オリ主が死んで周りが曇る話【新章開幕】 作:D.D.D_Official
料理対決を終え、僕は普段の任務生活に戻っていた。あいも変わらず刻晴と合同での殲滅任務だ。まぁ刻晴と一緒にいれるから良いんだけどね。
ここ最近の日課として、往生堂に行く事にしている。葬式を見て悲しむ人々の顔を見ればメンタル強化に繋がると思ったからだ。
しかし、それもうまい効果が出ているかと聞かれたら答えは"否"だろう。どうしても、心の奥底で人の悲しそうな顔を愉しんでしまう。某神拳の最終奥義は「哀しみを識る」事が重要だったから、それを摂取したいんだけどね。
やっぱり、世紀末覇王みたいに自分の手で大事な人を殺すしか無いのかな。でもなあ、名前も知らないようなモブはともかくネームドキャラを殺すとなると、原作展開にどんな影響があるかわからないなぁ。
それに、璃月が基本的に商人の国だから人との密接な関係は築きづらい。一線を引いて皆過ごしているからね。中々そこに踏み込むのは難しいんだ。そんな訳で、哀しみを知るべく僕は鍾離先生の所に来ていた。
「鍾離先生、哀しみって何でしょうね」
「……なぜ俺に聞くんだ」
「前に僕は貴方に人の心を知りたいと言ったじゃないですか。その事で悩んでいまして。どうやら僕は根っから人の苦しみを理解することは出来ないみたいなんです」
「ほう。修羅が何を言い出すかと思えばそんな決まりきった事か。貴様が人間の心を理解出来ないことなど当然だろう。何故ならば貴様は修羅だ。人間ではない。それ故人間の心を理解しようなどと言う事は全くもって無駄という事だ」
酷い言い草だ。まるで僕が修羅みたいな。僕は悪人ではあっても人間の範疇には収まってるはずだ。僕が修羅なら申鶴はどうなんだ?アレこそ羅刹に相応しいだろう。
「無駄、ですか…これは手厳しい。これでも一応人間のつもりなんですがね」
「笑止。貴様は元より真面な部類の生物ではあるまい。そこまで俺より上位者の気配を漂わせておいて普通の人間だと?馬鹿にするな。貴様からは恐らくだが世界そのものの加護を感じる。そこから生じる貴様の無意識的な見下す意志がある限りは貴様は人間にはなれん」
へえ、そうだったのか。あの神様、魔神の1人とかじゃなくてマジモンの神様…要するに世界そのものだったわけか。凄いな。
「そう、ですか…ありがとうございます。鍾離先生、僕は人間になってみせます。では」
そう言って僕は往生堂を出る。
璃月は僕が出現し、育った土地だ。だから自分より強い存在がそうそういない事を既に知っている。まだ見ぬ場所に行けば、僕も人の心がわかるようになるかもしれないね。
「あっ、ロイさん!今日は葬儀を見て行かないの?」
「もう見るのは止めにするよ。悪いね胡桃、僕は璃月を去る事にしたんだ」
「ええっ!?本当?どうして?」
「修行の為…と言えば聞こえは良いけど、本質は違うね。僕自身の怖いものをなくす為さ。僕は決して光に生きる者では無いからね。璃月は少し…眩しすぎる」
「ふぅん、そっか。ま、どうせすぐに帰ってくるでしょ?それまで往生堂の客室は開けておくから、いつでも帰ってきてね」
「はは、ありがとう胡桃。それじゃあ、またね」
なんだかんだで長く滞在した璃月ともこれでお別れだ。璃月には合計で3年と5ヶ月程いた事になるね。多少名残惜しいけど、これも修行の為だ。
さ、気を取り替えて行こう!次はどこに行こうかな?ここから近いのはモンドとスメールだ。未知を知りにスメールに行っても良いけど…やめておこう。
僕の知らない魔神がいたら殺されかねない。もう少し強くなったらだね。
となるとモンドだ。風の翼は持ってないしそもそも後ろ盾もいないから不安だけど。まぁ璃月の山地で生きてこられたんだ。余裕だろう。
あぁでも、楽しみだなあ生モンド!
少し寂しかった僕の心は石門を超えたあたりから霧散し、次なる土地への期待しか僕には無かった。
璃月で書くことが無くなりました。この後はロイが去った後のキャラの反応を投稿した後、モンド戦記編に移行します。
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カーンルイア動乱(主人公はロキ)
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璃月七不思議、黒い剣士の謎
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転生したらアビスだった件