刀々斎たちは鉄砕牙と天生牙と叢雲牙について話します。
近江屋に泊まっていた釤之助たちは、今ある町並みに驚いていた…………。
「なんだろう…………俺はいつの時代に来たんだ?」
その光景は、複雑怪奇なれど見事な景色を艶やかに映していた。
石畳の道路に行き交う車と路面電車、建造物はイギリスとアメリカのものだけど、日本建築技術を基に建てられている。
もともと日本建築は、地震と津波等の災害に強いと同時に百〜千年長く保たれることで有名だ。
それだけじゃない、大きな川に小舟が行き交う光景ならまだしも…………。
「魚人族にオークにエルフやら、その上巨人族小人族が……おまけにドワーフに鬼人族……スゲェな……!!」
そう、驚くべきは住民だ。
魚人族は船頭を務め、漁業して魚の養殖なり天然ものの目利きをしてたり魚屋鮨屋をしてる。
オークは土建やら消防と自警団の元で働き、各作業方面から引っ張りだこだ。
エルフは林業と農作業界隈の中心核みたいな立ち位置で、土建屋といい各飲食界隈から結構人気があるらしい。
巨人族と小人族はスゲェ話題になってる。
巨人族は土建と林業等各業界からもの凄く頼られてる。
巨体かつ怪力、その上この町の橋作りに大いに貢献されてるって話だ。
小人族は衣服作りに飲食のこと細かい作業においては人気だ。
良い靴に服、そして料理の盛り付け等で役立ってる話だ。
筆記作業に陶芸や彫刻等にも優れている。
ドワーフは刀や鍬や鎌に調理器具面の鍛治仕事を行ってる、彼らの作る物はなかなか高品質かつ耐久性が高い。
鬼人族はドワーフに引けを取らない鍛治仕事をしている、土建業や林業や農業等も負けず劣らずの実力を併せ持ってる。
人間も他種族相手に負けずと行ってる、競争相手がいるだけでもこうも違うとはなぁ……。
「お〜い? 釤之助?」
「んっ? なんだ??」
「みんなが集まったから、早く来や?」
「おう! わかった!」
近江屋の広間に、みんなが居た。
かごめとりん、珊瑚と弥勒に七宝……
そして邪見と坂本龍馬たち、
アリシア・プリム・マイア・オリガ・クロエ達もいた。
「よし、みんな揃ってるな?」
刀々斎の呼びかけでみんなは頷いた。
刀々斎、冥加翁と鞘……
彼らが話すは、「天下覇道の剣」と謳われた三振の剣。
そして、殺生丸と犬夜叉の父の話……。
武蔵国に「犬の大将」と呼ばれた大妖怪がいた
大将には「三本の牙」と呼ばれた刀を持っていた。
一振りで百の死者を生き返らせる天の癒しの刀
天生牙
一振りで百の亡者をこの世を呼び戻す地の魔剣
叢雲牙
一振りで百の敵を薙ぎ払う人の守刀
鉄砕牙
これらを揃えしものは天下を取れると言われたのじゃ。
「なるほどねぇ…………
それで?」
「まぁ待て、そう急くなよ」
「大将は遠征の最中、一人の娘君と出会ったのじゃ」
「それが十六夜さま……」
「さよう、十六夜さまと出会い
そして犬夜叉様が産まれたのじゃ、
そして親方さまも亡くなって……」
「まあ、正確に言えば「竜骨精」との戦いがあって
その後になくなったのじゃ、犬夜叉を助ける為にな?」
「犬夜叉さまを?」「助けるために?」
「ん? ちょっと待ってよ?
犬の大将……つまり闘牙王は先の戦いの傷を負ったままで?
犬夜叉を助けに?」
「そうじゃ、その時わしもいたからのう
鉄砕牙で門の兵士を薙ぎ払ったのじゃ
屋敷の奥にまで行った大親方は十六夜さまの元に着くが……。
駆けつけたその時、十六夜さまは
「!?」「殺されたっ!?」
「最も、犬夜叉を産んだ後に殺されたんだからな……」
「……っ!!」「なんと……っ!!」
「うむ、そこで親方さまは天生牙を使ったのじゃ」
「天生牙?」「ほお、そこでか……!」
「天生牙を振るって十六夜さまを救い出したのじゃ、夫婦共に無事ここを出ようとするも、ところが! そこに
「ここに来てか……!」
「その時の親方さまは決心したのじゃ、「火鼠の衣」を与えてその後、生まれた赤子を名をつけたのじゃ」
「……それが、「犬夜叉」か……」
「そうじゃ、わしも十六夜さまとともに燃え崩れる館から逃げたのじゃ、叢雲牙を抜いた親方様が、最期の姿であった……」
3人の古株の話を聞いた釤之助とかごめたちは、犬夜叉の出自と父の最期を知った……。
そして、残された問題は……。
「まあ、その後は天生牙は殺生丸に渡してな?
鉄砕牙は犬夜叉に渡すために、墓場に通じる黒真珠に封印したのじゃ」
「…………でっ?
残りの一振りの叢雲牙は
「うむ、その問題をどうするかは話し合った結果
骨食いの井戸に放り投げたんじゃ」
「骨食いの井戸?
それって、かごめの家にある?」
「あそこに投げたの!?」
「まあな、あの時わしは「700年も経てば抑えられる」と言ったからのう……」
「つまりだ、犬夜叉がまだ子供の頃の時代に投げて
俺らの時代に来た……てわけか?」
(となると、文字通りに
「ねえ、鞘のお爺ちゃん?
もう一度、叢雲牙を封印できないかしら?」
「不可能じゃ」
オリガがそう言った。
「えっ?」「なっ!?」
「なっ何、急に!?」
「貴様っ! 一体何をっ!?」
「わからぬか? そのボロ鞘の力は枯渇してるの……」
「ぬっ!?」
「だろうな……」
オリガと釤之助の発言に、一同は驚いていた……。
「鞘の爺さん?」
「むっ? なんじゃ?」
「今のお前じゃあ、できないんだろ?
封印してから経ってるから……」
「うむ……わしらがいた時代と主らの時代を合わせれば確かに700年経っておる、今のわしでは叢雲牙を封印はできん……」
「だろうな、でも打つ手はないわけではない……」
「ほお? ならば主から聞いてみたいものじゃの?」
「ん? 何を?」
「惚けるな?
主は
「えっ?」
「おっ? 釤之助、何か思いついたのか?」
「ほお? 聞いてみたいものじゃのう?」
「なんじゃ? 釤之助、お前何か知ってるのか?」
「てめぇら、
「えっ?」「なっ何何?」「なんじゃ?」
「はあっ?」「ほお?」「何っ?」
「…………
あんたらなぁ……!
って、
「やれやれ、そこまで鋭いとはのぉ……」
「鞘のお爺ちゃん、一体何の話をしてるの?」
「叢雲牙を打ち倒す方法じゃよ?」
「ええっ!?」
叢雲牙を打ち倒す方法…………。
その方法は、
「鉄砕牙と天生牙じゃよ、叢雲牙を一対一の一騎打ちでは勝ち目はないが、この二本を持って挑めば叢雲牙を倒せるのじゃ!」
「ええっ!? それってつまり……!?」
「犬夜叉と殺生丸が手を組んで倒すって話さ、だけどあの二人の様子を見たらわかるだろ?」
「………………」
「まぁ、確かに「兄弟共に力を合わせて叢雲牙をやっつけよう!」なんて話を持ち出したら、あの二人は反感を買うだけじゃ……」
「それに、殺生丸は欲してるし
犬夜叉はぶっ壊すだろうし、
仮に協力しあっても引っ張り合うのが関の山だな」
そんな話を傍に邪見は笑い転げていた
協力するなんて天地がひっくり返してもあり得ぬと……。
「そう言ってるけど、
「あっ!」
「そうか…………
「あいつは叢雲牙を難なく握れてるから相当の実力を持っているけど、あいつが何を企んでいるのかわからねぇんだぞ?」
「ううむ…………」
「まさか奈落が現れるなんて思いもせんかったからのう」
「なんじゃ? 奈落というのは?」
「さっき俺を殺したあの優男顔した半妖だよ」
「ああっ! あいつか!!」
奈落について、かごめ達は語った。
かつて犬夜叉と桔梗の仲を引き裂き、四魂の玉を奪取せんと目論んだ事と。
殺生丸を使って陥れようとした事と。
弥勒の手に「風穴」という呪いを付けた張本人。
そして、珊瑚の村を壊滅に追い込んだ黒幕であることを……。
「なんと……そんなことが……!」
「そげなことが!? げに恐ろしき悪党じゃ!」
「俺も最低限話を聞いていたが、事の元凶じゃないか……!」
奈落の話を聞いたアリシア達は、身の毛を震え上がった。
犬夜叉達の敵にして黒幕……。
その存在を……。
一方、奈落と叢雲牙は
その武者の名は「刹那猛丸」、犬の大将と相討ちで亡くなった武者であった。
「それは?」
「殺生丸の左腕だ、今のお前には必要なものだ」
その腕があれば、獄龍破が撃てる……
そうなればお前は天下無敵、試してみては損はせぬ
猛丸は殺生丸の左腕を植え付けると、触手が縫い始めた!
「案ずるな、お前の身体と馴染むように細工してある
そうなればお前は叢雲牙の使うに相応しい身体を得る」
猛丸は左腕を得て、叢雲牙を抜いた!!
「っ! ぬおおおおっ!!」
そうして、右の顳顬に角が生え
その風貌は妖魔に近い姿となった。
「ほお? なかなか素晴らしいではないか?
天下無敵の覇者に相応しい形だな」
「ふっ、天下無敵の覇者の道か……!」
「そうだ、その為には
この世界を見て回ったが、
猛丸と奈落は、その地に向かった……!!
猛丸と奈落は、「黒の城」周囲の骸を叢雲牙の瘴気をあてた……
「感じるぞ……貴様らの無念が!」
「殺生丸、礼を言うぞ……!」
骸は起き上がり、髑髏の体に血肉を形成した……!
「まずは駒……」
「さて、彼の地に行くか……!!」
二人は、「骸の兵」たちを携え
そこは、黒の城や白の砦とは程遠い地であった……。
そこには、力を蓄えた軍隊がいた。
銃器・刀剣とバラバラな武器を持った集団は、自身の拠点に帰還していたのだ…………!!!
「野郎ども!! 俺たちの城だ!!」
一人の大男は、馬に乗って兵士たちに言う。
自身の国……故郷に帰って来た兵士たちは、歓喜していた。
「俺たちの世界統一は目前だ!
黒の女王オリガと、白の女神セレスティンを討ち倒し!
大陸から大海の向こうの大陸を制し!
俺たちの世界を目指す前祝いをしよう!!」
その軍隊の中には人間をはじめ、オーク・ゴブリン・獣人達がたくさんいた……。
しかし、彼らは知らなかった……。
悪しきものに陥落されていたことを……
城門前に立ち、門の先に見えたもの……
それは、
その中に一人立つ人物がいた……!
「なっなんだてめぇは!!」
「我が名は刹那猛丸……」
骸の兵士たちは、城門に立つ軍団に目を向く。
その視線に驚いた軍隊は怖じけついた者や構えた者もいた。
「っ!! 野郎ども!! 武器を構えろ!!」
銃器を持った兵はそのまま構えて発砲するも、骸の兵士たちあたってもびくもとしなかった。
刀剣を持った兵士は槍や薙刀、そして刀剣等で斬りかかるもの
切られても再生を繰り返した……。
「バカめ…………
無駄なことをしても勝ち目はないものを……
獄龍破!!!」
獄龍破を放ち、眼前の軍隊はなす術なく吹き飛ばされ
一人残らずに死んでいったのであった…………!!!
「大した威力だ、流石叢雲牙の力だ……!」
奈落はそう言い、天守に向かった……!
一方、猛丸は獄龍破を放った反動からか、左腕の痛みに応えていた……。
「くっ……!
随分と聞き分けの悪い腕だな、こいつは……!」
「ふっ、良いではないか?
奴らを誘き出すにはいい駒ではないか?」
「まあ、そりゃそうだけど……
でもこれだけの騒ぎを起こしたら
犬夜叉や殺生丸も見過ごすわけには行かないでしょうよ?」
「そうか? しかしこの世界の人間達は
何かと
「まあね…………
でも、あの「白の女神」と「黒の女王」と呼ばれてるっていうえるふ? て奴らは、黙って見過ごすわけにはいかないでしょうよ?」
「ほう……?
それはもしや、予知能力ができるものと力を付与することができるもののことか?」
「おや? ご存知で?」
「この世界の情報を得る最中に聞いた話さ、そのような者の下にいるもの達は
「だろうな?
力を貰えて強くなれるのと、予知してその先の戦局を見れるのとじゃあ、たかが知れるな?」
「そうだ、しかし油断はできない……
「ん? 3人?
犬夜叉でしょ? 殺生丸様でしょ?
「叢雲牙を力ずくで抑えていたあの男……
安倍釤之助という男だ」
「へぇ? あの子が……ん?
ちょっと待って?
「ふふっ……
「へっ? どこで?」
「奴が
「ほお…………その時からか?」
「そうだ、奴が犬夜叉どもと結託すれば脅威となる
仮に奴が我を追えども追わずとも、いずれ相見えることになるだろうな……」
「なるほどねぇ……叢雲牙を横取りしたのも
あの若武者を蘇らせたのも……?」
「そういうことだ……」
「そうですかい、まっ気をつけることだな?」
天守から不穏な空気に包まれる中、青年は姿を消した……。
奈落の思惑が渦巻く戦が、始まろうとしていた……!!!
次回、叢雲牙の戦いの準備回
犬夜叉は壊すことを目的に
殺生丸は手に入れることを目的に行動します。
戦の支度に取り掛かるも、「強力な助っ人」が来ます!!