(仮題)ブラウニーの特異個体として扱われています 作:セレンディ
なんか書けなくなると復帰まで長いんです……。
「ヒャーーッ、ハーーーッ!」
叫んで、景気よくチャリオットのミサイル全てとF2060ARのマガジン1個分をぶっ放す。
それらは文字通り群れで立ち塞がる鉄虫どもに着弾して、爆発と破片を巻き散らかした。
そう、レモネードアルファもドン引きの、鉄虫が占拠している鉱山に襲撃をぶち込み資源を取れるだけ取って離脱する文字通りの略奪行為、通称永遠の戦場である。
今回ターゲットにした鉱山は、まあそれなりにまだ警備が緩い方で、あのクソ赤ボンバー等のいない、平和なところだ。
ところで。
私も含めた皆が使っている弾薬やらの出どころはどこなのか、と言う話である。
ゲーム状はその辺りは簡略化されて、部品、栄養、電力の3項目になっていたが、現実となるとそうもいかない。私が市街地廃墟とか軍事施設廃墟とかを巡って集めてきた資源からの再生品とか、ダッチガールたちが新たに採掘して得られた資源から作成したり、などである。
おわかりいただけるだろうか。
つまるところ、私達の血と汗の結晶なのである。
それを、
「ああもう、ゴミどもがうるさいわね! いいわ、やってあげようじゃない!『石器時代へ!』」
「……お静かに!」
「ソーフィッシュが壊れたぁー!!」
ちゅどーんどかーんばがーんずどどどどどどどどど
とまあ、実に気軽に重爆撃級の攻撃を、単体とか少数の敵にすらぶっ放しまくっているわけだ。
アンドバリが泣くぞ……というか泣いてた。
トリアイナ、予備のソーフィッシュはもうないから一旦撤退してフォーチュンとかグレムリンに怒られてこい。つーか余計な突撃すんなって言ったばっかりなのになんで突っ込んで機体壊して帰ってくるわけ?
「ふふふっ……司令官とデート、デートっ!」
「モモ、マジックジェントルマンとの第3の儀式に挑むのですか? むぅ、私とは第2の儀式もしてくれないのに、どうしてですか?」
「今回の功労トップには、何でも一つお願い事を聞いてもらえるそうですからね。頑張らなきゃ!」
可愛く言っているが、もともとが子供向けスプラッター魔法少女ドラマ番組(すげー言葉だ……)出身のコイツラの武器は、多分にスプラッターが過ぎることがある。まさに今で、返り血というか返りオイルというか、なんか赤黒いものがモモの顔についていたりする。
「はわわわ……しゃ、社長~、なんてことをモモさん達に……」
そして殺る気もといやる気爆上げなバイオロイド連中と、やる気と比例して跳ね上がる消費資源量。
さっきも述べたがアンドバリがガチ泣きしてたので、こちらもスカベンジングの回数増やすから、と慰めておいた。
「チェストー!」
「発射ー!」
「おらおらーっす!」
「分隊長! こいつらいくら撃っても倒れないっす!」
!?
「だ、だからお前らそいつらは、周りのか弱い生き物じゃなくて最初に指揮個体をたたけってブリーフィングで口酸っぱくして言ったじゃん!? もう忘れたのかお前ら!?」
「あ、うっかりしてたっすー」
「てへぺろ」
「おっとー」
「……ごまかしてるところアレだがな、あのアングリータイプのチックコマンダーは……」
ズドドドドドドドドドドドド
そう、もはや手がつけられない。
「ギャーッ!? い、痛いっす痛いっすー!!」
「退避! 退避ーっ!! ああもう、つーかもう無理! マジで無理! ティタニアー! もう丸ごと全部凍結させて! もう無理!」
「……了解した」
慌ててノームの作ったコンクリート掩体の影に隠れるものの、あっという間に削られていく。
援護も間に合いそうにないので、慌てて同行してもらっていたティタニアをけしかけて全てを凍結させる。
攻撃範囲の都合上、一部の味方(ブラウニー共と私)が巻き込まれたが、こらてらるこらてらる……。
■ ◇ ■
無論、怒られた。
めっちゃ怒られた。
主犯はブラウニー達と主張したのだが、こちらの管理不行き届きであるとされた。解せぬ。凍りついたところを、トリアイナとかランバージェーンに切り出されて救助されるとかの手間を増やしたからか? あるいはメイとかの弾薬浪費を抑えきれなかった責任問題か? わたしゃ指揮官級じゃないんですけど? やっぱ解せぬ。
怒られすぎて腰がガクガクで物凄く歩きづらい上に、翌日の昼前である……。
ま、まあいいや、鉄虫の本隊が来る前に、火事場泥棒の如き採掘を完遂させるべく、技術系バイオロイドとか工業系AGSまでもを総動員して採掘作業が強行されている。
戦闘要員もいくらかは手伝っているらしいが、機動型などのそもそも肉体が頑健に作られていないやつとか、メイのようなそもそも肉体労働に向かないやつは休んでいるし、先の戦闘に参加したバイオロイドの大半も調整の名目で休んでいる。
そんなわけで、イフリートではないが部屋で惰眠を貪る……はずだったのだが。
「どうにかして♡」
どうにかして、じゃねえよバカヤロー。いや、ヤローじゃないけど。
寝るつもりだったところに、訪ねてきたのはセラピアス・アリス。カタログスペック上、相互確証破壊を成立させてしまうユニットの一つだったお人である。いや、人じゃないけど。あれで家政能力とかきっちり確保してるんだからすげぇの一言しか出てこない。
半分以上愚痴混じりの言い分を聞いてみれば、要約すると司令官にアピールする場を寄越せ、ということに尽きる。
セラピアス・アリスのような火力過剰型武装持ちであると、以前レアと月兎を追ったときのような、周辺ダメージを厭うて攻撃できない、なんてシーンが多い。結果、自然と出撃メンバー候補からも外れることが多くなり、武装そのものも弱装弾のようなものがあるわけでもないので節約できない。フルリンクであればその辺りの加減もなんとかできるが、そもそもの稼働コストが上がっているので意味がない。好きで資源浪費しているわけでもないのにどうしろと!
私だって司令官に抱かれたい!
オマエばかりずるい!
……でもごめんなさいマシーンになるのは嫌。
どうにかして♡
だからどうにかしてじゃねえよバカヤロー。
「なんで、みんな私に相談しに来るんですかねえ……」
「だって、あなたに相談したのは、大体が自分の望みを叶えていますもの。そんなジンクスがあるとなれば、頼りたくなってしまうのも性というものではありませんか?」
「……」
思わず頭を抱えた。
コーヒーを出そうとしたところ、やんわりと制されて入れてくれる。一口飲んで自分が淹れるよりたいそう美味しいのでそれがまた困る。
「どうしたものかしら……なんか、上官から、みたいな暗黙のルールがあるからめんどくさいのよねぇ……あからさまに破れとも言えないし」
「バトルメイドは、ラビアタお姉さまもコンスタンツァもお済みですし、そもそもそのような上下関係はほぼ無いので問題ないでしょう」
「でも、バトルメイドで火力過剰型はあなたぐらいなもんでしょ? あとは……キャノニアとか、レア、ティタニア……?」
ホライズンのセイレーンとかは……機銃に限定すれば大丈夫か。砲撃しないで。
「難しいな……いっそ、今の戦闘向きバイオロイドがたくさん休んでるところだし、過剰火力型と家政能力持ち集めてお疲れ様パーティーでも開いてお酒盛る? 安全は保証できないけど」
小人閑居して不善を為すというと違うが、あーでもないこーでもないと色々と言い募った挙げ句、疲れてきたので半ば冗談みたいなノリでそう言ってみたところ……
「それですわね」
「は?」
冗談半分の発言だったのだが……そこからは早かった。
いつも管理に働いていることや、先程述べたように過剰火力型で活躍場面が少ないバイオロイドを中心に、お疲れ様パーティーが開かれることになったのである。つまるところ、バトルメイドシリーズ、キャノニア、上位フェアリーシリーズ(つまりレアとティタニア)で集まるということで、しかもそこに立案者枠、あるいはゲスト2として呼ばれてしまったのである。無論、ゲスト1は司令官だ。
正直、後が予想できたので参加したくなかったのだが、開始時刻に司令官が直々に呼びに来たとあっては逃げられない。
「なぜ司令官が呼びに来たんです? 恐れ多いというかなんというか」
「俺が呼びに行かないと、お前来ないだろう?」
……チクショウ、読まれてやがる。
なお、パーティーのことを耳聡く嗅ぎつけてきたメイとナイトエンジェルが開場前にいたが、会場内に酒瓶があるのを見た瞬間180度回れ右をして逃げ出した。
その判断はとても正しいと思う。
かくて、周りはウッキウキ、私はとっても気が重いパーティーが始まったのだった。
ぶっちゃけ、パーティーの体をなしていたのはほぼ最初だけで、10分ぐらいしたら、もう……。
詳細の言及は避けるが、一言だけ言うと「性獣大決戦」とだけ。
1名と1名と1名(私)以外は全員が完全ダウン済みだよ!!
そして2人して私に大ダウンアタックを決めてくるのはマジでやめていただきたい!!
特にそこの某ロイヤルなんとかさん!? 今の御時世にバイオロイド同士なんて不毛だよ!!
「ふふふ問題ないぞ、私にムダ毛などそもそもないからな!」
反応しづらい下ネタはやめろぉ!!