機動戦士ガンダムダレト   作:オンドゥル大使

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第187話「抵抗の消失点」

 

 堕ちてくるのも慣れるもので、ああ、ここは煉獄なのだな、とクラードは意識する。

 

 そして、自分の後ろに超越者を気取っているであろう、老人の事も。

 

「……俺は、また手痛い損耗を受けたらしい」

 

「今回ばかりは、七番目の使者の力があまりにも強大であった。お前がうろたえるのも分からないわけでもない」

 

 クラードは真っ白な世界で老人と向かい合う。

 

「……ここに来て、ようやく思い出す。この世界を牛耳る存在、“夏への扉事変”の真実。そして……聖獣達の意義、か。教えてくれ。俺はそいつらを倒さなくてはいけない。何故、情報を与えないんだ?」

 

「それが致命的な間違いに繋がりかねないからだ。エージェント、クラード。お前は力だけを望んでこの世界に舞い戻った。ならば、力だけを信じて戦うがいい。この世界が焼け落ちるその日まで」

 

 確かに、自分は力を望んだ。その結果として、《ダーレッドガンダム》の開いてはならない扉を開いてしまったのならば、それは自分の罪だ。

 

「……だが、俺は知っている。先の戦いで、ここに居たな? ――レヴォルの意志」

 

『“誤魔化しは利かないようだ”』

 

 声そのものはレヴォルの意志。だがその実は違う。

 

「お前は……《レヴォル》じゃないな?」

 

『“そちらが定義したレヴォル・インターセプト・リーディングの在り方とは異なるかもしれないが、こちらも世界を暴く機能を有している。何ら、問題はあるまい”』

 

「ミラーヘッドのオーダーをすり抜け、そして今も、不明なる現象を引き起こす。……お前は何だ?」

 

『“いずれ辿るこの世界への諦観の道。それは戦いの終焉を刻む”』

 

「世界を見下ろすとでも言うのか。絶対者のように……」

 

「エージェント、クラード。お前は舞い戻らなければいけない。世界へと、その罪過を抱えたままで」

 

「……罪、か。だが俺は罪に足を引きずられるようなつもりはない。……まだあるだろう、この機体の力は」

 

 老人が眼を細め、やがて声にする。

 

「そこまで分かっているのならば話は早い。ファム・ファタールを知っているな?」

 

 意想外の名前にクラードは僅かにうろたえていた。

 

「……どうしてファムの名前が出てくる」

 

「彼女はMF、《サードアルタイル》を動かすに足る存在だ」

 

 この白の空間では無為に驚嘆するような時間さえも惜しい。

 

「……そうか」

 

「驚かないのだな」

 

「どうせ、ここでの記憶は持ち越せない。なら、俺は煉獄の炎に焼かれながらでも、真実に手を伸ばすまでだ。それがたとえ、現世では意味なんてなくっても。俺は俺の出来る事を全うする」

 

「力への求心力だけでは動かない、という事か」

 

「……力だけでは、誰も救えない。俺は自分を切り捨ててもいい。それ以上を所望する」

 

 老人は手を広げ、風に白髪と白髭をたなびかせる。

 

「力だけを望まぬ強欲か。だがそれもよかろう。お前にはもっと相応しい地獄をくれてやる。その地獄で踊るか、それとも地獄から這い上がるかはお前次第だ」

 

 老人の瞳が逆三角形の紋様を帯びて真紅に輝く。

 

 クラードはその瞬間、左目に疼痛を感じていた。

 

「エージェント、クラード! その肉体が消え失せるその日まで、我が力はお前の力である! 生き永らえろとも、まして死ぬなとも言わない。だが自分の語った言葉にだけは、裏切るな。それは自らへの絶望に繋がる」

 

「言われなくとも」

 

 顔を上げたクラードは拳を骨が浮くほどに握り締める。

 

 爪が食い込み、滴ったのは蒼い血液――ミラーヘッドの色彩。

 

「俺は――世界へと叛逆するために、手段は選ばない。戦いはこれからだ」

 

「よかろう! ならば舞い戻るがいい! 地獄の戦場へと!」

 

 その言葉と共に黒白の彼方へと意識の消失点が追いやられていく。

 

 目を醒ましたその時には、緊急医療カプセルのブザーを無視して、上体を起こす。

 

 ずっと付いていたのか、ヴィルヘルムが大慌てで押し入ってくる。

 

「……クラード……まさかこんなに早く目を醒ますとは……」

 

「状況をくれ。戦いはまだ終わっていないはずだ」

 

「あ、ああ……だが、今は戦局がこう着していて……何とも言えないんだ。まずは身体を万全にするところから――」

 

「それなら心配はない。俺は出られる」

 

 黒いインナーを纏い、白衣へと袖を通す。

 

 ヴィルヘルムはあまりにも無謀だと判じたのだろう。汚染深度の検査器具を持って歩み寄る。

 

「……待て、待つんだ、クラード。船医として……何よりもお前をよく知る人間として、今は行かせられない。このまま死にに行けと言えると思っているのか?」

 

「ヴィルヘルム、俺は死ねない。だから、行くしかない、通してくれ」

 

 その肩を引っ掴み、制そうとして彼は唾を飲み下す。

 

「……クラード。お前……傷口が……」

 

 前回の《ラクリモサ》との戦闘で負った傷口を上塗りするように蒼い血潮が覆っている。

 

「……何が起こった? お前に、一体何が……」

 

「後にしてくれ、ヴィルヘルム。《ダーレッドガンダム》で出撃する」

 

「クラード! ……お前とアルベルト君を見ている身だ。そんな言葉に耐え切れると思って……」

 

「……そうか。なら、仕方ない」

 

 クラードは額で弾ける思惟を飛ばす。

 

 途端、ヴィルヘルムは糸が切れた人形のようにぱたんと倒れ伏していた。

 

「これ、は……思考拡張、なのか? ……こんなに強い……」

 

「ヴィルヘルム。悪いとは思っている。だが、俺はここで止まれない」

 

 医務室を出る間際に、ヴィルヘルムが今にも閉じ行く意識を保とうと、声を張り上げる。

 

「クラード! ……お前は、あの時……テスタメントベースで何を手に入れた……! 何に成ろうとして、いる……」

 

「それは俺も不明のままだ。だが……間違いないのは一つだけ。俺は、俺が求めるよりも多く、全てを取り戻すための力が必要だ。そのためなら――迷いは振り切ろう」

 

 ヴィルヘルムが意識を失う。

 

 医務室から出るなり、地球重力に晒された躯体であったが、思ったよりも負荷は少ない。

 

「馴染んでくれているのか……俺の肉体が」

 

 何度か手を握り締め、今も混迷の只中にある格納デッキへと踏み出していた。

 

 こちらを認めるなり、サルトルが仰天する。

 

「まさか……! おい、幽霊じゃないだろうな……」

 

「本人だよ。……《ダーレッドガンダム》で出る」

 

「無理だ、許可出来ない! それに修復の目処だって立っていないんだ」

 

「現状は? モルガンからの敵勢が気にかかる」

 

「いや……そんな事も言っていられなくなった。クラード、説明すると長くなるから色々と省くぞ。――モビルフォートレスだ」

 

 その言葉にクラードはタラップを駆け下りるなり、サルトルの肩を掴む。

 

「……事実か?」

 

「ああ。それも……何だってこんな事に、なっちまっているんだって話なんだが……」

 

 濁すサルトルにクラードは語気を強める。

 

「敵が何であろうと、それがMFであると言うのならば、俺は元からの目標に従い、殲滅する」

 

「そうも言ってられないんだよ! ……MF03、《サードアルタイル》のパイロットは、ファムだ」

 

「……何だと?」

 

 一瞬、信じ難い名前が耳朶を打ったのを感じ取り、聞き返す。

 

 サルトルは心底参ったとでも言うように、肩を竦めていた。

 

「……ベアトリーチェで一緒に居た、あのファムさ。第三勢力、ネオジャンヌ、と名乗っていたか。その主戦力として徴用されている」

 

「……何で、ファムが……《サードアルタイル》だと」

 

「おれ達にもまるで分からないんだ! ……そんな混迷の戦場にお前を寄越すわけには……」

 

 確かに、自分が赴いたところで混乱の種を撒くだけなのかもしれない。

 

 しかし、今出撃しなければ自分は後悔するだけだろう。

 

「……なら出撃出来る機体をくれ。《マギア》でもいい」

 

「どうするつもりなんだ、クラード!」

 

「……戦闘状況に割って入り、戦局を見極めて奇襲する。そうすれば、如何にMFであろうと一拍の隙が生まれるはずだ」

 

「まさか、撃墜するって言うのか? 相手はファムなんだぞ!」

 

「……どこまで真実でどこまで嘘なのかがまるで分からない。俺は、俺の目と耳で、本当だけを知りたい」

 

「クラード……。でも、お前、そんな身体で……」

 

「ヴィルヘルムからの許可は取り付けた。出られる機体をくれ、サルトル」

 

 こちらの詰めた声音に、サルトルは長年の眼差しを交わし合う。

 

「……本気、なんだな? 言っておくが王族親衛隊だってどう動くかまるで分からん。……死にに行くようなものだぞ」

 

「構わない。それに、俺は死ねない。安易に死にに行くのとは、違ってくる。全てを取り戻し、全てをこの手に奪還する。それまで、俺には容易い死さえも生ぬるい」

 

 サルトルは諦観の息をつき、インカムに声を吹き込む。

 

「……空いていたアルベルトの《マギアハーモニクス》を充てる。修繕作業、出来ているな!」

 

「でもこれは……ちょっとマジに浮つくっすよ!」

 

 トーマの声と共に奥底に仕舞われていた《マギアハーモニクス》が引き出されていく。

 

 コックピットハッチが開くなり、クラードは白衣を翻していた。

 

「……クラードさん。このまま出るとして、戦場は泥沼っす。帰って来られる保証は……」

 

「充分だ。《マギアハーモニクス》でミラーヘッドの段階加速を経て強襲。そこから先は――」

 

「出たとこ勝負、っすよね。……戦果に期待するッす」

 

 心得ているトーマの声を受けて、クラードはサムズアップを寄越し、《マギアハーモニクス》の操縦桿を握り締める。

 

 久方ぶりのマニュアル操作のMSを手に馴染ませ、移送されていく戦場の空を眺めていた。

 

 虹色の波がのたうち、《エクエス》が次々に海面へと没していく地獄のような戦域が視野に入る。

 

 それでも、止まるわけにはいかない。

 

『クラード? 起きたの?』

 

 管制室からのレミアの直通通信に、クラードは声を返していた。

 

「……レミア。俺を止めようって言うんなら」

 

『……分かっている。起きたのならば、あなたは自らの任務に、忠実でしょう。それにカタパルトまで出た以上、狙い撃ちにされるよりかは出撃させたほうが賢明だし』

 

「……すまないな。俺の我儘だ」

 

『今さらよ。それに……その我を通すって言うところも、委任担当官に少しばかり分けてあげたいくらいだわ』

 

「……カトリナ・シンジョウは? どうなった?」

 

『……今は、保留でも』

 

「ああ、構わない。しかし、俺が従うのはあくまで委任担当官の命令だ」

 

『そうね。……あの子のトリガーになったのだもの。もう彼女とあなたの領域なのはよく分かっているつもりよ』

 

「もう出撃する。レミア、お前のトリガーであり続けるつもりだった」

 

『何よ、それ。言っておくけれど、こんなところで死ぬなんて、絶対に許さない……』

 

 未練じみた言葉にクラードは、いや、と応じる。

 

「……俺もお前のトリガーとして、生を全うするつもりだ。ここで燃え尽きるなんて愚の骨頂を犯すはずがない」

 

『そう……出撃許可を下します。クラード、生きて』

 

 それは願いの結実であったのかもしれない。

 

 MFが舞うこの戦場で、生きろなんてどだい無理な願望だ。

 

 だが願う事だけが、信じる事だけが、人間に出来る唯一の抵抗だと言うのならば――自分はその叛逆を叶えよう。

 

「エージェント、クラード。《マギアハーモニクス》、迎撃宙域に先行する!」

 

 リニアボルテージの青い電流がのたうち、出撃機動に入った《マギアハーモニクス》はすぐさまコード、マヌエルを執行させる。

 

「マヌエル、起動。ミラーヘッドの段階加速、開始。敵陣に突っ込むぞ……!」

 

 水色の円環が浮かび上がり、クラードは加速度を上げて敵機の集中する空域へと割り込んでいた。

 

 直後にもたらされる機体照合に驚嘆しているような間も惜しい。

 

「《ヴォルカヌス》……ここでも来るか」

 

 だがそれよりも今は強襲されている先行部隊の掩護だ。

 

 割り込むなり、クラードは本能に近い領域で《ヴォルカヌス》の手から奪い取る。

 

 その姿は見間違えようもなく――。

 

『……クラード……クラード……!』

 

 それは叛逆の火が燃え盛った落日の日と同じ呼び声。

 

 長い銀髪を風圧になびかせ、ファムを抱えた瞬間には、直下より襲いかかった剣閃が機体を両断していた。

 

《ヴォルカヌス》の太刀を相手に《マギアハーモニクス》では勝利出来るはずもない。

 

 ――ならば、どうするか――。

 

 絶対絶望の彼我に居ながら、いやに醒めた思考回路は最適解を編み出す。

 

 脳裏に突き立った電流の感覚。額で弾け飛ぶ思考拡張。

 

 呼び声は、一つ。

 

「――来い! 《ダーレッドガンダム》!」

 

 その刹那には、《ダーレッドガンダム》の躯体が位相空間を跳躍し、自分の姿と重なり合って、その一部へと組み込まれている。

 

 しかしサルトルの言う通り。

 

 戦えるようには出来ていない。

 

《ヴォルカヌス》の頭部と頭蓋を衝突させて出端を挫くのが精一杯だ。

 

 それでも、抗いを講じるのに、この鎧は最適である事だけは明瞭である。

 

「今の状態では勝てない、か。ならば――勝てる状態にしてやればいい。出来るな?」

 

『“誰に言っている。レヴォル・インターセプト・リーディング、起動。対象、《ダーレッドガンダム》の状態をこれより、最適化する”』

 

 浮かび上がった水色のアイリウムの脈動に、クラードは接続口へと己の腕を押し当て、直後、繋がった鋭敏な感覚が脳髄を痺れさせる。

 

 電流が脳神経を焼き切っていく、独特の感覚に、クラードは口中で浮かんだ血の味を舐めていた。

 

 次の瞬間には《ダーレッドガンダム》へと七色の輝きが宿る。

 

 それが何をもたらすのか、何を講じるのかは明確には分からない。

 

 分からないが、それでも真っ当な事が一つだけ。

 

「俺が勝てるように、してくれるんだろう……!」

 

 コックピットハッチを開け放ち、風圧に煽られたファムの身体を抱き留める。

 

 すぐさま閉鎖するなり、《ダーレッドガンダム》のステータスは万全のものへと仕上がっていた。

 

「クラード……ミュイ、ななばんめ……」

 

「ああ。今は――俺は戦える。それだけの結果があればいい。行くぞ、ゲインを限界までぶち上げろ。《ガンダムヴォルカヌス》を、殲滅する!」

 

 その声に呼応したかの如く、《ダーレッドガンダム》の鉤爪が開き、《ヴォルカヌス》と火花を上げて打ち合う。

 

『こいつ……! 何をしやがった……! まやかしか!』

 

「まやかしでも、俺が勝てるようにしてくれたのならば、それ以外にない」

 

『……いいぜ、いい声で啼けよ、ガンダム! そうじゃなくっちゃ、墜とすにしたって、張り合いもねぇってもんだ!』

 

「お前は、ここで殺し切る」

 

 瞳孔でベテルギウスアームの閾値を設定、空間重力磁場の形成を集約させ、鉤爪の掌底へと黒白の光弾が装填されていた。

 

 敵が大上段に大剣を構えたのを目の当たりにし、クラードは掌底を浴びせ込む。

 

 ――途端、何かを切り売りしたかのような感覚が背筋を凍らせた。

 

 黒白の重力砲撃が《ヴォルカヌス》の大剣に突き刺さるなり、その刀身が細部の部品に至るまで分解される。

 

『こいつぁ……! 分子分解砲弾だってのか!』

 

「分子分解……いや、高重力砲のはず……」

 

 その齟齬に戸惑いつつも、好機を逃すほど容易くはない。

 

 メイン武装を失った《ヴォルカヌス》へと鉤爪を奔らせる。

 

 敵のアステロイドジェネレーター炉心に近い装甲を引き裂いたが致命傷には至っていない。

 

『クソがァ……ッ! 分からねぇ武装を使いやがる……! そういうの、気に食わねぇを通り越して気味が悪いってんだ! 撤退機動に移らせてもらうぜ……』

 

「逃すか!」

 

 急加速した《ダーレッドガンダム》が鉤爪を大きく振るい上げる。

 

 そのまま一閃を浴びせれば、まだこの戦局を掌握出来ただろう。

 

 熱源警告に習い性で飛び退ったクラードは、敵勢を見据えていた。

 

「……あれは……《エクエス》だと? 今さら……?」

 

 残存していたらしい《エクエス》より怨嗟の声が通信網を震わせる。

 

『ガンダム……! 私だけを貶めただけに留まらず、貴様は……生きていなければいけない命でさえも摘んだ! 世界からの誹りを受けるがいい!』

 

 型落ち機に等しい《エクエス》の銃撃は反撃するまでもないものの、その一瞬の隙は《ヴォルカヌス》を逃亡させるのに充分であった。

 

 撤退機動に移った相手を追うほどに、今の自分は万全ではない。

 

 じくりと痛み始めるまだ塞がり切っていない傷口に、クラードは呻いていた。

 

「……待、て……俺がここで終わらせなければ……お前、だけ、は……」

 

 意識が遠のいていく。

 

 命の残滓を摘み取るシステムが、精神論ではなく物理的に脳髄から神経系統を奪っているのだ。

 

《ダーレッドガンダム》に飲み込まれ、精神の一滴まで汚染される。

 

 それを阻もうとして、クラードはこちらへと猪突する《エクエス》へと、無理やり攻撃意識を向けていた。

 

 相対するなり先ほどまでの威勢はどこへやら、《エクエス》のパイロットが当惑する。

 

『……が、ガンダム……』

 

「どうし、た……向かってくるんだろう……俺を、殺すんじゃ、なかったのか……」

 

《エクエス》乗りが銃口を向ける。

 

 照準警告が鳴り響く中で、クラードは少しでも戦意を掲げようとその銃口へと飛びかからんとするが、全身からは力が凪いでいった。

 

「……うご、け……《ダーレッドガンダム》……」

 

 急速に色を失っていく世界の中で、クラードは消失点の彼方へと没していった。

 

 

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