Muv-Luv ALTERNATIVE <The White Evil King>   作:段段だ段

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史上最悪のヤンデレを生み出してしまったかもしれない。



Muv-Luv ALTERNATIVE <The White Evil King>番外編その1

 

『ガンダムサタナエル』受領

 

 

 

ガンダム00世界の事…ありふれたある日のこと

 

 

バケモノみたいなMSに乗らされる。

イノベイターではなく、いちMS乗りのパイロットの第六感が、私に危険を告げていた。

現在私は、ホワイト・ホエール・セキュリティー・ガード社本部のMS格納部までの廊下をとぼとぼ歩いていた。

いくら頭で可能性を否定しようと、事実は変わらない。

でなくては、ひと月前うちの技術開発チームと一緒に、あくどい笑みを浮かべていたサーシャ(頭のおかしいアホ女)の説明が付かない。

なんで私がバケモノに乗らないといけないんだよ!

お前らっていつもそんな悪ノリするよな!

この間だってそうだ!

なんだよ?

ファング、疑似太陽炉二倍、マニュピレータ24本のガデラーザって?!

操作に頭焼ききれそうになったわ!

なんでこんなゲテモノ出しておいて、そんなドヤ顔できるんだよ!

しかも任務中、ELSガデラーザなんて、怪獣出てきて怪獣大戦争になったわ!

やはりガンダム世界の技術屋が頭おかしい、でなければ∀なんてリセット装置は生まれないか。

いや、そうであったからこそ、奴が生まれたと考えるべきか。

行き過ぎた人間どもに反省を促し、やり直しを強制をする為の舞台装置と考えるべきか…。

そうこう考えていたら、あっという間にMS格納庫前だ。

ほらーもう不穏な空気が流れているやん。

換気扇は正常のはずなのに、空気はよどんでいる。

ええいままよ、と震える手でコートの中からスキットルを取り出すと一気に中のウイスキーを喉に流し込み、頬を気合一閃平手を入れ、ハッチを開いた。

 

 

 

「お待ちしておりました。

総司令官殿」

 

 

 

お手本の様な敬礼を敬礼を向ける紫髪の美女がいる。

仮にガンダム00という作品を知る者がここにいるなら、『アニュー・リターナー』とたとえるだろう。

残念ながら半分正解だ。

彼女は『サーシャ・リターナー』

ヴェーダが送り込んだ連絡係で、アニュータイプのレアな戦闘用のイノベイトだ。

特務一佐の地位に就いており、弊社の副社長兼、副司令官兼、エースパイロット兼、私の愛人…ということになっている。 

外見的違いは、君切られた?

ってぐらいの目つきの鋭い眼光とそれを覆うノンフレームのシルバーフレームの眼鏡。

因みにやはり気になるところだろうから、記載しておくとオリジナルより、おっぱいとケツがそれぞれ5㎝、3㎝デカい。

菓子ばかり食ってブクブク太った結果だろう。

しかしながらウェストは変わっていないのだから、羨ましいかぎりだ。

髪は腰まで伸びてて、下結びで纏めている。

流石声優が同じなわけで、声まで可愛いでやんの。

愛人関係の噂は広まり、食堂で昼食時、野暮な隊員に『流石っすね総司令官!!』といわれて気が付いた。

正面に座り、パフェなんぞつついていた奴の顔を思い出すにあたり、噂を広めたのはこいつなのだろう。

外堀を埋めたつもりか?

こいつは私の事となると行動が行き過ぎる時があるからな…。

どうにか首輪を付ける必要があるな…。

思考を切り替えてこちらに敬礼を送る整備兵を手で制し、MS格納庫へ足を踏み込んだ。

 

 

 

一目見た時には正直、息を呑んだ。

外観は、00世界の技術で建造したHi-νガンダム。

違いとしては、純白で、所々ブラックの線が入っている所か?

ユニコーンじみている。

背中にはファンネルラック?を四つ背負っており、フィンファンネル?が12枚確認できる。

腰部にはGNソードVの色違いと、見たこと無い形状のビームライフルが取り付けられている。

左手部分には巨大な実体シールドがあり、二丁のガトリング砲がはみ出している。

ガンダムヘッドはエクシア系統とリボーンズ系統の中間でイケメンだ。

ちなみにV字アンテナは四つ。

うーん、カッコイイぜ。

これからコイツに乗れると、考えるとさっきの陰鬱な気分が吹き飛ぶ。

早く試してみたいぜ。

 

 

 

 

「ガンダムサタナエル」

 

 

 

サーシャの声にうっとりした気分を総司令官モードに切り替える。

サタナエルとはまた大仰な機体名だな。

目立つの嫌いなんですけど…。

 

「このガンダムの名前です。

カタログスッペクはこちらに」

 

トレードマークのタブレットをこちらに渡してくるサーシャ。

どれどれ。

 

武装一覧

 

頭部GNビームバルカン×2

GNビームサーベル×2

胸部GNビームブラスター

GNビームスマートガン

GNソードVⅠ

GNフィンビットⅡ×12

実体盾付GNビームシールド

GNビームガトリングガン×2

マイクロブラックホールクラスター

縮退砲

 

 

 

…。

ふぅーん。

プレーンに見えて結構意欲的な機体じゃないか。

特にこの、GNビームスマートガンが気に入った。

スナイパー、マグナム、フルオート、セミオートに切り替える所何てあらゆる戦場を考えた画期的

的な武器ではないか!

GNフィンビットも最高だ!

ビーム、ビームサーベル、バリアの3タイプを選択でき、場合によっては相手になにもさせず制圧出来る。

後半の武装が頭おかしくて脳が理解を拒否したのは気のせいだ。

サーシャのせいでもう3日寝てないからな。

あの性欲モンスターめ…。

 

 

 

「さてと、出力はどうなっている?」

 

そうつぶやき、タブレットをスクロールしてぎょっとした。

 

 

 

ジェネレータ出力

最低値157000~最大値計測不能

 

推進力

計測不能

 

 

…。

はあ!!!!!?????

何だこの小学3年が考えたようなでたらめなスペックは?!

最低スペックだけでもV2ガンダムの二倍強あるじゃねーか‼

『ぼくがかんがたさいきょうのがんだむか』か!

 

「リターナ特務一佐。

この数値に相違はないか?」

 

私は確認せずにはいられなかった。

 

「はっ‼

技術開発チームともに2日シュミレーションをした上に、ヴェーダが計算した数値なので間違いがあろうにありません‼」

 

間違いなかったよこのやろー。

ヴェーダを言い訳に引き出されては、反論できない。

馬鹿な、こんなバケモノスペック何で補っている?

通常の太陽炉だけではありえない。

私は、さらにタブレットをスクロールした。

 

 

 

エンジン

 

トライ・ドライブ・システム

 

三つの太陽炉を同調させることで、通常の太陽炉炉の三乗以上の出力を編み出す。

 

 

 

縮退炉

 

詳細不明

 

 

 

…。

私は鼻から息を吐きだす。

あーあ、やっぱ疲れているわ。

 

「リターナ特務一佐、目薬は持っているか?」

 

「はい、ここに」

 

サーシャに渡された小さな小瓶を天高く、瞼を指で押さえ、薬品を両目に点眼する。

米神を揉み解し、もう一度、タブレットに目を戻す。

 

 

 

 

 

『縮退炉』

 

 

 

 

 

残酷な事実は現実だった。

 

 

タブレットから現実に眼を戻すと皆ドヤ顔だった。

サーシャは鼻から息を吐き、眼鏡のブリッジを中指でクイッとあげ、技術屋連中は腕を組んだりして、なかには『ヘヘッ』等と鼻で笑い、鼻の下を擦ったりしている。

それを尻目に私は大きく息を吸う。

それを見たサーシャは整備兵に対ショックを命じる。

 

 

 

「もう我慢できるか!!!

いい加減にしろよ!!!!

ガンダム世界の技術屋どもが!!!!

なんで縮退炉なんて厄ネタぽん積みできんだよ!!!!

何が貴様らを駆り立てる!!!!!

オレはお前らの着せ替え人形じゃねーんだんだよ!!!!!!!

つーかよくこんなSF技術実用化できたな!!!!!!!!

そっちのほうがびっくりだわ!!!!!!!!!

オレを殺す気か!!!!!!!!!!

こんなん乗ったら一瞬でGに殺されるわ!!!!!!!!!!!」

 

 

 

私の魂の絶叫は本部の隅々まで響き渡ったのだろう。

現にスクランブル警報が鳴り、格納庫は赤く照らされる。

 

「落ち着いて下さい。

総司令官」

 

そう言ってサーシャは無線でCPへ誤報だと報告する。

サイレンが鳴りやみ、格納庫は静かになる。

明るくなって気付いたのだか、私の声で整備兵の大半が気絶してる。

インテリ共め、鍛錬がたりんぞ。

 

「Gを解決するシステムがあります。

実はガンダムサタナエルは未完成なのです」

 

縮退炉はもう一回置いとくわ、なんだよ未完成って?

乗れる状態でよこせや。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

!!!!!!??????

 

 

 

 

 

タブレットをスクロールをさらにスクロールすると、そこに記載されていたには、映画『ムカデ人間』の計画書よりも更に悍ましい内容だった。

そこには人体の略図がデカデカと載っており、そこから様々な項目が伸びている。

…この項目が正しければ私は人体の60%を失うらしい。

まず手始めに全身の筋肉を人口筋肉に総入れ替え。

この人工筋肉、一本で500kgを支えるうるハイスペックなものらしい。

嫌だ!!

更には全身の骨格へのナノマシンコーティング。

意外にも流体の特質をを持つ骨へ金属的なコーティングを行うわけにもいかず、ナノマシンによるコーティングを行うにいたった。

衝撃、慣性に反応し硬化するこのナノマシンは、最大硬化時はダイアモンドの3倍の硬度を誇るらしい。

嫌だ!!!

更に皮膚をすべて引っぺがし、人工ナノスキンへの変更。

このナノスキン、何でも衝撃に反応し、瞬時に硬化する特性を持っており。

最大防御時は。ダイアモンドの10倍だと言う。

嫌だ!!!!

その他にも両目を高性能バイオカメラ化、神経のバイオ光ファイバー化、高性能人工心肺化、脳へのバイオナノコンピュータ移植、更に極めつけは阿頼耶識手術。

嫌だ!!!!!

お前こんなん強化人間マッハでブッパしてただのサイボーグじゃねーか!!

手つかずなのはチ〇ポ位だわ!!

 

「既に手術の準備はできております」

 

頭のイカれたアホ女(サーシャ)の声で現実に戻ると、傍らにはいかにもマッドでサイコな研究者然とした男がいた。

私のことを獲物を前にした肉食動物のような目で見ている。

冗談ではない。

イノベイターの脚力を活かし、その場からの逃走を試みようとしたところ。

サーシャが指を鳴らすと大柄な男三人が立ち塞がった。

ご丁寧に強化外骨格を着込んでやがる。

 

「更なる高みに昇ろうとするその姿勢、自分感動しました!」

 

「自分も改造手術受けます!」

 

「決して一人にさせませんぜ!

総司令官殿!」

 

ええい!

邪魔だどけ!

記憶が正しければ、こいつらはうちで一番の大柄で力自慢だったはずだ。

腕相撲で鼻へしおってやったことは記憶に新しいが、果たして三対一で勝てるかどうか?

おまけに向こうは強化外骨格付きときたもんだ。

時間稼ぎが目的か!

負けるつもりはないがはたして短時間で黙らせられるか…。

私は勲章バッジでジャラジャラ鬱陶しい総司令官のコートと制服の上着を投げ捨てた。

これがいけなかった。

 

「この瞬間を待っていましたよ…。

総司令官…」

 

サーシャの吐息を感じると共に、首筋に鋭い痛みを感じる。

しまった!

罠か!!

その瞬間私の意識は暗転する。

 

 

 

 

…神様、嗚呼どうかお願い致します。

…人間のままで死なせて下さい。

 

 

 

 

後からドクターに聞いた話だが、あのときサーシャが私に圧縮注射でブチこんだのは、常人の致死量の約20倍の麻酔医薬だという。

お前ら私のこと人間扱いしなささすぎ。

そのうち皆殺しにしてやる。

  

 

 

――――――

 

身体測定

 

 

 

結論から言うと、オレは人間を辞めさせられたぞ!!!!

読者ぁぁぁ!!!!

サーシャ(愛人)の手でなぁぁぁぁぁ!!!!

 

 

医務室で目を覚ました際、否が応でも感じる身体の違和感に覚醒後すぐに嘔吐してしまった。

しかし。優れた心肺、脳内のバイオコンピュータが脳内物質を排出し、混乱はすぐ収まった。

だが、気分的なこともあり、私は自室に引きこもり三日三晩泣きながらやけ酒した。

ようやく落ち着いた所で、私をこんな体にした頭のおかしい恋愛感情こじらせ激ヤバ激重サイコヤンデレ恋愛モンスター(サーシャ)が部屋を身体測定だと訪れてきたので、シャワーを浴び、現在は

MS格納庫に二人でいる。

 

第三MS格納庫はかたずけられており、現在は一機のMSが横たわっているのみだった。

 

「ブレイヴか」

 

全高 20.2m

重量 61.5t

ELS大戦時活躍した名機が横たわっていた。

変形機構をもち、パイロットを選ぶが、名機と知られ、弊社でも採用されている。

 

「持ち上げてください」

 

「脳神経にクソでもつまっているのか」

 

自販機でジュース買ってきてぐらい、の気軽さで不可能を要求してきたキ〇ガイ女にほぼ脊髄反射で答える。

そんな事できるのはスーパーマンぐらいだ。

今のあなたなら容易いはずですなど戯言ほざくサーシャにコートを預け、頭を掻きながらブレイヴにむかう。

テキトーにあしらって部屋でビール飲みながら映画でもみるか…。

そんな気軽さでブレイヴの胴体部に手をかけ、一応踏ん張ってみる。

瞬間!

ブレイヴの巨体はMS格納庫の天井にブチ当たり、地面に叩き付けられる。

スクランブル警報が鳴り、あたり一面赤いランプに包まれる。

 

「筋力測定不能…っと」

 

冷静にタブレットに情報を書き込むサーシャを横目に一方の私は自身の手を見ながら茫然するのが精いっぱいだった。

 

 

 

――――――――

 

 

一基のトレッドミルの上で私は両手を両足をフル回転させる。

汗が玉のように弾けるが大丈夫。

まだまだ余裕がある。

息だって切れてないし、足だって重くない。

チラッとトレッドミルのディスプレイを覗く。

 

 

『時速298㎞』

 

 

 

いやっおかしいわ!!!!

もう新幹線並みに加速しているのに息一つきらさないってどんだけ高性能な心肺だ!

この場合両足を構成している人工筋肉を評価すべきだとおもうが、頭おかしいのは人工心肺だ。

本来人体というのは持久力メインだが、それを人類の英知たる新幹線まで加速させなお余裕があるというのはどういうことなの?

もう二時間は走り続けている。

まもなく加速はいよいよ大台の時速300㎞に達する。

総司令官限界ですというサーシャの声とともに違法改造トレッドミルの限界に達し、爆発する。

私はトレッドミル正面の壁にクレータを作り、宙返りしてサーシャの隣に着地した。

 

「脚力、持久力ともにも測定不能…予想通りですね」

 

嗚呼…今は亡きクソッタレなお父様(殺した)、阿婆擦れお母さま(夜逃げした生死不明興味無い)、てめーらの偉大なるお子様は本格的に人間を辞めてしまったようですだこのやろー。

 

 

 

――――――――

 

 

 

「ここでなにをやろうというのだ?」

 

走力測定後、サーシャにグランドに呼び出された。

というか私、総司令官なのに呼び出されてばっかとか…。

何か最近、隊内で扱いが緩いというか…。

マスコットみたいな扱いされている気がする。

基地内の売店で私のぬいぐるみとか写真集が売ってるし…(因みにすぐ完売するらしい)。

…まあいいとにかく終わらせよ。

総司令官というサーシャの声に振り向く。

一人じゃない。

うちの隊員20人を伴っている。

全員、陸上戦の重装備だ。

演習でもやるのか?

 

「では、これより耐久性テストを行います。

総司令官、こちらへ」

 

コートをはぎ取られるようにあずかられ、手を引かれる。

いつの間にか設置されたポールへ背を付かれる。

何だ…これは?!

いつの間にか近づいていた隊員に両手足を手錠を止められる。

止められる前に制圧出来たのに混乱のほうが大きく、身動きできなかった。

顔を挙げると全員一列に並び、号泣している。

 

「一緒に戦えて光栄でした…」

 

「amen」

 

「違う!

…違うんだ!

…副指令がやれって命じたから!

…そうしないとお母さんが…!」

 

あれ?

デジャヴュがあるぞ?

というかこういうシチュエーションに何人か晒したことがあるよーな。

そうそう、敵前逃亡とか重大な軍規違反を犯した奴に処する罰で。

 

たしか…。

 

 

 

「総員!

…。

構え!」

 

自身もサイドアームのハンドガンの銃身をスライドさせ、部隊に命ずる。

待て!

待て!!

待て!!!

待て!!!!

待て!!!!!

 

「撃て!!!!!!」

 

自身も自動拳銃を乱射させながら、死刑宣告を放つ。

ーーー刹那。

私に殺到する銃弾の嵐。

 

「ぎゃあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

 

私を抉る数多の銃弾。

痛い!

痛い!!

痛い!!!

嫌、こんな思考を浮かべられている時点でおかしいぞ!!

今頃通常なら私は粉みじんでミンチよりひでぇ状態になっているはず。

しかも痛くない!!

服から除く皮膚を見下ろす。

銃弾を受ける私の皮膚は黒鉄色に変質し、銃弾を弾き飛ばしている。

馬鹿な!!

何だこれは!!

何が起こっている?!

そんな事を考えていると、誰かがRPGを放ちやがり、私は爆風とともに、手錠から解放された。

しめた、逃げるチャンスだ!!

しかし、バカ共に背中を翻した所、私の前にジンクスⅠⅤが立ち塞がる。

 

『耐久テストはこれで終わりです。

我慢して下さい』

 

このアマ(サーシャ)いつの間にMSに乗っていやがった。

奴はGNミサイルを放つ。

お前!!

こんなの対人に放っていい兵器じゃねーぞ!!!

ミサイルは私の腹部に直撃し、私は50mは弾き飛んだ。

てめー。

今夜キャン言わせたるからな。

そう決意し、地面に手を付くも。

 

『総司令官、とどめです』

 

クソ馬鹿女(サーシャ)はジンクスを人間のようなスムーズな動きで操り、私の身体へサッカーボールキックをかました。

私は基地の四階相当の壁にブチ当たり、重力に引っ張られ、地面に転がった。

 

 

 

基地ではスクランブル警報が鳴り、隊員がわらわら出てくる。

 

「いかかがです?

ナノスキンの硬度は?

MSの攻撃をものともしない防御力、圧倒的でしょう?」

 

そう言い放ちながらサーシャは私に向けて写メを連射する。

爆撃にさらされた私は裸同然だった。

女性隊員も写メを乱射している。

 

「これでテストは全て終了です。

お疲れ様でした」

 

私でも見ほれるような笑顔で告げられる。

この女郎。

こういう時かわいいんだよな。

 

 

 

――――――――

 

 

 

 

「そういえば私の切除された肉体はどうした?」

 

サーシャが用意した制服のズボン、上半身は裸にコートのいで立ちで司令室にサーシャを伴って歩いていた。

敵対組織に私のDNA情報が渡ってはまずい。

肉体強化されたとはいえ、自身のクローンと戦うなんてゾッとしない。

早めに焼却なり処分すべきだろう。

 

「たしかに焼きはしました」

 

サーシャの返答に安心する。

 

「それで焼いた後は?」

 

私は顛末を心配する。

 

 

 

 

 

 

 

「食べました」

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・。

 

 

 

 

「………え?」

 

 

 

 

「…その…ゴメン…もう一回聞かせて?」

 

 

 

 

 

「美味しく頂かせていただきました。

メニューは主にステーキ、生姜焼きなど、献立のレポート提出が必要なら1時間ほど時間を下さい。」

 

 

 

 

 

オレの脳があまりの衝撃的事実に情報処理を拒否した。

ん…?!

え!

オレ、カニバラれた?!

く、喰われたのオレ?!

オレの知るヤツであるなら信憑性が高い。

第一に愛人契約を持ち掛けてきたときも、向こうからだった。

しかも銃を突き付けて…。

告白のセリフが『一目ぼれです。一緒にお墓に入る前提で男女交際をおねがいします』だったもんな。

重いよ…。

重すぎて地面にめり込むわ。

ちなみに断ったらどうするか聞いたところ、『どちらでもいいです。貴方の亡骸を取り込めば永遠に一心同体です』と兆候はあった。

 

 

 

 

 

――――――――

 

 

 

 

 

 

三日前

 

 

「これですべての工程は終わりです」

 

 

眼鏡をかけた小柄な男は安堵のため息をつき、ゴム手袋を外した。

ご苦労様ですと紫髪の美女からタオルとスポーツドリンクを渡される。

 

(貴方様のためでなければ、こんな男と同じ空気など吸いたくないのですが…)

 

彼女は内心荒れていた。

もう10時間愛するプシュケーと話していないのだ。

嗚呼,早く愛する貴方様の声が聞きたい!

早く体温を感じたい!!

早く繋がりたい!!!

そんな気持ちでいっぱいだった。

 

麻酔が効き、子供のような寝顔で寝るプシュケーの顔をなでながら男の作業が終わるのを待っていると待ちに待った言葉が降りかかった。

 

「おカミさん!

ところでこの切っちまった肉片どうします?

こっちでまとめて預かってもいいですけど?」

 

0.1gでも渡すもんか!

 

 

「私どもが責任もって処分いたします!!!」

 

サーシャは脊髄反射的に答える。

 

(これだ!!!

今こそ本懐果たされる時!!!)

 

突如としたサーシャの大声にドン引きし、その業界では言わずとしれた男は莫大な報酬を手にウキウキと帰っていく。

 

「副司令官殿!!

総司令官殿はいかがいたしましょうか!!」

 

二人の隊員が敬礼ともに命令を促す。

 

(チィっ!!!

このでくの坊共め!!!)

 

サーシャは美麗な顔に青筋を立て、内心舌打ちした。

 

「医務室へお運びなさい。

起こすなんて無礼、もってのほかですよ。

三日間24時間体制での経過観察もお忘れなく。

行きなさい」

 

敬礼し、慎重に手術室をあとにする部下にサーシャは内心、消えろ消えろと連呼していた。

プシュケーの肉片の入ったクーラーボックスを手に自室へ足を急がすサーシャ。

途中すれ違った部下へ極秘任務だとでっちあげ、24時間連絡をよこすなと命ずる。

自身の部屋に着いた時には、彼女のタイツは愛液でぐしょぐしょだった。

冷静に部屋に鍵にチェーンをかけた次の瞬間。

 

「貴方様あああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

彼女はクーラーボックスへ犬の様に貪りついていた。

 

「あの人の血!あの人の肉!!あの人の皮膚!!!あの人の眼球!!!!あの人の心臓(ハート)♡♡♡♡♡!!!!!

ヴェーダアアアアアアアアア!!!!!!

ありがとうございますうううううううううう!!!!!!

私を作ってくれてえええええええ!!!!!!!!!!!」

 

クーラーボックスへ頭を突っ込み両手で自身の割れ目を搔きむしる姿は三日絶食した野良犬もドン引きだろう。

 

「はっ!

いけませんわ!

こんな姿、はしたなさすぎる!!」

 

口の端に筋肉組織の一部を付け、上半身を挙げる。

急いでこの日のために用意していた大量のタッパーに部位ごとに分け、備え付けの冷蔵庫に保存する。

 

因みにこの日にそなえ、冷蔵庫は業務用大型冷蔵庫に新調した(副司令官特権)。

 

「でも、少しだけならつまみ喰いしても…」

 

目の前に広がる愛する人の肉。

魅力的すぎる。

サーシャは数ある部位の中でも二つしかない贅沢な部位ーーー目玉を指で転がすとつやつやとした唇へつるんと流し込む。

ベッドへ移動していた頃にはすでに制服は半脱げの状態たった。

オリジナルの『アニュー・リターナー』より5㎝も大きいバストを揉みしだき、自身の割れ目を搔きむしる。

そして。

彼の眼球を歯で破裂させたと同時に彼女は絶頂した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『甘露…♡』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女の名は『サーシャ・リターナー』。

イノベイトとして生を受けながらも誰よりも愛により狂い、愛する者のために魂さえ捧げた女(人間)である。

 

 

 

 

 

 

――――――――

 

 

 

 

「ぎゃあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

オレはこの女の話を聞いて引きつった悲鳴どころか、人生最大の悲鳴を挙げた。

いつの間にか尻餅をついている。

怖い!

怖い!!

怖い!!!

怖すぎる!!!!

怖すぎるだろ!!!!!

何コイツ??!!

何なのコイツ???!!!

下手なホラー映画よりこえーよ!!!

嫌!

今まで観たカニバリズム映画の中で一番怖いよ!!

はあ?!

普通好きな人と同化したいなんて本気に思うか?!

互いのやりとりを楽しむのがカップルの本懐なんじゃないの?!

そうこうしてる内に、尻餅ついているオレの目の前にサーシャが立っているのに気が付く。

 

「私、貴方様を一目見た時からずーーーーーーーーっと考えていたんです…」

 

奴の表情は蛍光灯の逆光で窺い知ることができない。

オレはもう失禁寸前の状態で、手足を動かした。

強化されたはずなのに思う通りに動いてくれない。

何かのバグか!

 

「でも!

やっと夢が叶った…!

ずっと貴方様が私の中にいてくれている…!!

私の中に貴方様が流れている…!!!

そう思うと私!!!!!

私は!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

このバケモノは自身の制服を左右に引きちぎったとおもうとその豊満すぎる身体を揉みしだき、自慰行為を始めた。

状況が状況でなければ興奮したかもしれないが、今は恐怖でしかない。

思わず心の底で自身を捨てた、阿婆擦れクソビッチ中古マ〇コ(母親)に助けを求める。

助けてくれ。

今なら近親相姦上等で喜ばせてやるからよ!

 

「怖がらなくてもいいんでちゅよー貴方様!」

 

突然怪物から抱擁を受ける。

怪物の豊満な胸で溺れそうになる。

だれが赤ちゃん扱いか!

サイボーグの筋力を活かし、はねのける。

 

「私…もう一つ、夢があるんです…。」

 

倒れた状態から、どう考えてもおかしい跳ね起き方をして悪魔は呟く。

 

「貴方様と私の子供が欲しいって!!!!!!!!!!!!」

 

はあ?!

このタイミングで子供ができたら計画に支障をきたすだろ!

責任とらせる身にもなれや!

妊娠ってのは女しかない最強の切り札なんだぞ!

 

「子供はのびのび育てたいから田舎にいきましょーね。

家は三階建てでー庭はキャッチボールできるぐらいに広くてー。

子供の相手をしてくれるペットもかいましょーねー。

貴方様はねこといぬどちらがおすきですかー。

あら?なにいってのかしらー。

わたしとあなたさまはいっしんどうたいなのだからわんちゃんがすきなはずじゃない・・・・・・・・・・・・・・」

 

「ひいいいいいいいいいいい…………」

 

オレは何とも…。

情けないことに失禁し、全身を滑稽に動かし後退りするので精一杯だった。

今年で50だというのになんという失態だ…。

 

「ああ!!

勿体ない!!!」

 

突如魔獣にズボンに吸い付かれる。

床まで舐めるなでなんて卑しいヤツ。

妖怪あかなめかよ…。

 

「こうしちゃいられません!!!!!!

子供たちが待っています!!!!!!!」

 

魔獣は大声と共に立ち上がり、オレの足をつかむと自室まで引っ張られる。

必死に両指を硬質化させ、床にめり込ませるも、理解不能の力で引きずられる。

サイボーグのオレが抵抗できないないだと!

後日、聞くに愛の力だとか…。

 

 

 

 

オレは人工筋肉の電源を切られ、三日三晩監禁され、考えつく限りの凌辱を受けた。

奴(邪神)―――サーシャはオレを接合したまま、瞬間接着剤とベルトで体を固定し、三日三晩搾取し続けた。

飲食物は口移しで流し込まれ、奴はオレの小便さえ飲み、出した後のケツの穴まで舐める。

オレはこんなバケモノ飼ってたのか…。

ヴェーダよぉ…返品(クーリングオフ)だ!!!!!!

 

 

 

 

三日後…ようやくオレは解放された。

妊娠したんじゃないのってぐらい膨れた下っ腹を幸せそうに摩るサーシャをよそに、オレは自室に引きこもり、泣きじゃくりながらやけ酒した。

なんでだよ!

何でオレだけこんな目にあう!!

あんまりではないか!!!

…最近自身の身におきた不幸を箇条書きにしてみよう。

 

 

巨大PMCの代表取締役社長にされる(強制)。

人間じゃ扱えないMSのパイロットにされる(強制)。

ならパイロット強化すればいいんじゃねってことでサイボーグにされる(強制)。

部下にハチの巣にされる(部下は強制)。

愛人に喰われる(食事的に)。

愛人に喰われる(性的に)。

 

 

 

だれか変わってくれ…。

何か巨大な陰謀を感じる。

もし神がいるならオレを指さし笑っているんじゃないか?

 

「これじゃ道化だよ…」

 

オレは三日ぶりの自室のベッドでまどろんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…今までの関係でいたい自分と一歩踏みこみたい自分がいるんです。

でもいざという時、暴力にはしちゃって…。

結局タケ…Tちゃんに迷惑をかけちゃうんです」

 

赤髪の少女がマイクを持ち、カミングアウトしている。

 

今、ホワイト・ホエール・セキュリティー・ガード社のブリーフィングルームに大勢の少女が集まっていた。

今最後の相談者の話が終わった所だ。

『プシュケーの恋愛相談』それが今回の懇談会だ。

弊社では月に一度このようなガス抜きが行われる。

部下とのコミュニケーションは大事だ。

そして今、最後の相談者の話が終わったところである。

 

「話してくれてありがとう。

さて、思春期で多感な年ごろな君たちにとっては恋愛というものは最大の悩みだろう。

いまでは私は男性のなかでは成功を収めたといって言ってもいいだろう」

 

サーシャ、ベアト、シルヴィー、ゆーこ…etc.etcマジで恵まれたな私。

 

「ここに来るまで私は、思えば多くの失敗や挫折を繰り返してきた。

だがその経験が今に生き、今に繋がったと思えば感慨深いものである。

年長者者としてアドバイスしたいが、残念ながら知っての通り、男女の恋愛の価値観は多いに異なる」

 

下半身でしか女を見れない男と、最後までロマンに生きる女じゃマジ恋愛の意味が違うからな。

 

「そこで私の代役を立てた。

当然知ってると思うが、あえてここで紹介しよう」

 

隣に立つサーシャが一歩前に出て優雅に一礼する。

 

「我がホワイト・ホエール・セキュリティー・ガード社、副司令官兼私の秘書官、サーシャ・リターナー特務一佐だ。

ご存じであるかもしれないが、長年私の愛人でもある。

私の浮気、ナンパを目撃するたび、嫉妬心を燃やし、拉致、監禁、拘束、逆レのコンボを繰り返す事、通算308回…。

改造手術で摘出された私の肉片を貪ぼり完食した…、聞いての通りの正真正銘のバケモノだ。

この恋愛感情こじらせ激ヤバ激重ヤンデレカニバリズムサイコ恋愛モンスターに、アドバイスを頂こう」

 

会場はザワつく。

正直、こんな邪神から聞くアドバイスなんて役に立つとはおもえないが…。

本人立っての希望ならしょうがない。

サーシャがマイクを持つ。

 

 

 

 

『まずはっきり言いましょう。

男のナニを咥えたこともねーションベンくせー小娘がガタガタぬかすんじゃありません。

貴方のそれは恋愛のステージにすら立っていません。

それじゃあ恋愛以前の問題です。

恥?

社会的立場?

人間性?

かんけーねー犯してー。

本当にその人を愛しているならありとあらゆる障害を粉砕し、その人の元へ猪突猛進し、組み敷いているはずです。

最悪、その人が振り返らなかったら足の腱を切り、腕を切り落とし、鎖で縛り、自身で囲ってしまえばいいのです。

それでも振り向いてくれないなら眼球を…』

 

 

 

「そこまでだ。

見ろ。

相談者が全員泡吹いて気絶している。

至急医務官へ連絡だ。」

 

こうなるから嫌なんだよ!

こいつの恋愛感はよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 









ごめん
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