアだったらぶっ飛ばすぞ?

 

 

 

 

 

「総司令官のガンダムサタナエルの最大火力の縮退砲を地球に打ち込み、地球諸共、BETAをこの宇宙から消し去るべきです」

 

「死ね」

 

 

 

 

 




あなたは愛する者と地球を天秤にかけられますか?
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