Muv-Luv ALTERNATIVE <The White Evil King> 作:段段だ段
「貴様らに存在できる世界(戦場)は無い!
命を管理する立場にある私が直々に粛清してくれる‼」
あれから3日後…。
私は進行するBETAの迎撃作戦に参加していた。
だって掲示された報奨金が、眼が飛び出るほどだった程だったのだもの。
これでも一家の大黒柱だからな。
それにしても…。
私は待機している東ドイツ軍、本隊に目をやる。
全員、案山子のように棒立ちだ。
いや、お前らせめて援護しようとする意志を表せよ!
私はお前らの使いっぱしりか?
そんな中、バラライカ・ツヴァイに駆るブレーメ少尉とクワトロ大佐がオープンチャンネルで出せ、許可できないと口論している。
早く新型機の性能を試したいのだろう。
はーい。
おとなしくしていてねー、足手まといだから。
そんなこんなしている内にBETAも残り数千単位になった。
やっぱBETAとの戦闘は退屈だわ。
ライザーソードで焼くか…。
そんな事を考えていると上空から殺気を感じ、サタナエルを翻させる。
「うおっ‼危ねっ‼」
私が0.1秒前にいた場所にのこのこ進行してきた突撃級が赤色の巨大な光の奔流に飲まれ、蒸発した。
これは一体…!
危険は感じるが敵意は感じられない。
私は上空を見上げる。
『余計なお節介でしたか?
総司令官殿』
そこには白を基調とした紫のツートンカラーのずんぐりむっくりの機体がホバリングしていた。
「その声!リターナー特務一佐か?!
その機体は!」
そのガンダムはラファエルガンダムドミニオンズに、GNビッグキャノンを両肩、背部に取り付け、腹部にストライクフリーダムじみた銃口を確認できる。
そして武装はビームライフルやビームバズーカを積めるだけ積み、殺意の塊だ。
『如何でしょう?
ラファエルガンダムⅡドミニオンズカスタム…。
ティエリア・アーデから得たデータを元に地上戦用に改修した私の専用機です』
お前、完成していたなら報告しなさいよ!
報連相は社会人の基本でしょうが!
お前組織のナンバー2なのにそんな当たり前のこともわかんねーのか?
そんな事を考えている内にラファエルはBETAをその大火力で焼いていく。
さっさと終わらせて事情を聴こう。
「さっさと終わらせよう…。
リターナー特務一佐、わかっているな?」
『ええ…。
夫婦水入らず、一緒に奏でましょう。』
サーシャも珍しく獰猛な笑みを浮かべる。
『『トランザム』』
――――――
二人そろって力の持つ言葉を放った瞬間―――。
二つのガンダムは赤く発光した。
瞬間、二機は重力から解放されたかのように加速し、東ドイツ軍の衛士の視界から掻き消えた。
フィンビットとビッグクローが交差し、戦場を駆け回る
ガンダムサタナエルが突撃級を切り裂くと、その背後に痒い所に手が届くようにラファエルガンダム
Ⅱが飛び出し、要塞級をビームキャノンで焼く。
二機はお互い一つの生命体のようなコンビプレーで、BETAを蹂躙させていく。
その動きにはお互いを分かり切っているのだろう、言葉は無い。
『すげえ…、動きが見えない…』
『あの新しいガンダム…、何て火力だ…。
ありゃあ国を落とせるぞ…』
『ラファエルっていったな…、あれがガンダム…、天使の力…!』
『まさに紫色の砲手だ…!』
衛士たちは二機の動きに釘付けだったが、一機、いや一人だけは違った。
言わずもがなバラライカ・ツヴァイを駆る、ベアトリクス・ブレーメ少尉である。
(私のディアキリスティス様に何て馴れ馴れしい…!)
艶やかな唇は八重歯で突き破られ、口の端には鮮血が滴る。
(私のだ…渡すものか…、二人でドイツを正しい方向へ導くんだ…)
ぽっと出の女に自身の愛した男を渡すかと、ブレーメ少尉は操縦桿を血がにじむ程の握力で握りこむ。
(私は無力だ…!私にもガンダムがあれば…!)
彼女は一人決意を固めていた。
―――――
「初めまして。
私はPMC、ホワイト・ホエール・セキュリティー・ガード社の副指令兼副社長。
ディアキリスティス総司令官殿の秘書官を務めているサーシャ・リターナー特務一佐でございます。
以後よしなに、クワトロ大佐」
クワトロ大佐とサーシャは互いに挨拶しあう。
周囲はサーシャの神秘的な美貌に夢中だ。
あーあ、もう終わりかよ。
結構楽しませて貰ったのによ。
基地の女?
解んねーけど全員抱いたぜ?
毎夜来る女の抱き心地の違いが最近の楽しみだったのに。
サーシャのパイロットスーツは白を基調とした紫のツートンだ。
髪色と同じだな。
「それで?
貴官は何の御用でこちらに?」
ブレーメ少尉が、私怒ってますオーラを隠さず嫌味たっぷりにサーシャに問いかける。
ちょっ!やめて!そいつは意外に挑発にノリ安いんだってば!
そいつに再起不能にされた女がどれだけいると思っている?
「当然我が軍の総司令官…、『私の』…、プシュケー・ディアキリスティス閣下のお迎えでございます。
それが貴女に何の関係が…?」
二人の距離は50㎝もない。
二人は威嚇しあうように距離を詰める。
双方の乳がムニュと潰れる。
サーシャの爆乳とブレーメ少尉の発育途中のおっぱいがつぶれる。
サイズ的にはサーシャの圧勝なのは目に見えて明らかだ。
二人のあまりの威圧感にクワトロ大佐はドン引きしている。
衛士たちに目をやると威圧感に当てられ、数人失神し、周りに介抱されている。
「わたしの…?
同志ディアキリスティスは我が祖国の統一に全身全霊を捧げることを約束してくれました…。
我々の大義に部外者が口を出さないで頂きたいのですが?」
はあ?
知らんがな‼
そんな約束しとらんわ!
勝手に自己補完して他人の意思のを曲げるなや!
「部外者というなら貴方がそうでしょう?
あのお方は情報収集の任務のために貴方に仕方なく接触したのです。
お分かりですか?
見ず知らずの知らないお嬢さん?」
おっぱい相撲と口論はサーシャの優勢だ。
やめとけ。
こいつに口や政治で勝てる人類はいない。
ブレーメ少尉はグヌヌヌと言う感じで顔を歪める。
「それで!本日は一先ずお帰りになられるということでよろしいでしょうか…?!」
クワトロ大佐も顔は真っ青で脂汗が塗りたくられている。
かわいそうに…。
「ああ…。
元々、私のこの世界でのファーストミッションはBETAへの威力偵察だったからな。
今考えると、のんびりし過ぎた」
場を取り仕切るようなクワトロ大佐の問いに咳払いをして答える。
未だに場のドロドロとした空気は拭えない。
「それなら…。
私も連れて行ってください‼」
ブレーメ少尉はサーシャとのおっぱい相撲から抜け出すと胸元に手をやり、そう叫んだ。
はあ?
お前、宇宙までストーキングするつもりか?
マリカーの甲羅か?
「私は同志…いや…ディアキリスティス様に気付かされました!
国を、人類を守るには時には…、誰かが思想や国を離れる必要があることを!」
この思想テロリストの卵のメスガキは何をほざいているのだろう…?
周りも拍手やめーや‼
断り辛いだろうが!
彼女の目には殉教者特有の熱い色で燃えている。
うわ。
やめろよ。
マジやめて。
かつての自分デジャヴしちゃう。
彼女の目はよほど興奮しているのかイノベイター特有の虹彩で発光している。
「我が軍に来るということは国を捨てるということになる。
少尉はそれでいいのかね?」
熱意に負け、私は最終確認を行う。
後悔すんなよ!
ここまで来たら最後まで連れていくからな!
「覚悟の上です!私が国を捨てても、我が祖国は私を捨てないはずです!
そして、ガンダムの力を得た私がいずれドイツを統一し導いていきます!
ドイツを導くのは、このベアトリクス・ブレーメ…、イノベイターだ‼
だからぜひとも私に…ガンダムを‼」
その言葉の後に、自身のイノベイター特有の黄緑色に発光する虹彩を目を見開き、見せびらかすブレーメ少尉。
周囲はおぉ…とかそこまでの覚悟をとか抜かしている。
まあ、折角調達したイノベイターを遊ばせている余裕もないか…。
私はスキットルを口に含んだ。
酔うとやっぱだめだね