奪鬼の力を手に入れた犬夜叉、その戦いによる疲労を取る為に都に立ち寄っていた。
その一方、士学校の会議室では村正と西郷たちがいた…………。
「しかし……この剣……奪鬼の柄に取り込まれているのが例の?」
「そうだ、信じ難いやも知れぬが……こうなった以上、己が手で弔ってやりたい……許してくれるな?」
「……弟子の不始末、形はどうあれ決着はついたんだろ?」
「はい……」
「……報酬の件、釤之助の提案で通している。
それで良いな?」
「はい…………。
それでは、私はこれで……」
「あ? もういっちまうのか?」
「刀々斎殿……私はこれまで数多の刀の
私はそんなことのために刀を打ったわけではないのだ…………、ただ己が剣に丹精と魂を込めて打った末がこの様だ……。
そんな私は、それが嫌で流浪の旅をしているのだ……。
旅道中、*1私は田舎の町村で農具を打ち、木こりの人に鉈を打ったのだ。
特に思い入れがあるのは鉈だ、アレ以来の業物は打てないよ……。
私は歳だ、あなた様のような妖怪の寿命と技量はない……」
「何を言ってんだよ、おまえさんは悪くねぇよ?
お前さんが刀打っても、それ自体は罪はねぇよ。
良し悪しは
……じゃが、お前さんの腕は必要とされる人がいるのじゃ。
鍬と鋤、多種類の包丁と医療道具を作るのにワシらのような刀打ちでもできるのじゃ。
農作業をするのに鋤と鍬等の農機具、手術をするのに執刀に使うメスという医療道具……そういったものをワシら職人が作って支える……。
折れた刀を打ち直し、古く錆びた刀と農機具と医療道具の手入れして直し……そうやって自身も刀も道具を鍛える、そうやって身も心を鍛えるのだ……」
「……そうやもしれぬな? だがこれは私が選んだ道、私の道だ。
報酬の方は私なりに使うよ? 自分と貧しいものたちのために……」
その後、村正は報酬の7割は貧民たちの寄付に充て
残る3割は自身の道具の手入れと自身の旅費として使い、また流浪の旅に出た……。
刀秋との戦いの慰労目的に立ち寄っていた……。
「ほお、赤衣に英雄さまじゃないか?」
「……ったく、
「悪いね、世間様はあんたらが大好きなんでね?
で? 注文は……ってのは、赤衣の方は愚問だな?」
「……わかってんなら頼む、俺は定食の大盛りでな?」
「……? じゃあ、これか?」
「私は……これで」
「あいよっ!!」
釤之助は牛丼の大盛りの定食。
*2犬夜叉は牛筋の丼の定食、かごめ達は並盛りの牛丼定食を注文した。
「これが……!」
「初めてか……まあ明治前はそうだもんな?」
「はあ……これが「牛丼」か……!」
七宝たち戦国時代の人間は肉料理は初めてだろうな?
三国時代の人と海外の人たちは肉を食うのは当たり前だけど、日本はまだ肉を食うなんてのは無縁……もとよりご法度ものだ。
肉を食うようになったのは幕末の明治が始まる前からだ、日本人が*3黒豚の肉を食べ始めてから「すき焼き」と「肉じゃが」等の肉料理が出はじめた。
そして明治になってから肉料理は定着するようになった……。
「……? *4犬夜叉は初めてか?」
「…………?」
「…………いや、なんでもない」
犬夜叉たちと釤之助は牛丼の定食を食い始めた。
「……っ!?」
「これはっ!?」
「っ!?」
「……初めてか、これ食うのは?」
弥勒たちは無言で首を縦に振った。
「……ん? ……ねえ、釤之助?」
「……ん??」
「弥勒さまたちは、お肉を食べるのは初めてだよね?」
「そうだな、元々の時代が違うからな?
肉を食うなんてのは、昔の日本はそういうのは禁止されていたんだ。
元々は仏教の教えから来てるんだけど…………っても、客のほとんどを見ろよ?」
牛丼屋の客層は人間だけではなく、獣人や鬼とオーク等がいた。
中には特盛と定食をガッツリ食っている奴もいる。
「そして、店員なんて見ろよ?」
牛丼屋……もとい各飲食店の店員は人間だけではなく各亜種族もしている……。
「そういえば、寿司を握っている人がいましたが……。
魚人でしたね……?」
「それを言うと肉を売っとるところに豚と牛、そして鳥の人間が店番をしておったな……??」
「いいのかしら……? 自分と同じ生き物を食材にして売るのを……?」
「俺も初めはそう思った……。でも当人はまんざらもなく働いてるからいいんじゃない?
……で、どうだった?」
「どう……って、美味しかったですよ?」
「うむ」
「ええ……」
「そりゃ良かったな? お勘定は……まあ言うまでもないか?」
その後、代金を出して店を後にした……。
「そういえば……私たちは旅をしている身ですから、こういう場所は初めて寄りますな?」
「そうね……? 今までこんな場所を来たことなんて滅多にないからね……?」
「ああ……そうか……? みんながここに来たのは叢雲牙の件だけだもんな?
こうやって観光がてらに寄るのは初めてか?」
釤之助と犬夜叉一行は都を歩き回った。
「こうして歩いて回ると、魔訶不思議って感じね?」
「ああ……妖怪だけではなく、いろんな人たちが行き交ったり西洋に欧州? という人やエルフとドワーフ等がよく見かけますね?」
「そりゃあそうよ? 聞けばこの都はこの大陸の要の一つって話だ。
三國の人に古代ローマ、西部と航海時代の人たちもこの都を来るって話だ。
あの秀吉と龍馬がここに来ることもあるって話だ、どっかですれ違うかもしれんぞ?」
「へえ〜」
「まあ、実際会えるかどうかはわからないけどね?」
その後、温泉宿に赴き
犬夜叉一行と釤之助たちは湯治目的を兼ねて浸かった……。
「……ふう、こうしてまともに浸かるのは滅多にないよな?」
「まあな? あんたはこの都で仕事がてらに生活してるんだろ?
俺たちは奈落と魍魎丸のこともあるからな?」
「そっか……」
犬夜叉たちの話によれば、「魍魎丸」という敵は「奈落」と対立しているって話だ。
理由は明々白々、魍魎丸の中にいる「赤子」……「心臓」は奈落本体と対立しており、その為に魍魎丸を使って自身は力を得る為に数多の妖怪たちの屍を喰らって能力を手に入れているって話だ。
「……その魍魎丸は、赤子はどういう能力を狙っているのかわかるか?」
「それがわかれば苦労はしませんね、現にこの異世界です。
私たちの知る妖怪だけではなく、あなたが……士学校が戦っている「モンスター」という者の中に能力持ちがいたのならば確実にそれを狙う。
その方面では、釤之助さま自身が詳しいと思っていたのですが……?」
「魍魎丸より、こっちはなんでも「古龍」とやらでてんやわんやだ」
「「古龍??」」
「そうだ、犬夜叉はこの名前を聞いたはずだ……「テオ・テスカトル」ってやつを」
「……っ! それって、この前徳川と蜀が倒した!?」
「そうだ、その戦いで関羽たちが大火傷を負ったんだ。
治すにも数週間数ヶ月はかかったって話だ」
「……そうだったのですか」
「つっても、あの関羽だ。
*5元の歴史で矢傷を負うも治療はしたからな?
だけどこの世界は麻酔がある、曹操や家康たちの病気も治せるから華佗も歓喜万々歳だろうしな?」
「ふむ……」
「……さて、いい感じに熱ったからいくか?」
犬夜叉と弥勒と一緒にサウナに入った……。
一方、かごめたちは……。
「っはあ〜。ここの温泉って、結構気持ち良いのね」
「それもだけど、見渡すと色んな人たちがいるのね?」
二人は女湯にいる亜人亜種の女たちを魅入っていた、エルフ・ドワーフ・悪魔・獣人・巨人・小人・ハーフリング・オーク・ゴブリン等種族がいた。
「こうしてみると、壮観なのと色とりどりね……!」
「ええ、本当に摩訶不思議な世界に来てるって感じね?」
現在二人はサウナに入っており、中にはオーク・オーガ・エルフ・ドワーフ・ゴブリン・巨人の女たちがいた……。
そして、二人は思った……。
二人だけではなく、主に男女共に思うところはあるだろう「体格差」を……。
主に「乳房」と「臀部」が一番に思いつくだろう、しかし思い出して欲しい…………。人間と亜人の
「おっ? あんたデカくなった?」
「ん? まあこの間子供産んでさ……」
「はあ〜肩凝る〜」
「……やば、太った?」
上記の台詞を見て女ならではの話に見えて聞こえるだろう、しかし……。
「おっ? あんたデカくなった?」by オーク
「ん? まあこの間子供産んでさ……」by 巨人
「はあ〜肩凝る〜」by ドワーフ
「……やば、太った?」by 小人
お分かりいただけただろうか……?
「ん……? お主らは?」
「……あら? あなたは……」
「……オリガさんにクロエさん!?」
サウナに入ってきたのは「黒の女王」の異名を持つ「ダークエルフ」とその「側近」の「ハーフエルフ」。
二人の登場に、サウナにいた女性陣は驚いたのだ……。
「久しいな? 関ヶ原以来じゃな?」
「えっええ……」
「えっと……何しに?」
「何とな? 入りに浸かりにきただけじゃ、そう身構えるな?」
「私は護衛がてらに……それだけだ」
数分が経ち、サウナに出て汗を流して整え……。
「くぅ〜、やっぱ整うと違うなぁ〜」
「かごめちゃん……(汗)」
「まあ、そなたらもそなたらで疲れているのであろう?
整うだけでも、これまでの疲れが一気に取れる……。極楽浄土とはよく言うたものじゃな?」
外気浴にて、会話をしていた……。
「そう言えば……オリガさんたちはどうして都に?」
「何、和睦を結んだ後の慰労じゃ。
摩訶不思議な人間に振り回され、セレスティンたちとの戦争をやめて和平条約を結んだのじゃ」
「*6和平条約……? ……それって、あの?」
「そうじゃ……まあ、それのおかげで疲れてな……?」
そりゃあ、あの「坂本龍馬」たちが一生懸命奔走して和平を結んだ条約だから故にしたのだ、疲れるわな? っとかごめは思った……。
「それと、聞いたぞ?」
「え?」
「刀秋のことじゃ」
「!」
「知ってたの……!?」
「妾が知らぬわけがなかろう?
そやつの悪名悪行、大陸ほどではないがそれなりに知れ渡っていた。
それを赤衣と英雄殿が討ち倒したと言うではないか?」
「…………」
「……あれ? オリガ? かごめ?」
「ん? お主は……?」
「ん……? あっ! マイアちゃん!!」
温泉に上がり、一行と釤之助はたまたま来ていたオリガたちとマイアと会って食事処に寄っていた……。
「へえ、刀秋ってあの?」
「噂には聞いていたが…………なるほど、流石赤衣と英雄というわけか?」
「…………それ以前にさ、なんだってこんなところに?
……って、愚問か? お疲れ様」
「良い、こんな世界じゃ。もう慣れてしもうた……」
「そうだな……「湯上がりの膳」で良い?」
「湯上がり……?」
「何それ?」
「食事処曰く「風呂上がりに最高の一品」だってよ?」
釤之助が選び、皆に推薦した「湯上がりの膳」。
人間様と犬夜叉(獣)に向けて出された膳、それは小さな天ぷらとおろしポン酢の牛タタキ等を据えたおかずにしじみとワカメと豆腐の味噌汁、そして長芋となめこ入りのとろろと白いご飯が据えていた。
「流石ネギ抜きに出してるな? ここまでするのがすげえよな?」
「なんか気い使われてんのが腹立つな……」
「仕方ないだろ? 犬と猫の人間がいるから、そうなっちゃうんだから……」
湯上がりの膳を食べ、その後……。
「……明日、出かけるのか?」
「まあな、奈落と魍魎丸のこともあるからな?」
「そうかよ、気をつけろよ?」
宿部屋にて寝込み、次の朝……。
「…………」
「……??」
「かごめちゃん……(汗)」
朝方の露天にて、そんな彼女を見惚れてる女性客が多くいた……。
味噌汁の具に豆腐と油揚げとさつまいものみ。
尚、この時碁を打っていた為
当時は麻酔もなく激痛では済まない場面だが、打っている間に治った(傷口を塞いだ程度)ため故に相当な集中と気力をしていたとのこと(関羽談)
次回
日常回はまだ続きます
主に釤之助回。