レストラン白玉楼   作:戌眞呂☆

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欧我と魔理沙の弾幕ごっこがいよいよ始まります!

欧我はいったいどのようなスペルカードを編み出したのか。
お楽しみください!


第18話 開幕、弾幕ごっこ

 

「よし、これで完成だ。」

 

 

テーブルの上に並べられた大量の料理を前に、ほっと一息を突く。

これで幽々子様の昼食がすべて完成した。

それにしても、まさか本当に大量の料理を作ることに慣れるとは思わなかった。

妖夢の言う「すぐに慣れますから。」という言葉もあながちウソではなかったと言う事か。

 

よし、みんなを呼んで昼食にしよう。今日の料理も喜んでくれると…

 

 

「欧我ー!いるか?」

 

 

この声は…。

障子を開けて外に出ると、中庭に魔理沙さんの姿があった。

その後ろにはたくさんの見物客が…って、え!?

 

 

「魔理沙さん!それに、みんなも!?」

 

 

「ああ、私が白玉楼で欧我と弾幕ごっこをすると知ったらみんな着いて来ちゃって。」

 

 

いったい誰からその情報を。

そのようなことをする人物は…うん、1人いた。

 

 

「文、また新聞をばらまいたんでしょ。」

 

 

「えへへ、やっぱりばれました?」

 

 

人ごみの中にいた文が苦笑いを浮かべながら頭をかく。

まったく、相変わらずというかなんというか…。

 

まあいいや。

今日のためにたくさん練習は積んできた。

そして、とうとう魅せるときがやってきた。昨日編み出したばっかりの、新しい弾幕を…。

 

 

 

 

 

 

 

「準備はいいか?」

 

 

「ええ、バッチリです。」

 

 

中庭に浮かび、魔理沙さんと対峙した。

お互いに相手を睨み、出方をうかがう。

両者一歩も動かず、緊迫した空気が張り詰める。

 

 

「はぁっ!」

 

 

先に動いたのは俺だった。

星形に空気を固め、湯気で色を付けた弾幕を放つ。

練習を積んだおかげで、短時間で大量の弾を生成、放出することができるようになった。

 

 

「おっ、面白い弾幕だな!」

 

 

そう言うと魔理沙さんはほうきを操り、弾幕の隙間を縫って飛び、次々と弾を避ける。

このスピードは、以前永嵐異変で戦った時以上だ。

 

 

「じゃあ私からも行くぜ!」

 

 

右手を掲げるとそこに魔方陣が出現し、大量の星形の光弾が放たれた。

俺は何も言わずに右手を前に掲げ、空気を固めて壁を作り出す。

 

目前まで迫った星形の弾幕は次々と壁に命中して爆発を起した。

魔理沙さんの弾幕はなかなかの威力だが、空気の密度を増やして固めた壁はびくともしなかった。

 

 

「何…!?」

 

 

魔理沙さんはその光景を見て驚きの声を上げる。

まあ無理もないか。爆煙が消えたら無傷の俺が立っているからな。しかも微動だにせずに。

 

おっ、魔理沙さんの両脇に1つずつ魔方陣が現れた。

 

 

「これならどうだ!」

 

 

その魔方陣からレーザー光線が放たれた。

それと同時に魔理沙さん自身が大量の星形の光弾をばらまく。

 

俺は再び空気を固めて壁を作り出して弾幕を防ぐ。

爆煙によって視界が遮られたが、レーザーが増えたところで空気の壁はびくともしな…

 

ピシッ!

 

 

「なに!?」

 

 

空気の壁に亀裂が走り、それがどんどん大きくなる。

次の瞬間ガラスが割れるような音が響き、壁は粉々に砕け散った。

 

 

「あぶなっ!?」

 

 

慌てて高度を上げ、壁を突き破って襲ってくる弾幕を避ける。

…そうか、さっきの弾幕を一点に集中したのか。

 

 

「逃がさないぜ!」

 

 

魔理沙さんはそう言ってほうきを飛ばし、俺に向かって突き進んできた。

左右の魔方陣からは耐えることなくレーザー光線が放たれ、俺を仕留めようと迫ってくる。

 

くそっ、生前の能力を失ったからスピードが出ないんだよな。

後ろ向きに飛びながら弾幕やレーザー光線を躱し、星形の弾幕をばらまく。

しかし魔理沙さんは華麗に避け、新たな弾幕を放ってくる。

この状況を打開しなければ。

 

こうなったら…。

スペルカード行くぞ!

 

空気を大剣の形に固め、その中の水分量を操る。

太陽は出ているな、よし!

 

 

「神断『ダーインスレイヴ』!!」

 

 

太陽の光を受け、目に見えない大剣は七色の虹を纏う。

両手で柄を持ち、思いっきり振り下ろした。

魔理沙さんまで剣先が届かなかったが、迫っていた弾幕を斬り裂き、さらに大剣から大量の虹弾を放った。

 

 

「うわっ!?この!」

 

 

次々と襲いかかる虹弾に驚きながらも、しっかりと軌道を読んで躱していく。

それに星形の弾幕の量を増やして攻撃の手も緩めない。

こういった臨機応変に対処できる実力って羨ましいな。

俺も負けていられないぞ!

 

再び大剣を振りかぶると、同じように振り下ろした。

 

 

「なんだ、同じ手は通用しない…」

 

ザシュッ!

 

「…ぜ?」

 

 

「くそっ、外したか。」

 

 

振り下ろすと同時に刀身の長さを増した大剣は魔理沙さんの髪の先端をかすめた。

空中をひらひらと舞い踊る金色の髪。

 

でも仕方ないか。

弾幕を避けながら飛んでいるし、こんなに剣が大きいと狙いなんかつけられない。

スペルカードを解除し、いったん距離を置く。

魔理沙さんもレーザー光線による弾幕を止め、上空で再び向き合った。

 

 

「やっぱり魔理沙さんは強いな。」

 

 

「ありがとう!でも、欧我もなかなか面白い弾幕を使うじゃないか。楽しくなってきたぜ!じゃあ、どんどん行くよ!」

 

 

そう言うと懐から青い光を纏ったカプセル状の物を取り出すと投げつけた。

あれは、一体何なんだ…?

 

初めて見るカプセルに興味を抱き、じっと見つめていると、次の瞬間…

 

 

「うわっ!?」

 

 

爆音とともに爆発を起こした。

慌てて両腕で顔を覆ったが、不意を突かれたためガードが遅れた。

 

あ…あれ?

耳が、聞こえない!?いや、耳だけじゃない。目も見えなくなっている。爆炎にやられ臭いをかぐことができない。

さっきの爆発の衝撃によって、五感のうち視覚と聴覚、そして嗅覚を失ってしまった。

時間が経てばまた復活するだろうけど、今はこの状態で乗り切らないと。

 

仕方ない、このスペルカードに賭けてみよう。

 

 

「探知『欧我の領域(俺のテリトリー)』。」

 

 

俺と魔理沙さんを囲むように、四方八方すべてを空気の壁で囲む。

そして、その立方体の中の空気に意識を集中させる。

空気の流れ、動きを読み取って相手の言動を捉える。

 

魔理沙さんは…丁度目の前にいるな。

口が動いているから、何かを話しているだろう。

空気の振動を肌で感じ、触覚を聴覚に変えて言葉を脳に送った。

 

 

「おい、大丈夫か!?どうす…」

 

 

「俺は大丈夫だよ。」

 

 

俺の発した言葉に、魔理沙さんの口の動きが止まった。

 

 

「心配してくれてありがとう。でも、俺は大丈夫。さ、続きをやろうよ。」

 

 

「続きって…。」

 

 

明らかに魔理沙さんは戸惑っている。

でも、俺の中で溢れる「弾幕ごっこを楽しみたい」という気持ちは、もう制御ができないほどまで膨らんでいる。こんな状態で、弾幕ごっこを中断することなんてできない。

 

 

「このような最悪な状態さえも楽しみたいんです!だから、中断なんかしないでください。」

 

 

「…うん、分かった。じゃあ行くぜ!」

 

 

「ああ!虹速(こうそく)『ラピッドクロウ』!!」

 

 

自分を取り囲むように4つの鴉の形をした虹弾を作り出し、その虹弾から大量の弾幕をばらまきながら自分の出せる最高速で飛び回った。

 

 

「やるじゃないか!じゃあ、私も付き合うぜ!『ブレイジングスター』!!」

 

 

お互いに高速で飛び回り、弾幕を放ち続けた。

 




 
弾幕ごっこのシーンを書いていると楽しいです。
文章にするのが難しいのですが。

弾幕ごっこですが、もしかしたら3ページにわたるかもしれませんが最後までお付き合いください。
 

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