Shadow Corridor 回廊に迷い込んだ1人の少女   作:楠崎 龍照

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まるで何かを守っているかのように、堅く閉ざされた石の大扉が重々しい音を発てて開いた。

少女のこと……
不思議な猫のこと……
この世界のこと……

私達は隠された真実に迫ろうとしていた。
そして私は、完全な別の歴史へと歩む事になる。

その回廊は幾星霜の時を得ても、誰も足を踏み入れる事のなかった聖なる領域だった。
私たちは、真実へと辿り着くため、この聖域と呼ばれた最後の回廊へと足を踏み入れた。
だが、その聖なる領域を守らんとする最凶の人ならざるモノが、我々の行く手を阻む。


8話 聖域 ─この世界の真実─

 

 

 

鏡の転移した先は一つの部屋だった。

その鏡の横に爆竹が五個置かれていて私達はそれを取った。

 

「Kさんはこの場所の事は知ってるの?」

「いや、俺にも分からない。初めて来た」

「じゃあ、全員初見って訳だ!」

 

私達はそんな事を談笑しながら扉を開けると、そこは一つの長い橋と鳥居があり、その地面には光輝く彼岸花が咲き誇っていた。

その光景に私は、思わず口から漏れ出た。

 

「綺麗……」

 

と。

そんな言葉にKさんも頷く。

 

「あぁ、まるで聖域だな」

「聖域か、いいね。これからこの回廊は聖域って呼ぼう」

 

Kさんの聖域という言葉に感化されたのか、由奈がニコニコして、この回廊の名を決めた。

以下、この回廊を聖域とする。

 

「多分だけど、新しい徘徊者いるだろうね……」

「まぁ、この流れからいけばそうだね」

 

「あぁぁ……」とため息を吐いて項垂れる私に、由奈はポンポンと私の肩を叩いて、少しだけ微笑む。

私たちは、並ぶ鳥居を潜って障子を開ける。

今までの回廊と打って変わって白を基調とした和風の美しい内装をしており、ヒグラシの回廊や、霊魂の淵叢にある蝋燭はないが、至る所に彼岸花が生けており、その彼岸花に触れることで赤く光り輝き、それが蝋燭の役割を成している。

先程、Kさんが聖域のようだと言っていたが、まさに聖域と呼ぶに相応しい回廊だった。

私たちは早速、勾玉を探しに辺りを回ることにした。

中は先程の回廊より複雑ではなく、パッとみた感じヒグラシの回廊と霊魂の淵叢を混ぜたような感じになっている。

割合的にはヒグラシの回廊8、霊魂の淵叢2の割合だ。

 

「この彼岸花スタンドちょっと欲しいかも……」

 

赤くライトアップされた彼岸花をまじまじと見た由奈が口を開いた。

その様子は、おもちゃ屋で目を輝かせる子供のようだ。

 

「寝室に1台欲しいね!」

「うん! 心地よく寝れそう!」

 

彼岸花を見て、そう騒ぐ私たちにKさんは、申し訳なさげな口調で言う。

 

「お前ら、そのまま彼岸に逝くなよ?」

「「……」」

 

Kさんの一言に私たちが沈黙していると……。

 

 

─カナカナカナカナカナカナカナカナカナカナ……─

 

 

ヒグラシの鳴く声が聴こえてくる。

こんな場所でソレが聴こえてくるなんて事はありえない。

私たちは警戒心をMAXまで強めた。

 

「ヒグラシの徘徊者か……」

「あれって、ヒグラシの回廊しか生息してないリージョン徘徊者じゃなかったんだ……」

「みたいだね……」

 

私たちは近くの小部屋を見つけて、避難する。

小部屋とは言ったものの、畳の子供部屋ほどの大きさだ。

タンスを見かけ、私は音を出さないように抜き足差し足忍び足でタンスの方に向かって、アイテムを物色した。

大蜘蛛の大群に足を噛まれつつも、タンスにあった水晶と鍵を手に入れた。

鞄の中には多数の攻略アイテムがある。

どんな徘徊者が来ても安全だ。

私は少し余裕の心持ちで、ヒグラシの徘徊者が去るのを待つ。

だか、この場にいたのはヒグラシの徘徊者だけではなかった。

 

 

─ドロドロゴポゴポ─

 

 

重い闇が流れるような音も聴こえてくる。

それを聴いた私達は少しだけ驚いた表情をした。

 

「え、うそ。深淵の徘徊者もいるよ……」

「リージョン徘徊者ばっか来てない……?」

「つまり、霊魂の徘徊者もいる可能性が出てきたな」

 

Kさんの神妙の口調から発した言葉に私たちは頭を抱える。

 

 

─カナカナカナカナカナカナカナカナカナカナ─

─ドロドロゴポゴポ─

 

 

「「「……」」」

 

私達は2体の徘徊者が過ぎ去るのを待った。

未知の回廊な以上、下手に動くと死を招いてしまう。

また、リージョン徘徊者の他に、忍び寄る徘徊者や警鐘の徘徊者のような新徘徊者がいないとも限らない。

ここは、待つ以外の選択肢はないだろう。

少しすると、2匹の徘徊者は別の場所へと向かったようで、ヒグラシの声も、闇が流れるような重い音も聴こえなくなった。

 

「去ったか……?」

「みたいだね……」

「……」

 

Kさんは襖を少し開けてから辺りを見渡す。

徘徊者の音は聴こえず、聖域の不気味な伊吹のような音が耳をくすぶった。

霊魂の淵叢とはまた違った、風に混じった不可解な音だ。

前者は、行き場を失った風が緩やかに彷徨っている音。

後者は、重い風と得体の知れない息吹が混じりあい、長い廊下を一直線に駆け抜けるような音だ。

知らんけど。

 

「ねえ、今気づいたけど……」

「「?」」

 

由奈は彼岸花のスタンドライトを指さして話始める。

 

「あの光る彼岸花って、徘徊者が近くにいても反応しないんじゃないかな?」

「え? ほんと?」

「うん。さっきヒグラシの徘徊者の声が聴こえた時、光る彼岸花は点滅してなかったから」

「つまり、手持ちのライトと徘徊者の音で判断するしかないってわけか……まぁ、特に問題はないかー」

 

私はそう言って聖域の探索を再開する。

早速、泣いている声が聴こえた。

泣き声の主が近くにいる。

Kさんが水晶を構えたのを見た私は襖をゆっくり開け、由奈が遠くに爆竹を投げた。

 

 

『音……そこにいるの……?』

 

 

泣き声の主が爆竹の方にゆっくりと歩みを進み、その間に台座に置いてある勾玉を取ろうとしたその時。

 

 

─リーーーーン!!!……リーーーーン!!!……リーーーーン!!!……─

 

 

タイミング悪いことに、霊魂の徘徊者の音が聞こえてきた。

 

「Holy shit……!!!」

「チッ……面倒な……」

「タイミング最悪だね……」

 

3人は各々の感想を述べつつ、直ぐ様台座や家具のの後ろに隠れた。

 

 

─リーーーーン!!!……リーーーーン!!!……リーーーーン!!!……─

『音……音……ここにいるのね……』

 

 

泣き声の主と同様に、霊魂の徘徊者もその爆竹の音に釣られてやってきた。

清々しい程に最悪なタイミングである。

私達は息を殺して霊魂の徘徊者が去るのをジッと待った。

爆竹が鳴り終わり、霊魂の徘徊者は別のエリアへと去った。

それを確認した私は、台座にあった勾玉を取った。

それを見たKさんはGoodポーズをして、由奈は笑顔で音をたてないように拍手をする。

私は音を出さないように屈みながらその場からゆっくりと脱出を試みようとする。

しかし……。

 

「(え? なに?)」

「(な、何だ!?)」

「(ちょっ、冷たい!)」

 

突如、部屋中……というか、この回廊中の水位が上昇し、足のふくらはぎ辺りまで浸水した。

聖域とは一体……と言いたくなるビックリギミックである。

……泣き声の主は、座って泣くんだが……それによって、全身が水に浸かることになる。

息できているのだろうか?

いや、考えていても仕方がない。

とりあえず、私は出来るだけ水音をたてないように、2人の元に戻った。

 

「ちょっ、ちょっと……これ何……?」

「知らない……私、勾玉取っただけだよ……!?」

 

由奈と私が静かに言い合っていると、Kさんは考える素振りをしながら「勾玉を1つ取ることで、水位が上がるみたいだな。これは厄介かもしれない……」と言った。

これが1つ取る毎に水位が同じずつ上がるなら、5つ取った時には顔まで浸かる事は間違いない。

そうなれば、我々の溺死は不可避だろう。

 

「俺の予測だが、この聖域の何処かに、水位を下げるレバーがあるかもしれない。勾玉を探しつつ、探してみよう」

 

と言った。

私達もそれに異論はなく、長い廊下を歩き初め、階段を使って2階へと上がった。

色々と部屋を見るが勾玉はなく、彼岸花に触れて光を灯した。

 

 

─サッサッサッサッ……!!─

 

 

「?」

「ん……?」

「また、新徘徊者……?」

 

足袋を履いた人が滑るように走るような音が聴こえてくる。

予想通りの新徘徊者の登場に、私達は頭を抱えつつ、私達は小部屋に隠れて新徘徊者がどこかへと去るまで待機しようとした。

その時だ。

 

 

─サッサッサッサッサッ!!─

 

 

「うわっ!?」

「……!?」

「ちょっっとっ!?」

 

最悪にも程がある。

私達は新徘徊者と鉢合わせした。

Kさんが素早くカメラのシャッターを押して、徘徊者の動きを止める。

その徘徊者は黒い忍者に能面を付けた姿そのもの、それ以外に言うことは無い。

ホントに忍者だった。

安直に忍者の徘徊者と命名しても異論が出ないくらい忍者の姿だ。

 

「急ぐぞ!」

「あいよー!」

「うん!」

 

私達は急いで、新徘徊者から離れたところの小部屋まで避難する。

だが、新徘徊者は直ぐに復活したのか、サッサッサッと走る音が聞こえる。

 

「復活早くない!?」

「厄介な徘徊者だ!」

「コイツが聖域のリージョン徘徊者なんじゃない!?」

 

各々が新徘徊者のことを話し合う中、突如後ろからピシーーン!っと勾玉ビームを受けた時の徘徊者みたいな音が聴こえた。

それに反応するよりも先に、私達は立ち止まって絶句する。

いや、絶句と驚愕を足して2でかけたような反応に近い。

それもそうだ。

だって……。

 

 

─シャン……シャン……シャン……シャン……シャン……─

 

─ドタドタドタドタドタドタドタドタ─

 

『何処……何処にいるの……何処にいるの……?』

 

『…………………………………………………………』

 

─カーーーーーーン!─

 

─カンッ、シャリン…カンッ、シャリン…カンッ、シャリン…─

 

『『夕ー焼けー小焼けーで、日が暮れてー、山のお寺の金が鳴るー』』

 

─ドスッ……ドスッ……ドスッ……ドスッ……ドスッ……─

 

─カナカナカナカナカナカナカナカナカナカナ─

 

─ドロドロゴポゴポ─

 

─リーーーーン!!!……リーーーーン!!!……リーーーーン!!!……─

 

 

私の周囲に、神楽鈴の徘徊者、走り廻る徘徊者、泣き声の主、忍び寄る徘徊者、警鐘の徘徊者、錫杖の徘徊者、童遊戯の徘徊者、霧隠れの徘徊者、ヒグラシの徘徊者、深淵の徘徊者、霊魂の徘徊者……と、私達が今まで出会った徘徊者の面々が私達の周りに出現したのだから……。

私達は、時間が止まったように停止するが、直ぐに異変に気づいた。

徘徊者達は一向に私達を襲う気配を見せない。

Kさんは今までに無いほどの警戒心を高めて、神楽鈴の徘徊者に触れてみる。

すると、Kさんの手は神楽鈴の徘徊者に触れることなくすり抜けた。

 

「幻影……なのか?」

 

力無くそう言ったKさんに、私達は「幻影か……」とホッとする。

よくよく見れば、徘徊者達には若干ノイズのようなのが走っている。

良かった。

死んだと思った。

 

「ねえ、そういえば、あの新徘徊者は?」

 

由奈の不安そうな一言に、私とKさんはハッとしたように振り返るが、あの徘徊者が迫ってくる様子もない。

足袋で歩く音も聞こえてこない。

 

「……急いで小部屋に避難しよう」

「う、うん」

「はい」

 

私達は不安に苛まれつつも、急いで徘徊者の幻影の中を掻い潜りながら、ひとつの部屋へと避難した。

そこには、台座に巨大な能面が飾られているという、ちょっとした祭壇のような部屋だ。

台座には鏡が置かれてある。

 

「とんでもない徘徊者がいたもんだな……」

「だね……」

 

Kさんは壁にもたれ掛かりながら、新徘徊者の愚痴をこぼす。

それには私も同意する。

訳分からん徘徊者しかいない。

アイツの名前は「幻影の徘徊者」にしよう。

 

「この鏡ってどこに繋がっているんだろう?」

 

タンスと棚を物色し終えた由奈が、台座にある鏡をガン見しながら言った。

私達も鏡に近寄る。

 

 

─サッサッサッサッサッサッ……─

 

 

どこかから、さっきの徘徊者の足音が聴こえてきた。

 

「飛ぶぞ」

「「はいよー」」

 

徘徊者の登場に舌打ちをしたKさんは、そう言いながら鏡に触れた。

それに続いて、私達も鏡に触れて転移する。

視界が真っ白になる。

 

「聖域であることに変わりないよね?」

「この感じはそうね」

 

視界が晴れると、そこは廊下だった。

前には扉があり、小さな能面が飾られてある。

また、その近くには常に光っている彼岸花スタンドライトが、そのそこには戸棚が置かれてあった。

私達はその戸棚を見ると、そこには勾玉と手鏡が綺麗に並べられていた。

 

「ラッキー!」

「やったね」

「これを取ることで、水位がどうなるかだな」

 

今、私達がいる場所は浸水されていない。

だが、これを取って、何が起こるか……。

 

「取るよ?」

 

私が2人にそう訊ねると、2人はこくりと頷く。

私は勾玉を取った。

 

「「「……」」」

 

何も起こらない。

水位も上がる気配もない。

 

「何も起きない」

「この場所が、高高度にあるからか……あるいは……」

 

Kさんは唸るように考える。

しかし、結論は出なかったようで、近くにある扉をあけた。

扉の先はちょっとだけ大きめの部屋があり、ヒグラシの回廊や霊魂の淵叢で見た事のある燭台が煌々と辺りを照らしていた。

そして、床が抜けた場所が目に入る。

 

「飛び降りろってことねー」

「そのようだな」

「赤い液体用意しないと……」

 

皆、飛び降りる準備をする。

このまま手鏡を使って、転移するという手段は頭になかった。

ここまで来たらトコトンやってやろうと言う事だろう。

 

「よし、行くよ!」

「はーい!」

「元気だな……」

 

私は天狐の面を深く被って飛び降り、由奈は赤い液体が入った水筒を用意した状態で私に続き、Kさんは苦笑いしながらジャンプして飛び降りた。

 

「おりゃっ!!」

「いたあああああ!」

「……っと!」

 

無事着地したが、由奈は着地した際に足の骨を折ったようで、絶叫をする。

私が駆け寄ろうとしたが、由奈は即座に持っていた水筒をがぶ飲みして、骨折の治癒にかかる。

それでも、不安が拭えなかった私は天狐の面を外して由奈に被せた。

これで幾分か治癒が早くなるはず。

更に、Kさんは持っていた赤色の葉っぱを取り出して、由奈に渡した。

 

「由奈、これを噛んでから被れ。更に治癒を早められる」

「Kさん、アリス、ありがとう」

 

由奈は私達に感謝を送りながら、赤い葉を噛みつつ天狐の面を被る。

 

「アリス、今の所、徘徊者が来る気配はないから、少しだけここで休もう」

「賛成」

 

そんな中で、Kさんは水晶を構えて近くにあった扉に近づく。

だが、その扉は固く閉ざされていて開かなかった。

奥の扉も同様だ。

 

「……レバーでも必要なのか、それとも……」

 

Kさんが、そう言い終えようとした瞬間だった。

奥の扉がバンっと吹っ飛び、神楽鈴の徘徊者が激しく鈴を鳴らしてこちらに接近する。

 

「……!!」

 

脅威の反射能力で、Kさんは持っていた水晶を叩き割って徘徊者の動きを止める。

 

「すまない。油断した」

 

謝罪するKさんに向かって、私達は笑顔で「ドンマイ」と返した。

由奈も赤い液体+赤い葉+天狐の面の治癒能力によって、折れた骨もあっという間に再生した。

 

「よし、もう大丈夫っ! 逃げよう!」

 

由奈はそう言って、全力で走り出す。

それを見た私達は安堵しつつ、L字の道を走った。

水晶の効力が切れた事で、後ろから神楽鈴の徘徊者が追いかけてくる。

私達は長い廊下に蠢く大量の竜蟲を躱しつつ奥へと逃げた。

 

「勾玉がある!」

「ラッキー!」

 

行き止まりの部屋には台座に勾玉が無造作に置かれていて、私は直ぐにそれを拾った。

いつの間にか、神楽鈴の徘徊者も追跡をやめたようで、鈴の音も聞こえなくなっていた。

これで勾玉は3つ。

後2つだ。

 

「鏡を使う?」

「いや、もう1つ堅く閉ざされてある扉があった。そこに行ってみたい」

「あいさー。でも、あっち神楽鈴いない?あ、でも私、水晶持ってるから大丈夫だね」

 

由奈はバッグから水晶を取り出して言った。

確かに、堅く閉ざされてある扉の奥が気になる。

私達はKさんの意見に賛同して、元来た道を歩いた。

 

やはりと言うべきか、先程閉ざされた扉は開いており、その奥に神楽鈴の徘徊者が鈴を鳴らしながら佇んでいた。

赤く光る彼岸花の逆光によって、彼女のシルエットのみが映し出された様は、まさにラスボスと言って差し支えないものだ。

 

「よし、じゃあ行くよ」

 

だが、そうは言っても所詮は徘徊者。

水晶の前には無力だった。

砕け散る水晶。

止まる時間。

私達は全力で、その場を駆け抜けた。

それはまさに風のようだ。

カクカクした1本道を走り抜け、行き止まりの部屋にたどり着く。

そこには台座が置かれていた。

これだけなら、いつもの感じであるが、台座に置かれている物が驚くべきものだ。

手鏡に、水晶3つ、カメラ3つ、トカゲの尻尾、赤い液体が入った瓶が5つ。

そして、勾玉という出血大サービスと言わんばかりの大盤振る舞いである。

 

「すっご……」

「やけに豪華だな」

「ホントだ……」

 

無論、私達は全部頂いた。

これ以上、道はないので、私達はここで手鏡を使用しようとした時だ。

 

「ねえ、これ何?」

 

突如、由奈が戸棚にあった6枚の紙を手に取って、私達に見せてきた。

紙には「八尾の狐の昔話」と書かれていた。

私達はそれを読もうとした時……。

 

 

─シャン……シャン……シャン……シャン……シャン……─

 

 

後ろから神楽鈴の徘徊者の音が近づいてくるのが分かった。

騒ぎすぎたようだ。

私達は読むのを後にして、手鏡を使用して転移した。

 

「水位は上がっている様子はないな。これ以上上がらないのだろう」

「ひとまず安心だね」

「冷たいことに変わりないけどねー。それよりもこの八尾の狐の昔話読んでみよう」

 

そう言って、由奈は6枚の紙を読んだ。

私達も覗きながら見る。

 

1ページ目にはタイトルが書かれており、

『八尾の狐の昔話』とあった。

 

内容は、

昔々、人里離れた山に八尾の狐がいて、尻尾の数は強い妖力の証で、人が何十回と命終えても足りないほどの長い年月の研鑽を積んで、もう少しで九つ目の尻尾を得られるところだった。

 

九尾となった狐は、天狐と呼ばれ千里先のことを見通す力を持ち、妖狐たちを束ねる頭領になるという。

深い慈愛と、徳と、威厳を称えたその八尾の狐は、他の妖狐からの信頼も厚く、次の頭領になることを誰も疑わなかった。

 

ある日、八尾の狐は人間の村近くの山にこもり、研鑽に励んでいた。

すると、藪の奥から狸が出てきてからかった。

「もうすぐ頭領になるそうだが、お前が妖力を使うところを見たことがない。その尻尾は飾りか?」

すると、八尾の狐はこう答えた。

「強い力というのは、軽々しく扱ってはいけないものだ」

 

狸は鬼の首を取ったように言った。

「お前の尻尾は飾りものだ腰抜けめ。お前は頭領になりたいから、妖力がないことを隠しているのだろう!」

そこで八尾の狐はひとつ思い知らせてやろうと、雨雲を呼び寄せた。

すぐに大嵐となり、雷鳴が轟き、雨は土を砕き岩を押し流した。

突然の大雨に川は氾濫し、村になだれ込み家々が押し流され、多くの人間が巻き込まれた。

 

八尾の狐は、大いに嘆き悲しみ軽率な自分を責めた。

そして、人間達の屍の中に一人の子供を見つけると、その子に命を分け与えてやった。

力を分けた八尾の狐の尻尾は、四つになってしまった。

 

狐の頭領は、四尾となった狐を強く叱責すると、次期頭領としての座をはく奪してしまった。

四尾の狐は、一族の面汚しだとして仲間達から追放されると、人里近くの山に住み着いた。

そして、再び川で人が命を落とすことがないよう、川の守り神となった。

 

これを読んだKさんは、「千里眼の少女だと……?」と何か知っているようで、自身が蛭南村の神隠しについて取材したことを語った。

 

1885年に蛭南村にある桑食川で大氾濫が起き、多くの命が失われ、1人の瀕死の少女が奇跡的に生還したと。

更にその少女には神通力を宿し、千里眼の能力を得たこと。

初めは人気者だった少女も、時が経つにつれて気味悪がられ、山の社に住まわせたこと。

そして、時が経ち、その少女が美しい女性へと成長し、幼子と共に山から降りてきたこと。

 

 

散り散りになった紙を内容だろう。

ただ、八尾の昔話の最後に出てきた川の氾濫や、魂を与えた少女が、桑食川の大氾濫だとしたら……。

その時だった。

ライトがチカチカと明滅し始めた。

耳を澄まして聞くが鈴の音も騒がしい音も聞こえない。

 

「忍び寄る徘徊者か?」

 

そう思った時……。

 

 

『とうりゃんせ、とうりゃんせ……ここはどこの細道じゃ。天神様の細道じゃ。ちっと通してくだしゃんせ……』

 

美しい歌声が聴こえてきた。

一気に全身に鳥肌が走る。

 

「(!!? ナニ!!?ナニ!!?)」

「なんだ……!?」

「歌う……徘徊者……?」

 

私達は動揺しつつも、部屋の中だから大丈夫だろう思い、ライトの明かりを消して息を潜める。

しかし、その歌声の主は戸を開けて私の前に姿を見せた。

 

『御用のないもの、とうしゃせぬ……』

 

肥大化した頭部に昔ながらの服装をしている変わった徘徊者だ。

てか、梅干しにしか見えない。

私は反射的に水晶を叩き割り、その場から全力で離れた。

 

「何でバレたの?!」

「分からん!」

「とりあえず、逃げよう!!」

 

私たちは爆竹を投げつつ別の部屋へ逃げ隠れる。

 

「うわー、なんか変な徘徊者いるよ……」

「こいつはやばいな」

「アイツ迷うことなく私達の方に来たよ!?」

 

『行きはよいよい帰りは怖い……』

 

少しすると再びあの歌声が聴こえてくる。

ゾワッとするほど素敵な声だ。

だが、それでも不気味さが拭えない。

手鏡を構えて部屋の端で待機する。

すると、あの徘徊者はまるで私達の位置を知っているように扉を開けて迫ってきた。

 

「こいつ私達の場所分かってるでしょ!?」

「そうらしいな!」

「やべえ徘徊者いるじゃん!!」

 

私達は半ギレの状態で手鏡を使い、エスケープした。

 

エスケープした小部屋で、あの徘徊者の能力を仮定する。

あの徘徊者は歌が聴こえる範囲内の存在を把握できる能力を持っていると。

そして、あの梅干しの名前は「千里眼の徘徊者」となった。

千里眼の徘徊者を避けながら勾玉を取れとか至難の業だよ……。

 

「千里眼に見つかっては厄介だ。急ぐぞ」

「だね」

「最後の最後でとんでもない徘徊者が出たよ……」

 

私達は部屋から出て、近くにあった階段を使って2階へと上がり、1つの部屋に入ると勾玉があって後ろに扉が見えた。

 

「「「……」」」

 

全員が罠部屋だと確信。

由奈が水晶を投げて、時間を止めた。

Kさんが走って勾玉を取った。

 

「よし、5つ取れた!」

「あとは祭壇まで向かうだけだ」

「コンパスを見る限り、ここから北へ行く感じだね」

 

由奈がコンパスを見ながらそう言った。

私達は水浸しになりながら、コンパスの指針の方向へとバシャバシャと歩く。

途中、ひとつの部屋に入った時、レバーを見かけた。

 

「このレバーってなんだろう」

「下げてみたら?」

 

私の言葉に、由奈は無言でレバーを下ろす。

すると、水位が徐々に下がっていく。

 

「あ、そういう感じで水位を下げるのね」

「動きづらかったから、助かった」

「好奇心ってこういう時、役に立つよね」

 

私達は少し笑いながら、再びコンパスの針が指す方向へと歩き出す。

 

『怖いながらも、通りゃんせ、通りゃんせ……』

 

しかし、コンパスが指した方向から、あの透き通るような綺麗な歌声が近づいてくる。

千里眼の徘徊者の登場である。

彼女が歌う通りゃんせは、不気味ではあるが、何故か安心感を感じさせる歌声だった。

しかし、いまその歌声に聞き惚れていると、殺られてしまう。

 

「水晶は?」

「私、これしか持ってない」

「私は0」

「……俺は生成に時間が掛かる」

 

私は持っていた水晶を割って徘徊者の動きを止めた。

 

「走ろう!!」

「いきなりだな、だがそれしか方法はないか……!」

「うおおおおおおお!」

 

私達は大声を上げてコンパスの針が示す方を全力で走った。

あと千里眼からの追撃を逃れないといけないものある。

私達は走って祭壇のある場所まで向かおうとしたが、水晶の効果が切れ、しかも最後の最後で、神楽鈴の徘徊者が扉を破壊して私達に迫ってきた。

更に千里眼の徘徊者の歌声も聴こえてくる。

 

「これやばい!」

「後ろを振り向くな!」

「大丈夫振り向けない!」

 

私達は全速力で走った、走るスピードは私達の方が若干早い為、あとはスタミナ勝負だった。

 

無我夢中で走り続けた。

そして、進む先には祭壇の部屋があった。

Kさんが戸を閉めて、持っている勾玉を私にぶん投げる。

 

「アリス!」

「おまかせあれ!!」

 

私は受け取った勾玉と自身が持つ勾玉を持って階段を上がり、祭壇に勾玉を納めようとする。

しかし、半分興奮状態だった私は、もたついて勾玉を納めようしたが、手が滑って勾玉を床に落としてしまう。

その間にも神楽鈴の徘徊者と千里眼の徘徊者は戸を殴って破壊しようとしていた。

Kさんと由奈も走って階段を駆け上がり、勾玉を祭壇に納めようと手伝う。

 

「~~~~~~!!!!」

 

私達は急いで5つの勾玉を祭壇に納めた。

それと同じくして千里眼の徘徊者と神楽鈴の徘徊者も戸を破いて私達に急接近する。

私達は、後ろに開いた扉に飛び込んだ。

ギリギリのところでその扉が閉まり、徘徊者たちの鈴の音や歌声はピタリと止んだ。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ!!!」

「危なかった。ギリギリだった……」

「心臓……凄い……ドキドキ言ってる……」

 

私達はヘナヘナと床に倒れ、興奮が冷めるのを待った。

この回廊の床は清潔にされており、埃1つなくそしてひんやりとしていて、私達の興奮を冷ますにはちょうどよかった。

 

興奮が冷めた私達は一本の道をゆっくりとその歩いた。

歩いていると丸い窓からレースのカーテンと思われる物が掛けられて、風に揺らめいていた。

戸を開けてレースのカーテンらしき物が掛けれてある道をゆっくりと行くと、緩やかな風が吹き、風鈴の心を落ち着かせる音がチリリンとなった。

 

先程の殺伐とした回廊とのギャップが凄い。

 

 

「……風流だね……」

「そうだな」

「心が安らぐ……」

 

私達は思わず呟いた。

 

風鈴の音を聞きながら、1つの扉を開いた。

すると、そこには真っ直ぐの解放とした道があり、カーテンが揺らめいて風鈴が鳴っていた。

そして、1つの障子を開けると、奥の場所に誰かがいた。

彼岸花の発光で少ししか見えないが、雰囲気的に女性であることがわかった。

私達は少し警戒しつつ近寄ると……。

 

「やっと会えましたね」

 

女の子の声だ。

私はその娘の声に聞き覚えがあった。

あの黒猫の声と同じだった。

 

「皆さんのことをずっと待っていました」

 

そういって私の方を振り返った。

般若の面を頭に掛けていて、表情はよく見えないがかなりの美少女だとわかる。

 

「立ち話もなんですから、どうぞお掛けください」

「あ、はい!」

「……お邪魔します」

「綺麗な女の子だね……」

 

美少女はそういって座布団を取り出した。

私達は、靴を脱いでから上がり、座布団に正座する。

 

「私はヒガナ。ヒバナの双子の姉です」

「ヒバナって、あの子?」

 

由奈はヒガナちゃんに聞いた。

彼女はコクリと頷いて「はい。ヒガナにはもう会いましたよね? 岸谷さん、あの時はヒバナが失礼しました」とKさんの方を向いて土下座するように深々と頭を下げて謝罪した。

それを見たKさんは、「いや、気にするな」と言った。

 

「ところで、どうして俺たちのことを知っている?」

 

Kさんは、正座しながら質問をした。

 

「私には、生まれつき千里眼という力が備わっています。母から受け継いだ能力です」

「千里眼……だと?」

「はい。遠く離れたものを透視したり、稀にですが、未来に起こりうることも見えます」

「「「……」」」

「皆さんのことは、遠い昔、夢で見ました。夢の中で皆さんは、バラバラになった私たち家族を再び一つに結びつけてくれた。そして、皆さんがこの世界に迷い込んだ時、夢が予知夢であったことを確信しました」

「「「……」」」

 

ヒガナちゃんの話に、私達は無言で聞いていた。

 

「そこで私は、皆さんを見守ることにしました。アリスさんと一緒に迷い込んだ、あの猫を通して……。それと1度、神楽鈴の徘徊者を使って……」

 

彼女の言葉に私と由奈は「あっ!」とみを乗り出す。

 

「「骸流しの時の!?」」

「はい。私の身動きが取れない今、状況を打開するには、皆さんに賭けてみる他ありませんでしたから」

 

それを聴いたKさんは一つ疑問に思うことがあったのか、それを問う。

 

「どうして、身動きが取れないんだ?」

「……長い話になります……」

「構わない。教えて欲しい」

 

Kさんの言葉に、ヒガナは頷いた。

 

「私とヒバナは、蛭南村という小さな村から少し外れた山奥の、廃墟となった社で生まれ育ちました。私は母から千里眼を受け継ぎましたが、ヒバナには何の力もなく、普通の女の子でした」

「……」

 

ヒバナちゃんには何の力もない……。

じゃあ、あの村人たちが言っていた化け物って……。

 

「母はその能力故に村人から忌み嫌われていて、私の身を案じた母は、私に山を下りることを禁じました。そんな私と母のことを、ヒバナはいつも一番に想ってくれてました。ヒバナは本当に優しかった」

「……」

「"お母さんとヒガナは、不思議な力のせいで辛い思いをしているから、だから私が守る"と言って、何かあるたびに無茶していました」

 

少し微笑んでいたヒガナちゃんの顔が少し暗くなった。

 

「ある日、私は村の少年たちが川で鉄砲水に流されることを予知しました。それを聞いたヒバナは、少年たちを助けようと急いで川に向かった……。でも、ヒバナの警告は聞き入れられなかった。母の子であるというだけで、ヒバナも村人に嫌われていました」

「………………」

「少年たちは数人がかりでヒバナを痛め付けると、すぐに鉄砲水が押し寄せ、少年たちを飲み込みました。ヒバナだけは奇跡的に難を逃れましたが……それが村人の誤解を生みました」

「俺が取材した裏にそんな事が……。確かに、村人からしたら、神通力で鉄砲水を呼び寄せたと誤解するのも無理はない……」

「そうです。そして、その日の夕方には大勢の大人がやって来ることがわかりました。お母さんは、その前に私たちを二人を山奥に隠そうとしましたが……。ヒバナはそれを断った。私とお母さんを守るんだと言って……」

「アイツが……」

 

ヒバナの真実をきいたKさんは複雑そうな声を出す。

 

「ええ、それに私の存在は村には知られていませんでしたから、ヒバナが残れば私は安全に山奥に隠れられる。そう思ったのでしょう。母が説得するもヒバナの意志は強く、私一人で山奥に隠れることになりましたが……。二人の事が気がかりだった私はこっそりと林の奥から様子を伺うことにしました」

「……」

 

もしかして、あの紙に書いていた安喜さんの言っていた気配って……ヒガナちゃんのことだったのかな?

 

「やがて村人が社を取り囲み、大勢の怒声がヒグラシの声をかき消した。村人たちは口々に叫びました。化け物の子が子供を殺した。化け物出せ。仇を取ってやる。と……」

 

「先入観とは……恐ろしいものだね……」

「うん……こんな……」

 

私と由奈は悲しげな声を出した。

 

「母は社の中にヒバナを匿うと、表に立ち一歩も引きませんでした。「優しい私の子が、人を殺すことなどあり得ない、何かの間違いだ」といい続けていました。でも、そんなやり取りはいつまでも続かず……しびれを切らした村人たちは、ついに大勢で母に襲いかかりました」

「……!!」

「桑や鉈で打たれ、母が悲鳴をあげるとヒバナが飛び出してそれを庇った……。ヒバナの顔は恐怖で強ばっていて、それでも必死に母の前に体を投げ出しました。でも、ただの少女だったヒバナは、大勢の大人の前に無力だった。村人たちは力任せにヒバナを押さえつけると……。村の子供の仇だとばかりに、ヒバナの目を潰したんです」

「「「……」」」

 

もう全員、何も言うことなく、ただただ彼女の話を真摯に聞いていた。

 

「血に染まり、力なく横たわる母の姿……それが、ヒバナの目に映った最後の光景でした……。きっと、言葉にならないほどの恐怖と悔しさだったでしょう……。でもその時、ヒバナの中に眠っていた力が目覚めました。ヒバナの体が強烈に光輝き、その光が辺りを飲み込んでいくと……辺り1体の空間と時間をねじ曲げ、切り裂き、別の世界を形作った。」

 

そして、ヒガナちゃんは言った。それが、今私たちがいるこの世界です。と

 

「そういうことだったのですか……」

「……なるほど……それがこの世界の真実……か……」

 

Kさんは唸るように口を開いて、そう言った。

 

「この世界は、家族を守るという、ヒバナの強い思いが作った世界。その思いは無意識に、この封印された聖域を作り出し、私を閉じ込めました。もう家族が誰にも傷つけられないように。ヒバナはこの聖域のことも、私がこの世界にいることも知らないでしょう」

「……なる……ほど……」

「そして、ヒバナは母を復活させるために、この世界に人を誘い込み、殺し始めた。心優しいヒバナにとって、それがどれだけ耐え難いことだったか……」

 

悲しく、悔しいヒガナちゃんの声が私の耳に入る。

 

「閉じ込められた私には成す術がなく、ここから見ていることしかできませんでした。ヒバナが苦悩する様子は壮絶で……思い出したくもありません……。良心に苛まれる度に、何度も何度も自らの心を押さえつけ続け……。やがてヒバナは人としての良心を彼女の胸の奥底へと封じ込めました……」

「……」

「……すみません。少し話が長くなりました」

 

話を終えたヒガナは私達に深々と謝罪する。

Kさんは腕を組んだまま何かを考えていた。

 

「辛い話を、ごめんなさい」

 

私と由奈はヒガナに向けて謝罪する。

 

「気にしないで下さい。皆さんには真実を知って欲しかったんです。……母の復活は失敗します。今のうちに何とかしなければ、取り返しのつかないことに……」

 

その時、この聖域全体が……。

違う、この世界がぐらぐらと揺れ始めた。

そう、あの時と同じように……。

 

「時間がない……一緒に来てください!!」

「了解!」

「分かった! Kさんも行くよ」

「あ、ああ……」

 

 

 

 

続く




怨念がすぐそこに……。



幻影の徘徊者
感知範囲:走り廻る徘徊者と同程度
スピード:忍び寄る徘徊者より少し早い。
発見時の速度:泣き声の主レベル。
危険度:★★★★
危険度(修羅):★★★★

概要
忍者の姿をした徘徊者。
発見してから10秒以内にカメラを使用せずにいると、周辺に全ての徘徊者の幻影を生み出す。
徘徊者の幻影は全身に若干ノイズがかかっている為、見分けはつきやすい。
しかし、その徘徊者特有の音も発す上、ライトも点滅する為、本物の徘徊者の存在に気づかずに殺られる可能性がある。
ただし、生み出している間は、幻影の徘徊者自体は動けない。
幻影が保っている時間は5分。
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