しょうか   作:くりすてぃーぬ 

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UA数が今週で急激に伸びていると思っていたら、いのかしら先生が推薦文を書いてくださっていました。
本当にありがとうございます!m(__)m
いのかしら先生の推薦文は、簡潔に拙作の要点をまとめてくださっています。
よろしければ今話のついでに、ちらっと覗いてみてください。


第13話:彼氏さん は!あんこうチーム の しんらい を!て に いれた!

いろんなことがあって、時間もちょっとかかったけど。ようやく、私と高田くんは。

告白されて付き合うことが、できるようになったんだよね。

 

 

 

 

正直、私にはもったいない人だなって。そう思っちゃうくらい、かも。

それくらい、高田くんは想像してたよりも素敵な人だった。

 

だって、付き合うようになってから1か月くらいしか経ってないんだけど。彼のいいところ、素敵なところ、付き合う前よりもたっくさん見えてきたんだから!

 

 

 

お顔や出で立ちがしゅっとしててカッコいいのはもちろんだけど!

 

 

アパートで会って目が合った時、顔を合わせた時は。優しいお顔になって微笑んでくれる。

デートで街の中を歩いた時は。私が車道側を歩かなくていいようにかばってくれてる。

入ったカフェでは。割り勘にしてるけど、多めにお金を出してくれるんだ。

んで、いつも、私の話をすごく楽しそうに、にこにこしながら聞いてくれるの。

 

 

 

そしてあのデートの日より、自分のことを語ってくれるようになって。心を開いてくれてるんだなって感じるの。

 

 

 

 

こんなふうに、素敵でカッコいい高田くんが…!私を彼女枠に入れて、大事にしてくれる。

しかも今まで、両片思いだったみたい。

 

 

今の状況も、両片思いだったことも、ううん、何もかもが幸せすぎて。

本当の出来事なのかが、たまに信じられなくなっちゃうのよね。

 

 

 

だけど、そんな私の彼氏さんは、時々自信がなさそうで。

 

「僕で良かったの?」ってゆーオーラがたまににじみ出てる。

 

 

だからそんなとき—そーいうことを聞いてきたり、オーラが出てる時?—にはね。

 

「高田くん『が』いいの」

 

って。言うようにしてるの。

 

だって愛してる人には自信、もってほしいじゃない~?

実際に私は今、高田くんと一緒にいれて、本っ当に幸せなんだから~!!!

 

あとそもそも、私のことを買いかぶりすぎてるんじゃないかな。もちろん嬉しいけどね。

 

私だってダメダメなとこ、あるよ?

だけど、いつか気づいて。そして彼だったらきっと受け入れてくれるだろうから。

敢えて今出したりってことはしてないつもり、だよ?

 

もしかしたらもう出ちゃってるかも。…ま、いっか。

 

 

 

 

 

 と、こんな感じで。私たちは付き合ってほやほやのカップルだよ。

 

だけど大事な時期なのに、私たちはお互いにけっこう忙しくなっちゃった。

お互いの部活の新歓に、高校生との練習試合の遠征に、ゼミの選抜試験。

とにかく予定が目白押し~~~~!!!う~~~~~。

 

しかも高田くんはバレーボール部の新歓の担当者に抜擢されちゃったみたい。

最初に聞いたときは「抜擢されるなんて、すごい!」って思ってた。

でもよくよく話を聞いてみたり、考えてみたら。

体よく押し付けられた匂いがぷんぷんするよ~~?

 

でも、押し付けられちゃったものは今更、仕方ないよねっ。

私は応援することにしたんだ。だって私、彼女だもん。

彼氏さんが「頑張る」って決めたことは応援したいし、するのが理想の彼女像よ。

 

…これも雑誌の受け売りだよ。

彼氏さんはできたけど、今度は高田くんとの結婚を夢見てね。毎月欠かさず購読していこうと思ってるの。

 

 

 

 

そうそう、この時期が忙しいのは高田くんだけじゃなくて。私もだから。

ホワイトデーの日、3月14日に告白されて。その3日後には練習試合の遠征だったんだ。

 

 

春季戦車道全国高校生大会の優勝校(今回も我らが母校、大洗女子学園だったの!おめでと~~!!!)や他の高校(サンダース大付属とか黒森峰とかの強豪校ね)との親睦会兼練習試合、というのがこの3月にあって。

 

これね、日本戦車道連盟が2年前くらい?から始めたイベントなんだ。

 

日本戦車道連盟が

「戦車道に携わる若者のよりよい育成のため」

 

とゆーことで大学戦車道大会の優勝校と準優勝校の学生選手が、強豪高校の高校生選手と交流して、進路とか学生生活の相談を受けたり、大学PRをしたり、んで試合して大学生選手のすごさを見せつけるって感じの、そーゆーイベントなのよ。

 

このイベント、私が高校生の時はなかったのよね…。

あったら絶対役立ったのに~~~~~~!高校生の時に参加してみたかったよ~~。

 

 

でもでも、可愛くて将来が有望な後輩ちゃんたちのためなら!

私も一肌脱いで、張り切って参加してきちゃったよっと!!

 

 

 

 

んで、遠征から帰って来て一息つく間もなく…、ゼミ決めの選抜試験も3月末にあって。

私・武部沙織選手は何とか希望のゼミ、日本語学のゼミに入れたんだ!

 

 

日本語学に興味をもつようになったきっかけも、戦車道!

 

通信手をやってる時に微妙なニュアンスの違いや言葉選びの違いでね、相手に上手く伝達が伝わらなかったり、逆に上手くいったりってことがあったの。

そこからね、日本語の成り立ちや方言、そして私がやりたい言葉の分析に興味をもつようになったんだ!

 

んで、日本語学を選んだのは、私の興味関心だけじゃなくて。

国文学と最も近い分野なのが、日本語学ってのもあるよ。

戦車道は無線が要(かなめ)の一つだからね~。

 

これをゼミや卒論で研究したら、戦車道部の活動に活かせそうだし、何より就活で私の一貫性をアピールできそう!

なんでって、ここ最近で自分の今までの経験の一貫性、別の言葉を使うと自分の軸、自己分析を理解して、まとめて足りないところは伸ばすべきって。そう気づいたから、だよ!

 

これは、就活の話を先輩や大学のキャリアセンターで聞いて学んでて気づいたのよね。

この自分の軸とか自己分析とか一貫性ってのは人によって違う。

私の場合は女子力と高校から続けてる戦車道、国文学になりそうで。

 

そして、私ひらめいたんだ!

戦車道と国文学、その中でも日本語学、を結び付けて自分の強み、増やしてみたいってっ!!

そーしたら無敵じゃない~?!

 

日本文学も戦車道もモテのために始めたものだけど、結果、やってて楽しいし、私の軸の一つになってる。

んで、二つを結び付けてるのはモテと女子力アップの志、なわけで。

 

「男子にモテるのに必死になってるのバカみたいwww」って大学一年生の時に言われたことあるけどさっ!!(怒)

私は男子にモテるのも大事だけど、掘り下げたら「女子力高くしてる自分が好き」だから続けられてるのよ!

人が好きでやってること、その人の軸がなんであれ、バカにするの良くないと思うよ~っっ!!

 

って言ってやりたいな。

 

 

 

…こんな感じで私もいろいろ用事とか考えること多くて。

高田くんと直接会える頻度はそんなに高くないのよね…。

私が遠征に行ったりしてたから、LINEを送り合うのが精一杯。

その延長で、いつの間にか朝にはお互いに「おはよー」とかの連絡を取り合うようになっていたよ。

 

お互いに起きたら「おはよー」と送るだけでも。

繋がれてることが何だか嬉しいんだ。

 

 

 

 

そして今日は4月15日。戦車道部の新歓も目処がついてきて、履修登録も大体決まってきて。やっと一息つけるようになってきたの。

 

んで、今日の私は張り切って、ポテトサラダとかプルコギを作っているよ。

なんてったって今日は久々の女子会!

メンバーは大洗あんこうチームのみんなだよ!

 

 

ぴんぽーーーん。

「沙織さーん。西住です。華さんと優花里さんと麻子さん、みんなと一緒に来たよー!」

 

おっっ。みんな来たみたい。早い早い!まだプルコギの具材、切ってる途中だよっ。

とりあえず。私はプルコギ具材を切ってた包丁を、まな板の上に置いて。

玄関に鍵を開けに歩いていった。

 

 

 

 

…そしたら始まって1時間経たないうちに!みんなが高田くんに会いたいって言ってきたの~!え~~~。

「夜遅いし、彼に悪いって!!」って何とか断ろうとしたけど!

お酒が入ったみんな、厳密にいえばみぽりん以外は。勢いが止まらなくて!

 

 

結局今、私はLINEを打っちゃってる!!

 

 

♡高田 真一くん♡

 

        今日

 

おはよー

   7:30

 

           今時間ある?

          既読

          20:40

 

 

空いてますが、どうしました?

             20:41

 

 

           こっちの部屋来れる?

          既読

          20:41

 

 

行こうと思えば行けますが、今そ

ちらにご友人がいるはずでは?

           20:43

 

 

        その友達が会いたいんだって

          既読

          20:43

 

邪魔にならないかと

        20:45

 

           とにかく来て!

          既読

          20:45

 

 

わかりました。少々時間はかかり

ますが、なんとか向かいます。

             20:47

 

 

こんなやり取りで。高田くんは渋ってながらも来てくれることになったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

「あ、高田くん高田くん。ごめんね急に言っちゃって」

 

 

高田くんはしっかりと清潔感のある恰好で来てくれた。

片手には酒瓶を持っている。

お土産かな?

 

「いえ、時間は空いていたので大丈夫ですよ。それより本当に上がっても……」

 

 

「なんか友達が呼べってうるさくて……」

 

 

「ご友人ですか。先程玄関先にいらっしゃったのも……」

 

 

 

え???

 

「あれ?麻子行ってたの?」

 

 

 

「はい、黒髪の背の低い方が……そちらの」

 

 

 

 すると、麻子が私の背後近くに、どたどたと歩いてきた。

 

 

 

「あ、麻子。高田くんになにかしたの?」

 

 

 

「いや、何もされてはいませんが……」

 

 

 

「さおり」

 

 

 

今度は麻子が背を大きく伸ばして、私の目線に近づいてきたよ。

 

 

 

「認める」

 

 

 

「何をよ」

 

 

 

「交際」

 

 

 

「親じゃないんだから」

 

 

 

何のことよ。

 

 

 

 

 

あとで麻子から、玄関先でこんなやりとりしてたって。みんなの前で聞いたんだ。

 

 

 

 

「……えーっと」

 

 

 

「お前が高田か」

 

 

 

 

 

「え、は、はい。如何にも自分が高田ですが……」

 

 

 

「お前が、沙織の彼氏か」

 

 

 

 

 

「ええ、確かに」

 

 

 

「沙織のどこが好きだ」

 

「答えろ」

 

 

 

「……畏まりました。

 

 どこを、ですか……なかなか難しいですね。言葉で、論理的に、整然と何事も表そうとした自分でもパッと出てこないのですから」

 

 

 

 

「最初は、本当に一目惚れ、とかいうやつだったんです。彼女が人のために、人のことを思って動く姿、自己中心的な自分にはない姿、最初に惹かれたのはそこだったと思います」

 

 

 

 

 

「その後は隣人として付き合っていく中で、人となり、ひたむきな姿、人としての包容力の高さ、それらを知り自分の中で思いを深めていきました」

 

 

 

 

 

 

 

「直近で会った、それが自分の中に一種の確信に近いものが持てたところでしょうか。長い時間一緒にいても嫌悪感が一切なかった。むしろ長く居られるところに喜び、そして落ち着きがあった。

 

 この人とより長く居られるなら、自分の人生の意義はそこにあって問題ない。他の全てを捧げてもいい。何してきても全てを受け入れられる。

 

 そう考えられたからこそ、奇跡というものを信じてみたくなったのです」

 

 

 

「そうか」

 

 

 

時間をしばらく挟んで、麻子は小さくそう答えた。そして部屋の奥へと引き下がっていった、らしい。

 

 

 

 

 

 

こーいうことだった、みたい///。

やだも~~~~。恥ずかしいよ~~~。

でも高田くん、私のこと、そんな風に、誠実に考えてくれてたんだ。

初めて聞いた、かも。嬉しいよ、でも、すっごく…照れる///。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この人が武部殿の彼氏の方でありますかぁ。マンシュタイン閣下っぽさのあるなかなかのイケメンでありますなぁ」

 

 

 

ゆかりんの品評が入る。ゆかりん、誰よその人。

 

 

 

「あらあら、やっっっっと沙織さんにマトモな彼氏ができましたね。うふふふ」

 

 

 

華~、今日も毒舌が冴えわたってるね。にしてもひどくな~~い??

 

 

 

 

「マトモな、は可愛そうだよ。華さん」

 

援護ありがと。みぽり~ん。

 

 

 

 

 

 

てなわけで。

一躍この集まりの話題の中心に連れ出された高田くんは、あんこうチームのみんなに経緯や内情を、根掘り葉掘り聞かれる羽目になっているよ。

そしてみんな、私と高田くんの交際を認めて、応援してくれたの。

 

 

 

私はお酒を飲みながら、すっごく温かい気分に浸ってる。

急に呼び出されて、慣れないだろう女子会で、四方八方から品評されることを引き受けて。

それでも目の前で楽しそうに笑ってくれる高田くんの、その優しさと誠実さ。

 

その優しさと誠実さ、そして幸せを、何度も何度も何度も噛みしめながら。




皆さま、今週もお疲れさまです。

今回も『ようかい』第10話から高田青年とさおりんのLINE文章と、高田青年と冷泉麻子、あんこうチーム各人の会話文を引用しました。

来週で本編が最終話となります。
最後まで駆け抜けていきますので、来週も読んでくださると嬉しいです。
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