一話完結です。多分。

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一話完結です。多分。


「グワーッ!助けてくれー!オレは福△雅治だー!」から始まる物語

「グワーッ!助けてくれー!オレは福△雅治だー!」

 

一人の老人が自販機の下でのたうち回っている。もちろん福△雅治ではない。

自販機の下でつぶされたゴキブリのようにうごめいてるのは……。

 

響ゆい

「show点のピンクの人!!」

水色

「水色だよっ!」

 

 水色だった。その水色に相対するのは紅い制服に身を包んだ一人の美少女。

肩よりやや長めの黒髪を、これまた赤いリボンでツーサイドアップにした

目元が優し気な少女であった。

 

響ゆい

「こんにちわ。響ゆいといいます。チャンネル登録、ツイッターのフォロー、高評価

 よろしくお願いします」

 

水色

「それ、オレの救助より先にやんないとダメ?」

響ゆい

「別にそういう訳ではありませんが……。あなた方でいうなら座布団のようなものなので」

水色

「座布団なら仕方ないか」

 

 座布団なら納得せざるをえない。

なにせ座布団一枚のために、あらゆる謀略、裏切り、罵倒、ゴマすり、イボンヌが許される世界である。

なおこの際「あらゆるイボンヌって何だよ」というツッコミは聞かなかったことにする。

 

水色

「っていうか、お嬢ちゃん何者なの?」

響ゆい

「V-tuberやってます。今日はやりたいという理由だけでヒーローを」

水色

「やりたいという理由だけで?」

響ゆい

「やりたいという理由だけで(キリッ)」

 

カップラーメンを作れるだけの沈黙が流れた。

観念したかのように水色が口を開く。

水色

「まぁ、いいや。おじさん、ビットコインとやらを探して自販機の下を覗いてたんだが」

響ゆい

「ビットコインはそんなとこにありませんよ?」

水色

「じゃあ、冷蔵庫の下かい?」

響ゆい

「ゴキブリじゃないんですから」

水色

「とにかく、そんなこんなで自販機の下敷きになったのよ」

響ゆい

「なるほど、そんなこんなで」

 

素直な娘であった。

 

 

水色

「じゃあ、しゃがんでしゃがんで」

響ゆい

「こうですか?」

水色

「パンツ見えた」

響ゆい

「マシュマロボンバーッ!」

ゆいの右手から桃色の何かが飛び出た瞬間、水色の身体が爆発する!

水色

「グワーッ!!!」

猛烈な爆発。強烈な振動。水色に致命的なダメージを与えたかに見えたが

この程度で死んでいては国民的ご長寿番組のレギュラーはつとまらない!

骨の二、三十本が折れた程度だ。

 

響ゆい

「あ、自販機は無事ですね。良かった」

水色

「良くないでしょ! 今の何っ!?」

とても民間人が持って良い火力とは思えない。それに対してゆいは小首をかしげて。

響ゆい

「? いつものようにマシュマロを焼いただけですが?」

水色

「ただのお菓子にそんな火力がっ!?」

響ゆい

「全部いただきものですが」

水色

「いただきものなのにその扱いっ!?」

響ゆい

「私もかなりもらってると思いますが、もっともらってる方もいますよ?

 なんでも50万個だとか」

水色

「あんな危険物を50万個もっ!!?」

響ゆい

「まぁ、かさばるものでもないので」

水色

「いや、倉庫一件くらい要るでしょっ!?」

響ゆい

「ちょっと何言ってるか分からないですね」

水色

「こっちのセリフだよっ!!!」

 

 

 

響ゆい

「とりあえず、助けてみます」

水色

「助けて」

響ゆい

「助けます。では、カモン!『ど〇でもキャッチャー』!」

水色

「へ?」

 

何やら、巨大なUFOキャッチャーめいたものが突如として

頭上に登場した。輝く銀色のアームはパワーショベルのアームのように

頼もしく見える。

 

水色

「こ、これはなんだい?」

響ゆい

「『どこ〇もキャッチャー』です」

水色

「い、いや、だからこれは……?(汗)」

響ゆい

「『どこ〇もキャッチャー』です」

水色

「アッハイ」

 

もはや、そう言うしかない。恐ろしい断定力であった。

 

響ゆい

「任せてください! 私はこれで素敵なクリスマスを

 迎えられたんですから!」

 

 最近のUFOキャッチャーはカレシでも吊り上げられるんだろうか。

水色が文明の発展に思いをはせている間に、

クレーンは愉快な音楽と共に動き出す。だが。

 

グヘッ!「あっ、動いた動いたよっ! けど変な動き方しちゃった!!」

バキッ!「ちょっとっ、ちょっと前に動いたっ!! 五ミリくらい前に動いた!」

「いける気がするな!根性~っ!こんじょ~っ!!」グシャッ!

「わっ、わっ、すごい! めっちゃ動いた!めっちゃ動いた!」

 

大はしゃぎする響ゆい。だが、一方の水色は血まみれ。息も絶え絶えといった様子で。

 

水色

「いや、ちょっと待って……頼むから待って……」

響ゆい

「どうしました?」

水色

「いや……自販機が動くたびに俺ダメージ受けてるんで……」

響ゆい

「大丈夫ですよっ!ちゃんと賞品ゲットした実績ありますからっ!」

水色

「……ほんとに?(ジト目)」

響ゆい

「ええ! あの時はセンパイ方から沢山コメントもらいましたよ!

 『奇跡だっ!』とか『掴めるんだコレ!?』とか『持ち上がるとは思わなかった!!』とか」

 

 それはつまり、このアームがどれだけ頼りな(以下検閲削除)

いや、そもそもUFOキャッチャーというのは娯楽用であって人命救助用ではない。

たとえば、今どこかで大震災があって

ガレキの山の中から人々を救助しなければならないとなった時に

軽快な音楽と共に登場したのがUFOキャッチャーだとしたら…………。

責任者更迭待ったなしであろう。最悪、火あぶりまである。

 

水色

「とにかく別ので頼むよ」

響ゆい

「仕方ないですね。これだけは使いたくなかったんですが。

 『どこでもアモ〇ス』~♪」

 

 彼女がそう言った瞬間。ゆいは奇妙な姿に変化した。

まず、頭身が半分くらいに低い。

姿はオレンジ色の豆に足だけ生やしたような宇宙服で

顔にあたる部分がガラスで覆われているが中の顔は見えない。

 

水色

「なんでそんな姿に!?」

オレンジ

「いや、水色さんも同じ姿ですよ?」

水色

「ホントだよっ!?」

 

そう、今や水色も豆に足だけ生やした宇宙服姿。

自販機につぶされたまま一体これでどうしろというのか。

 

オレンジ

「水色さんのいる足元にフタっぽいものがありませんか?」

水色

「あ、ホントだ。マンホールのイトコのようなのが」

 

地面を見ると四角いマンホールのようなものが赤く光っている。

 

オレンジ

「それを、えいやって感じにー」

水色

「えっ、えいやっ!」

 

 すると身体が引っ張られて地面、四角いマンホールっぽいものの

中に吸い込まれ、流れ流れて別の場所から地面にひょこり顔を出した。

もう頭の上に自販機はない。

地面を見ると同じ四角いマンホールっぽいものがある。

どうやら、この中を移動してきたらしい。

 

水色

「おお!脱出出来た! いやー、助かった! ありがとう!」

 

 水色がそう言ってる間に響ゆい(オレンジ)はとことこと、どこかに行く。

そこには大きなテーブルがあり、

ガラスのカバーに覆われた赤いボタンがあった。

ゆいがそれを慣れた様子で押すと、硬質なビープ音が鳴った。

 

 

 【EMERGENCY MEETING】(緊急会議)

 

赤字でクッキリとそう流れた。議論スタートとも。

 

響ゆい

「水色さんがベントで移動しているところを見ました」

水色

「えっ!? 何!? アレで移動しちゃいけなかったのっ!?」

「もろインポスターじゃないですか(笑)」

水色

「インポ!? スターではあるけどインポじゃねえよっ!

 このアランドロンをつかまえといて……」

響ゆい

「あのー、すいません」

司会

「はい、響ゆいさん、早かった!」

響ゆい

「アランドロンって何ですか?」

 

彼女を除く全員がずっこけた。崩れ落ちたともいう。

 

水色

「アランドロン知らないぃぃっ!!?」

響ゆい

「あ、アロンアルファなら何とか」

水色

「世紀の色男を接着剤にすんなよ……」

黄色

「アラカン(嵐寛寿郎)とかも知らないよねぇ」

響ゆい

「この間空中分解したアイドルグループですよね?」

司会

「ないからっ! 空中分解したアイドルグループなんてないからっ!!!」

 

司会の人、若干慌て気味に言う。実際そんなグループはない。いいね?

 

司会

「うん、これ以上日●レ的にマズイ事言われる前に投票に行こう。そうしよう。

 私、水色さんに一票」

響ゆい

「私ももちろん水色さんに一票です」

「じゃあ私も」

水色

「おいおい、なんだなんだ! 随分人気あるなぁ俺!」

黄色

「なんだか分からないけど私も」

ピンク

「私も。さらば小〇三」

水色

「へ?」

 

やがて締め切られる投票時間。

 

司会

「えー、投票の結果、水色さんが最多得票を集めましたので……」

水色

「なになに? なんかもらえるの?」

司会

「死んでもらいます」

水色

「えっ?」

司会

「山■君、小遊●さんの内臓、全部持ってって」

「はい、かしこまりましたー」

水色

「えっ!? ちょっ、やめろっ⁉ なんで俺、麻酔もかけられずに

 メス入れられてるのっ⁉ ちょっ、人の命を座布団と同じ気安さで

 持っていくんじゃねぇっ! って、うわああああああああああ!!!!!!」

 

 

 

     合掌。

 

 

黄色

「余った肉、ラーメンに入れていい?」

司会

「保健所の仕事増やさないでください」

響ゆい

「主役、私なんですけどーっ!」

 

 

 

 しばらくお待ちください・・・・・・。

 

 

 

響ゆい

「いやー、まさか黄色の人に看破されるとは思わなかったなぁ♪」

 

響ゆい、インポスターだった模様。久々のAm●ng usでホクホクである。

 

水色

「なんだったの!? なんで俺、殺されたのっ⁉」

響ゆい

「そりゃー、目の前でベント芸をすればそうなりますよね」

水色

「キミがやれと言ったんでしょ! しかも、なんかボタン押してたよね⁉」

響ゆい

「おかげで序盤で白確定。殺りやすくなりました。ありがとう♪」

水色

「やりやすくなったって……字、怖すぎなんだけど……。

 かわいく言っても怖いものは怖いから」

響ゆい

「あ●森のお部屋もそうですけど、なんで怖がられるんでしょうねー。こんなにかわいいのに。

 それはそうとなんで自販機の下に?」

水色

「いやー、日課の釣銭泥棒をやってたら、いきなり……」

 

  ガチャッ!

 

水色の手首に金属の冷たい感触が走る。手錠だ。

 

響ゆい

「あ、言い忘れてましたが、私、新衣装、警察官(風)なので!」

水色

「あんだけやっといて取り締まる側なのっ!?」

響ゆい

「これからもどんどんヒーローしていきますよーっ!」

水色

「納得いかねええええええ!!!!!!!」

 

 こうして、一つの悪(釣銭泥棒)は滅んだ。

だが、V-tuberとしてはべテラン新人Vでもヒーローとしては第一歩を踏み出したばかり。

がんばれ!響ゆい!負けるな!響ゆい!

インポスターとして地球人類を滅ぼすその日まで!!

 

おあとがよろしいようで。

 

水色

「良くないだろっ!」

 

                             おわり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




※注意

 この物語はフィクションです。
実在の「響ゆい」というVtuberはここまでアレではありません。

どれくらいかけ離れているかは、実際の配信をご覧下さい。

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