オリ主が死んで周りが曇る話【新章開幕】 作:D.D.D_Official
修行を始めて一週間経った。
1日目で期待して、2日目で絶望して、3日後にはもう辞めたくなっていた。
イカれてるとしか思えないハードな修行内容…具体的には、全方位から降り注ぐ刃を無傷で避け続けるのを4時間。一度でも被弾すればもう一回初めから。とか、半日ぶっ続けで走って崖上りとか。
この体が優秀で良かったと心底から思ったね、あれは。だけど、修行のお陰で並大抵の攻撃は当たらないしほぼ無限に走り続けられるようになった。
あと、全体的にひょろっとしていた僕の体は全体的にがっしりしてきた。クソ鳥の作る飯は美味いので、つい食べ過ぎてしまう。これで美少女なら言うことなしなんだけどね。
さて。今日僕はクソ鳥に呼び出されている。何をするんだろうか?油まみれの柱を登らされるとか?
「来たか、我が弟子。今日は少し趣向を変えて手合わせだ。申鶴、出てこい」
「あぁ…確かに、強者の気配を感じる。我が破壊しなければ良いが…」
うそ、申鶴と戦わされるの?僕の武器は剣、申鶴は槍だ。リーチが違う…それに、元素力の扱いにも差があるだろう。【水王顕現】をフルで使えば当然勝つだろうが、一度クソ鳥に使った瞬間に気絶した。多分、一度に解放できる許容量を超えてしまったんだろう。鍛錬を重ねるほど許容量は増しているから、いずれフルパワーでクソ鳥を焼き鳥にしてやる。
「両者、構えよ」
おっと、始まるのか。新しい技も考えついた事だし、自分に出来る最大限を出しながら勝利しよう!
「留雲借風真君が弟子、申鶴…参る!」
「留雲借風真君が弟子ロイ、参るッ!」
僕と申鶴の間に心地よい緊張感が流れる。お互いに互いを意識し合いながら、合図を待つ。
「初めっ!」
申鶴が先に動き出す。やはり動き出しは相手に長があるか。槍の連撃を剣で弾く。弾く度に剣が欠けていく。野党の剣じゃこの程度か!
「ああもう!武器の性能が違うんだよっ!【水弾】!」
「知らぬ…それは貴様の慢心であろう」
渾身の水弾が軽々消し飛ばされる。今の実力だとこんなものか。全く、勝ち目が見えてこない。
「うるさいなっ!わかってんだよッ!【水弾雨】ッ!」
細く多くを実現した水弾雨で乱れ打ちする。だが、申鶴はこれをも防ぐ。嘘だろ?あれ人間なら蜂の巣になっててもおかしくは無いんだけど…?
「この程度か…笑止。我の力を使うまでも無し」
そういうと、申鶴は僕の方に接近して来て
次の瞬間、僕の意識は途絶えた。
◆◆◆◆◆
(申鶴視点)
あれはそう、我が山の上にて瞑想を行なっていた時の事…我が師、留雲借風真君がやって来て、いの一番に
「我が弟子、申鶴よ。この度我は新たな弟子を取った。その者は中々に見込みのある者でな。今代の修羅にする予定の者じゃ」
「修羅と?恐れながら我が師よ、気は確かですか?以前の修羅は強さに飲まれ自滅してしまったでは無いですか。その際我が師は『二度と修羅など造らん。時間の無駄だ』と仰っておられたではありませぬか」
「うむ、確かに我はそう言った。しかしだな、申鶴よ。次代の修羅候補は神の座に手を掛けんばかりの才能に溢れておる。それに、奴自身にはまだ隠された力が残っていると踏んでおる。故に貴様じゃ、申鶴。生粋の羅刹である貴様ならば奴に修羅の何たるかを教えられるのでは無いか?」
ふむ、我は羅刹から抜け出す為に修行をしているというのにこの師はそれをも忘れているらしい。その新しい弟子というのはそこまでなのか。少し妬けてくる。
その次代の修羅をどのように痛めつけるか考えていた頃、遠くで恐ろしく強い力の波動を感じた。まさか、コレが次代の修羅だというのか?コレは最早修羅の域に留まる物では無かろう。
コレは確実に魔神へと至るだろう。何故なら以前見かけた岩王帝君の力よりも上位の気配だったからだ。これなら我相手でも善戦、若しくは打倒すらしてくれるだろう。
そして決闘の日、その者はひょこっと現れた。
だいぶ抑えているようだがそれでも溢れ出る力の波動。思わず笑みが溢れてしまう。
我が師より決闘を伝えられた時、その者は大層驚いているようだった。恐らくは決闘の事を微塵も伝えられていなかったのだろう。
互いに名乗りを交わす。その者はロイという名らしい。ロイ、ロイ、ロイ…覚えたぞ。
ロイは渋々と言った様子で剣を抜く。それと同時に我の中で怒りが溢れ出した。なんだ、その剣は。随分と使い古された程度の低い剣だ。
そのような鈍で我を打倒できると思うてか。許せぬと思い突貫。高速の突きで奴を串刺しにせねば気が済まぬ。
だが、意外にも剣の腕はあるようで我の攻撃を全て弾いていた。それ故に、惜しい。何故ロイは強い武器を持たぬのか。
もしや、我が師が武器を与え忘れていたのでは?
そんな事を考え、いやいやと心中でかぶりを振る。仙人がよもやその様な失態を犯すはずもない。
ロイの剣を折ってやると、突然ロイから力がどっと溢れ出してくる。だが、以前見たような凄まじい力では無い。意図的に抑えているのか?
「ああもう!武器の性能が違うんだよッ!【水弾】!」
「知らぬ…それは貴様の慢心であろう」
眼前に水の塊が飛んでくる。だが遅い。この程度で我は止められぬ。と思ったら、連続で水弾を撃ち込んできた。すぐに弾くと、ロイの力が更に高まるのを感じた。
「うるさいなっ!分かってんだよッ!【水弾雨】ッ!」
先程の水弾よりも細かく量の多い水弾が我に降り注ぐ。だが、これも我は弾く。何発か掠りかけて流石に焦る。
信じられないものを見る目で我を見るロイ。油断したな。
「この程度か…笑止。我の力を使うまでも無し」
ロイへ将来の期待を込めて我の乏しい語彙で煽る。そして、ロイの首を強打し意識を落とす。
「ご苦労だったな、申鶴よ。中々に良い物が見れた」
「我が師よ、ありがとうございます。ところで、何故ロイに強力な武具を与えていなかったのですか?それさえあればロイは我に一矢報いていたでしょう」
そうだ、これを聞かねば。実際、ロイと戦っている最中ロイが武器を持っていればと思う場面は多々あった。故に訳を聞かねばならぬ。
「あー…そう、だな。ロイには最強の修羅になってほしいからな!ほれ、『修羅は徒手にて死せず』と言うだろう?それだ。我はそれを目指していた。事実、ロイは武器が無くとも中々上手くやれていたではないか!」
「ですがロイは我に負けました。もしやとは思いますが、師の怠慢なのでは?」
「そっ!そんな筈がある訳無いだろう!貴様、仙人を疑うのか!?」
やけに歯切れの悪い回答をする留雲借風真君に半ば幻滅しながらロイの介抱を行う。そういえば、風の噂で俗世では『ひざまくら』なる文化が流行っているのだとか。どれ、ここは一つ俗世風の事をしてみようか。
我はそれを生暖かい目で見る留雲借風真君を傍目に見ながら瞑想を始めた。
仙人ってどこかポンが入ってそう(偏見)
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魔神戦争で沢山愉悦!
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カーンルイア動乱でどさくさに紛れて愉悦!
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モンド戦役でアビスとの熾烈な闘争!
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璃月山中で仙人組と刻晴と戯れる!