レストラン白玉楼   作:戌眞呂☆

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博多のネットカフェからこんばんは。
一人旅中の戌眞呂☆です。

今日、俺の物語をお気に入り登録していただいている方と夜の博多に繰り出しました。
いやぁ、屋台って素晴らしいですね!会って数時間しか経っていないのに、非常に仲良くなりましたw
ラーメン美味しかったです。

そこで話していたんですが、番外編として屋台を基にした物語を書いていきたいと思います。
ここでは思いっきり欧我君をキャラ崩壊させようと思っているので、楽しみに待っていてくださいw
 


第40話 ピクニックだー!!

 

「小傘、ソースとってくれる?」

 

 

「はーい!」

 

 

 小傘が手渡してくれたソースをフライパンの中に回し入れる。フライパンで炒められていたのは中華麺と大きめに切ったキャベツや肉、そしてもやしだ。それらが漆黒のソースを纏い、焼きそばへと姿を変える。ジューという心地よい音を耳で楽しみ、ソースの香りを鼻で楽しむ。目で色合いを見て、肌で食材の質感を感じ、そして舌で味見をする。まさに五感をフル活用することができるのも料理の醍醐味なんだよな。

 

 

「ねぇ欧我、玉子焼きはこんな感じでいい?」

 

 

「お、腕を上げたね。十分だよ」

 

 

 え?何をしているのかって?朝早く起きて3人で弁当を作っています。何の弁当って、そりゃあもちろん新婚旅行の。

 …いや、ピクニックと言ったほうがいいのかな?

 …まあいいや。とにかく、今日は妖怪の山を守矢神社目指して登って行く。その途中にある景色の良いところでお弁当を食べたいという小傘の希望で、家族3人で白玉楼の台所に立っています。

 

 

「おっ、フライもいい感じに揚がったな」

 

 

 黄金色に輝く油の中からエビフライや豚カツをすくいあげてクッキングペーパーの上に載せる。狐色の衣を纏っていて、とても美味しそうだ。ああ、勿論定番の唐揚げはありませんよ。唐揚げ大好きなんだけどな…。

 

 

「欧我」

 

 

「ん?」

 

 

 名前を呼ばれて文のほうを向くと、出来たばかりの玉子焼きを箸でつまんで差し出してきた。

 

 

「はい、あーん」

 

 

「あー」

 

 

 正直、これをちっとも恥ずかしく感じなくなった自分に驚いた。

 

 

「どう?」

 

 

「うん、とっても美味しいよ」

 

 

「えへへ」

 

 

 笑顔でそう言うと、文は嬉しそうに満面の笑みを浮かべる。やっぱり、何度見てもこの笑顔は世界で一番かわいい。

 

 

「ねぇねぇ、私も何か作りたい!」

 

 

 文と笑い合っていると、小傘がクイクイと袖を引っ張ってきた。

 

 

「よし、じゃあおにぎりを作ろうか」

 

 

「うん!」

 

 

 そして、文も含めて3人でたくさんのおにぎりを作っていった。鮭やシーチキンマヨネーズ、さらには卵焼きといった変わり種など、様々な種類のおにぎりが完成した。

 でも、やっぱり家族3人そろって料理を作るのはとても楽しいな。

 

 

「あつっ!!」

 

 

 ちょっとさわがしいけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「さて、じゃあ行きましょうか」

 

 

 できたばかりの大量のお弁当を携え、妖怪の山のふもとに降り立った。生前この山で暮らしていたからなのか、とても懐かしく感じる。久しぶりに妖怪の山を訪れたけど、いったいどんな風に変わっているのか非常にワクワクしている。んだけど…

 

 

「ねぇ、まさか俺が全部持っていくの?」

 

 

 肩から3人分の水筒を下げ、弁当や必要なものが詰め込まれたリュックを背負い、大きめのシートを小脇に抱えている。まさかの荷物持ちかよ、俺。

 

 

「だって欧我は常に浮いているから楽だろうけど、私たちは歩いて行くのよ。それってずるいでしょ」

 

 

「そうだそうだ!」

 

 

「そう言うなら文たちも飛んでいけばいいでしょ」

 

 

 そう言うと、2人は大げさにため息をついた。

 え?え?俺って何かおかしいこと言った?

 

 

「まったく、欧我ったら。そうしたらピクニックにならないじゃない!」

 

 

「そーだそーだ!」

 

 

「さいですか…」

 

 

 はぁ、仕方ない。これ以上何を言っても無駄だから素直に荷物を持っていこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「結局こうなるんだよな…」

 

 

「えへへ、楽だー!」

 

 

 はい、多々良小傘という荷物が増えました。

 リュックを前に移動させ、小傘を背中におんぶしている。どうして小傘をおんぶしているのかというと、答えは非常に簡単。「もう歩けないから」だそうだ。

 だったら飛べばいいじゃないかとも思ったが、小傘のウルウルな瞳を見ていたらそう言うことができなかった。俺って案外ちょろいのかな?

 

 

「文はまだ大丈夫?」

 

 

「もちろんよ!私がどれだけこの山で暮らしていると思っているの?」

 

 

 小傘とは逆に、文はまだ余裕そうだ。さっきから疲れているような様子は見られないし、軽快に険しい山道を登っている。さすが天狗と言うかなんというか、どこかの付喪神とは大違いだよ。

 

 

「行け行けー!」

 

 

「まったく、しょうがないな」

 

 

 ちょっと驚かしてやろう。

 背中から落ちないように小傘の足をしっかりと握りしめ、スピードと高度を上げていく。

 

 

「ぎゃぁぁぁぁぁ!」

 

 

 そしてそのまま空中で大きく一回転して元の場所に戻ってきた。

 

 

「どう、驚いた?」

 

 

「むぅ~、欧我ひどいよ!」

 

 

 小傘は不意をついての一回転がとても怖かったのか目に涙を浮かべながら背中をばしばしと叩いてきた。その様子がとてもかわいくて思わず吹き出してしまったら、叩くときの力がさっきよりも激しくなった。

 

 

「もうそろそろ九天の滝に着きますよ」

 

 

「そっか、じゃあそこで弁当を食べよう」

 

 

「うん!私お腹すいた!」

 

 

 小傘はあまり歩いていないだろう!という突っ込みはあえてしないでおこう。

 スピードを上げ、九天の滝に到着した。

 

 

「あややや?」

 

 

 どうやらそこには先客がいたようだ。

 

 

「おやおや、アツアツ夫婦の登場だね」

 

 

「あ、にとりさんに椛さん!」

 

 

 滝の上で将棋を指している2人の姿があった。ただ、椛さんは次の一手を考えることに集中していてこちらにはまったく気づいていないようだ。まあ、そっとしておこう。

 

 

「それにしても家族そろって何しに来たんだい?」

 

 

「新婚旅行よ」

 

 

「新婚旅行?」

 

 

 どうやらにとりさんは新婚旅行と聞いてピンとこなかったようだ。頭に疑問符が浮かんでいる。

 

 

「要するに、家族の思い出を作ろうということです」

 

 

 そう説明したら理解してくれたようだ。

 

 

「そうだ、にとりさんも一緒に弁当を食べませんか?」

 

 

「いいのかい?」

 

 

「ええ。それに、みんなで食べた方が美味しいに決まっています!」

 

 

「そうかい、じゃあお言葉に甘えようかな」

 

 

 にとりさんはそう笑顔で頷いてくれた。

 でも、椛さんはさっきからずっと考えてばかりいる。

 

 

「そうだ、私に任せて!」

 

 

 そう言うと、文は椛さんの背後に移動した。

 そして…

 

 ぎゅっ!

 

 

「ひゃん!?」

 

 

 しっぽを握りしめた。

 

 

「あ、文さん!?」

 

 

「もーみじっ!そんなに考えてばかりいないで、私たちと一緒にお弁当を食べましょう!」

 

 

「お弁当ですか?まあ、いただきましょう」

 

 

 そして椛さんとにとりさんを加えた5人で弁当を食べた。

 やっぱりみんなで食べる弁当はいつもよりも美味しく感じるな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 
今、午前3時。
眠気と闘いながら書いたので、まったく文章が思いつきませんでした。
でも、まあ、いいや。

いや、だめだよね、ごめんなさい。


では、おやすみなさい。

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