しょうか   作:くりすてぃーぬ 

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投稿日をまた1日後ろ倒しにして、申し訳ありません。


あらすじ:2月14日の初デートを無事に? 終えたさおりんです。



第11話:お父さん……大好きだよ~!

高田くんとのデートから今日で、ほぼ3週間、かな?

 

その3週間で、戦車道の大学春季大会が始まって、それで昨日が表彰式で。

とにかく、この3週間はあっという間に過ぎたんだ。

 

結論から言うと。

私たち、水戸大学はね、準優勝できたんだ!

 

決勝戦でケイさん率いるサンダース大に負けちゃったけど…。夏大会は予選の県大会で負けちゃったことと。あと、12月の練習試合で負けた信州国際大にね、ギリギリだったけど勝てたことを考えると。十分、雪辱を果たせたんじゃないかな~?!

 

水戸大学チームが準優勝になったのはもちろんだけど、水戸大学2号車、あんこうチームも大活躍だったよ!自分で言っちゃうの、ちょっとおかしいかもだけど!あれだけの活躍できたら、ちょっとくらい自画自賛してもね!ばち当たらないはずだよ~。

 

この調子でいけば、戦車道推薦での就活も!有利になりそうなの!テレビにも私、いっぱい出れたから、アピールばっちり!

今までは、素敵なカレが私を見てくれること、期待してたけど。私には高田くんという存在が出来たから。今は会ったことないどこかの男の人よりも!高田くんと企業の人事担当の方に、私の雄姿、ばっちり印象付けたいの!!

 

よ~し!わたくし、武部沙織選手!通信手として、チームに貢献できるよう、今後もバリバリ頑張っちゃうよ~~~っと!!

 

 

 

 

こんな感じで。今後も頑張っていこうって気持ち、新たにして。昨日で戦車道部の活動は、一旦キリがついたんだ。

でもね、すぐに4月の新歓の準備が始まるよ。だから私もPR、いっぱいしないとね。準決勝に輝いたし、新入生ちゃんがいっぱい入部希望してくれるといいな~。

 

 

 

って!ゼミの試験が間近に迫ってるじゃん!新歓も大事だけど!私は新3年生で、主体的に動く今の1年生ではないわけだし。私のやるべきこと!まずは、ゼミ試験だったよっ!うひ~~~!

 

 

 

私はすぐさま、ゼミ情報が載った学科パンフレットを開く。

 

んーと。うんうん。私のやりたいテーマやってるゼミ、一か所だけじゃないみたい。

 

ここに入るためには…、累計GPAが2.7以上じゃないとダメなのね。

よかった。今期で3.1を取れたから、私のGPAはギリギリ2.7だよ。ギリギリだけど、挑戦してみる価値、十分あるかも。

 

 

 

 

こんな感じで。

一通りの対策と、勉強を終えた頃には。20時になっていたよ。

 

 

ぐう~~~~~!おなかが鳴っちゃった。

そーいえば、お昼から何も食べてないんだった。

 

冷蔵庫の中を探る。うんうん、ベーコンと人参と卵と生姜、油揚げにしめじ、それに納豆があるね。納豆は明日の朝ごはんに残すかな。

あと、キッチン上の収納棚には…、うん!鯖缶があった。

 

よ~し。今日の夕ご飯は!鯖缶を使った炊き込みご飯と、ベーコン入りのお味噌汁にしようっと。最後にお味噌汁に卵を割り入れて、ポーチドエッグにしても美味しいのよね。

 

そうと決めたら、いつものふりふりエプロンを装着っと。眼鏡はかけたままにするよ。でもおなかが空きすぎてるから、その辺にあったチョコと全国大会中に貰った四方六を一欠片、口に入れる。

ん〜、美味し〜。これで夕食ができるまで、また動けそうだよ〜。

 

まずは、お水に漬けて冷蔵庫に入れてた昆布とかつお節で、お味噌汁と炊き込みご飯用の出汁をとり始めるよ。

 

ボトルに入れてたお水と昆布を鍋にセットして、火にかける。しばらくして沸騰する直前に昆布を取り出して、一度沸騰させてから。かつお節をこれくらいかな?って量を目分量で入れる。

 

また沸騰したら火を止めて、アクを取って弱火にするよ。それから3~4分ほど、じっくり弱火で火を入れてからかつお節をこすの。

 

 

出汁づくりが終わったら、お米を1合半洗って、炊飯器にセットする。

 

んで、醤油とみりん、料理酒を大さじ1くらい、目分量で加えて。

その後に鯖缶の中身(鯖のお出汁が染みこんだ汁も捨てずに活用するよ)とさっきのお出汁を、300cc丁度になるよう入れた。

 

私、けっこう温度とか大さじ小さじとか、てきとーだけど。お米の場合はちゃんとお水の量、量るようにしてるのよね。お米は水加減で美味しさが全然違っちゃうから。気にするのけっこう大事、だと思うんだ?

 

これに千切りにした人参と生姜と油揚げ、それとゴマとしめじを加えて。炊飯器スイッチオン!

 

 

 

 

 

その後に作り始めたお味噌汁の様子を見ながら、ふと考え始めたのは。高田くんのこと。

 

私は以前から、料理をしながら高田くんのこと、考えるようになっていて。多分、私の料理を食べてほしいって考えてるからかな?んで、今日も例外じゃなかったみたい。

 

デートの日、帰宅した後にやりとりしてから。ほぼ連絡してないのよね…。手料理のやりとりも、私が春季大会で忙しくて、できてなかったし。用事もないのに、最近何してるの?とかも聞きにくいよ…。

 

だから。最近どうしてるのかな?とか今度のデートの予定とか。色々気になってること多いのに…全然状況が掴めないの。

 

戦車道では逐一、入ってくる情報を整理して、みぽりんに伝えて判断していくってこと、上手くできてると思うよ。だけど、高田くんのことは、不確実なこと、多くてなかなか身動き、できないや。

軽率な行動で今までの信頼や、関係が崩れることもあり得るわけだし…。

 

恋愛は私の得意分野と思ってたけど…なかなかうまくいかないよ〜。

 

うーーーん?!?どーしよー?

とりあえず私にできること、デートの誘いしたし、チョコも渡したりとか、全部やってみたから、彼を信じて待つべきなのかなー?

 

うーーー!誰かに相談して、意見が欲しいよ〜〜!意見もらえなくても、話を聞いてほしーよー。

 

 

 

そんなふうにあれこれ考えてたら。

あっっ!!お味噌汁が沸騰しそうになってる!いけない!いけない!

慌ててコンロの火を消した。

こんなミスするの、私らしくない…。気をつけないとね。

 

 

〜〜〜〜〜♪♫

わわっ!今度はなに?!?

…私のケータイか。この着信音は、お父さん?

いそいそとスマホを手に取る私。

お父さん、週に一回くらいの頻度で電話、かけてくるのよね〜。

ここ最近は2週間くらい、電話なかったのよね。

 

とりあえず、待たせるのも悪いから、緑のボタンをタップした。

 

 

「もしもし、お父さん?」

 

「もしもし。沙織か?父さんだよ」

「久しぶり、元気にしているかー?」

 

「うん。元気だよー。そっちはー?お母さんも元気?」

 

「ああ。2人とも元気だそ!」

 

「最近電話なかったけど。どうかしたの?」

 

「ああ。沙織の戦車道大会があったからな。忙しい時期に悪いと思って掛けなかったんだよ」

 

「ありがと」

 

「テレビ、母さんと見たぞ。準優勝おめでとう。なかなかにいい試合だった」

 

「うん!ありがとう!」

 

「沙織の勇姿もちゃんと見れたぞ!」

 

「こんなにステキな女性になった沙織に、本当に彼氏ができるかもしれないと思ってしまうくらいだった」

 

「またまたー。早くできてほしいんだけどね」

 

お父さんはいつもこうなんだよね。高校時代は「かわいい沙織に彼氏ができてないか心配だ!」って毎日のように電話してきてたっけ?

 

 

「まあ、ここまでくると、沙織に彼氏ができることを祝福するつもりでいるよ」

 

「そうなの?」

 

「ああ、沙織はずっと一人暮らしだからな。高校に入学した時から」

「だから、親元にずっと引きとどめているわけでないから。犯罪に巻き込まれるとかはともかくとして、見守って遠くから応援しようと。最近思うんだ」

 

「そうなんだ…」

 

「沙織も20歳になったことだしな。彼氏ができるのは喜ばしいことであるべきかもしれないな、父さんと母さんにとって」

 

「お父さん、ありがとう…」

 

「ただ、彼氏ができたら、いつでも報告はしてほしい。報告してくれないのはいくら父さんでも寂しいものだぞ。」

 

「うん!報告、絶対するよ!」

 

「あとな、彼氏のことでもそれ以外でも、辛いとか不安があったらいつでも父さんや母さんに相談していいぞ。

沙織に何もないのが何よりだが、その時には全力で対応するからな!」

 

「うん!ありがとう!お父さん」

 

「?なんだ?」

 

「大好きだよ。応援してくれて、ありがとう」

 

「こちらこそありがとう。お父さんも沙織が大好きだぞ。

昨日まで大会で疲れてるだろ?そろそろ電話もこれくらいにしておくか」

 

「そうだね、お父さんから、他に何かあったりする?」

 

「沙織が元気なことを確認できたから、他には何もないぞ」

 

「わかった。そうだ。お父さん。ちょっといい?」

 

「なんだ?」

 

「相手を信じて判断を待つって、どういうことかな?」

 

しばしの沈黙が続いたあと、お父さんが言う。

 

「…そうだな。それは難しいことだ。」

「それは、相手のあるがままを受け入れる、ということと同じだと、父さんは思うぞ」

 

「え?なんで?」

 

「人は自分の思うようには動いてくれない。人に判断を任せて待つことで、自分の思うように動いてくれないことの方が多い。」

 

「うん」

 

「自分の思い通りにいかないかもしれないということを受け入れて、相手の判断のありのままを尊重する必要が出てくる。相手を信じて判断を待つってことにはね。そうなったとしてもその相手と関係を続けたいのなら。」

「もちろん、周りの全員にそうすべきではないが…。沙織がそうしたい相手なら、それなりの覚悟を持って待つのが必要じゃないかな?」

 

「そうなんだね。答えてくれてありがとう。お父さんの話を聞いて、ちょっと気持ちが楽になったかも」

「私からも何かあればまた連絡するね!」

 

「ああ。連絡待ってるぞ」

 

「待ってなくていいよー。お母さんにも、あと詩織にもよろしくね」

 

「そうだな。伝えておく。じゃあな。体に気をつけて春休みもやることはやって楽しめるといいな」

 

「もちろんだよー。電話ありがと。またね」

 

ぷつり。

 

 

 

お父さんから、彼氏さんを作ってもいいって、応援するって。初めて聞いたかも。結局高田くんのこと、話せなかったけどね。

 

相手を信じて判断を待つなら、相手の判断全てを受け入れるべき、か。

私は、高田くんが私との関係に、どう動いても。それを受け入れていく必要があるのかもしれない。

高田くんのことが好き。だから、高田くんの判断を尊重しようと思う。

 

私はやるだけのことをやったのだから。決定権は高田くんにあって、私がこれからどうこう動くのはおかしいのかも。

 

次のイベントはホワイトデー。この日に何かあるのかもしれない。

ホワイトデーまで。あともう少し。せめてそれまでは、高田くんの判断を尊重しよう。

 

 

 

たとえ、それが私にとって。良くない結果だったとしても。

 

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