ししらみのあれこれです

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pixivにて一年近く前に投稿したものです。
若干ネタが古いのはご了承ください


ししラミのなんてことない日常

「ししろんししろん」

 

「ラミちゃん、どうしたの?」

 

「知ってる?酒瓶って凍らせると釘が打てるんだよ」

 

「どうしたの?」

 

 

~ししらみのなんてことない日常~

 

 

「で?どうしたの」

 

「酒瓶って凍らせると釘が打てるの!」

 

「なんやて工藤」

 

「せやかて工藤」

 

目の前の友人は、まあ、なかなか突拍子もないことを言う時もあった。その中でもこれは群を抜いている。

 

「えっと?酒瓶で?釘を?」

 

「釘を」

 

「打てる?」

 

「打てる」

 

「............」

 

「............」

 

「どうしたの?」

 

「いやもうそれはいいって!」

 

なんで私がつっこまれたんだろう。

 

「いや、ね?急に子供の頃のことを思い出したんだ。ちょっと見てて」

 

そう言ってラミちゃんは一本の空の酒瓶を取り出す。

 

最初は清楚な皆のママ、という雰囲気のもとデビューした。そのイメージを損なうことなく、今の酒豪としての顔を全面に押し出しているのだから、大したものだ(別に本人がその気で活動しているというわけではないのだろうが)。

 

ラミちゃんの手の上では、魔力で浮いた酒瓶に纏わりついていくかのように氷が出現する。ほどなくして酒瓶は、持ち手となっている飲み口を除いた全てが氷に包まれた。

 

「それでは、ここに一本の釘と一枚の木の板があります」

 

「はい」

 

「これを、こうしてと......いきます」

 

「どうぞ」

 

「ほい」

 

とんとんとんとん

 

「お~」

 

「............」

 

「............」

 

「どやっ」

 

「いいんじゃない?」

 

「え~それで終わり!?」

 

終わりというか、謎過ぎて言い始めることすら叶わないというか。

 

はっちゃける時ははっちゃける人物だとは思っていたが、ここまでの奇行に走られるとは思わなかったのだ。

 

「えっと、じゃあ、その技はどこで身に付けたの?」

 

精一杯の質問を絞り出す。

 

じゃあ、という部分に若干顔をしかめるラミちゃんだったが、こほん、と軽く咳払いをし、懇切丁寧に説明してくれた。

 

「私、自分で言うのもなんだけど、元々は雪国の結構良いところのお嬢様だったわけなんだよ」

 

「うんうん」

 

「生活面で特別不自由なことは無かったんだけど、一つ問題があってね?それが、娯楽を徹底的に制限されてたってことなんだ」

 

なるほどなるほど。私の場合、なかなかにバイオレンスでエキサイティングな場所でパーリーピーポーな暮らしをしてきたため、ある意味刺激的な出来事には事欠かなかったが、生きるために毎日必死だったので、ある意味逆の立場だと言えるかもしれない。

 

しかし、それが酒瓶で釘を打つ話とどう繋がるのかについては、全く読み取ることができない。

 

「小さい頃はあまりに暇すぎて、よく魔法の無駄打ちをしてたんだけど、その過程で凍らせたものを振り回すのが面白いってことに気が付いたんだ」

 

「ごめん。意味がわからない」

 

幼少期は習い事も多く、立ち振舞いは徹底的に矯正されたという話なので、抑圧されたことによる反動でやや危険なことに楽しさを見出だしてしまったのかもしれない。

 

人はこれをチョロQ理論と呼ぶ(この時点では親元を離れたわけではないので、正確には別物なのかもしれないが)。

 

「そんなこんなで凍らせた物で色々叩いてる打ちに、釘を打ち付けることに可能性を見出だしたわけよ」

 

「可能性?」

 

「あのときは興奮したなぁ......バナナを凍らせると釘が打てるって話は聞いたことがあるけど、それに準ずるトリビアを見付けられたことが嬉しくて嬉しくて」

 

あぁ。可能性ってそういう。

 

「要するに幼きラミちゃんは、バナナと釘のトリビアに代わる新しい一般常識を作ることに成功したと思ったわけだ」

 

「そうなんだ。ちなみにこの酒瓶を被ってる氷は、私の魔力の結晶みたいなもので、外からの刺激に反応して表面を魔力がコーティングする仕組みになってて、溶けないし割れない最強の氷を作り上げてるんだ」

 

「それはもう酒瓶の力じゃなくて氷の力じゃん......というか、ラミちゃん、幼い頃から酒瓶に触ってたってどういうこと?」

 

「それはさすがにお父様のを使ったよ。そんなに幼い頃からお酒飲んでたら大変じゃん」

 

「まぁ......そうだよね......」

 

「うん......さすがに......さすがにね?......ちょっとしか」

 

「ラミちゃん?」

 

~一方その頃戌神ころねは~

 

「お?なんじゃこりゃ?」

 

カチャカチャ......

 

「............」

 

カチャカチャカチャ............

 

「にゃーーーーっはっはっはっはーーーーーー!!!!!!」

 

__________________________________________________

 

「それにしても、今日の事務所は一段と静かだね」

 

「うん。このスタジオだって、いつもは扉を開けると摩訶不思議で驚天動地な空間が広がってるけど、今日はなんともなかったし」

 

「ま、平和なのが一番なんだけどさ」

 

ちゅッッッどおおおおおーーーーーーーん!!!!!!!!!!!!!!!

 

「え!?なになになに!?」

 

「わぁッ!?!?ししろんが変なフラグ立てるから!!」

 

「私のせい!?ごめんね!」

 

「......驚かせてしまって悪かったのら」

 

突然の爆音に動揺する私たちだったが、目の前に悠然と現れた彼女の前に、呼吸することも忘れて、思わず見入ってしまう。

 

「なんで......」

 

 

 

「なんで、機関銃にチュッパチャプスなんですか............?」

 

 

 

「......女は......多少秘密がある方が魅力的に見えるものなのらよ」

 

「その絵面でそれは無理があります」

 

破天荒な赤ちゃんこと姫森ルーナ先輩は、その場に機関銃を下ろし、どうやら舐め終わっていたらしいチュッパチャプスの棒を放り投げてゴミ箱に捨てると、私たち方に体を向け直し、こう言葉を繋いだ。

 

「この世は弱肉強食。驚天動地なのらよ」

 

「だからわからないですって!」

 

~一方その頃戌神ころねは~

 

「............」

 

「にゃーっはっはっはっはっはーーーーーーーー!!!!!!!!!」

 

____________________________________

 

「つまりルーナ先輩は、ココ先輩とフレア先輩と一緒に『魔王と勇者ごっこ』をしていたと」

 

「そういうことなのら」

 

正直その装備では、納得できる説明とは言い難いのだが。

 

「でもココ先輩はわかりますけど、フレア先輩って、少し珍しい気がします」

 

「あ、確かに。普段だとまつり先輩やスバル先輩だもんね」

 

フレア先輩といえば、ノエル先輩だ。一緒にいるときはいつもイチャイチャしているし、離れていてもたまに惚気話が飛んでくる。さて、ノエル先輩はフレア先輩が他の誰かと話していると気が気でなくなると聞くが、赤ちゃんのルーナ先輩でもそれは同様なのか。

 

しかし、ルーナ先輩が今やっているごっこ遊びにも、実のところ、少し興味がある。

 

大人になってもドッジボールや鬼ごっこの楽しさを思い出せるように、童心に返っての無垢な遊びに馬鹿になるのも一興とも思う。さすがに恥ずかしいので、まぜてまぜてとは言えないが、こうやって目の前ではっちゃけている先輩を見ていると、どこか羨ましさというか、自分自身で作り上げた自分のイメージに反して、今の自分をやめてみたいと思うこともあるのだ。

 

「今3人はどんな役をやってるんですか?」

 

ラミちゃんも興味があるのかやや明るい声で訪ねる。

 

「ココ先輩はドラゴンだし、魔王役とかも種族的にははまりそうですよね。ですと、もしかしてお姫様の役はフレア先輩が......でもルーナ先輩は本物のお姫様なんでしたっけ」

 

「さっきの装備を見てると、お姫様役ではなさそうだけどね」

 

「いいや、違うのら。ルーナが勇者でフレア先輩が盗賊、ココちゃんが拳闘士なのらよ」

 

「それ誰を倒して誰を助けるんですか?」

 

「2人にも是非混ざってほしいのら」

 

「いいですよ。ちょうどラミィたちも暇でしたので」

 

「じゃあラミィちゃんが魔法使いで、ぼたんちゃんが射手なのら」

 

「だからそれ誰を倒して誰を助けるんですか?」

 

「あ、外にシオン先輩がいるのら。魔法使いはシオン先輩にやってもらうのら。申し訳ないけどラミィちゃんは魔法使いじゃなくて修道士を」

 

「だからそれ(ry」

 

~一方その頃~

「にゃーーーっはっはっはっはっはっはっはーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!」

 

__________________________________________________

 

「ところでラミちゃん」

 

嵐のような先輩は、満足のいくくらい遊んだのか寝息をたてて寝てしまい、ココ先輩が家に送り届けることになった。

 

「ラミちゃんって、エルフなんだよね」

 

「そうだよ。この尖った耳なんかは、エルフ特有のものだし」

 

「ホロライブって、アキ先輩とかフレア先輩とか、エルフも一定数いるけど、2人とは面識は無かったの?」

 

「2人ともホロライブに入って初めて会ったかな。3人とも住んでいた里が違うから」

 

そういえばラミちゃんの住んでいる地域は、一年中白銀に覆われているとのことだったし、アキ先輩とフレア先輩は同郷ではないことを本人たちが語っている。

 

私も獣人ではあるが、ホロライブに入る前から面識のある人は誰一人としていない。

 

本当に色々な人が集まっているのだと、つくづく思わされる。

 

自分には想像もできない言動の数々。わけのわからないことも起こるし、わけのわからないことも起こるし、わけのわからないことも起こる。

 

それでも毎日が楽しいと思える、そんな平和な日常を今の私は過ごしているのだ。

 

ホロライブに入ってから、幸せなことがたくさんあった。例えば美味そうなわため先輩と仲良くなったり、例えばSSRBの皆と楽しく話したり、何より、目の前の雪のように可憐な彼女に、出会えたことが_____

 

「あ、でも他の里にイタズラをしに行ったことはあるよ?」

 

......おっと?

 

「だいふくって、浮遊魔法の一種を使って普段宙に浮いているんだけど、無機物とか、他の物にも効果範囲を及ぼすことだってできるんだ。幼い頃は、凍らせて遊んだ物を窓から投げ込んだりして......今にして思うと、かなり危険なことしてたなって反省してるけどね?」

 

想像以上に想像異常。

 

「そっか......あれは全部、ラミィちゃんの仕業だったんだね............」

 

「ッ!?あなたは!!」

 

~一方その頃大神ミオのTwitterでは~

 

_人人人人人人人人人人人人人人人人_

>このアカウントは凍結されています<

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「フレア先輩!?」

 

「そういえば今までどこに......」

 

「ラミィちゃん............さっきの......他の里に凍らせた物を投げつけてたって話、本当なんだね?」

 

なにやらのっぴきならない事情があるのか、肩と声を震わせゆっくりとラミちゃんを問い詰めるフレア先輩。

 

「それは......本当ですけど......いや、自分でも馬鹿なことをしていたなと_______」

 

ヒュッ!と何かが私たちの横を掠めていった。

 

恐る恐る後ろを振り向くと、壁に1本の矢が、深々と突き刺さっていた。

 

「......まじか」

 

「ラミィちゃん......あの時、ラミィちゃんがそんなことしなければ......」

 

まさかの他里がフレア先輩の故郷。展開が早すぎてついていけないし、あの反応からして、実は相当な被害を出してたとか?

 

「族長のカツラがバレて、娘の私まで巻き添えで笑い者になることなんてなかったのに!!!」

 

「「えーーーーーーーー!?!?!?!?!?」」

 

~一方その頃荒咬オウガとアイラニ・イオフィフティーンは~

 

「どうも、皆さん。荒咬エロガです」

 

「えっと、どうも皆さん。エロフィこと、アイラニ・エロフィフティーンです」

 

____________________________________

 

「あの時投げ込まれた酒瓶が、いいかんじに父のカツラを掠め取っていかなければ、あんなことには」

 

いいかんじにってなんだ?まるで運命がラミちゃんとフレア先輩を争わせようとしているかのy ......さすがに強引すぎる。

 

「ここで会ったが100年目、積年の恨みを晴らさせてもらうよ」

 

本当に100年目かもしれないシチュエーション初めて見た。

 

「フレア先輩なんだかおかしいですよ!普段はもっと優しくて、間違ってもそんなことで矢を向けてきたりはしない!!」

 

確かにその通りだ。

 

つい先程まで、ココ先輩やルーナ先輩、後から加わったシオン先輩と楽しく遊んでいた。あの笑顔はただただ皆と遊ぶことを楽しんでいる、純粋な目だった。

 

フレア先輩に何かが起きたのなら、その時ということになる。

 

思い出せ。何か変なことはなかったかを。

 

「ここの事務所じゃ変なことなんて日常茶飯事だよ!」

 

......ごもっともで。

 

ココ先輩は、火は出せても魔法は使えないという話だったし、特に何か不思議な道具を使っている様子もなかった。ルーナ先輩も同様だ。

 

シオン先輩だって、怪しげな魔法具で魔王の城っぽい演出を施したくら(¬ω¬)んーーーーーーーーー?????

 

「いや~......やっちゃった............」

 

今や緊迫した糸が切れ、激しい戦闘を始めた2人のエルフを尻目に、幼くも知性(笑)を感じさせる魔女っ子がぽつりと呟いた。

 

「あ、シオン先輩いたんですね」

 

「いた、というより戻ってきたんだよ」

 

「もしかして、フレア先輩がおかしくなったのって」

 

シオン先輩は、やや困ったような笑いを浮かべ、そっと自分を指差した。

 

「もしかして、あの魔王城を作った魔法具ですか?」

 

「そう。あれは本格派だからね。魔王役を魔法具が1人設定して、その人を好戦的な性格に変えてしまうって代物」

 

「なんでそんなの使ったんですか?」

 

「デメリット......忘れちゃってて」

 

「はぁ...............」

 

~一方その頃影山シエンは~

 

_人人人人人人人人人人人人人人人人_

>このアカウントは凍結されています<

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『バブちゃん』 『ポン』

『ポンスターズ』『可愛い』『赤ちゃん』

『あかちゃん』

『しょーがねーだろ!あかちゃんなんだから』

『マルボーロいる?』 『哺乳瓶取ってきて』

『バブ山シエン』 『かわいい』『バブ』

『バブちゃん』『あかちゃんやな』

『バブ山ぴえん』

 

「うるさーーーい!!!!!!!!」

 

____________________________________

 

「ちょっと待って!さすがにこれ以上は!!」

 

思っていた以上に激化していった2人の戦いは事務所全体を大きく揺らすほどまでになり、いよいよもって私たちも危ない状況だ。

 

「シオン先輩!何かないんですか!?」

 

「ちょっと待ってて......今フレアちゃんの洗脳を解く薬を......あった!」

 

「でも、あの中に入っていってフレア先輩に薬を飲ませるなんて。いったいどうやって」

 

フレア先輩の弓は、本で見るよりずっと重みを感じさせる物で、下手な男物よりも強いかもしれない弦をいとも簡単に引き、電光石火の一撃を繰り出している。

 

その威力たるや。ラミちゃんの魔法によって出現した、二重、三重にもなる氷の壁を抵抗もなしに貫き、獲物に向かって一直線に突進する。

 

ラミちゃんは片足を軸に、最低限の動きでそれを躱し、返しに、氷柱による浮遊魔法を組み合わせた投擲で反撃する。

 

まさに一進一退の攻防。もはや、本人たちにしか止められないのではないかという域に達していた。

 

「ラミちゃん!フレア先輩をもとに戻す薬が見つかった!なんとかしてフレア先輩に飲ませたいから、動きを封じ込めるよう____」

 

「久しぶりに血が滾る............胸が踊る......この感覚、この高揚感!忘れていた、昔の感覚。でも、体は覚えてる!あの興奮を!あの楽しさを!!」

 

「ラミちゃん?」

 

「チマチマと矢ばかり射ってないで、かかってきてくださいよ、フレア先輩。もっと愉しもうじゃありませんか」

 

「あっだめだ」

 

すっかりやる気に、というか殺る気になってる。

 

「シオン先輩、だめです。ラミちゃんは使いものになりません」

 

「仕方ないね。元々はシオンが撒いた種。ここはシオンが自分で」

 

そう言って歩きだした瞬間、瓦礫に躓いて体制を崩すシオン先輩。

 

薬の入った小瓶はスルリと手元を離れ、あっさりと碎けちり、役目を果たすことなく終わりを迎えた。

 

「あ」

 

「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!!!」

 

シオン先輩はガックリと項垂れると、ギシギシと壊れた機械のようにぎこちない動作でこちらに首を向けて一言。

 

「ディ◯ニー詰む詰む」

 

「言ってる場合じゃないですよ!どうするんですか!!」

 

いよいよもって解決方法が分からなくなってしまった。

 

自分も喧嘩慣れしている方だとは思うが、さすがにあそこに入っていく度胸は___

 

「フレア~どしたの?」

 

「あっ、ノエちゃん!やっほー」

 

解決した。

 

~一方その頃大空スバルは~

 

「スバルだって......女の子なんスよ......」

 

大神ミオ「w 」

 

_人人人_

> 単 芝 <

 ̄Y^Y^Y^ ̄

__________________________________________________

 

「いや~無事に事が運んでよかったよ~」

 

「何も運んでないんですが」

 

ノエル先輩が視界に入った途端にフレア先輩は正気に戻り、いちゃこらさっさと戯れ始めた。

 

「ラミちゃんも、少しは落ち着いた?」

 

「ん。少しはね」

 

全くこの友人は。

 

窓ガラスは割れ、壁に穴は空き、家具はひっくり返り、電気も止まり......

 

元の原型をとどめないほどに散乱した部屋は、それまでの戦いの激しさを静かに物語っていた。

 

さすがに肝を冷やしたし、全てが終わった今でも、ほとほと呆れている。

 

でも、あんなにのびのびとしたラミちゃんを見たのは初めてかもしれない。

 

普段のラミちゃんと先刻のラミちゃん。どちらが本当の彼女なのか。

 

もしかすると、私は彼女が本当に求めているものを与えることができていないのではないか。ラミちゃんが求める刺激は、ホラーゲームで驚いたり、マインクラフトで爆破したり、同期の奇行に笑ったり、そんなことではなく、もっと、もっと_____

 

考え始めるとキリがなくなっていく。

 

開きかけた口も思わず閉じてしまう。

 

何を問うべきなのだろう。そもそも何かを問うべきなのだろうか。

 

私は、何を

 

「ししろん」

 

「っ!?」

 

「そんなに難しい顔してどうしたの?......あーこの部屋の惨状については、私からAちゃんさんに伝えて謝っておくから、それで」

 

「ふふっ」

 

顔をかあらめ、モジモジとしながら言葉を紡ぐ彼女に、笑ってしまった。

 

「え!?ナニナニナニ!?」

 

「ふふっ......いや、何でもないよ。ただ、安心したっていうか、楽になっただけだから」

 

「?」

 

馬鹿らしくなった。彼女の姿を見ていると。

 

「後でスタッフさんや皆には謝らないとね」

 

「大丈夫だよ。事務所なんて今まで何度も皆が壊してきたんだから。今更気にすることなんてないって」

 

「アハハ......ありがとう。でも、さすがにこれは、私自身の気持ちだから」

 

向こうでノエフレが話しているのが聞こえる。向こうも考えることは一緒なのだろう。

 

自分1人で勝手に想像して、勝手に落ち込むなんて私らしくない。

 

今の彼女がそれを楽しんでくれているのなら

 

「ラミちゃん」

 

「どうしたの?」

 

私も、精一杯、それを楽しもうと思う。

 

「これからも、よろしく」

 

「うん!よろしくね!!」

 

安心して手に入れたものは彼女の笑顔。お釣りがくるどころか、こちらの出す量が足りないくらいの報酬だ。

 

この出会いを大切に。ホロライブを大切に。仲間を大切に。

 

私自身の、好きを大切に。

 

こうして事態は一件落着に

 

 

 

 

 

「なにしてるの?」

 

 

 

 

 

カタカタと骸骨のように震わせながら首を傾け、声のする方を視界に入れる。

 

「これで何回目だっけ?そろそろ壊しすぎだから自重しようって話になったはずだよね?」

 

ときのそら先輩。ホロライブ最初のVTuberにして、私たちの大先輩。

 

その偉大なる先輩が、ラミィ顔負けの暗黒微笑をもってして、こちらに歩いてくる。

 

先程まで誠実な態度を決めようとしていたフレア先輩でさえ、その気迫に呑まれ、謝罪の言葉も出てこない。

 

「そら先輩、違うんです。フレアは悪いわけじゃなくて............」

 

当事者でなかったノエル先輩だけがかろうじて口を開き、震える声で言葉を紡ぐ。

 

「そら先輩、その本当に申し訳ないとは思っているんです。罰が必要なのでしたらなんでも受けます。ただ、ノエちゃんは関係ないんです。ラミィちゃんとぼたんちゃんにも非はありません。ですので、私だけを」

 

「フレア!」

 

ノエル先輩の声で我に返ったフレア先輩。全ての責任を背負おうとしているフレア先輩に、ノエル先輩も声を上げる。

 

「フレア先輩は悪くありません!なんともないのに、調子に乗ってしまったラミィの責任で......」

 

ラミちゃんまで......

 

そもそも、今回の事件には明確な原因があるではないか。

 

「シオン先輩。先輩の魔法具が元でこんなことになったんですから、先輩からも何かっていないーーーーー!?!?!?!?!?」

 

あのクソガk......どさくさに紛れて逃げたな!?どうりでセリフが無いと思った!

 

「シオン先輩どこに行ったんですか!?シオン先輩!シオン先輩!!」

 

 

「いいから全員正座しなさーーーい!!!」

 

「「「「ごめんなさい!!!!」」」」

 

~一方その頃ホロの奇妙な雑談では~

 

まつり「なんか面白いことしろよ!」

 

律可「あー芸人の雑な振りきた」

 

ま「オラ!物理攻撃してやろうか」

 

り「やめてくださーい」

 

ロベル「まつりさん落ち着いて!うるさい!落ち着きなさい!まつりさんステイ!!」

 

フブキ「まつりちゃん落ち着いて!」

 

ま「オラオラ!」

 

ふ「オラオラオラ!」

 

まつり&フブキ「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」

 

ま&ふ「どーっちだ」

 

り「どっちだってw」

 

ろ「アホ毛オンアホ毛すな!」

 

ふ「ハッパカッター!まつりちゃん、ハッパカッター!!」

 

ま「りっちゃんもほら、ハッパカッター!可愛くね?」

 

り「はっぱかった~」

 

ふ「ロベルさんも」

 

ろ「え?......はっぱかったー」

 

ま「なんかな~」

 

ふ「なんかぬけないね~」

 

ま「言いたいことが、あるんだよ!」

 

ふ「ハイ!」

 

ま「やっぱりフブキは可愛いよ!」

 

ふ「え?」

 

ま「好き好き大好きやっぱ好き!」

 

ふ「はい」

 

ま「やっと見つけたお姫様!」

 

ふ「はい」

 

ま「俺が、生まれてきた理由」

 

ふ「こわ」

 

ま「それは、お前に出会うため!」

 

ふ「はい」

 

ま「俺と一緒に人生歩もう!世界で一番愛してる!あーいーしーてーるー」

 

ろ「まつりさん。本当に2年目迎えた先輩に言う言葉ではないけど......」

 

ろ「寝てくれ!!」

 

り「ハハハハハ!!」

 

ろ「寄るなァ!寄るな!!」

 

ま「なんて?なんて言った?」

 

ろ「寝てくれ......」

 

ろ「椅子取りゲーム始まってる」

 

ま「ハッハッハッハッハッ」

 

り「巨大化してきた」

 

ふ「我々は思い出した......まつりちゃん奇行種だよ完全に」

 

り「補食されるよ補食」

 

ま「人類は思い出した......まつりに支配される恐怖を」

 

ろ「こわっ!!」

____________________________________

 

普段あんなに優しいそら先輩が、なんて思っていたが、結局あっさりと許してもらえた。

 

あたりはすっかり暗くなり、人々は町の明かりに照らされながら、各々が家路につく。

 

空が、1日の終わりを告げようとしていた。

 

「なんだかんだで、あっという間の1日だったね」

 

「ホントだよ」

 

あの後ノエル先輩とフレア先輩は揃って帰路につき、私たちも、一緒に家に向かって歩いていた。

 

「最初は暇だーって言ってたのに」

 

「ホント、いつのまにやらだよ」

 

顔を見合わせて、吹き出してしまった。お互い、心からの笑顔を向け合い、とにかく笑った。

 

ひとしきり笑った後、一緒に満点の星空を見上げて_____

 

さて、あしたはどんなことが起こるかな

 

~一方その頃尾丸ポルカは~

 

『おまるん天才!』

 

『よーしよし』

 

『おまるん、頑張れ!』

 

『がんばラミィ!』

 

「うぇっへッへッへッへッへッへ」




さて、ししらみ、と、呼んでいいものか......な、作品になってしまった感は否めませんが、自分の好きなネタを盛り込んだ作品になりました。やはりボキャブラリーも貧相ですし、文章もまだまだ拙いものではありますが、どうか、若者の成長をゆっくりと見守っていただければと思います。

最後に、この作品を読んでくださった全ての方々に、最大級の感謝を!

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