無双OROCHI 天地人   作:梟帥

41 / 57
竜人対犬夜叉


竜人退治

村の離れ・陣構え

 

 

 

 竜人退治の為、小規模な陣を整えていた。

 

 陣の中には刀秋と村正がおり、わずかばかりの黄巾の兵たちがいた。

 

 

 

「良いのですか? 結界を敷いていれば、身の安全ができますが……?」

 

「不要だ、2人の英傑の戦姿を観れるのだ。

 

 このような機会に逃げる隠れるなぞせん!」

 

「やれやれ……釤之助といい犬夜叉といい、人気者はつらいのう?」

 

「あ──っ!! 見つけたぁっ!!!」

 

 

 

 すると、どこからともなく幼い少女の声が響いた! 

 

 

 

「!? ルー・ルーちゃん!?」

 

「ちょっとあんた達!! ずるいじゃない!! 酷いじゃない!! 村正さんと一緒にいるなんてっ!!」

 

「??? なんだ? この娘は?」

 

「ああ、すみません……この娘は「ハーフリングの族長」の「ルー・ルー」と申します。

 

 ……おおかた、此度の件に刀に絡んでると聞いて血眼になって来たのでしょう?」

 

「そうよっ!! みんなして内緒に行くなんて酷いじゃないっ!!」

 

「あの時はお主がいなかったのと村正殿の急の頼みでな!」

 

「うるさーいっ!!」

 

 

 

 陣地の後方にぎゃあぎゃあやんややんやと騒ぎ、緊張の空気が解かれた……。

 

 

 

「ねえ? 大丈夫なのかしら?」

 

「う〜ん……私に聞いても……」

 

 

 

 一方、陣地の最前線には犬夜叉と釤之助の二人が立っていた。

 

 

 

「犬夜叉、良いのか?」

 

「なにがだ?」

 

「奪鬼だよ、奴の待ってる剣を先に斬り折れさえすれば刀秋の荷が軽くなるからさ?」

 

「その為に、あいつから()()()()()()()()ってのか?」

 

「そうだ、そうした方が手っ取り早いし? だめか?」

 

「そんな盗っ人みてぇなことをできるかよ!」

 

「そうかよ……」

 

「それに……釤之助。お前は()()()()()()んだろ?」

 

「なにが?」

 

「アイツのことだよ、アイツの()()()()()()んだろ?」

 

「……覗いたよ? 敢えて飲んでる」

 

「そうかよ……」

 

「…………」

 

 

 

 釤之助は戦の始まる前、刀秋に奪鬼のことについて話していた。

 

 

 

“この奪鬼は鍛え上げたばかりの刀。

 

 いまだ一匹の妖怪の妖気も吸っておりません

 

()()()()()()限り、この奪鬼はただの刀に過ぎません”

 

 

 

(妖怪を切らぬ限り……か。……あの野郎)

 

 

 

『釤之助っ! 来たぞっ!!』

 

 

 

 その時、上空に妖気が感じ取った!! 

 

 

 

「来たようだぜ、犬夜叉?」

 

「ああ、そうみてぇだな!!」

 

 

 

 犬夜叉は先制攻撃の風の傷を放った!! 

 

 しかし! 風の傷が弾かれた!! 

 

 

 

「っ!?」

 

「風の傷がっ!?」

 

「ばかなっ!?」

 

 

 

「ふははははっ!!」

 

 

 

 地上に降り立ち、姿を現した竜人。

 

 

 

「竜人!!」

 

「小僧ども!!」

 

「っ!? 盾!?」

 

「まさか、あれで風の傷をっ!?」

 

「刀秋っ!」

 

「っ!!」

 

「聞こえてるのなら答えろっ!! 

 

 完成したのだろう! わしのための刀をっ!!」

 

 

 

 竜人の声は陣営の黄巾の兵たちを震え上げた……。

 

 

 

「こっこれが……!!」

 

「竜人……!!」

 

 

 

「人間どもに告ぐっ! 刀秋の持っている刀をわしに差し出すのだっ!! 

 

 さもなくば貴様ら全員刀秋諸共皆殺しにしてくれるっ!!」

 

「けっ! おもしれぇ!! やれるもんならやってみろ!!」

 

「……加勢しようか?」

 

「いらねえよ、俺一人でじゅうぶんだっ!!」

 

 

 

 犬夜叉は二度の先制攻撃を仕掛けたっ!! 

 

 しかし竜人の盾に防がれる!! 

 

 

 

「っ!?」

 

 

 

 防がれた盾に吹き飛ばされた犬夜叉! 

 

 吹き飛ばされるも受け身を取り、体勢を立て直した! 

 

 

 

「犬夜叉っ!!」

 

「なんと!?」

 

「ちくしょうっ! 風の傷!!」

 

 

 

 犬夜叉は二度風の傷を放った! 

 

 しかし、風の傷は竜人に当たらなかった……! 

 

 

 

「バカなっ!? 風の傷がっ!?」

 

 

 

「いくらでも打つが良い!! 

 

 このわしの鱗で作ったこの盾は無敵!! 

 

 むしろ、妖気を浴びるほど強くなる!!」

 

「なっ!?」

 

「そうか……あの盾は()()()で作った盾! 

 

 刀同様、相手の妖力等を吸い取ることができるというのかっ!!」

 

「見事であろう! この盾で守り、奪鬼を手にすればわしは最強となる!」

 

「奪鬼は渡さねぇって言ってるだろっ!!!」

 

「待て犬夜叉っ!! 長期戦となればかえって不利だっ!!」

 

 

 

 犬夜叉は二度振るうも竜人の盾に防がれ、力負けする。

 

 

 

「ぐっ!!」

 

「むうんっ!!!」

 

 

 

 竜人は盾で犬夜叉を吹き飛ばしたっ!!! 

 

 

 

「小僧……いや、“赤衣”の犬夜叉が聞いて呆れるな?」

 

 

 

「犬夜叉殿が力負けした!?」

 

「いや、竜人の力が犬夜叉より強い……! 

 

 それだけに相手が強いということだ!」

 

 

 

「刀秋!! そこに隠れているのはわかっているのだぞ!!」

 

「……!」「!!」

 

「奪鬼をわしの前に差し出せっ!! そうすれば貴様の生命だけ助けてやるぞっ!!」

 

「なっ!」「嘘に決まっとるっ!!」

 

「刀秋さま! 出てはなりません!!」

 

「犬夜叉とやらよ、喜べ! 

 

 奪鬼の一人目の生贄として、こやしにしてくれよう!!」

 

「誰がなるか……!!」

 

 

 

(奪鬼を渡せば……差し出せば助かる……?)

 

 

 

「…………。

 

 刀秋……」

 

「……? むらま」

 

 

 

ダンっ!! 

 

 

 

「かはっ!?」

 

 

 

「っ!?」

 

 

 

 すると陣幕から刀秋と奪鬼を担いだ村正が現れたっ!! 

 

 

 

「村正さま!?」「村正!?」

 

「村正さん!?」

 

「むっ村正殿っ!? 一体何をっ!?」

 

 

 

 村正は刀秋を降ろし、奪鬼を持って竜人の前に立った! 

 

 

 

「……なんだ、貴様は?」

 

「伊勢千子村正、名を知っているのならばな……!」

 

「村正……? ……ほお! かの名刀の打ち手か!」

 

「そうだ……。その村正だ、知っていていたか」

 

「知るも何も、貴公の刀は数多の人や妖魔を撫切ることで有名だからな!」

 

「…………」

 

「して、その村正がその若造に代わって奪鬼を差し出すというのか?」

 

「否、竜人(おまえ)を知るために出たのだ」

 

「なに?」

 

「数多の妖魔をも屠る爪に妖魔の力を防ぐ盾。

 

 そして、この「奪鬼」は妖魔の力諸共斬り断つ魔剣! 

 

 確かにその盾とこの魔剣を持てば「鬼に金棒」の如く、そなたの戦いぶりを見ればまさに相応しいものだ…………!」

 

「ふはははっ! なかなかな眼をしている! 

 

 そうと分かれば、さあ寄越すのだ!!」

 

「寄越す前に、条件を出す!」

 

「何!?」

 

 

 

 村正の発言に、竜人と犬夜叉たちと黄巾の戦士たちは動揺した……。

 

 

 

「簡単な条件だ。

 

 その爪と盾で、そこに倒れている()()()()()()()()()()()()()()っ!!」

 

「なっ!?」

 

「!!!」

 

「!?」

 

「ほお……それはどういう意味だ?」

 

「言葉通りの意味だっ!! お前が犬夜叉を討ち取ったらば、この魔剣を……奪鬼を差し出すっ! 

 

 そうすればお前は事実有名の強者となり、この奪鬼とその盾に似合う大妖怪となれるのだ!!」

 

「村正さん!? あんた何言ってるの!?」

 

「そうですぞっ!!! そんな話をするということは!!」

 

「村正さま……!」

 

「……ふっふふふふ。

 

 ふはははっ!! はーはっはっはっはっ!!! 

 

 まさか、貴様は()()()()()()()と申すのか?」

 

「そうだ! 竜人であろう者が、この一振りの剣に縋るようならば! 

 

 貴様は犬夜叉の鉄砕牙を恐れている証左! その盾があれば鉄砕牙を防げる、だが貴様の空いたその手の爪は飾りか? 竜人が聞いて呆れるな、その爪で犬夜叉を殺せ!! さすれば奪鬼は名実共に“最強の魔剣”となる!! 

 

 最強の魔剣と最硬の盾、そしてその実力に見合う爪! 

 

 竜人よ! そんなにこの魔剣が欲すと言うのなら、犬夜叉を殺せ!! 

 

 そうなれば貴様は史上最強の大妖怪だっ!!!」

 

 

 

 村正の言葉に、その場の空気が静寂が支配していた……。

 

 

 

「……言ってくれるじゃねぇか?」

 

「っ!?」

 

「おい! 聞いてただろ? 

 

 どうする? やってみるか?」

 

「くくく……ふははははっ!! 

 

 良いだろう!! 村正とやら! 貴様の言うとおり、あの小僧……犬夜叉を討ち取った礼としてこの場の者たちの命を免じてやろう!」

 

「……それだけか?」

 

「ふふふ……案ずるな、試し斬りにそこらの妖魔でもよかろう……!!」

 

 

 

 犬夜叉と竜人は再度戦い始めた!! 

 

 犬夜叉は風の傷を放つも、竜人は己が盾に防がれる……。

 

 

 

「村正さん……!」

 

「案ずるな、よく見ろ……!」

 

 

 

 犬夜叉が放った風の傷は竜人の盾に直撃するも、周辺の地面が衝撃によって亀裂が生じて崩れた! 

 

 

 

「竜人の足元が!?」

 

「そうかっ! 風の傷を防げても周囲の地面は抉られる!」

 

「それを真上から打てば足元は崩壊する……自惚れてる証拠だ、相手の力量を見誤った結果だ」

 

「なるほどな、そして犬夜叉のことだ? おおかた弱点を当てるより奥義ぶちまけて倒す腹だろうよ?」

 

 

 

 犬夜叉は風の傷をもう一発打ちかまし、竜人を吹き飛ばし、瓦礫に埋もれた! 

 

 

 

「やった!!」

 

「……いえ、まだです!!」

 

 

 

 竜人はものともしないで埋もれた瓦礫から這い出た! 

 

 

 

「愚かな……見よ!」

 

 

 

 竜人の盾は赤く妖しく輝いていた……! 

 

 

 

「くくく…………。見事だったぞ、犬夜叉よ? 

 

 貴様の奥義は中々の妖気をしている……。

 

 この盾に蓄えられた妖気、そっくり貴様に()()()()()()!!」

 

 

 

 竜人の発言に、犬夜叉と釤之助は……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(願ってもねぇぜ!!)

 

 

 

(勝負あり……!)

 

 

 

 

 

 

 

「くらえっ!!!」

 

 

 

 竜人は己が盾に蓄えられた妖気……風の傷を放った!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これを待ってたんだぁ!! 

 

 爆流破!!」

 

 

 

 

 

 犬夜叉は爆流破を放った!! 

 

 蓄えられた妖気は爆流破に呑み込み、そのまま竜人を呑み込んだ!! 

 

 

 

「やった!! 盾が壊れたっ!!」

 

 

 

 竜人との戦いは、犬夜叉の勝利に終わった。

 

 その光景は黄巾の戦士たちと一行は勝ち鬨をあげた!! 

 

 

 

「そうか! 犬夜叉さまが放った爆流破は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()! 

 

 竜人の盾が攻撃に転じたからこそ出せた技!」

 

 

 

(おおかた、吸収して返すのを戦いの最中で予感した……。

 

 …………あとは、どうするかだ?)

 

 

 

「おの……れ……!」

 

「ここまでだな」

 

「…………これでわかったようだな? 竜人、其方の敗因は魔剣に……奪鬼に固執したのと盾に頼ったからだ。

 

 爪だけで戦えば善戦を展開していたやもしれなかったぞ?」

 

「……ぐっ。わしとて、そもそも初めは()()()()()()()()()()のだ」

 

「え?」

 

「なに?」

 

「……竜人、あんたまさか()()()()()に当てられたのか?」

 

「……! 貴様、まさか()()()()()のか!?」

 

「…………正確には見て読む、だがな? ……弔おうか?」

 

「……いらぬ、刀秋はおそらくあの刀を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ざしゅっ!! 

 

 

 

 

 

「ぐあぁっ!!!」

 

 

 

「!?」「ええっ!?」

 

 

 

 すると、刀秋は奪鬼を持って倒れた竜人を差し殺し、妖気を吸い取った!! 

 

 奪鬼は竜人の妖気が宿り、刀身の峰に竜鱗が色付き艶やかに禍々しく異彩を放った!! 

 

 

 

「……遂に、ついに奪鬼は()()()()()を遂げた!!」

 

 

 

「刀秋!?」

 

「……やっぱり()()()()()()か! 刀秋!!」

 

 




次回
刀秋の本性
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。