アクセル・ワールド lone metal .   作:過労死志願

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アクセル・ワールド lone metal .

 加速世界、無制限中立フィールドの杉並区。そこにいた巨獣級エネミーは現在死の危機に瀕していた。

 

 明らかに堅そうな鱗を持つ巨大な蛇のようなエネミーだったが、その鱗は現在無残に砕けており、体中から血のような液体を垂れ流している。

 

「いやいや~。久々にこっち帰ってきたら熱烈歓迎大歓迎やな~。さすがは東京付近。だてにバーストリンカーたちがたまっとるわけちゃうわ」

 

 たった一人で挑むのは自殺に近いといわれる巨獣級エネミーを前にして、軽く気の抜けた雰囲気で話しかける一人のM型アバターが、このとんでもない事態をひき起こした元凶。特にこれといった特徴もない、ただの《(アイアン)》のメタルカラーと思われる色彩の装甲を黒いローブ式マントの強化外装で包みこんだそのアバターは、余裕あふれる態度で満身創痍の巨大なエネミーに近づいていく。

 

「ほなまぁ、俺の土産話の締めに……いっちょ、死んでくれや」

 

 その言葉と同時にアバターの足元が爆発した。それと同時にそこから打ち出されたM型アバターは弾丸のような速度でエネミーに向かって突っ込んでいく。

 

 必死にそのアバターから逃れようとするエネミー。しかし、今までの戦闘のダメージがエネミーに自由な行動をとらせない。

 

 そして、男は瞬く間にエネミーへと到達し、

 

 コブシを、一振り!

 

二重の極み(セカンド・インパクト)!!」

 

 一撃必倒の一撃が、エネミーの体を粉砕した!!

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

「え? レベル9って、まだいたんですか!?」

 

「まぁ……あれは立場上王とは呼べないからな。本人も嫌がっているし……とはいえ、あいつを知っている人間なら必ずあいつのことはこう呼ぶよ。《鋼の王》と」

 

 この事件はこんな会話から始まった。今回は珍しく黒雪姫と一緒に帰宅していたハルユキは、純色の王たちについて興味本位で話を聞いていたのだが、そのとき黒雪姫がふと思い出したかのように「あぁ……あと、正式に王とは呼ばれていないが、レベル9に至った男ならいる」と、ハルユキに教えてくれた。

 

「でも、レベル9に至るようなすごい人が、どうして王に数えられていないんですか?」

 

「簡単な話だ、ハルユキくん。あいつは自分のレギオンを作っていないんだよ。生来群れるのが嫌いな性質らしくてな……。対戦を挑めば相手はしてくれるし、友人も多いが、なぜかレギオンだけは作らなかった。おまけにあいつは対戦よりも加速世界に観光に来ている奴だしな……。住居は間違いなく東京なんだろうが、大体は無制限中立フィールドにもぐって、日本中のあらゆる場所を探検しているらしい」

 

「へ~。変った人なんですね」

 

 ハルユキがそんな風に加速世界を楽しむ人もいるんだな……。と、感心しつつ先ほど自販機で買ったジュースを口に含んだときだった。

 

「あとハルユキくん。あいつの存在を教えたからには君に教えておかなければならないことがある。あいつの耳が届くところでは決して言ってはいけない……禁句(・・)についてだ」

 

「禁句?」

 

「あぁ、君なら何か不用意に言ってしまいそうで怖いから一応教えておく。いいか、あいつに言ってはいけない言葉は……」

 

 黒雪姫がそこまで言った時だった。

 

 突然世界が静止し、ハルユキは現実とは違うもう一つの世界へと引きずり込まれる。

 

「っ! 対戦!!」

 

 HERE COMES A NEW CHALLENGER!! の文字が目前に浮かび上がり、ハルユキは自分の体が変化することを感じる。

 

 伸びる手足に、細くなる体。そして、背中に感じる二枚の翼が折りたたまれた装甲。

 

 そう、ハルユキはその姿を、加速世界で唯一の飛行アビリティを持つアバター……シルバークロウへと、その姿を変貌させた。

 

「今日は一体誰なんだ?」

 

 今まで黒雪姫と話していた時とは違う、対戦用に鋭い感覚へと意識を移行させながら、クロウはあたりを見回す。

 

 その際、最近ではすっかり姿を隠さなくなったブラックロータスの姿が観客席にあるのを確認したクロウは、さらに気合を入れなおし対戦相手の名前へと視線を移した。

 

「えっと……何て読むんだこれ? い、イリ?」

 

「《イリジウムクラッシャー》や、カラス君」

 

 次の瞬間、明らかに闘志も何も感じられない気の抜けた軽い声が対戦フィールドに響き渡り、対戦相手が姿を現した!

 

 まるで一昔前のヤンキーみたいな格好だ。鋼色のズボンに、腹部にさらし。上半身は腰までしか無い羽織を着こんだ極限までの軽装甲。M型にしては珍しい人の顔をしたそのアバターの額には申し訳程度に目元を隠す鉢巻きが巻かれている。そして、翻る羽織の背中には堂々とした悪一文字。

 

 鋼色に輝く包帯で保護された手を振り、そのアバターはクロウに一言!

 

「ごめん……一つ下の奴の名前押す予定やったんやけど操作ミスった。ドローにしてくれへん?」

 

「えぇえええええええええええええええええええええええええええええ!?」

 

 そんなあんまりな要望に、ハルユキは思わず絶叫を上げた。そして、数秒の間氷結した後、

 

「…………って、そんなことできるわけないでしょう!? 対戦バカにしているんですか!?」

 

「あ? やっぱり?」

 

 ハルユキの言葉に、まいったな~と言いながらクラッシャーは頭をかいた。そんな明らかにこちらをなめきっている態度をとる対戦相手に、ハルユキは久しぶりに頭が沸騰するのを感じる。

 

 確かにこういった事故はつきものだが、対戦は対戦。それが始まった以上、たとえ事故であっても一度も戦わないままドローを提案するなど、バーストリンカーのすることではない。

 

 対戦マナーがなっていない新人。ハルユキはクラッシャーにそう評価を下し、加速世界の先輩として加速世界の厳しさをたたきこむべく、

 

「歯ぁっ、くいしばれっ!!」

 

 自身の俊敏さをいかんなく発揮した神速の踏み込みによる右ストレートをクラッシャーに叩き込もうとした!

 

 だが、

 

「まて、クロウ! やめろ!!」

 

「あ~あ。一応君のためをおもてゆうたんやで? カラス君」

 

 ロータスとクラッシャーの言葉が同時にクロウに届き、その数秒後、

 

 クロウの頭がわけもわからぬままに爆散消滅した!!

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

「……ちょっと大人げなくないか、クラッシャー」

 

「いや、やめよってゆうたやんか! 明らかに俺のせいちゃうやろ!?」

 

 クロウが頭が一撃粉砕された後、ブラックロータスに個人メールが届き、黒雪姫はあわててレギオンメンバーを招集。相手が指定してきた無制限中立フィールドに全員を連れて、集合場所へと赴いた。

 

 そこで待っていたクロウを一撃粉砕した相手に向かって、ロータスが放った第一声がこれだった。相手も若干の罪悪感があるのか、あたふたと言い訳しながらもほんの少しだけ申し訳なさそうな視線をクロウに向けている。

 

「あの、マスター……結局この人だれなんですか?」

 

 そんな若干の気安さすら感じる二人のやり取りに割り込んだのは、現在このレギオンの参謀的役割をしているシアンパイルだった。

 

 クロウも新人バーストリンカーのライムベルもそのことが気になっていたのか、がくがくと頷きながらロータスの返事を待っている。

 

 ましてやクロウは、この男と対戦し完敗している(対戦というよりかは、一方的に突っかかってやられた格好になってしまったが)。正体が気になるのは仕方のないことだろう。

 

「あぁ、そうだったな……クロウ。彼が先ほど言っていた王とは違うレベル9にして、加速世界唯一の探検家」

 

「昔の通りが良かった名前を使わせてもらうんやったら、《鋼の王》イリジウムクラッシャーや。以後よろしゅうな、新生ネガネビュラスの諸君!!」

 

 そして相手が名乗った名前に、新人三人組は思わず氷結し、古参組であるスカイレイカーは「あらあら、もう帰ってこられる時期だったんですね~」と、一人のんびりとほほ笑んでいた。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

「で、今度は何か面白い強化外装でも見つかったのか?」

 

「いや~。それがそんなたいしたもんなくてな~。目に入ったエネミー片っ端から狩ってみたんやけど、きりたんぽしか手にはいらんくて……あ、食べる? 味は保証すんで?」

 

「しばらく見ないと思ったら……今度は東北方面に行ってきたのか……」

 

「あとはそうやな……。正体わからんもんがカフカフ笑ったり、壁や床にいろんな注文が書いてあったり、窓の外を空飛ぶ鉄道が横切っていく屋敷にも泊ったわ! あれ絶対リアルやったら宮沢賢治記念館とかやって!!」

 

「結構たいしたところだろそれ!!」

 

「あと、雪山をなまはげ型のエネミーにおっかけられた時はマジビビりしたな。年甲斐もなく泣いてもうたで。でも必死こいて倒したのに、落したんはやっぱりきりたんぽ……」

 

「なまはげまで!?」

 

「あとは……」

 

 へらへら笑いながら自分の冒険譚を話していくクラッシャーに、冷静に突っ込みをいれながらもまるで子供のように目を輝かせながら(といっても、アバターの目が若干キラキラしている気がするだけだが……)話を聞いているロータス。

 

 そんな主の意外な一面に新人組が驚く中、レイカーは先ほどとりだした机やイスをその場に設置し優雅にお茶をしていた。

 

「意外かしら? ロータスがあんな風になるなんて」

 

「あ、は……はい。今まで強くてカッコいい先輩しか見てこなかったし」

 

「ちょ、ちょっと意外かも~」

 

「ふふ。彼女だってあなたたちと同じ中学生なのよ?」

 

 レイカーはそう言いながら、まだロータスが王になる前から見られた懐かしい風景に目を向け、ほんの少しだけほほを緩める。

 

「彼とロータスは同じ時ぐらいにバーストリンカーになったの。おまけに初めてロータスが対戦したのがあのクラッシャー君。ちょうどカラス君とうちのアッシュローラーみたいな関係なの」

 

「よきライバルってことですか……」

 

「よかったわね~クロウ。元彼とかじゃなくて」

 

「ちょ!?」

 

「ほんとよかったねクロウ……。きみじゃちょっと……ねぇ?」

 

「パイル!? ちょっとってなに!? 何言おうとしたの!?」

 

 そんな風に慌てふためく新人組に苦笑を浮かべつつ、レイカーはさらに説明を続けてくれた。

 

「ロータス指名手配された後も何かと気をもんでくれたのよ。彼、ほかの王にも顔が利くし、それがなくても加速世界を冒険して誰よりも知りつくしているパイオニア。彼の顔を知らないほかのレギオンの幹部であっても名前を聞けばある程度の敬意は払ってくれるすごい人なのよ?」

 

「そ、そんな人に僕は説教しようとしたんですか……」

 

「クロウっ!! 今すぐ謝ってきなさい!!」

 

「よりよい土下座の形を追求するんだ、クロウっ!!」

 

「と、とりあえず逆立ちから始めるべきかな!?」

 

「いや……許すもくそも、そんなちっさいことでレベル9が怒るおもてんの?」

 

 そんなクロウたちの雑談が聞こえたのか、ロータスとの冒険苦労話を終えたクラッシャーは若干のあきれがにじんだ苦笑いを浮かべ、ネガネビュラスメンバーの元へとやってきた。

 

「おう、お前がロータスの彼氏なんやってクロウ?」

 

「って、なんで知ってんですか!?」

 

「話の合間にいろいろ話してくれたわ~。空とべるんやろ? すごいな~。そこにいる《鉄腕》アトムかて、ジャンプがせいいっぱ……」

 

「あらあら? 何か不名誉なあだ名が聞こえた気がするのだけれど?」

 

「へぶふっ!?」

 

 本当に苦労のした子を時にした様子もなく気さくに話しかけてくるクラッシャー。そんな彼の言動を見て、クロウはようやく、クラッシャーが自分がした失礼の数々を気にしていないことを信じほっと一息ついた。

 

 まぁ、そのあとレイカーがぶっ放した腹パンチでクラッシャーがおなかを抑えてうずくまるのを見て、フルフェイスの下の顔をひきつらせたが。

 

「それにしても……鋼の王(メタルロード)ですか」

 

 かっこいいな~。クロウがそう考えながら、自分も何かカッコいい二つ名ないかな? とか考え始めた時だった。

 

「ん? 一人でレギオンにも無所属で、メタルカラーってことは……。はは。ちょっと、失礼ですけどはぐれメタルのほうがぴったりじゃ……」

 

 あ……。と、レイカーとロータスが思わず息をのみ、あわてて止めようとしたが、

 

「ん?」

 

 遅かった……。

 

 今までと全く変わらない雰囲気で、クラッシャーが首を傾げた瞬間、クロウの頭が再び爆散する!!

 

「「え」」

 

 新人二人が愕然とする中、クラッシャーは復活ポイントに浮かぶ死亡マーカーの文字の真上に立ち、

 

「ん~? クロウくん何ゆうたんかな?」

 

「……ちょ、いいいきなり何を!? ブフっ!?」

 

 復活した瞬間に再び爆散するクロウ。今度は上半身と下半身が分断。さすがに一撃では死ななかったが、地面に落ちた上半身が再びの衝撃で爆散すると同時にHPはゼロになりまた死亡。

 

 つい数日前巨獣級エネミーを爆散させた、二重の極みの連撃だ。

 

「だれがっ!!」

 

「ぐは!?」

 

「いったい!?」

 

「ゲブフっ!?」

 

「どこのっ!!」

 

「アビシっ!?」

 

「おいしい、経験値稼ぎ用の、逃走癖のある雑魚キャラやこらぁああああああああああああああああああああああああああ!? 俺があるんは逃走癖やのうて放浪癖やボケえええええええええええええええええええええ!!」

 

「言ってない、言ってないからそんなこと!! いいから落ちつけクラッシャー!!」

 

「あらあら鴉さん……生きて帰れるかしら」

 

「ちょ、レイカーさん!? なんなんですかあれ!?」

 

「突然人が変わったみたいに暴れてますけど!?」

 

 さすがに親友がフルボッコにされるのを見て平静ではいられなかったらしい。氷結していたパイルとベルはあわててため息をついているレイカーに事情説明を求める。

 

「実は彼……はぐれメタルって言葉に嫌な思い出があるみたいで、自分のことをそう呼ばれると一気にプッツン逝っちゃうの。でも、実際彼一人で旅しているわけでしょ? 加速世界初期の間はそう呼ばれることが多くて……。そんな不届きものたちを実力行使で口を封じていたらあんな感じに」

 

「どんな危険な不発弾!?」

 

「そんな禁句があるなら先に言ってくださいよ!?」

 

 後ろで二人がワーワーわめいている間にも、事態はどんどん深刻化していく。

 

「お前が、謝るまで、殴るのを、やめない!!」

 

「いや、やめろ、やめろ、やめろっ!! 今すぐ辞めろ!! お前がやるとシャレにならない!! 割と普通に無限PK状態になるから!! クロウも、早く土下座でもなんでもいいから謝るんだ!!」

 

「ご、ごめんなさいぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」

 

 さすがにたった一言でここまでされると思っていなかったクロウは、恥も外聞もなくあわてて謝罪の言葉を述べた。

 

「…………………」

 

 その謝罪を聞いたクラッシャーはいったんコブシを振るのを停止し、少しの間考えるようなそぶりを見せると、

 

「お前が……全損するまで、殴るのを、やめない!!」

 

「お前結局許す気ないだろ!!」

 

 先ほどのセリフを言い直し、殴打を続行し始めたクラッシャーにロータスはおもわず怒声を上げるが、アバターの膂力的に勝てる相手ではなかったので結局彼の殴打を止めることはできなかった。

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!」

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」

 

 なんだか途中で興が乗り始めたのか、ネタが混じり始めるラッシュ音。

 

二重の極み(セカンド・インパクト)!!」

 

 トドメとばかりに振るわれたコブシは、遠慮なくクロウの頭を爆散させ、最後の虐殺を終えた。

 

「貧弱ぅ! 貧弱ぅ!!」

 

 再び死亡マーカーが出現したのを見て、ジョジョ立ちでキメ台詞を放つクラッシャー。その後ろではひき離すのは無理と判断し、オブジェクトを壊して必殺技ゲージをためてきたロータスが二本の刃となった腕を構えて立っていて。

 

「さてクラッシャー。私のレギオンメンバーを散々いたぶってくれたことに関して……何か弁解はあるか?」

 

「ついカッとなってやった。反省も後悔もしない。久しぶりに楽しくネタが披露できたいいサンドバックだった。今後ともよろしく頼みたい……」

 

「今度なんてあったらなぁ!!  貫通による死(デス・バイ・ピアーシング)!!」

 

 いやまてまて!? お前に殺されるとシャレにならへんて!! うるさいバカ!! いますぐ死ねっ!! と、にぎやかに言い争いをしながら信じられない速度で戦闘を繰り広げじゃれあう二人の王。

 

 もうちょっと、喧嘩の規模がデカすぎて唖然とするしかない新人二人に微笑みを浮かべながらレイカーはサラッと告げる。

 

「ちなみにあぁなった時は本人でも歯止めがきかないのは分かっているから、彼自身が自分にかけたの固有心意《減損縮小》によって、バーストポイントは減らないの。よかったわね、鴉さん。もとより全損する可能性は皆無だったのよ?」

 

「いや……バーストポイント云々以前に心がへし折られました」

 

 復活と同時に何かにおびえるように両膝を抱えてうずくまるクロウに、レイカーはあらあらと呟きながら微笑みを苦笑にかえた。

 

 こうして、騒がしい来訪者が東京に帰ってきたことにより、加速世界はさらににぎやかになっていく。

 

 災禍の鎧。加速研究委員会……まだまだこの世界には暗く陰鬱とした闇が控えている。だがしかし、

 

「ちょちょ、ロータス嘘やんな!? 寸止めしてくれるやんな……って、あぶなぁああああああああああああああああ!? おまえ、おれ、俺が白刃取りの技覚えてへんかったら死んでんぞぉおおおおおおおおおおお!?」

 

 彼がこの世界にいる限り、加速世界は闇にのまれることはないのだろう……。

 

 FIN

 




はい、悪ふざけの産物ですが何か?

ちなみに副題はエキサイトな翻訳さんに頼みました。

 作者的には「はぐれメタル」なのですが、正式な名前があるなら教えてください。


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