オリ主が死んで周りが曇る話【新章開幕】   作:D.D.D_Official

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曇らせ要素は無いと言ったな、あれは嘘だ。

と言っても、ソムリエの皆様からすれば曇らせですら無いかも知れませんのでご了承ください。


はじめてのひとごろし

 

 

と、言うわけで。留雲借風真君に連れられてやって来ました、奥蔵山!

 

因みに、ここに来るまでに何回か死にかけた。いきなり崖を登らされるなんて聞いてねえよ。ふざけんな焼き鳥が…

 

「さて、先ずは貴様の実力を測るところから始めるぞ。丁度野党がここに来るだろう。戦ってみせよ」

 

「はあっ!?いきなり戦えって!?武器も無しにですか!」

 

「フン、我にはお前から溢れ出す荒々しいまでの力が見えておるぞ。お前が何を隠したいのかは知らぬが、出し惜しみをすれば死ぬぞ。ほれ、気張れ」

 

そう言うと、クソ鳥は僕を放って何処かへ消えてしまった。いい加減しろいい加減…!

 

「おっ!外須姉貴、あのガキ…中々に上玉ですぜ!こいつは高く売れそうだ!」

 

「そうだな、阿久。よし、襲おう!なぁに、売っ払う前に味見をしてやるのもアタイらの仕事ってもんよ!」

 

やべ、野党が来ちゃった。どうしよう…

相手は男が剣、女が槍の二人構成だ。どうにかして武器を奪わなきゃ。

 

「へへっ!あのガキビビってやがる!しゃあッ!喰らいなァ!」

 

男が突貫してくる。避けなければ…無理だ!避けれない!くっ、ここまでか!

 

いや待て、チートを使えば勝てるんじゃ無いか?うおおおっ!唸れ僕のチートパワー!何でもいいから武器を寄越せ!

 

「バラバラにっ!?カっ!?」

 

「…え?」

 

「阿久ゥゥゥ!!ガキコラァァァ!!!!」

 

なんだか分からないが、男に穴が開いた。

これは…水の弾を撃ったのか!よし、これが僕の力だ!

 

「剣は貰っていくよ、見知らぬモブ野郎。さぁ!反撃といこうか!」

 

「うるせえええ!!!カッコつけてんのも今のうちだ!喰らえ、狼牙流槍術…一の型!」

 

大技が来そうなので水弾を飛ばす。

 

「【餓狼天りゅ】…ぐぁっ!?貴様、卑怯な!」

 

「黙れ野党風情が!僕に急に襲って来たくせに卑怯とか使うなモブが!【水弾雨】ッ!」

 

水弾を雨の様に撃ち込む。女は槍で幾らか防いでいた様だが、僕のチート能力の前には手も足も出ないようで、水弾の破片が女をズタズタにしていく。

 

「ぐっ!ぎっ!ああああ!!!」

 

今だ。僕は女の後ろに回り込んで剣で心臓辺りを突き刺す。

 

「ッ!?ゲボッ!!?お、のれ…!」

 

女はこちらを向くと、虚な目で僕を睨みながら血溜まりに沈んだ。

 

死んだ…のか。僕が、殺したんだよな。

あぁ、この…感触は。

 

 

どうしようもなく、愉しい。

 

愉快で仕方ない。だってそうだろう?格下だと思ってた餓鬼一人に部下を殺され、挙句の果てに圧倒的な力の前に屈する前に戦士の恥を受けて死ぬ。

 

なんて愉しいんだろう。なんて甘美な体験だろう。

この笑みは、暫く隠せそうに無いな。

 

キヒッ、キヒヒヒッ!…おっと、気持ち悪い笑い声が漏れてしまった。あのクソ鳥の前なんだ。少しは隠す努力をしなくちゃな。

 

 

◆◆◆◆◆

 

(留雲借風真君視点)

 

初めて彼奴を見た時、我は歓喜に打ち震えた。

 

ここまでの才能を持つ人の子がいるのか、と。天権から話を持ち掛けられた折には半信半疑であったが、我の中で彼奴を必ず護法夜叉を超える戦士にしてやろうと思った。

 

隠そうにも隠しきれてない程強大な力が人間に向けられた時、どうなるのか見てみたかった。

 

だから、我は野党を嗾けてみる事にした。本来は奥蔵山に野党を招き入れるなど言語道断だが我の興味心の前には何事も些事。

 

ワクワクしながら事の顛末を見守っていた時、彼奴…ロイから一瞬、岩王帝君のそれに類する力を感じた。天権が宣っていた「神の子」というのは強ち間違いでは無いのかも知れぬ。

 

次の瞬間、ロイに襲い掛かろうとしていた男に大きな穴が開いた。成程、水の弾を撃ったのか。であればロイは水元素の神の目を手に入れたのだな。

 

女が吠えるも、ロイの水弾の前にはなす術無しか。あの女は割と良い槍の使い手と見たが、それすら児戯のように扱うか。

 

女を殺したロイが、下を向き震えている。そうか、如何に強いと言えどもロイはまだ子供。流石に人の死を見るは堪えるか…?

 

否、違う。奴は喜んでおる。その事実に我は再び歓喜に打ち震えた。そうだ、その意気だ。

 

お前には夜叉を超えし悪魔、修羅こそ相応しい。

 

若干のニヤつきを抑えきれずロイの前に降り立つと、ロイが弁解して来た。

 

「ち、違うんです!僕は…他人の不幸を見て喜んでなんて…」

 

「うむ、わかっておる。お前は人を殺す事に快楽を見出したのであろう?我にはわかっておる。お主、この快楽をもっと得たくは無いか?」

 

「………えっ」

 

「困惑する心も解る。だが、お前には修羅こそ相応しい…お主の訓練の話じゃが、我が想定していたモノより更に実践的なモノを用意しようぞ!」

 

そう宣言すると、ロイは顔を引き攣らせながら半笑いで「やっちまったなぁ…」と言っていた。

 

期待せよ、天権よ。お前が望むより遥かに強い戦士に鍛え上げてやろうぞ。

 

 

我はこれからを思い、ほくそ笑んだ。




璃月修行編はほぼ全編平和です(大嘘)。

どれが見たい?

  • 魔神戦争で沢山愉悦!
  • カーンルイア動乱でどさくさに紛れて愉悦!
  • モンド戦役でアビスとの熾烈な闘争!
  • 璃月山中で仙人組と刻晴と戯れる!
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