A.エンジンかかった車にイッチをぶち込んだのは香月先生だけどアクセル全開!インド人を右に!やったのはイッチだし目的は人類救済だして怒るに怒れない。とにかく心配してる
そんな態度が香月博士の良心を責めるんですね
1:名無しの重頭脳級
並行世界に旅立った模様
2:名無しの重頭脳級
イッチ無事だったんかワレェ!
3:名無しの重頭脳級
どこだよ
4:名無しの重頭脳級
並行って、何に対しての並行やねん
5:名無しの重頭脳級
ムムッ!ワイの「人類やばい案件」センサーがびんっびんに反応してるゾ!
6:名無しの重頭脳級
初出の単語に毎回反応する無能センサーくんオッスオッス
7:名無しの重頭脳級
とりあえず人類やばいって言っとけばいいみたいな風潮
8:名無しの重頭脳級
なお打率
9:名無しの重頭脳級
実績がね…
10:名無しの重頭脳級
クゥーン…
11:名無しの重頭脳級
実際大体やばいんだよなぁ
12:名無しの重頭脳級
人類「この芋そのままやと食えんな……せや!乾燥させた後すりつぶして粉にして水と混ぜてこねた後石灰水と炭酸水を加えて丸めたものを煮詰めて固めたろ!うん、おいしい!」
13:名無しの重頭脳級
話聞いたイッチと後輩くんが宇宙猫状態で草でしたね
14:名無しの重頭脳級
ワイらもまとめて宇宙猫だったんだよなぁ
15:名無しの重頭脳級
料理は大体やばい定期
16:名無しの重頭脳級
大体のジャンルにいちいちとんでもない地雷仕込むのやめてくれませんかね?
17:名無しの重頭脳級
話それスギィ!
18:名無しの重頭脳級
結局並行世界ってなんだよ
19:名無しの重頭脳級
正直聞きたくねぇなぁ
20:名無しの重頭脳級
人類やばい奴代表の香月博士の説明やが、「簡単に言えば、「もしあの時違う選択をしていたら」という仮定が現実となっている世界」らしいわ
21:名無しの重頭脳級
具体例でいえば、ちきうにあ号君が来なかった世界、とか、イッチが先に来た世界、みたいな感じらしい
22:名無しの重頭脳級
うーん?
23:名無しの重頭脳級
ほーん?
24:名無しの重頭脳級
あの時ああしとけばよかったってのが叶ってる世界か
25:名無しの重頭脳級
夢のある話やね
26:名無しの重頭脳級
創造主様に友達がいる世界がどこかに…?
27:名無しの重頭脳級
多分その世界探すより別世界の創造主様連れてきてフレンズになってもらった方が早い
28:名無しの重頭脳級
いやどうやって移動したんや。そもそも移動できるわけないやん
29:名無しの重頭脳級
まあそんな簡単に移動出来たらうちう大混乱やしな
30:名無しの重頭脳級
どうやってって、イッチと香月博士やぞ?
31:名無しの重頭脳級
あっふーん
32:名無しの重頭脳級
なるほどね(思考放棄
33:名無しの重頭脳級
一切説明になっていないはずなのにこの説得力よ
34:名無しの重頭脳級
出会ってはいけない二人だった…?
35:名無しの重頭脳級
ちなみにどんな並行世界に行ったかはわかってんの?
36:フィア
推測ですが、先輩のような友好的なBETAが現れない世界である可能性が高いそうです
助けを求めている世界に向かった、とのことで
37:名無しの重頭脳級
イッチまた人類お助けマンするのか
38:名無しの重頭脳級
イッチとかいう揺ぎ無い名誉重頭脳級
39:名無しの重頭脳級
創造主様直々にようやったとお褒めの連絡をもらったイッチとかいう功績ガチ勢
40:名無しの重頭脳級
ポンコツだけどもし功績マウント取られたらマジで逆らえないからな
41:名無しの重頭脳級
でもそういうことするんならせめて事前に相談ほしかったわ
42:名無しの重頭脳級
あれから重頭脳級対策でいろいろ準備したけど、言ってくれればもっと本気で準備したのに
43:フィア
先輩が並行世界に行ってしまったのは事故だそうで、香月博士が謝っていました
まさか本当に移動できるとは思わなかった、と
44:名無しの重頭脳級
えぇ…
45:名無しの重頭脳級
イッチさぁ…
46:名無しの重頭脳級
問題を起こさないと気が済まないのか
47:フィア
現在先輩との連絡手段を確立するために動いておりますので、ご協力をお願いします
48:名無しの重頭脳級
おっしゃまかせろ
49:名無しの重頭脳級
香月博士のためなら頑張るぞい
50:名無しの重頭脳級
しょうがねぇなぁ。イッチのために力になってやるか!
51:名無しの重頭脳級
ワイらになんかできることあるんですかね?
52:名無しの重頭脳級
(多分)ないです
紆余曲折あったが、ひとまずMr.ONEの協力を受け入れることにした香月夕呼。
惑星上のBETAの総司令たる重頭脳級が味方になったのだ。この戦争勝ったながはは、とはいかないのが世の常である。
「この世界のBETAが、我々と完全に同種である保証がありません」
まずは何をするか、という話の際に、Mr.ONEが真っ先に言い出した内容である。
「どうにも、白銀さんの知るあ号標的に違和感があるんですよね。もし似ているが異なる種族なのであれば…」
「一筋縄にはいかない、か。正論ね」
そういうわけで、壊れていないBETAをとっ捕まえて分析しようということになった。
もちろん捕獲役は、周回により現在地球上最高の衛士疑惑がある白銀である。
前線にダッシュして捕獲して即帰還。何一つミスなく仕事を終えた白銀の感想は「OSが古い」であった。
衛士全体のレベルアップというカードは香月としても魅力的なので、合間で新OS開発を約束した。
そんなこんなで。
強固な檻、兵士級のBETAが閉じ込められたそれの前に、Mr.ONEが腕を組み立っていた。
少し離れた位置では戦術機に乗った白銀が控え、香月博士はさらに離れた場所からモニター越しで状況を確認している。
「それじゃ、始めていいのね?」
「ええ。仮にも重頭脳級、兵士級にタイマンで負けたりはしませんよ」
触腕でシャドーボクシングをして見せるMr.ONE。
こいつ本当は中に人間が入ってるんじゃないか、と思いつつ、香月は檻の鍵を開錠した。
プシュッと圧が抜ける音が響き、扉がゆっくりと開かれる。
解放された兵士級は、意外にもゆっくりとした足取りで檻から出てきた。
Mr.ONEの何かを調べるように、首をかしげながらまじまじと観察している。
「これは……」
「いける、か?」
もしMr.ONEとこの世界のBETAが同種であれば、取れる戦略が一気に増えることになる。
BETAは同士討ちをしないため、このまま兵士級がMr.ONEを無視して戦術機に襲い掛かるようなら、同種である可能性が非常に高くなる。
香月と白銀は固唾をのんで見守った。
スッと、兵士級が手を伸ばした。Mr.ONEはふっと笑みを浮かべ(幻覚)、手を握り返すために触腕を伸ばした──
「グオァッ!!」
「ひょわあっ!?」
ガチンッ、と一瞬前までMr.ONEの頭部があった空間を兵士級が噛み砕いた。
既のところで見事なスウェーで兵士級のバイティングを回避したMr.ONE。しかしその動きは止まらない。
スウェーの勢いを殺さぬまま、足位置を切り替え腰をひねり、溜めを作り出す。右の複数の触腕を束ね作り出すのはまさに巨人の右腕。
白銀は息をのむ。
捩じり込む右拳、流れるは流星の如く。その様はまさに──
「ドリルミルキィ…!?」
「あんた何言ってんの?」
バコン!と重厚な音を立ててMr.ONEが兵士級を殴り飛ばした。
相当な衝撃だったようで、頭部がぐるりと反転以上に回った兵士級はそのまま力尽きて地に伏した。ビクンビクンと痙攣するその姿をしり目に、Mr.ONEは両触腕を天に掲げ勝利を誇っていた。
兵士級を素手で殴り倒すとかやっぱあいつつえーなー、と香月は若干の現実逃避をしつつつぶやく。
「で、それ死にそうだけど大丈夫?」
「あっ」
いっけね、とつぶやきながらいそいそと反対を向いた兵士級の頭をつかみ、ぐるりと回して元に戻した。
ゴキリ、と小気味のいい音が響き渡り、それまでビクンビクンとはねていた兵士級の体がビクンッと一度大きく跳ね、徐々に体の痙攣が収まっていった。
どう見てもとどめだったが、気にした様子もなくMr.ONEは右の触腕の先端を一本兵士級の首付近に近づけた。
その先端からニュッと、複数の鋭い針が生える。
それを確認した後、ためらいなく針を兵士級の首にブスリと突き刺した。
「ふんふん、ふーんふんふん、ふん? ふんふんふんふん!」
小気味よいテンポで頭を振りながら、意味のない独り言を漏らすMr.ONE。そのリズムに合わせて、ビクンビクンと痙攣する兵士級。
耐性がない人間が見たら卒倒するような光景だった。
そうしてしばらくテンション高めのMr.ONEを眺めていると、スッと兵士級の首から針を引き抜き、少し距離をとった。
何事かと兵士級を見ると、こちらも自然な動きで立ち上がり、見事な敬礼を決めた。
おお、と白銀が小さな歓声を上げる。
「成功?」
「ですね。いや、厳密には予想通り少し違いがあるようなのですが、何とかなりそうというのが正しいでしょうか」
顎に手を当て小首をかしげながら、Mr.ONEが答える。
「たとえるなら、コンセプトや挙動は同じなんですが、使われているOSもしくは言語が違うシステム、みたいな感じでしょうか」
「なるほど。そうなってくると、完全に同じ種かどうかは少し疑わしいわね」
白銀の話が正しいなら、イレギュラーなのはこのMr.ONEの方だろう。
BETAに襲われる世界が無数にあり、助けが来る世界はごくわずか。なんとも無情な話だ。
「でも、言語が違うものをよく支配下に置けたわね?」
それも、これほどの短期間でだ。
人類は未だその生物的特性のほとんどを把握できていないのだ。それを、コンセプトが似ているからと言って即座に制御を乗っ取れるというのは、味方としては非常に心強い。
「ふふふ、こう見えて私は創造主様直々に上位命令権をいただいていますからね。多少の道理は蹴り飛ばせますよ。それと、元の世界で同胞たちが同じ事件が起きた時のためにということで、寄ってたかって様々な技術をくれましたので」
Mr.ONEは少し得意げに胸を張った。
対BETAに特化したBETAというのは不可思議極まるが、前の世界の話とこの世界での目的を考えればそういうこともあるのかもしれない。
人類とて、その手のプロは存在するのだから。
「この様子なら、頭脳級の支配もさほど難しくはないでしょう。とはいえ、その後の戦略を練る必要がありますが」
「そうね。横浜ハイヴに手を出すとなったら、さすがにあなたを隠しておくわけにもいかないし」
香月の言葉に、二人はそろってため息をついた。必要なことではあるのだが、とにかく手間がかかるのだ。
たとえば、ある日いきなり何の準備も根回しもなく突然全世界に向けて「横浜で友好的なBETAと握手!」なんてことを発表しようものならどうなるか。
それなりの確率で、翌日あたりにG弾の威力を身をもって知ることになるだろう。手間をかけなければならないというものだ。
大量に降ってきそうな仕事の段取りを脳内で整理しつつ、香月は白銀の顔が映るモニターに目を向ける。
それらの前に一つ、片づけておく件がある。
「その前に、白銀。ごたごたで後回しになってた、あんたに言っておくことがあるんだけれど」
「俺にですか?」
重頭脳級に命じられてソーラン節を始めている兵士級から目をそらさず、言葉だけで白銀は答えた。
油断せず備える衛士の鑑だが、兵士級を見る目はかなり白けていた。
「そう。あんたにとってはいいことかもしれないけど、この世界にとっては悪いことかもね」
意味深な言葉に少し困惑した顔を見せるも、兵士級から目をそらさない。
「鑑純夏は生きているわ」
呼吸が一瞬止まった。目はそらさない。
「特殊任務部隊A-01の少尉。こっちではアンタの同僚としてやかましくやってるわ」
「それはッ」
叫び、口を閉じる。驚き、喜び、困惑、それらをゆっくりかみ砕いて、飲み込んだ。
「俺、の、知ってる、前の世界と違ってるってことですか」
「…そういうことよ」
香月はいつものように顔色一つ変えず淡々と答えるものの、内心白銀の評価をそれなりにあげていた。
修羅場をくぐってきたというのも過剰な説明ではないようだ。香月の知っている白銀ならば、さぞかし動揺しわめき散らかすだろうに。
「私が元居た世界とも異なる歴史ですね。私の知る歴史は、白銀さんのそれと近しいですから」
兵士級にいろいろなポーズをとらせていたMr.ONEも話に加わる。
「歴史が違ってるなら、俺たちの記憶が役に立たない恐れもある……」
「わかってるじゃない。この世界にとっては、悪い話でしょ?」
「未来の知識というのは反則じみた強力な手札ですからね。それが使えなくなるとなれば、良いとは言えないのかもしれませんが──」
Mr.ONEは白銀の方を見た。その気配は、どこか微笑んでいるようにも感じた。
「鑑さんが無事で、良かった」
「あ、うん…」
それはその通りだが重頭脳級にそれを言われてもどう感想を抱いていいのかわからない。
白銀は、本当に悪い奴じゃなさそうだな、と思いつつも、どうにも処理しがたい感情への対処に困惑するのだった。
本来は前周の経験がうまく活かせずかなり苦戦するはずだった
なお