宇宙戦艦ヴンダー 《Reise zu einem Wunder》   作:朱色の空☁️

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Calamity 6 -慌ただしくも、帰ってまいりました-

サレザー恒星系第4惑星 イスカンダル

王都 イスク・サン・アリア

クリスタルパレス

 

 

 

「地球ガミラス連合軍、そしてガトランティス。ガトランティスが狙うのは、人類がいなかった世界の構築。人類の消滅を目論んでいます」

 

凡そ戦争とは縁遠い場所、サレザー恒星系のイスカンダルは今日も静寂に満ちていた。

時折環境整備のために動き回るイスカンドロイドの稼働音くらいしか音はない。

 

「それと、地球のオキタ提督よりメッセージが届いております」

 

メルダの操作でホロメッセージの受信機能が立ち上がり、白い髭を蓄えた軍人の姿が浮かび上がった。

 

『地球圏平和維持防衛機構WILLEを代表し、私、沖田十三がスターシャ陛下、サーシャ殿下、ガミラス皇室ユリーシャ陛下へメッセージを送らせていただきます』

 

そう切り出した沖田は旧国連宇宙海軍___イスカンダル航海と同じ軍服に身を包み、腕に水色のバンダナを巻いていた。

病に蝕まれていると聞いていたが、快方へ向かっているようでユリーシャはホッとした顔を見せた。

 

『まず、このような形での報告となってしまいましたことをお詫び申し上げます』

 

ホログラムの向こう側の沖田はそう深く頭を下げた。

 

「お姉様……」

 

「今は聞きましょう、地球がどう動くのかを」

 

『我々地球、そしてガミラスによる安全保障理事会において、イスク・サン・アリア条約第1条補足に基づく波動砲の対艦隊使用を承認致しましたことをご報告申し上げます』

 

遂に来てしまった。

そんな感情がスターシャの中で沸き上がるが、これは覚悟、宣言でもあると感じた。

 

アリア条約関連の決議内容のイスカンダルへの報告義務は、実は定められていない。

王族だけが生き残り政体も何も残っていないほぼ無人の星に伝える意味は無いのだが、それでも大使館とヒス政権、駐在武官であるメルダを経由して地球は伝えることにした。

 

破壊の光が生まれ、2人の技術者が生み出した鎖がそれを縛っている。

その鎖を最初は渋々、今は大事なものだと理解して守り続けそして今、生き抜くために鎖を解いたのだ。

 

『我々地球人は生き抜きます。貴女方イスカンダルに救われた星は、今は青く美しい星です。動乱もありましたが、復興のために人類一丸となり歩みを進めています』

 

沖田はそこで1つ間を置くと、覚悟のこもった目を見せた。

 

 

『地球人類は、この戦いで貴女方に1つの回答を示す事になるかもしれません。次元波動爆縮放射器、波動砲をどう使うか。もし地球が____いや、全人類が生き残る事ができた時、また、お会いします』

 

メッセージはそこで終了し、沖田を映していたホログラムも消えた。

あの日、三国の代表が集まり締結した誓いは幾つかの難所を乗り越え今も立ち続けている。

移ろいゆく時間と人の心をもってしても、揺らがなかったのだ。

 

 

「それと、まだ情報が不足していますが……デウスーラ2世が戦線に投入されたと」

 

「アベルトが……?!」

 

メルダが見せたのは、青塗りの艦体に1対の翼を広げたデウスーラ・エアレーズングだ。

詳しいスペック等は機密事項が故に十分に渡って来ていないが、ガミラス艦特有の桃色の推進光ではなくAAAWunderと同じ橙色の光を灯している所を見て、スターシャは大きく目を見開いた。

 

 

「波動エンジン……」

 

「地球から発進したと情報にありましたので、恐らく何らかの取引で地球製波動エンジンに換装したのでしょう。元総統ご本人が乗艦しているかは、まだ不明ですが……」

 

「……そうですか」

 

AAAWunderとの邂逅で生存が確認され、それはイスカンダル側にも伝わっていた。

過去はあれど心から安堵したスターシャだったが、何の目的があって地球の戦線にいるのかその真意には辿り着けない。

 

再度危険を冒し、何を成すのか。

 

「アベルト、もし貴方が乗っているなら……」

 

「猊下、大使館経由からのホットラインが……ッ!?」

 

「どうしました?」

 

「それが……その……リアルタイム通信ですが……デスラー総統からです」

 

「繋いで」

 

考えるよりも速く言葉が出た。

最後に話したのは、抗議の時だった。

第2バレラスから放たれたデスラー砲____波動砲に対しての抗議だった。

 

もう1度話せるなら、話したい。

通信が繋がるまでの時間が、永久にも思える。

 

 

「繋がりました。どうぞ」

 

ホログラムが再度投影され、そこに彼が立っていた。

だがいつもと違うのは、纏う雰囲気。

 

約束を果たす、その決意を目に宿していた。

 

『……こうして話ができるようになったのはいい事だが、やはり顔は合わせ辛いようだ、スターシャ』

 

「アベルト……その姿は?」

 

『何、ただの艦長帽だよ。テロンから1つ拝借してきてガミラスに相応しく染めた物だが』

 

おかしい、「我が」ガミラスとは言わなかった。

国を離れて久しく、玉座を失ったからだろうか。

 

いや、そうではない。

この男は、もう王座にはこだわっていない、憑き物が落ちた様な顔をしている。

この男は、ガミラス民族存続のために、立場を問わず真っ直ぐに立ち向かう積もりだ。

 

『既に聞いているかもしれないが、私は今ゾル星系__テロンのある太陽系にいる。ガミラス民族の恒久的存続のための障害を撃ち滅ぼす為に、今はテロンのWILLEと手を組んでいる。ああ、そこの君……そうだ、君だ。ディッツ君のご令嬢と聞いているが、以降の話は今は他言無用で頼むよ。そのうち公開されるが、今は余計な混乱を起こしたくない』

 

「はっ!」

 

メルダの了承を聴き、デスラーはその口から真実を語り始めた。

ガミラス民族の抱える問題、そして自分が成した事の本当の理由は何なのか。

 

『ガミラス民族は、ガミラスのような特定環境下でなければ10年と生きられない。原因は不明だが、今は純ガミラス民族固有の体質問題となっている。そして、私が拡大政策を続けたのはサレザー恒星系やガミラス星と近似した星を求めたからだ。残念なことに、星の寿命が迫っているのだよ』

 

語られた真実にメルダは驚愕の色に染まるが、スターシャはどこか知っているような顔を見せる。

ガミラスの始まりの遥か前からあり続ける星、伝承にされる程の信仰と歴史を持つ星、そして「ガミラスと名を与えたとされる」星。

 

遥か昔1000年以上前の出来事、ガミラスを救済の代行者と定めたあの出来事が脳裏に甦る。

 

『君がテロンに渡したコスモリバースを使い、ガミラス星を蘇らせられるかと考えたが、寿命が差し迫る前を知る者など、もうこの世にはいない』

 

「……」

 

『この事はテロンの首脳陣も把握している。尤も、私ではなく甥が伝えたのだがね。この戦いが終わり情勢が落ち着いたら、私は移住先を求めてヒス君の政権の支援を受けながら放浪を行う。君の方が歴史もずっと長い。何か心当たりがあれば、ヒス君かユリーシャ姫に伝えて欲しい』

 

 

 

 

『最期になるかもしれない、だから伝えておこうかと思う。私は、君を愛している。君は、私の支えだった』

 

通信はそこで切断され、スターシャは顔を覆った。

イスカンダルの悪しき歴史__罪の歴史の最中に生まれたガミラス文明、スターシャはそれを知っている。

 

アベルトに伝えるべきだろうか。

 

知らない方が幸せだろうか。

 

「お姉様、彼らは……勝てるのでしょうか」

 

サーシャが不安げな顔で問う。

イスカンダルの力たる次元波動エンジンは、複製品ではあるが地球で量産された。

しかしその力はイスカンダル純正に及ばず、力の表層のみに終わっている。

 

今現在、イスカンダル純正波動コアを持つ艦艇は、2隻のみ。

 

いずれもツインドライヴ搭載艦で、無限の心臓を2つ備え一騎当千を成し得る力を沸き上がらせている。

 

1隻はAAAWunder。

イスカンダルへの旅路の最中に覚醒し、神殺しの船として目覚めたし奇跡の船。

亜空間回廊海戦で緊急的に起動させ、空間を引き裂きながらもその力を振るいデスラー砲すら弾き返した。

 

もう1隻はデウスーラ・エアレーズング。

当初は大型ゲシュ=タム・ドライヴ2つで稼働し、コアシップの純正コアでデスラー砲を充填する方式を取っていた。

しかし、数奇な縁に導かれ地球にたどり着き、嘗てビーメラにもたらされた純正波動コアと出会うことでツインドライヴを手に入れた。

その結果超巨大戦艦との決戦兵器の撃ち合いで拮抗状態に持ち込み、嘗ての敵と同じ力で競り勝ったのだ。

 

何の関係か、この2隻は元々神殺しの船として造られた4隻の姉妹の長女と次女だという。

NHG級と名を刻んだ彼女たちがこの戦いの鍵を握るが、このままではガトランティスを打ち倒せないだろう。

 

 

 

「私たちも、選択を迫られているのかも、しれませんね」

 

「陛下、それは一体……」

 

 

これを、今の彼らに託しても大丈夫なのだろうか。

もしかしたら、ガトランティスよりもさらに酷い事態を引き起こすかもしれない。

 

 

「地球は、背後の超巨大戦艦をアベルトとイザナミに任せる選択をした。アベルトは、地球か自らの命かどちらか選ぶ時に、デスラー砲で両方を勝ち取った。次は私、力を託すか託さないか」

 

 

________________

 

 

「……マジですか」

 

「解析結果を見る限りは。ビーメラコアの分解解析を再度行った結果、それらしき部分が見つかっている」

 

「リミッター、それもタウコアに持たせた表層的な力とは次元が違う何か。おおよその予測は?」

 

「出力増強、それ以上は見当もつかない。そもそも純正コア搭載艦が耐えられるものなのかどうか……で、何でそうしているんだい? いや、もう聞いても意味はないが一応聞いておこうかと思って」

 

理性と論理で染められる技術論議の真っただ中、リクはハルナに抱き着かれたままだった。

勿論、ハルナはハルナで聞いている。

ただ、後ろからリクに抱き着いてそのままの体勢で聞いているだけだ。

 

「本格的に戦闘に入ったらこうしてる暇ないんですよ。真田さん、良い人見つけて籍入れて下さい。私はまだかまだかとウズウズしているんですよ?」

 

「良い人? 良い人と言われてもな……生憎、結婚は考えていないんだ」

 

 

((新見さん新見さん新見さん新見さん新見さん新見さん新見さん新見さん新見さん新見さん新見さん新見さん新見さん新見さん新見さん新見さん新見さん新見さん新見さん新見さん新見さん))

 

 

特大の念を送ってもアンテナの立たない真田には届かない。

底が抜ける程深いため息をついて、リクとハルナは一旦この話題から離れ真面目な話に戻った。

 

「で、どうしたら解除できると思いますか?」

 

「イスカンダルでの直接解除か、遠隔解除くらいだろう。物理解除は波動コアの周辺が死の世界になるだろう」

 

「死の世界?!」

 

「除染不可能レベルの放射能汚染はまだ可愛い方だろう。余剰次元の無制限展開、空間裂傷、ガリラヤベース跡地がもう1つできあがるかもしれない。分解解析は空間的に隔離して行ったくらいだ」

 

「「うえっ、ダメですね」」

 

『まもなく、本艦はワープに入ります。太陽系到達まで、残り2回となります。艦載機搭乗員は、各自機体コンディションを確認し、太陽系到達後の突発的な戦闘に備えて下さい』

 

艦内の照明が薄暗くなり、一瞬平衡感覚が無くなるあの浮揚感が襲い掛かる。

人類史上初のワープでは酔いを起こしたリクも今では慣れた物だ。

1ナノ秒の知覚すらできない時間で800光年を飛び越え、ワープは終了した。

 

「イスカンダルへの問い合わせ、した方がいいんでしょうか?」

 

「もちろんする。我々は波動コアの基本機能の解析には成功したが、その先を知らなさ過ぎた。この大戦で必要になるなら、開示申請も出すべきだろう」

 

果たしてスターシャはそれを良しとするだろうか。

それは分からないが、ハルナは何となく分かっていた。

 

地球も、ガミラスも、デスラーも、選択をした。

背後を任せ、引き受け、両方を勝ち取る三者三様の結果はスターシャをも動かすだろう。

 

そして、それ以上に。

 

「私もスターシャさんも女だから分かりますよ?」

 

「??」

 

「こらそこ、『あれ? ハルナって女性だっけ?』って思わないで。ヤバい経歴してるけどちゃんと女です。それに……」

 

軽く茶化すと、スッと目線が柔らかくなり目元に確信が乗った。

 

「好きな人が覚悟決めたら、次は自分だって思うんですよ。スターシャさんの場合はデスラー艦長かな」

 

「女の勘?」

 

「Yeah」

 

「またアバウトな……」

 

「男の人には分かりません」

 

ふふんと得意げにするハルナは、今はどっしりと構えている。

いや、一種の諦めと言ってもいいだろう。

昏睡して、イスカンダルへ行って、結ばれたかと思ったら恋人が重傷で、宇宙引き裂いて、結婚したかと思えば第2世代艦で忙殺され、目を失って、綾波と暮らし、失いかけ、そうしたら夫が2万光年ほど飛び越えてきて、綾波を取り戻し、目まぐるしい。

 

もう色々あったから、最悪な事が起こっても絶望しない自信はあるぞ___といったところだろう。

 

「今回の戦争、イスカンダルは場外観戦かと思ったけど、全然そんなこと無さそうだね」

 

「ハルナの勘が正しかったら……いや、正しいから開示あるんじゃないか?」

 

「何を根拠に……」

 

「既婚者の勘です。今の真田さんには真似できません」

 

「変なところで自慢してるね君達……」

 

それでも、真田は勘という酷く曖昧なものを信じてみようと思った。

この関係ももう長い。

上司と部下、仕事仲間、公私でも絡みがあるので、人となりは分かっているつもりだ。

 

それに、ハルナの「女の勘」に合わせて「既婚者の勘」とそれっぽく名前を付けて援護射撃するリクは、「まぁ信じてみるか」と真田に思わせるには十分だ。

 

(スターシャさん、同じ女として信じますよ)

 

 

_______

 

 

 

吹き荒れる重力の竜巻はやがて凪ぎ、白色彗星は大きな足止めから解放された。

 

「白色彗星前進を開始、超重力砲による重力乱流の完全消滅を確認!」

 

「意外と早い……ッ!」

 

「まだだ。本隊の撃破の目処が立ち次第、波動砲艦艇は冥王星軌道に集結。一斉射による第一激を行う。デウスーラは本隊撃破の増援として送り込まれる」

 

「AAAWunderと同じツインドライヴ艦、嘗ての敵が同じ側につくとは……」

 

「デスラー艦長も同じ脅威と見て、地球で準備を進めていた。それに……」

 

奇妙な事だ。

嘗て2度も殺し合いをした姉妹がここに揃おうとしているのだ。

テレサが導く縁の力か、それとも。

 

「AAAWunderが繋いだ縁だ。それも、あの航海と人類の存続が無ければなし得なかった縁だ」

 

「そう思っておきます。今はそれで十分です!」

 

ヤマトの3連装主砲から一式弾が放たれ、堅牢な装甲を食い破り爆ぜた。

さらに両舷短魚雷、艦首魚雷、8連装ミサイル発射塔が順次発射し、絶え間ない誘導兵器の猛攻が加わる。

 

ミサトの的確な発射指示と装填タイミングを読み間違えない戦況観測は沖田のサポートでさらに向上し、地球の御旗は指揮所でありながら最前線で味方を鼓舞し夥しい戦果を挙げる。

 

 

「刀剣型来ます!」

 

「マグネトロンウェーブ照射、デブリ操作はじめ!」

 

沖田の仕込みがここで効く。

攻撃が止み始めたタイミングで爆雷投射機からプローブを射出しカラクルム級の残骸を制御下に置いていたのだ。

念力でも浴びたかのように残骸が移動し、ミサイルも青ざめるスピードでイーター1に激突した。

撃沈には遠く及ばないがたまらず姿勢を崩したその隙を逃さず、ミサトは反射で指示を出す。

 

「捉えてるわね!? 撃て!」

 

再び実弾が吐き出され、1発の一式弾が柄に突き刺さり爆発が柄と刃を引き千切った。

その破片がまた別のイーター1に降り注ぎ姿勢を崩し、一気に不安定になりカラクルム級に突き刺さった。

 

「濃度低下! 継ぎ足しますか?」

 

「このまま! 主砲を光学に切り替え、5速で前方超巨大空母を狙え! 着弾確認後、直ちに撹乱幕を継ぎ足せ!」

 

カラクルム級の群れの前方に布陣するアポカリクス級に、砲口が向く。

正面に指向可能な3基9門が光を灯し、限界まで収束された眩い光が溢れそうになる。

 

「撃て!」

 

鋭く研ぎ澄まされた9本の光の槍が放たれ、捻れ絡み1本の槍へと姿を変える。

しかし重力により狙いが僅かにずれ、アポカリクス級の甲板を深く切り裂くだけに終わり、手痛い反撃が返ってきた。

 

カラクルムにも搭載されていない破砕ビーム砲、無事な2門から放たれた応酬がヤマトの波動防壁を大きく揺らし、避弾経始圧を大きく削り取る。

 

さらにデスバテーターの群れが制空域を強引に突っ切り雨のようにミサイルを降らせる。

 

 

「対空!」

 

「ダメです! 捌き切れません!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『間に合え!!』

 

VSPSTの1速が嵐のように吹き荒れ、ミサイルの大半が消し飛ばされた。

さらにデスバテーターもついでとばかりに同じく消し飛ばし、蒼き翼が舞い降りた。

 

「識別確認! デウスーラ・エアレーズング!」

 

「デウスーラ・エアレーズング、そんな、まだ内惑星軌道にいるんじゃなかったの?!」

 

「だが現実にそこにいる。そしてこの戦場の最大戦力だ」

 

デウスーラ・エアレーズングから無数の機影が飛び出し、イーター1が()()()()()()()()()2つに割けた。

無限の心臓と翼を与えられた36柱が1機、ノウゼンの機体だ。

 

同じ単分子同士どちらが打ち勝つか、それを問うのはもはや愚問。

人類を守る36の星が意地を貫き通し、イーター1すら切り裂いたのだ。

 

 

『こちら、イザナミ級IM01。これよりアメノハバキリは、ガトランティス艦隊本隊の迎撃に加わる!』

 

各々が一騎当千、エースオブエース、粒子の尾を引く36の彗星は6つの部隊に分かれ、それぞれの戦場に躍り出る。

暴流の如き粒子ビームがゴストーク級を射抜き、単分子刀がカラクルム級を捌き、掌底部輻射波動が艦橋を泡立たせ爆ぜさせる。

 

対空砲火は彼らを捉えられない。

お前達とは違うのだと見せつける様に飛ぶ様は、まさに力の誇示。

 

ガトランティスには恐怖を、地球とガミラスには頼もしさを。

 

それに振るわされた地球とガミラスの士気は上がり、超兵器に負けて堪るかと砲火は熾烈を極め、彗星装備型震電は超高出力レールガンの力を存分に引き出し秒速1万キロの暴力の塊を叩きつけていく。

 

デウスーラ・エアレーズングは改修時に仕込まれたMeteorを使用し100隻以上をロックオン、VSPSTの眩い閃光と特殊球体砲塔が何もかもを吹き飛ばし、就役時点から存在感を放つ大量の魚雷発射管からFi-97型(ドルシーラ)魚雷が次々と吐き出され、波動掘削弾頭が盛大に爆発を起こし血祭りにあげていく。

 

 

ヤマトもMeteorを起動させマルチロックオンで敵艦を捉え、お返しとばかりに全ての火力を放つ。

さらに射線上からの退避命令を発し、その艦首の光を放った。

 

「波動砲、撃てェッ!!」

 

直列型ツインドライブの頑強な心臓が生み出すエネルギーが戦闘中の充填を可能とし、隙を見せずに暴力的な一撃を空間に捻じ込んだ。

カラクルム級の群れを大きくえぐり取る一撃が1本の光の槍となり、その余波に飛ばされ激突し、さらに爆炎が広がっていく。

 

 

「マジで戦略も艦列も無いな……数に任せた押し込み戦法、まるで雪崩だ」

 

 

更に援軍、太陽系外方向から大規模な空間の揺らぎが生まれ、長女たる彼女が現れた。

 

「ワープアウト、パターン青!」

 

「来たか!!」

 

「大規模な重力場の乱れを確認、ツインドライヴ稼働パターン検知、間違いありません! AAAWunderです!!」

 

______________

 

 

「ワープ終了!」

 

「やっぱりズレた! 邪魔だぞガトランティス!」

 

「ヤマトより電文。帰還ヲ歓迎スル、急ガレタシ」

 

「全艦隊に一斉通信! ヤマトとエアレーズングにも繋げ!」

 

「全艦隊に第1級優先通信! これより、AAAWunderは内惑星軌道への強行突破を行う!」

 

唸りを上げるツインドライヴの全てが機動力と波動防壁に振り分けられ、三式弾、魚雷、VLSが一斉に放たれまたもやカラクルム級の群れ100隻余りはなすすべなくデブリと化した。

 

 

戦闘艦橋の全周スクリーンに映るは赤き戦神イザナミ級、そして蒼き神殺しデウスーラ・エアレーズング、第2.5世代にして総旗艦のヤマトだ。

 

「イザナミ!? それにデウスーラもか!?」

 

「既に実戦稼働していたとは……ッ!」

 

「それだけヤバい状況だってことです。本当は白色彗星攻略用のやつで、最終調整にまだかかるはずなんです。デウスーラも艤装途中であと2割のはずなんですが……」

 

「でも超巨大戦艦を倒して戦列に加われてる。神殺し2隻、いけるよ!」

 

「ああそうだ、太陽系は超兵器祭りだからきっちり負けて頂く。一旦補給に向かうぞ。弾薬が心もとない」

 

「相原、艦隊に援護要請! 総員迎撃用意!」

 

「もう来てます! ヤマトより電文、これより作戦コード『メ号』を開始すると!」

 

「誰が考えたこの(やく)ネタァ!?」

 

メ号作戦の真実を当時から知る身としては突っ込みたくなるような作戦コードだ。

しかし、余りにも聞き馴染みのある作戦名は瞬時に自分の立ち位置を理解させてきた。

 

当時のメ号作戦は太陽系外からやって来る恒星間連絡船シェヘラザードを内惑星系に向かわせるための陽動作戦で、冥王星沖で多くの人命が支払われた。

 

 

つまり今回は、シェヘラザードがAAAWunder、地球最後の艦隊が第2世代艦艇群だ。

 

 

だが、第1世代とは違うのだ。

今の地球の力___第2世代艦艇は屈強なガーディアンだ。

 

「第1防衛艦隊、総旗艦艦隊が移動を開始。ガトランティス艦隊との反航戦に入りました!」

 

「相原、ヤマトから通信コードは受け取っているな?」

 

「あります。跳躍先は木星沖衛星群、ガリレオベルトです。太陽系全体が跳躍封鎖されているのでワープ管制を受けます!」

 

「急いでくれ。迎撃開始!」

 

反航戦を無視して追跡をかけるカラクルム級にはミサイルを、三式弾を捻じ込み黙らせ、AAAWunderは一気に加速していく。

 

 

敢えて反航戦を選択し囮として大きく立ち回る艦隊は、屈強な波動防壁でミサイルを受け止めながらゴストーク級を撃ち減らしていき、撹乱幕で何も出来ないカラクルム級もついでとばかりに撃ち抜いていく。

 

ゴストーク級は超巨大ミサイルを発射する機会を伺うが、切り込んだ震電に「艦首にそんなものを付けているなら遠慮なく撃ち抜かせてもらうぞ」と破壊されデブリが飛散する。

 

しかし地球側にも波動防壁を破られる艦艇が見られ、最大稼働状態のVPS装甲が受けとめるが数発後に被弾、貫通し姿勢を崩す。

しかしキルレシオ10:1を目指して造られ事実その通りになっている第2世代はユキカゼ型でも撃沈されにくく、最適化されたダメージコントロールが小破にとどめ戦列を支え続ける。

 

イザナミが単分子大刀をゴストーク級艦橋に突き立て大きく切り裂くと、爆発よりも速く飛び出し次に飛び乗り、切り、飛び乗り、切っていく。

増設された脚部が飛び回る120tの巨体を献身的に受け止め、同時に振り回されるビームブレイドが高密度のエネルギーで何もかも焼き切っていく。

 

さらに第2世代艦の甲板に陣取る震電は巨大な支援砲を構え、その砲身を人類の敵へと向けた。

03式220mm中隊支援電磁投射砲__彗星装備から枝分かれした中隊支援砲で、彗星装備のような追加装備無しで撃てる限界サイズの携行兵器だ。

取り付けられたバイポットが長大な砲身を支え、薬莢型キャパシタが取り付けられた特殊弾体を装填するこの対物ライフルじみた兵器は、震電の全長を優に超える。

 

ズダァンッッッ!!!

 

電磁パルスを撒き散らしながら放たれる徹甲榴弾は秒速6000キロで疾走し、超大型レールガンには劣るがゴストーク級を貫通、単純な運動エネルギーの暴力(野蛮呼ばわりされた実弾兵器)だけで1つ1つ撃沈していく。

コッキングレバーを引くと空になったキャパシタを薬莢さながらに吐き出し、吹き出す白煙が中隊支援砲を強制的に排熱させる。

 

再装填され再び引き金を引くと、キャパシタ内の全電力が一気に食い尽くされ強烈な磁界が生まれ即座に発射された。

 

また1つ吐き出し、敵艦が爆発した。

 

 

___________

 

 

地球

 

 

 

 

「作戦コード『メ号』の発動を確認。AAAWunder、太陽系に入りました」

 

「戦場を突っ切らせる事になるがあの時とは違う。あの時は非武装艦だが今回は人類史上最強の戦艦だ」

 

「ガリレオベルトに入渠次第、KREDITによる緊急メンテと弾薬の補給、オーバードウェポン010の連結作業を行う。準備させろ」

 

「了解しました!」

 

「関係各所との調整急げェ!! 地球からの物資輸送と010のトランスワーフ移送もだぞ!!」

 

慌ただしくも、それでも目的をまっすぐと定めて走り回る。

大食い艦の整備と補給にセットで決戦装備の持ち出しと、やることが一気に降ってくるが、的確に割り振りを行い迷いなく走り回っていく。

 

宇宙戦争は、ある一種の災害のようなものだ。

人の手で何とか食い止められる分希望はあるが、ヒト型生命の意思が絡む分余計にタチが悪い。

 

今も外惑星系で艦隊がその「災害」を食い止めているが、物量に物を言わせた雪崩はまだ衰えない。

有利な空間で戦い一方的な戦闘に持ち込めている艦隊も存在するが、何時まで持つか分からない。

 

 

「『アマノイワトヒラク』の打電を確認! 管制ワープによるガリレオベルト近海への到着を確認!」

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コレは、Avorionで遊んでいた男が技術チート付けられて宇宙戦艦ヤマト(リメイク版)の世界へ投げ込まれる話しである。▼「とりあえず、Avorionで作ってた5km級の戦艦作りたいな」▼宇宙戦艦ヤマトの世界に、Avorionで作った宇宙船を持って行ってオレツエーがやりたくて書きました。▼初作品の為お手柔らかにお願いします。


総合評価:1462/評価:8.3/連載:26話/更新日時:2026年05月09日(土) 23:26 小説情報

稲荷様は平穏に暮らしたい2199(作者:名無しのペロリスト)(原作:宇宙戦艦ヤマト)

この小説は、茶トラの猫先生の稲荷様は平穏に暮らしたいと宇宙戦艦ヤマト2199のクロスオーバーです。正史の日本とは大きく異なります。▼稲荷様の世界の未来が、宇宙戦艦ヤマト2199に繋がっていたらという二次創作です。▼宇宙戦艦ヤマトの解像度には全く自信がありません。▼稲荷様の解像度には、ちょっとだけ自信がありますん。


総合評価:1040/評価:8.54/完結:16話/更新日時:2026年01月30日(金) 12:00 小説情報

完璧で究極のアイドルがGI九冠バに転生しました(作者:雑穀ライス)(原作:推しの子)

アイドルグループ「B小町」の念願であるドームライブを目前にしてストーカーに刺されて死んでしまった星野アイ。▼しかし彼女はウマ娘が存在する世界でフサイチパンドラの娘、アーモンドアイとして新たに生を受けた。▼アイは前世では得ることの出来なかった母親からの愛情を受けてすくすくと育ち、同じくウマ娘としてカワカミプリンセスの娘に転生した星野ルビーと共にトゥインクルレー…


総合評価:342/評価:5.78/連載:47話/更新日時:2026年04月07日(火) 18:01 小説情報


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