リリー・ホワイトが春を告げるお話
かなり短いです

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二作目です。

今回はかなり短くなっております。

まだまだ拙い文章ですがよろしくお願いします。


幻想郷の春の風物詩

 まだ冬の肌寒さを感じるが、融けだした雪のつくる水の流れや雲間から覗く暖かな日差しが春の訪れを感じさせる幻想郷。そんな穏やかな空の上を風に乗り漂う妖精がいた。

 

「春ですよー」

 

 ――春告精、リリー・ホワイト。その名の通り春を告げることが彼女の役目である。彼女はどんな些細な春の訪れの兆しも見逃さず、冬の間の長い眠りについている生き物たちに春の到来を告げる。

 

「春ですよー」

 

 彼女のそうした声を聴くたびに、人妖を問わず幻想郷の住人達は穏やかな気持ちになりその訪れを歓迎するのである。

 

「春ですよー」

 

 また、彼女の声に反応するのは動物や人間、妖怪たちだけではない。まるで彼女の声に呼応するかのように、春を待ちわびていた桜や菜の花たちは一斉にそのつぼみをほころばせ、妖怪の山や人里を華麗に彩る。人里にある花屋の種なども瞬く間に花となり、里の人間たちの目を喜ばせる。

 

「春ですよー」

 

 やさしい微笑みをたたえながら春を告げ、幻想郷中に春をもたらす彼女。だがそんな一見穏和に見える彼女も、その役目を邪魔されるならば流石に黙ってなどいない。

 

「おい! そこの白いの! あたいと勝負しなさい!」

 

「春ですよー!」

 

「え、ちょ、ちょっと! いきなり撃ってくるなんて卑怯じゃ――(ピチューン!)」

 

 たった今『P』になってしまった⑨妖精のように全力で弾幕を放たれ、ピチュってしまいかねないのである。しかし彼女の撃つ弾幕はちゃんと弾幕ごっこのルールにのっとったものであり、致命傷を負うなどということもない。いわばこれも幻想郷では春の風物詩の一つと言える。とある巫女の言う通り、『幻想郷では常識にとらわれてはいけない』のだ。

 

「春ですよー」

 

 魔法の森上空。人形使いと普通の魔法使いが楽しそうに話しながら春摘みのダージリン・ティーを楽しんでいた。

 

「春ですよー」

 

 ふわふわと漂流していた彼女は太陽の畑上空にたどり着く。地上では『四季のフラワーマスター』こと風見幽香が上機嫌に花へ水やりをしている。リリーが通ることで彼女の花たちもその美しい姿を見せたのだろうか。

 

「春ですよー」

 

 今度は博麗神社の近くを飛ぶ。しかし神社に近寄ろうものなら問答無用で飢えた博麗の巫女が撃ち落としにかかってくるのでリリーは少し急いでそこを抜けた。

 

 

「春ですよー」

 

 幻想郷中に春を告げた彼女は、再び妖怪の山へと戻る。山には天狗たちや河童、守矢神社の双柱、現人神の姿も見える。彼女も山のもとへ飛んで行ったかと思うとその姿は消えてしまった。こうして役目を終えた彼女は妖怪の山のどこかで一年間暮らし、また次の春の訪れを待つのである。

 

「春、ですよ……」

 

 すっかり春になった幻想郷の名山、妖怪の山。そのどこからか幸せそうに寝言を言う妖精の声が聞こえてくる。まるでそれは次の春を待ちわびているような、そんな幸せそうな声だった。

 

 ――これは幻想郷の穏やかな春の風物詩である。




いかがでしたでしょうか。

少し季節はずれな気もしますが、その点はご容赦ください。

もう少し文才がほしい……(切実)

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