(仮題)ブラウニーの特異個体として扱われています   作:セレンディ

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エミリーに見つめられた話

 ……腰が痛い。

 そりゃ、アレだけの大ダウンアタックを食らい続けてしまったのだから、腰をいわしてしまうのもしょうがないと言えるだろう。

 こういう時は、自分のベッドで丸くなって回復するのを待つのが一番……なのだが、今日はそうも行かない理由がある。

 

「…………」

 

 見てくるのだ。

 エミリーが、じーっと、無言で。

 昨日、性獣大決戦もとい鉱山攻略戦闘部門お疲れ様パーティーを開いたことは記憶に新しいと言うか今もその影響から抜け出すことができていないが、ほぼ乱交前提だったために一人だけ参加できていなかった人物がいる。

 

 そう、エミリー(精神的子供)だ。

 

 もっとも、これは独断で参加させなかったわけではなく、司令官や当のキャノニアの他のメンバー、あるいはコンスタンツァやラビアタの全員との合意のもとに参加させなかったわけで、それ自体は正しかったと思っている。子供の前で乱交する趣味はない。いや、子供の前でなくてもないが。私に見られて喜ぶ趣味はない。乱交の趣味もない。本当だぞ。

 ともあれ、そのエミリーがこちらをじっと見てくるのである。

どこに行くにしても、彼女の愛銃であるジェノクスの上に座って付いてきてただじっと見つめてくるのである。

地味に罪悪感をくすぐってくる攻撃で、一体誰の入れ知恵だろうか……。

「……ねえエミリー、そうやって見つめてくるの、誰にやったらいいって言われたの?」

「司令官」

 

 思わず枕を殴った私は悪くない。

 

 ◆ ◇ ◆

 

「というわけで、今度はオルカゲーム大会in艦長室だー!!」

 

 例のどんどんどんぱふぱふー、と鳴るおもちゃを駆使して一人でファンファーレを鳴らしつつ、私は宣言した。

 ごめんねエミリーを兼ねているので、参加者はキャノニアメンバーにLRL、アルヴィス、ココ、司令官、コンスタンツァに私(電源系ゲーム提供)、天空のエラ(非電源系ゲーム提供)となっている。今回の件にエラは完全に無関係だったが、ゲームを借りる都合上参加してもらった方がいい、ということで参加してもらった。セティやエンプレスもゲーム仲間なのだそうだが、こちらはそういう意味でも完全に無関係なので、ゲームのプレイ人数の都合上今回は見送り。次回は呼ぶということで納得してもらった。

 エミリーのこともあり、今回は精神的に幼いメンツをなるべく集めよう、ということでまずLRLにアルヴィス、そしてココが候補に上がった。3人共精神的にも肉体的にもめっちゃ幼い子達である。ただ、ここに入りそうなアクアは既に司令官のお手つきということで除外(本人納得済み)となった。

 アンドバリもプライベートは見た目相応とのことだが、制圧した鉱山の採掘関連で忙しいので辞退。

 メスガキムーブのテティスは子供扱いしないでとぷんすこしながら去っていった。

 イフリートも意外と肉体年齢が若いが、これに手を出すとそれを理由に艦長室のベッドから動かなくなりそうなので、司令官からアンタッチャブル指定を受けている。

 ハチコ? 手を出したらナニを噛まれそう、としれいかんがゆってた。わたしもそうおもう。

 

ともあれ、今回は精神的子供組が主役であるので、それ相応に遇しなければならない。

 ちびっ子ども全体にはエラがコンパニオンとして付いていて、今回はとっつきやすいゲームから始めよう、となった。無論、司令官と遊ぼう、が主旨であるので、参加メンツに司令官も入っている。それで選ばれたのは人生ゲームだ。ルーレットを回す、コマを進める、止まったマスに書いてあることに従う、という至って簡単なルールだからだ。

 ……一応、旧人類滅ぶべしな内容のマスも無くはないので、司令官とフォーチュンと相談してエラッタシールを貼ってあるので教育に悪い、なんてことはないだろう。

 私は1回目はLRLのサポートに入り、彼女と一緒に遊ぶ。

 ゲームはゲームとして割り切ってやるのが楽しむコツだ、ということで、殴れるときには殴るプレイを勧めてみた。

 

「え、えっ!? でも、これをしたら司令官が大変なことにならない?」

「大丈夫大丈夫、現実にやったら大変だけど、そこはゲームだから大丈夫。ゲームで一杯食わされて悔しい、っていうのもまた真っ当なことだからね。だから行ってみよう……仕返し」

「べ……別に、余は司令官からは何も、仕返しをするようなことなんて……」

「だーいじょーぶだって、ゲームならよくあることだし、今司令官一位でしょ、順位が下の側からの妨害なんてあったりまえー。それに、司令官から『あのときはよくもやってくれたな、またゲームで勝負だ!』ってなるかもー?」

「う、う……し、司令官に仕返し!」

 

「……ブラナッハさんに悪魔の尻尾と羽根と角が見えますね」

 

 苦笑しながら私の甘言を見ていたエラのコメント。

 

「覚えてろよブラナッハぁ……」

 

 被害担当(に私が誘導した。その後アルヴィスとココからも攻撃を受けている)の司令官の恨み言。はっはー、聞こえませんなー?

 というかエミリーに入れ知恵をした段階で私からの報復がどこかであると知ってるだろうに。

 案の定、司令官は開拓地送りで最下位だった。

 

 ◆ ◇ ◆

 

「というわけでターンエンドだ。何か宣言は?」

「先行1ターンキルされてるんで壁とやってろとしか言えねーです司令官」

 

 ※1:TCG。プリビルドデッキパックそのままの私に、フルスクラッチビルドデッキをぶつけてきた司令官。誰か特定時期のレギュレーション情報をくれください。全カードフルに使用可能なんて壺壺壺でこうなるに決まってるだろ。

 ※2:エラ達があーあ、って顔して見てる。

 

 ◆ ◇ ◆

 

「ここまで私をコケにしてくれたお馬鹿さんは初めてですよ……」

「あ、伝説のあるところで見つけたコミックのセリフ」(LRL)

「というわけで! 全財産をぶん投げて私は悪魔になるぞジョジョォー!! ターゲットはそこだぁー!!」

「うわっ、バカ、オイやめろ、せっかく育てた街がー!?」

 

 どかぽぉぉぉぉん!!

 

 ◆ ◇ ◆

 

 最終的に、大乱闘するブラザーズのアレで一騎打ちを相当に繰り広げ……置いていかれたキャノニアメンバーは早々にいなくなっており、ちびっこたち+エミリーは全員いつの間にかふて寝していたので、各々の部屋に送り届けてお開きとなった。

 はい、私も司令官も多分に大人気なかったのは理解していますので、ステレオで説教は勘弁してくださいバトルメイドのおねーさま方……。

 反省しろ、と私と司令官で片付けをすることになり、司令官に放置されてぶーたれたちびっこたちが遊んでいたジェンガやら何やらをだいたい片付ける。

 

「……はい。全部、ちゃんとありますね」

 

 きちんと全数揃っているかをエラに確認してもらい、後は立ち上がって腰を伸ばす。

 

「んーっ……」

 

 ぽきぽきと固まった関節をほぐし、肩を回す。

 つい熱中しすぎたが……まあ、うん。

 後は、シャワーでも浴びてから寝ようかな……と思っていたところ、ぽん、と私の肩に手が置かれた。




「ひぇ……ぶ、ブラナッハさんがぴくりともしなくなってしまいました……!」
「え、ええ!? う、うで!? 指とかじゃなくてですか!? 裂けちゃいますよ!?」
「わ、わ……ほ、ほんとうに、はいっ、ちゃっ……な、なんか温かいというか熱いというか……」
「……」
「……あ、あの? 司令官? その……ど、どうして私はお尻を撫でられているんでしょうか……?」
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