機動戦士ガンダムダレト   作:オンドゥル大使

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あとがき

 

あとがき

 

『機動戦士ガンダムダレト』をここまで読んでくださり、ありがとうございます。オンドゥル大使です。

 300話以上にも渡る、本作、ここに完全完結をいたしました。毎週更新とは言え、ここまで追ってくださった方々には最大限の感謝の気持ちでいっぱいです。

 とは言え、苦難の連続ではありました。

 まず、元のデザインを描いてくださったアズマさんとの二人三脚の決裂がありました。

 なので、セカンドシーズン開始時期や、二期の方向性はほとんどこっちで決めたようなものです。

 しかしながら、皆さんをかなりお待たせしたのは事実。

 いくら二人三脚が崩壊しても、やり遂げなければそれは意味がありません。

 不幸中の幸いだったのは、ストーリーとキャラに関してはこっちで完全に主導権があったので大きな変更がなかった点でしょうか。

 ファーストシーズンでクラードが生死不明となり、カトリナ達が叛逆を掲げる展開自体は早期に決まっていました。

 ダーレッドガンダムの能力もまぁまぁのところまで決定していたのですが、問題だったのは最終的にどうなるのか、という着地点でした。

 最初期にはアズマさんより00みたいにしたい、との要望があったのですが、自分としてはそれは『ジンキ・エクステンドSINS』でやり切ったのと、ガンダムの再生産をガンダムでやる事の意義があまりにも見出せなかったので、今回のオチに関してはかなり考えた結果となっています。

 ただ、幸いであったのは自分はこの作品を好きになれたことでしょうか。

『機動戦士ガンダムダレト』を嫌いにならずに、最後まで走り抜けたのは大きな財産だったと思います。

 思えば、ガンダムの二次創作をやるにあたって、ほぼゼロベースでやっている方というのは少ないもので、それを300話以上、毎週更新できたのは作品を信じ、そして読者の皆様を信じられた証であっただろうと思えるのです。

 しかしながら、自分の中で課題も出来ました。

 案外、書いている時は気持ちが盛り上がっているものの、いざ更新の段になると思った以上に伸びなかったり、そもそも自分自身、ちょっと違うなという点があったりと。

 長編で、なおかつロボット物というのは難易度が高いのは知っていましたが、それがネームバリューのある作品の二次となるとさらに大変だということを痛感いたしました。

 さて、ここから先は本編の補足と言いますか、最終局面で考えていた事のネタバレを。

 知らずに最後まで読みたい方はブラウザバックしてください。

 

 

 

 

 

 

 

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 クラードの本当の名前と、原初の聖獣ゼロポラリスこそが真のガンダムレヴォル――これは考えのうちにはあったのですが、本当に決まったのは最終章付近です。

 クラードの本当の名前に関しては特に難航しました。

「ここまで読んでくれた読者が納得できて、なおかつどこかにヒントがなければいけない」という縛りでしたので、聖獣の名前と、そしてゼロの別読みである「ノオト」。ちなみにここにはもう一つ意味があり綴りは違いますが「ノート」、すなわち白紙の何でも書き加えられる存在、という考えでした。

 クラード本人、本当の名前には頓着していないのでしょうが、それでもこれはダレト全編を通して大きな意義を持つ設定だったと思います。

 そして、これは分かりやすかったかは不明なのですが、「レヴォル=聖獣フィフィスエレメントはオリジナルレヴォルたるゼロポラリスのシグナルを乗り手として認識しているだけで、クラードは乗り手として認識していない」というものがありました。

 これに関しては深掘りするとややこしくなりそうなのでこの程度の設定だと思っていただいて結構です。

 それと書いていて変わったので、これも分かりづらかったかもですが「オリジナルレヴォル=フィフィスエレメントではない」というのは二期を始める前から決めていました。

 騎屍兵や関係者はオリジナルレヴォルをレヴォル本体だと思っていますが、実際には聖獣ゼロポラリスだったわけで、序幕のアバンに出て来た干渉波の正体もゼロポラリスによる来英暦からの呼び声だったわけです。

 フィフィスエレメントは最終的にはクラードを導く役割ではなく、メイアのほうに呼応したのもまぁまぁ考えての事でした。

 先述した適応がクラードではなくゼロポラリスであったことを逆手に取った形ですね。

 メイアこそがこの来英暦で選ばれた「クラード」であり、そして最終局面でまさかのエーリッヒの転生体であることが明らかとなったのは少しは度肝を抜けたのではないかと思います。

 クラードのキャラクター造形として、最初のほうは「死なない」、次は「死ねない」、「死にたくない」、「生きていたい」という風にしたのもある種収穫でしょうか。

 本来なら、逆はあってもこの流れはなかなかないなと思ったので、冷徹なエージェントから人間へと回帰した形となったのは個人的には気に入っています。

 クラードに関してで言えば、波長生命体への覚醒があったのですが、そこまで強くし過ぎない、あるいはそれこそが枷となる、という風に心掛けました。

 刹那みたいに強くなってしまうと、先にも述べた通り再生産になってしまいますので、能力的にはこのダレトの作品内では三番目くらいの強さにするようにしました。

 ちなみに一番は万華鏡、ジオ・クランスコールです。二番目がヴィクトゥス・レイジことグラッゼ・リヨンですかね。

 ジオの最期に関してで言えば、あれは結構早期に決めておりました。

 最強のミラーヘッド使い、感情など全くないように映る存在が最後の最後、クラードに「愛すべき者達のために戦え」と告げるのはジオがそう生きる事が出来なかった身分だからこそ輝いたかなと思います。

 グラッゼがヴィクトゥスと名を変えたのは、敗北者として再起した結果であり、そして最後の最後、己の望みのためだけに戦うエゴの塊としたかったのもあります。

 ちなみにレヴォルトルネンブラの機体形状のイメージソースはフリーダムガンダムでした。

 レヴォルゼロポラリスが波長生命体であり、無機物の生命体でありながら「クラード」でもあると言うのは割と中期に決まったのですが、これもなかなか難航した結果で、ドッグタグに意味を持たせるためなのと、初期からクラードが手離していないドッグタグの真相を固めるためでもありました。

 さて、ここまでクラードに関して掘ってきましたが、やはりヒロインであるカトリナに関しても語らなければならないでしょう。

 カトリナは少しずつではありましたがクラードへの恋慕を意識させるようにはしましたが、直接的なことはさせないルールを自分で課していました。

 キスやそれ以上は絶対にダメ、あくまでも想いを募らせるだけの関係は、よくあるボーイミーツガールとはかけ離れていたでしょうが、自分の中ではそれは譲れないラインだったのです。

 代わりではないのですが、アルベルトがその辺は担ってくれましたね。

 恋愛関係や、クラードとの絆、そして彼なりの答えを。

 この作品で一番動かしやすかったのはアルベルトだったかと思います。

 それくらい思い入れがありました。

 そして彼と言えば悲恋と言いますか……女を泣かすなぁ、と思いましたね……。ラジアルさんもそうなら、妹のシャルもそうだし、ユキノの好意には気づいているクセに何も言わないし、最後の最後でマテリアの想いにも気づけないままお別れしましたし……。

 あ、あとこれは補足でしかないのですが、マテリアがピアーナと違う点はロリ巨乳というのは何となく決めてました。直接的描写がなかったので分かり辛かったかもですが、マテリアも好きなキャラなので、彼女の名誉のために。

 ファムもちゃんとヒロインとして語らねばならないでしょう。

 作中では少し薄かったかもしれませんが、ファムはジオと同じくダーレットチルドレンの中では唯一成長する個体、という設定でした。

 なので、本当の兄妹ではないですがこの世でたった二人の同じ境遇でもあります。

 そしてファムと言えば……最終局面まで封じ込められていた悪意である、ミセリア・リリスでしょう。

 ミセリアは実は一期を始める前の初期設定の時点であったのですが、なかなか出す機会もなく、かといってこれを使わないのはもったいないので、エーリッヒの講じた最大の毒、という風に描きましたね。

 この作品、とにかく女性キャラが強かった印象があります。

 レミアやバーミット、ヴィヴィー・スゥやラジアルさんにシャル、ピアーナやマテリア、ダビデもそうでしょう。

 彼女らを描くことがとても楽しく、それでいて生き生きとしてダレトの世界を盛り上げてくれたのは大いなる戦果でした。

 元々はツイッターの一枚の絵から始まった物語。それが何とか300話を超えて完全に終わりを迎える事が出来て感無量です。

 ただ改めて見て見ると粗い部分も散見されたので、それはこれからの課題にしたいと思います。

 

 最終的にダレトは失われ、来英暦は遠大な時間を浪費したことになります。

 それでも物語の終わりに、彼らがこれから先も生きていく上で、何が大切なのかを自分なりに一生懸命考えました。

 最後のエピローグが少しあっさり過ぎると思われた方もいるかもしれませんが、彼らにとってかつてベアトリーチェでの宝石の日々をもう一度思い出すのにはあれくらいでよかったのではないか、と思っています。

 補足の話で言うとエピローグのタイトルは松田聖子の「瑠璃色の地球」と工藤静香の「深紅の花」を組み合わせています。

 どちらもいい曲ですので、ぜひ聴いていただければ。

 そういえば最終話もあの有名な曲、I WiSHの「明日への扉」からの引用になりました。

 何だか最終的にはこういう凡庸でもいい言葉に還るのではないかな、と思えたのです。

 そして、最後には扉を開けて、クラードは魂の還るべき場所へ。

 空に浮かんだ大虚ろを閉ざし、最後の聖獣たる機動戦士《ガンダムダレト》を破壊する――これにも難航しました。

 エンディングのパターンとして、「ダーレッドガンダムにミセリアが乗ってクラードと戦う」、「最後の聖獣が出て来て全員で戦う」、「新型機に乗って決着をつける」などあったのですが、どれもパッとしなかったので今回のような終わり方になったのです。

「ダーレッドガンダムとクラード、メイアの操るレヴォルが戦い、その果てにダレトから現れし最後の聖獣、機動戦士ガンダムダレトを倒すべく、扉を閉ざす」――かなり迷った挙句の最終結論ではありました。

 ただ、書いた結果、これでよかったとも思います。

 ダーレッドガンダムは全ての時空の剪定事象から力を得る究極のガンダムであると言うのならば、それを打ち破る術はたった一つ――全ての次元宇宙のガンダムレヴォルの乗り手である“クラード”の力をぶつける――ちょっと『マジンガーZERO』っぽくなっちゃいましたが、これ以外ではダ―レッドガンダムに勝利する方法が思い浮かばなかったので。

 

 あとは補足事項ですが、「機動戦士ガンダム」という名称に意味がつけられて個人的にはよかったです。

 英雄たちの名前こそが機動戦士ガンダム――実はこれはガンダムAGEの設定をもうちょっと膨らませられないかなと考えた次第でもあります。

 今回意識したのは特に、AGEとXですね。

 AGEの英雄の概念が若干唐突感あったのと、そもそもAGE1を造る前のガンダムってどこから来たんだよ、だとか。

 あとはXのちょっと渋好みのところを入れたかったのもあります。

 その辺も含みつつ、最終決戦の場においてあれだけたくさんのキャラクターを登場させて、意義のあるラストにしたかったのがありましたが、その結果は読者の皆さん次第でしょう。

 

 ちょっと迷ったのは安直な「おかえり」エンドはやめよう、と思っていたことでしょうかね。

 何となくオチた感じになるから、逆にそれはやめたいな、と考えていましたが結果は皆さんの知っての通り。

 彼女の得意なオムライスを食べよう――きっと帰ってくる理由なんてそんなもので十分なのです。

 個人的にはターンエーやVの「もう兵器なんて必要ない」というラストが好きなので、あの世界ではMSはこれ以上製造されず、アステロイドジェネレーターの技術は有限として失われ、便利な技術は衰退し、そして人々は新たに歩み出す――それこそ、右足と左足を交互に動かせば、前へと進めるように。

 あとはミラーヘッドですが、便利過ぎないようにしよう、というのは最初の時点からありました。

 万能にすると閉所でミラーヘッドして自爆だとか、分身を飛ばして自分は動かないだとかありがちになってしまいますので、その辺は全部不可能になるように設定しました。

 

 あと語るべきだとすれば、オリジナルレヴォルは望んでクラードと共にあった、ということでしょうか。

 メイアが結果としてクラードにとってかけがえのない存在になるのには、オリジナルレヴォルが居なければならず、なおかつ煉獄へと堕ちるクラードを救う存在でなければいけない。

 これに関しては途中、こんがらがったりしたのですが、まぁまぁの着地点だったかなと思います。

 そうそう、この作品での最も謎めいた存在であるエーリッヒ・シュヴァインシュタイガー。彼は最終的な破滅である機動戦士ガンダムダレトを呼び込み、来英暦をダーレットチルドレン諸共破壊し、全てを消滅させるためにこれまで策を講じていた、これも既存のガンダムとは被らないようにと務めました。

 イオリアのようになると都合がよ過ぎるのと、内包する悪意と叛意こそが彼を構成する全てであったので導き役と言うよりかは、取ってはならない手の一つだったのでしょうが、その手を取るのだとメイアが宣言したことで展開が少し変わったのもあります。

 なので、最後の最後、クラードの中にまるで残滓のように存在するようにしたのも、ある種の救済だったのかなと思います。

 

 思えばこの作品は、案外に俗っぽく、SFとは正反対であったかなとは思うのですが、元々本格SFを標榜しているわけではなかったので、この作品に出てくるキャラたちを好きになってくだされば幸いです。

 さて、ではあとがきはこのあたりで筆を置くとしましょう。

 約二年程度の発表期間だったと思うのですが、自分の中でも納得いく作品が作れたのは大きな意味を持つのだと思います。

 言う必要はないことかもしれませんが、この作品の続編やスピンオフ、あるいは再構築、再構成などはありません。300話かけて足掻き、時には苦しみ抜いて泥だらけになりながら辿り着いた答えに、今はただ自分なりに満足しているからです。なので、再構成だとか言っている話や人があれば、それは許可してない話ですので。

 それではまた、別の作品で。

『機動戦士ガンダムダレト』、完結まで皆様、ありがとうございました。

 

2024年6月9日 オンドゥル大使より

 

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