オリ主が死んで周りが曇る話【新章開幕】 作:D.D.D_Official
目の前で光の粒子となって崩れていくウリエル。
勝ったんだ。私達。
「勝った、勝ったよ……リレア。私、リレアを殺した奴に勝ったんだよ」
しかし、素直に喜べる勝利ではなかった。
この勝利は余りにも、悲しい勝利だった。
「天理…私は、お前を許さない。私からリレアを奪ったお前を。空くんから蛍ちゃんを引き離して、自分は世界の管理者気取り。ふざけるな。人間の世界は人間の物だ。下らないシステムなんかの為に滅ぼすのか。断じて、断じて許さない」
「ヘウリス様……このウォレアス、この命果てるまでお供いたします」
「命果てるなんて言わないでよ。ずっと、一緒に居てよ」
「………………これは、ワシが望んだ関係に…しかし、このような、人の死を利用するなどっ…!」
何やら葛藤しているウォレアスを他所に、私は玉座へと向かう。空くんが安置されている場所へ。
障壁は消え、空くんが目を覚まそうとしている。
私は首を垂れて、目覚めを待つ。
「………ここは…蛍、どこだ…今、兄ちゃんが…」
「お目覚めですか。王子様」
空くんの視線がこっちを向く。やはり美しい。
完璧を完全に表現したかのような躰は、私を見据えている。
「キミは…もしや原初の魔女、ヘウリスか?どうしてここに?そうだ、おれの妹を知らないか?おれと似ている容姿で、白い服を着た女の子なんだが…」
「私は、貴方様のお目覚めをお待ちしておりました。妹様については、申し訳ございませんが見つかっておらず…」
「くそっ…天理め…!ああ、すまないヘウリス。そして…ウォレアス!?キミは、ウォレアスか!?」
何やらウォレアスを見て凄くビックリしている。知り合いなんだろうか?いや、知り合いだから私に助けを求めに来たんだろうから。
「おお…陛下。お久しぶりですな…!再会を喜び合いたい所ではあるのですが、今はそのような場合ではないのです。天理によって、ワシとヘウリス様の友人でもあり仲間であった星見の魔女リレア殿が殺害されたのです」
「天理…っ!アイツは、おれからだけじゃなく、この世界の人々からも大切なものを奪うのか…!」
「王子様、私と、私達と共に、天理を討ちませんか?その為に、まず七神の治める国々を滅ぼさなければなりませんが…」
「やろう。ヘウリス、ウォレアス、協力してくれるね?」
「「はっ!」」
それから、玉座の奥にあった地上へ向かう門を破壊して、外の世界へ出た。
「ここは……モンド、かな?」
「恐らく………ですが、何か様子が変ですな」
とうとう始まりの地モンドにやってきた私達だったけど、何やらモンドの雰囲気が全体的に暗く、澱んどいるように感じた。
「これはもしや。レインドットの小僧の魔獣の仕業では?あやつめはこの手の事は得意としてますから」
「ここは一度退いて、状況を整理……」
「待ってくれ!」
急に遠くから声をかけられた。
うん?誰だ…?どこかで見た事があるような…あれ、もしかして。ダインスレイヴじゃね?
すっかり憔悴し切っててわからなかったけど、あれは確かにダインスレイヴだ。
「ダイン!良かった、生きていたんだな!」
「空…!俺も、会えて、嬉しい…すまないが、そこの貴婦人。水をくれないか?」
「え、ええ。良いよ。『カモン、飲み水』…はい、どうぞ…」
「感謝する。んぐっ、ごくっ…プハァ…!53年振りの水だ…!美味い、美味い…!」
えぇ…いくら死ねないからとはいえ、それは流石に辛いだろ…。カーンルイア人なら魔法ぐらい使えるってウォレアスが言ってたの、間違いだったり?
「ご馳走様だ。ああすまない貴婦人よ、俺はダインスレイヴ。『末光の剣』のダインスレイヴだ。ウォレアス老が敬意を払っている所を見るに、恐らく貴女は魔女ヘウリスなのだろう?」
一瞬で見抜かれた。皆よく気づけるよね。
というか、偉い人はみんな知ってるのかな?
「ダイン、おれたちは今から地底世界へ一度戻ろうと思う。お前はどうするんだ?」
「俺も行こう。俺に良い計画がある。話しながら説明しよう」
そして地底世界へ戻った私達。
その途中でダインスレイヴが話してくれた計画内容は、“アビス教団”の設置についてだった。
空くんのカリスマパワーはどうやらアビスの怪物を従える効果を持っていて、その力で地底世界を掌握。その後私の力で最も地底世界と地上との厚さが薄い場所を攻撃して一気に地上へ攻め込み一つの国を滅ぼし、そのまま流れで他の国々も潰して行くと言うもの。
なるほどなぁ。私ならもっと短絡的に詠唱打ちまくって滅ぼすんだけどなぁ。
因みにそれを言ったらダインスレイヴに「七神は強いからお前じゃ無理」的な事を言われた。地味に傷つく。
まぁ、どうあれ七神の国は全て滅ぼす。
そして天理に…復讐をする。
これだけはブレないからね。
その為なら、どんな手段でも使ってみせる。
用語解説 魔女の聖水
原初の魔女ヘウリスの創った水。
体力と精神力を大幅に回復する。腐敗する事は絶対に無い。
現代でも残っているが、一部の好事家が謎の用途で使用しているらしい。
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カーンルイア動乱(主人公はロキ)
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璃月七不思議、黒い剣士の謎
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転生したらアビスだった件