しょうか   作:くりすてぃーぬ 

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序:おもいの丈、だよ!

 今までいっぱい想像して、夢に夢みて、いろいろやってきた…。けど、それがいざ、目の前に現れると、どうするべきなの?う~ん、よく分からなくなってしまうのよね。

 

 

 この恋に気付くまで、私、武部沙織には、「自分の恋にはそつなく対応できる!」という自信があったのになあ。う~~~!!そうそう、これは決して根拠のない自信じゃないの。なぜなら、そのための努力や自分磨きを続けてきたんだから。

 

 お勉強、お料理、オシャレ、日課のヨガ、文章の早打ち、毎月欠かさず購読したゼ〇シィにつけてきた沢山の付箋はもちろん、コミュ力、好印象に捉えられる笑顔の作り方、大洗女子で一緒に戦車に乗ってきた華やゆかりんのような気配り、そして理想の男性、つまりイケメンにモテモテになるためのイメージトレーニングなどなど…。

 

けれど、やだもー、あれだけの準備をしてきたはずなのに。今の自分がどう動くべきかわかんないし、心の中がもやもやして仕方がないの~!

 

 

 

 

 じゃあ、私が恋に恋してる人は?私のことをどう思っているの?いったん情報を整理してみようかな。う~~ん。

 

 その彼は、アパートの隣の部屋に住んで、同じ大学に通ってる1人の男の人。私が大学1年生の時に思い描いていた、男性の理想像—背が高くて、いつも堂々としてて余裕があって、エスコートが上手くて、面白い話をぽんぽん振ってくれる、んで、もっと欲張るとイケメンな人気者…とかかな?とはちょっと離れている。

 

 身長は、157センチの私よりも20センチくらい高いのかな。お顔も鼻筋が通っていてしゅっとしていてかっこいい!とくに、最近も大学やアパート周辺で見かけるけど、前よりかっこよく見えるのよねー。これは恋の作用、ってやつかなー?

 

 

 けど、いつも堂々としてて余裕がある、エスコートが上手い、面白い話をぽんぽん振ってくれるとは言えないなぁ…。言葉遣いが礼儀正しいのは素敵かも。

 だけど、よそよそしいし、いつも視線が泳いでる…。私の顔を見て、なかなか目線を合わせてくれない…。せっかく毎日、ふわっふわの髪を整えて、いつ出会うかわかんないから、コンビニに行くときとかも、おしゃれしてるのにね。ちょっとショックなんだよね。どよーん。

 

 こんな感じで、私の理想の素敵な彼氏さん像に当てはまるところ、当てはまらないところはいろいろあるけど…。好きになっちゃったんだもん!ひとまず戦車前進、パンツァーフォー!!だよ!

 

 

 

 

 って、意気揚々と前進したいところだけど!彼は私のことをどう思っているんだろう?もしかして、どうも思っていなかったり??さらには、もう彼女がいたり?!?それはやだ!だけど、もし事実だったらどうしよう…。

 

 高田くんも私のことが好き。そんな確証が得られていないのに、私が突撃したら?高田くんだけじゃなく、周りの多くの人にも迷惑をかけて、更に高田くんや周りから嫌われてしまうかも………。

 

 

 

 

 大学2年生の夏にもなるとね。高校生の時の、夢ばかりみてて、女子校の枠を出ることのなかった自分が、いかにあまっちょろかったかがわかっているんだ。恋愛経験もなかったのにえらそうなことばかり言っちゃってね…。今考えると恥ずかしい!わー!

 

 だから、「撃って撃って撃ちまくる!下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる!」ってモテのやり方、封印してるんだ。いろいろあったから…。全方位の男の人にモテテクニックを使ったら、「ビッチ」とか「ぶりっこ」、「男だったらだれでもいい」とかの変な噂を立てられちゃったし…。それに、本当に私が好きになる人は結局やってこなかったの…。ふえ~ん。今は思い出したくないから、別の時に反省しよう!うん。

 

 思い返すと、高2の時のサンダース大付属との第一回戦や、それ以外のいろんな場面で見えた、華の信念通りだったかも。一撃必殺、自分がここぞ、と思うところでしか、モテテクニックを使わない。それを決意して、ようやく変な噂を払拭できたな、ってところに。彼が現れたんだよね、高田くんが。

 

 

 

 んで、ここで一撃必殺してもいいのだけど。いやいや、殺しちゃだめじゃん!

…ともかく、私には、高田くんの気持ちがよくわからない。それに、また、この様子を見られたり、失敗したりすれば…。変な噂を立てられるのはもーいや!

 

 

 

 

 

 そんな風にいろいろと、もやもやしていたら。あれ?そろそろ日が暮れそう?

 大学の図書館が開く8時半からそこで勉強して、午後は戦車道部の、短時間だけどみっちりの練習で。やっと帰宅してもやもやしてたら、1時間も経っちゃったよ!

 そろそろ夕ご飯を作らないと!

 

 

 季節は晩夏の8月下旬。そんな日の夕暮れ時。さっき、例のお隣さんに、何か荷物が届いたみたい。

 




初めまして!作者のくりすてぃーぬと申します。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
そんな貴方に、近いうちに何かいいことがありますように。
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