艦長室と言うのには質素で、そして思ったよりも物が雑多だ。
執務机の上にうず高く積もった書類の山と、そしてそれを並列処理するレミアの姿に、自分が思っていたベアトリーチェの艦長とは違う職務なのだな、とアルベルトは今さらの得心を浮かべる。
「……あなたが聞きたい事は一つのはず。何故、クラードは出して自分は出さなかったのか」
「……分かってるんじゃないですか」
「言っておくけれど、ここまで来て掴みかからないでね。これでも絶妙なバランスで成り立っている書類の山よ。崩れると後が大変」
その言葉振りにアルベルトは肩を苛立たせて歩み寄っていく。
「……あんたは教えるって言ったな? クラードは……あいつの最終目的は何なんだ? 《レヴォル》って何なんだ? 何でクラードばっかり戦わせる! オレは、それを教えてもらうためなら何だってやるさ」
「人殺しでも?」
その問いかけに一瞬だけ足が止まるが、ああと応じる。
「……今さら殺しに頓着はしねぇ」
「半年間のクラードを観て来たんでしょう? 多分、一番近くで」
そのはずなのだ。
しかし、クラードはデザイア崩壊時、自分に一度だって本当の事を言った事などないと言ってのけた。
それが真実だとして、嘘だとして、では残るのは何だ。
クラードの真実は、どこにあると言うのだ。
「……隣で観てきたつもりだった。あいつの景色を。だが、とんだ思い違いでもあったんだ。あいつは、オレに目線を振ってくれた事なんてねぇ。オレ達、凱空龍をただの任務対象としか思ってなかった。……って言うのが、表向きだろ」
「違うって言うの?」
「そうじゃなけりゃ、今頃オレも皆も、デザイアでおっ死んじまっているはずさ。……オレ達は助かった。他でもない、クラードの力で。……あの《レヴォル》で。教えて欲しい。《レヴォル》は何なんだ? 何でMFと戦わなくっちゃいけない」
「それが《レヴォル》の存在理由だからよ」
「存在理由って……現状の兵器じゃ、MFの……ダレトから来たって言う、来訪者には敵わないはずだ! それは証明されてきて――」
「……少し勘違いがあるみたいね。《レヴォル》が現行のMSと同じなんて、誰がそう言ったの?」
言葉を切る。
口を閉ざす。
そして、息を呑んでいた
そう、《レヴォル》が現行のMSだなんて、誰も一言も言っていない。
「……あれは何なんだ……」
「MSの形に収まっているけれど、でも違う。本当の姿はもっと禍々しい。あれはね、アルベルト君。――モビルフォートレスよ」
レミアはキータイピングを止め、まるで子供に言い聞かせるかのような論調を伴って、そう断言していた。
言われた意味が、発せられた言葉が一瞬解せず、アルベルトは呆然とする。
「……あれが、MF……? いや、待て、それは……あり得ない……」
「何であり得ないと言えるのかしら」
「だって、そうだろう! ……MFって言えば、それはダレトの、向こう側から来た連中のはずだ! だってのに、おかしいじゃねぇか! 《レヴォル》はMSの形をしている!」
「……じゃあこう言いましょうか? ――現行のMSの形状に限りなく近いMFが居たとして、では何か不都合でも? と」
絶句する。
文字通り、何も言えなくなる。
そして、頭の中は白んでいくと共に、妙に醒めた意識だけが先鋭化して、渦巻いていく。
《レヴォル》がMFだとすれば、これまでの異常な戦闘力も、そしてミラーヘッドの強靭さ、クラードとの親和性の高さもある意味では説明がつく――。
だがそれは。
「……あり得ねぇだろ。クラードはMFを操縦していたってのか」
「ガワが新型のMSなだけなのよ。あれの中に入っている専用アイリウムであるレヴォル・インターセプト・リーディング……通称、レヴォルの意志は間違いようもなくMF。この銀河へと、五番目に流れ着いた、聖獣の一角。呼称を、《フィフスエレメント》」
「《フィフスエレメント》……。いや、それも変だろ。……だって公式にそんな事なんて……!」
「誰が言うと言うの? 五体もMFが既にこの銀河には存在していて、そのうち一つはMS大に偽装できるなんて。言えばパニックなんかじゃ済まないわ」
レミアはしかし、あり得ない話をしているにしては冷静だ。
冷静に、事の次第を俯瞰している。
その泣きボクロの瞳に憂いさえも浮かべて。
「……いや、でもそうだとすりゃ、じゃあクラードは何なんだ?」
《レヴォル》がMFだと言うのは――飛躍した論理だがそれでも理解出来る。
ならば、それを操るクラードは何者だと言うのか。
「クラードはうちの会社のエージェントよ。特一級のね」
「……嘘じゃねぇのは分かるが、本当でもねぇのも分かるぜ。今なら、な」
「少しは頭が冷えて来たと思うべきなのかしらね」
「……ああ。《レヴォル》が現状の兵器に近いMF……それもある意味じゃ納得だ。だが、じゃあ何だって言うんだ? それに選ばれた、いや、見出されたクラードって存在は。まさか、宇宙人だとか言うつもりなのか?」
「まさか。クラードの出身までは明かせないけれど、彼は紛れもなく人間よ。でも、とても強い。そして抜き身の刀のように鋭く、私が保留し続けているトリガーでもある」
「……あんたとクラードの間に何があったのかまでは聞くつもりはねぇ。ただ純粋に、だ。クラードの強さは何なんだ? あいつは何を見ている?」
レミアはその言葉を受け取ってから、そっと煙管を取り出す。
「吸ってもいい? ちょっと普通じゃ答えられそうにないのよ」
「……答えてくれるんだな?」
「そのつもりがなければ、今頃あなたを追い出しているわ」
レミアは雅な手つきで煙管をセットし、そして紫煙をたゆたわせてから、そっと呟く。
「……クラードは我が社の特殊エージェント。そして何よりも、レヴォルの意志に選ばれた、この宇宙で唯一の存在」
「……それってのも、よく分かんねぇな。だってシュルツでの出来事が……」
「あれこそイレギュラーよ。クラード自身も解明を急いでいたけれど、その間に事は起こってしまった。いつだって手遅れなのよ、私は」
「……言葉を額面通りに受け取るとして、だ。レヴォルの意志ってのがそれこそ、MFの意志だって言うんなら、クラードはただの人間じゃねぇはずだ」
「……そうね。これまでの話を統合するのならば。でも、彼は間違いなく人間。有機伝導技術と思考拡張、そして様々な実験を受けているけれど、彼はエージェント、クラード。私の古い友人でもある……あのクラードなのよ」
レミアの吹く煙の香りは甘ったるく、彼女そのものの原初の匂いのようでさえもあった。
「……サルトルも、ヴィルヘルムだってそうだ。あんたも……! クラードの何を知っている? クラードは何だって……こんな辛ぇ目に遭っているって言うんだ!」
「辛い目、ね。それはどうかしら、アルベルト君」
「……何だって?」
「彼の生きる目的がそもそも、この任務そのものにあったとすれば? 月軌道へと向かい、そして現存する全てのMFを駆逐する。それこそが、彼の生存する唯一の道なのだとすれば?」
「……何を……。いや、どういうつもりで言ってるんだ、あんた、それは……」
「どうもこうも。私が彼について知っている限りの事を、少しずつ教えようと言うのよ。でもあなたに、理解が出来る? クラードはもう、元の名前すら憶えてないのよ? だって言うのに、それでも戦う意志だけは折れさせない。それがどれほどの覚悟と理念の上に成り立っているのか、想像がつく? 彼は《レヴォル》を信じ、そして《レヴォル》も彼を信じている。それが本来、あり得てはいけない邂逅だったとしても、それでもこの両者を引き裂く事なんて出来ない。そんな、運命の巡り会わせの中にある彼を、どう糾弾するって言うの? 少なくとも、私には出来ないわ。彼の生き方を否定するなんて」
「……あんたは、それでもクラードの事を信じている……」
「当然でしょう? 古い友人だもの」
「……その程度でも、信に値するって……」
「彼が我が社の“クラード”である限りはね。私は全力で協力するのを惜しまないし、それに彼の目的のためならば自決だって厭わない。それが彼との絆でもある。……言うは易し、の言葉だけれど」
「……絆……」
茫然と口にした自分に対し、レミアは確証を持って返答する。
「そう、絆。クラードはね、《レヴォル》に乗る事でしか、己の有用性を示せないのよ。それがどれほどに悲しくっても、外野がどれほどに喚いたって、それでも彼にはそれしかない。だから、私はクラードを絶対に裏切りたくはない。それが人道にもとる道だとしてもね。……どう、アルベルト君。この結論、軽蔑した?」
「……いや、あんたもクラードも、オレの予想以上のところで……戦っていたんだな」
「今さら誰かの戦場を誰かが肩代わり出来ないなんて自明の理でしょう。クラードには彼の戦場がある。私にも私の戦場があるようにね。……でも月航路へと向かうのに、《レヴォル》は必須だった」
「このままじゃ、どうしようもねぇってのか?」
「いいえ、いずれはクラードはどのような形であれ、私達の下へと戻ってきて、そして任務を遂行するはず。その時に手助けになるべく手は打っておく。入って」
艦長室に入って来たのは髭の中年男性であった。
張り付いたような笑顔を湛えて、人柄だけはよさそうである。
「お久しぶりです、艦長。時間がかかって申し訳ありません」
「構わないわ。MF02の会敵もあった。むしろ早かったくらいよ、――タジマ営業部長」
タジマと呼ばれた男は自分へと視線を振り向けるなり、ニコニコとして名刺を差し出す。
「これはこれは。音に聞く凱空龍とやらの? 私、タジマと申します、以後お見知りおきを」
「あっ、ども……。えっと、オレは……」
「アルベルト君。潜入先でクラードと行動を共にしていた子よ」
「ほう……あのクラードが。では結構な手練れなのでは?」
「いや、んな事はねぇですけれど……」
「悪いけれど、アルベルト君、一度下がってもらえる? 今はタジマ営業部長に聞かなければいけない事があるの」
アルベルトはその発言に対し、下手に噛み付くわけにもいかなかった。
もう、恐らくは自分の想定していた以上の、そのほとんどを聞き出したからだ。
これ以上彼女に心労をかけさせたくはない。
「……あ、ああ。じゃあオレはその……戦闘待機しておきます」
部屋を後にする際、僅かに声が漏れ聞こえる。
「よろしいので?」
「構わないわ。彼には彼の領分がある」
「……オレの領分、か」
しかし明かされた真実は身を押し潰しかねない代物であった。
クラードは《レヴォル》がMFに属するものだと知って乗っていた。そして彼の真意は、全てのMFの駆逐と月のダレトへの到達――どれもこれも、推し量るのも不可能な事実ばかり。
「……駄目だな、オレ。まだ迷ってる」
グリップを握りながら半ば放心していたせいだろう。
道を折れた先に居たラジアルと鉢合わせになり、互いに後退する。
「……ラジアル、さん」
「アルベルトさん。どう、でした? 艦長から色々と聞いたんですよね?」
「あ、ああ、はい。……でも、いや……知っていたんですか」
どうしても詰問の論調になってしまう。
ラジアルは少しだけ目を伏せた後に、ええと頷く。
「一応は、ベアトリーチェのオペレーターですから。どんなものを扱っているのかくらいは」
「……参ったな。マジに知らなかったのはオレだけだったってワケかよ」
「アルベルトさんだけじゃないですよ。凱空龍の皆さんは知っておいでじゃないでしょう?」
「……それも含めて、オレだって言うんです。凱空龍の面子はクラードの事まで頭回せって言ったって、それは無理って言う話なんですよ。ただ……オレにはあいつらの、帰る場所だけを確保するのだけに必死で……」
「そう、ですか。でも、ちょっとだけ久しぶりな感じもしますね。こうやってお話しするの」
かつてのように、ラジアルと廊下で肩を並べて話し込む様相になっていて、アルベルトは沈痛に呟いていた。
「……情けねぇって思ってるんじゃないですか」
「そんな事は。だってアルベルトさん、前線に出てベアトリーチェを守っているじゃないですか」
「それは……! オレなりのケジメだって言う話なだけです。第一、前線って言ったら、あんたが一番危ないんじゃ? 《オムニブス》での斥候任務、安全とは言わせませんよ」
「私は安全ですよ? ライドマトリクサーとしての職務もこなせますし、何よりも前回のように、トライアウトが攻めて来た時に一番に対応出来るじゃないですか」
「……運とかもあるとは思うんですよ。これまではその運の要素を埋めて来たのがクラードと《レヴォル》だった。その二つがない今となっちゃ、生存率は半減したも同じです」
「……クラードさんの事、心配してるんですね」
「そりゃあ、あんた……! ……当たり前でしょう。MFとの戦闘中に宙域を離脱したって言うんじゃ、死んだのか生きているのかも……」
「《レヴォル》のシグナルは消失。このまま月軌道をベアトリーチェは目指すと言っても、それでも大変な道のりなのは相変わらずですからね。トライアウトの襲撃やシュルツ出立時に攻めて来たような不明機の編成もやってくる可能性だってあります」
「……だから、オレはあんたに出て欲しくないんだ。《オムニブス》がどれほど堅牢でも、それでも危ない時ってのはあるはずでしょう? ……オレは……あなたに死んでほしくないだけで……」
「あれ? アルベルトさん。私の事、心配してくださってるんですか?」
「あ、当たり前でしょう……! ……もう、他人だとか、言ってられないんですから」
「……ヴィルヘルム先生が何か言いました?」
聡いな。いや、聡いからこそ、ここまでやってこられたのかもしれない。
「あの人は何も。ただ……ラジアルさんが望んで今の職務についている事と、この艦を降りるってなれば、記憶を例え消去されたとしても、それでもトライアウトに追われるかもしれないって言う、話だけで」
「……前にも言いましたよね? 私、リアルが欲しいんだって」
「あ、ええ、まぁ……」
「究極のリアルって何なんでしょうね。MS戦に打って出て、ベアトリーチェはこうして月を目指しているって言うのに……この土壇場で分からなくなっちゃいました」
「それは……これまで女優業をやってきたあんたなら、答え出てるんじゃないんですか?」
「……答えなんて出ませんよ。ええ、答えなんて、簡単に出しちゃ、いけないんです。でも私は、今の答えが欲しい。……これってワガママですかね?」
「いいんじゃないんですか。オレだって……艦長に落ち着けって言われたようなもんですし。あの人自身も何かを隠している。でも、オレはそこまで他人との心の距離を明け透けにするつもりもないですし。話したくないんなら話さないほうがいい」
「優しいんですね、アルベルトさんは」
「……よしてくださいよ。そこはヘタレって言うところでしょう」
「いいえ、優しいですよ……アルベルトさんは……。私みたいなの、遠巻きに眺めているのがお似合いな人間なのに、今もこうして隣り合って話してくれているんですから」
「……ラジアルさん?」
ラジアルはすっと廊下の先にある窓を眺めていた。
宇宙の常闇を映し出す窓辺には、何の変化もない。
ラジアルは浮き上がってその窓辺に寄り添っていた。
「……私、宇宙で一番の女優になりたかったんです。可笑しいですよね、こんな夢……。でも、一番に、成れるチャンスがあるのなら、成ろうと思ったのは確か。今までいろんな主人公とか、色んなヒロインとか、名前もないキャラクターを演じてきましたけれど……結局私の人生、“ラジアル・ブルーム”という女の人生は、つまらなかったんですよ」
「つまらなかったって……でも名声はあるじゃないですか」
その評にラジアルは悲しげな瞳で頭を振っていた。
「名声なんて、それは私の演じてきた人々のものです。私自身のものじゃない。私の手には、何もないんですよ、きっと。演じる事だけが上手くって、それで生きて来れましたけれど、ここまで来たら何でもない、ただの女としての人生が……欲しくなったんです」
「でも、ラジアルさんはスゲェと思いますよ。オレなんかとはとんでもない差で……」
「差なんて、ないですよ。……シュルツで私、ああ、死んだなと、そう思ったんです。《マギア》が目の前に来て、ビームライフルを一撃。それで私の生きていた証明なんて、一個も残らない。塵一つなく、私なんて霧散してしまう。それがとても怖くって……」
自身の身体を抱き、ラジアルは震えを堪えているようであった。
アルベルトは気の利いた言葉一つ吐けず、ラジアルを見つめる事しか出来ない。
「……あんなの、忘れちまえばいいんです。有機伝導体操作技術で、トラウマとかは――」
「でも、忘れるのはもっと怖いんです」
そう断言したラジアルの眼差しには、なかった事になんて出来ないと言う決意だけがあった。
アルベルトは思わず目を逸らしてしまう。
「……忘れるのはもっと怖い。私、忘れたくないんです。アルベルトさんの事、ベアトリーチェでの日々の事、皆さんの事……。忘れて、何でもない、女優ラジアル・ブルームに戻るのはきっと、思ったよりずっと簡単なのかもしれません。でもそこにはきっと、何もない。私が生きていたこの数週間はきっと、私が演じてきたこれまでの何十年間よりもきっと、何か尊いものがあったって……そう思いたいんです」
「……でも、あんたはまだ戻れるんだ。次のミッシェルで降りてもいい。誰も責めやしない」
「それはアルベルトさんも同じなんじゃないですか?」
「……それは、言いっこなしですよ……」
自分はクラードの傷を背負いたいと、身勝手な事を言って他人を困らせているだけだ。
馬鹿馬鹿しい。
クラードの傷は彼自身だけのもの。他人の誰にも肩代わりなんて出来ない。
それこそ傲慢の一言だ。
クラードは誇りを持って戦ってきたはず。ならば自分も、その誇りに唾を吐くような真似だけは出来ない。
「アルベルトさん。私のお願い、一個だけ聞いてもらえますか?」
「お願い? でもオレが出来る事なんて……」
言い澱んだその時、ラジアルはそっと、その体重を寄せて来ていた。
赤髪が揺れ、彼女の香りが匂い立つ。
「……愛をください。あなたの愛を……」
茫然として、何かを言おうとして、何一つ冗談に出来ない瞳を向ける自分が、窓に反射して映る。
――いつもの冗談、からかいだ。
そう断じて彼女の身体を引き剥がそうとして、強く、それでいて誰よりも弱く、自分の胸の中で泣いている一人の女性を発見する。
「……ラジアルさん。でも、オレなんかで……」
「いいんです。アルベルトさんじゃないと、嫌なんです、私。……これも、我儘ですよね。あなたを困らせてしまっている」
「いや、オレも……」
そっとその肩を抱き寄せる。
小刻みに震える肩は、これまで押し寄せてきたあらゆる恐怖を背負っているのが窺えた。
その痛みを、少しでも分け合えるのなら――痛みは出口に繋がるはず。
「……今日だけは、あなたを奪いたいんです。他のあらゆる事から」
そう、きっと今日だけは。
今だけなら。
神だろうが何だろうか、自分達の間に降り立った寄り添う弱さを、否定出来る事なんて出来るはずがないのだから。