オリ主が死んで周りが曇る話【新章開幕】   作:D.D.D_Official

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原神ファンの皆様ごめんなさい


玉衝の喪心

 

そいつは初めから胡散臭い奴だった。

 

ずっと優しそうな笑みを浮かべながら私に優しい言葉をぶつけてくる。

 

私が何か言う度にその紅い目を愉快そうに歪めるのが嫌だった。

 

私が何かする度に「偉いね」と言って頭を撫でてくるのが…嫌だった。

 

私だって、一人でやれる。

そんな子供みたいに構わないで。

 

そう言ったら、そいつはいつも通りの笑みを浮かべながら

 

「そうかい?なら、僕は遠くで見守っている事にするよ。刻晴?」

 

余裕だと思った。

けどそれは、私の未熟さの証だった。

 

私に与えられた任務はヒルチャール集落の殲滅。

いつもなら余裕の筈だった。

 

でも、その時は認められようと必死になっていた。だから油断した。

 

ふと、私の背後に大きな影が差した。

 

ヒルチャール暴徒だ。まずい。避けれない。当たれば致命傷は免れない。

 

思わず目を瞑る。だが一向に衝撃はやってこない。

 

目を開けると、そこには紅い目の胡散臭いロイが…

 

「大丈夫かい刻晴…?いいかい、もっと誰かに認められたいなら…周りの人達をもっと頼ると良い。きっとその人達は刻晴を助けてくれるさ」

 

ヒルチャール暴徒を一刀でバラバラにしたロイは、月を背景に私へ微笑んでいた。

 

 

それが、私のロイに対する1番興味深い思い出。

 

「はぁ…今頃何してるのかしら…ロイ…」

 

そうだ。良い事を思いついた。今度秘密で璃月への招待状を送ってあげようか。きっと来てくれるだろう。最近は仕事ばかりだったし、人を呼ぶくらいは許されても良いだろう。

 

「刻晴様!刻晴様は居られるか!」

 

「空いているわ。入ってきなさい」

 

そう言うと執務室に部下である藻武が入ってくる。

 

「それで、どんな用事かしら?新しい仕事?目に付く問題はあらかた片付けたと思ったのだけれど」

 

「はっ!それがですね、無妄の丘付近で大規模戦闘があった形跡がありまして。それについての対応と真相解明を依頼したく存じます!何卒、よろしくお願いします!」

 

ふむ、無妄の丘に強大な魔物でも出たのかしら?

あそこには強い魔物が出る兆候すら無かったのだけれど。

 

「わかったわ。直ぐに行く。時間は有限だもの…」

 

「ありがとうございます!刻晴様!護衛は連れて行かれますか?」

 

「いいわ…と言いたい所だけど。何人かの腕利きを集めて玉京台へ連れてきなさい」

 

「はっ!」

 

私はもう油断しないわよ。

 

 

 

半刻後、藻武が五名の兵士を連れてやって来た。

 

「さ、行くわよ!」

 

「「「「「「はっ!」」」」」」

 

移動後…

 

…さて。ここが無妄の丘ね…大きなクレーターがあるわ…

 

やはり、ここで大規模戦闘があったのは間違いないようね。

 

「藻武、坐湖、香洲!サンプルをとっておきなさい!」

 

「「「はっ!」」」

 

この事件に関しての目撃者がいないか調べてみましょう。聞き込み調査よ!

 

調べによると、茶髪の長躯の男と往生堂の堂主と万民堂の娘が出て行ったのを見たらしいわね。

 

…それって、鐘離先生と胡桃と香菱じゃない?

胡桃は兎も角として、香菱は何用かしら…?調べてみる必要がありそうね。

 

というわけで。

 

「胡桃、いる?少し聞きたい事があるのだけれど」

 

「はいはーい、今日は随分と沢山お客さんが来るねぇ」

 

「あぁ、違うわ胡桃。私は先程起こった無妄の丘での大規模戦闘について調べているの。付近の修行者からの情報で、貴女と鍾離先生と香菱が爆発音の後無妄の丘から出てきたっていう証言があるのよ。説明してもらえるかしら?」

 

「うん?ああ!いいとも!私達はね、ロイさんの魂を弔ってたんだよ」

 

「はっ?よ、よく聞こえなかったわ胡桃…もう一度、言ってもらえるかしら…」

 

「うん、だから…死んじゃったロイさんの魂が怨霊化しない為に弔ってたんだよ」

 

いや そんなこと あるわけ

 

「胡桃、冗談が上手くなったわね…そんな嘘に騙されないわよ…」

 

「嘘じゃないって!なんなら鍾離先生にも聞いてみる?」

 

「ねぇ…嘘なんでしょう?嘘だと言ってよ胡桃!」

 

嘘だ。嘘に決まってる。ロイが死ぬなんて嘘だ。

 

「私が人の生き死にが関わる事で嘘はつかないよ!モンドにロイさんのお墓があるみたいだから行ってみたら?仲良かったでしょ?」

 

これは夢だ。

 

悪い…夢だ…。

 

夢の中で死ねば…目覚めるかな。

 

「ッ!?刻晴!やめて!そんな事しても何にもならない!」

 

「離して!止めないで!もう嫌なの!目覚めたいの!嫌!嫌ぁぁぁぁ!!!!」

 

「ちょっ!強っ!?鍾離先生!刻晴落とすの手伝ってぇ!」

 

「わかった」

 

「これは夢よ…悪い夢よ……うっ」

 

そうして私は、意識を失った。

 

 

◆◆◆◆◆

 

(ロイ視点)

 

うっひょ〜〜〜〜!

 

3年ぐらいかけて関係を築いただけはあって、いい暴れっぷりでしたねぇ〜!

 

まさか死のうとするなんて!予想だにしなかった!

 

ふむ…目覚めた時が楽しみですねぇ…

 

おっ、どうやら目覚めたみたいですね。

早速様子を見てみましょう…!

 

「…ぅ…ぁ…ここ…は…?」

 

「ようやく目覚めた。刻晴、少しは落ち着いた?」

 

「ぁ…そっか…もう…ロイは…いないんだよね…」

 

「刻晴…」

 

「あは、あははは…フフフ…あはははっ!」

 

「刻晴!?どうしたの!ッ!?なんて顔をしてるの!そんな顔、まるで…」

 

「言うな胡堂主。玉衝の心はもう砕けたのだ。そっとしてやれ」

 

うおおおおおおおおおおおおおおおおおお

 

まさかのハートブレイクですかぁぁぁぁ!!!

 

見ろよこの顔、綺麗だろ?死んでるんだぜ?心。

 

うーん!万点!これで僕が姿を現したら…クフッ

 

その内…種明かしをするか。刻晴だけに…ね。

 

だから待っていてくれ。僕だけの刻晴。

オリキャラ追加しても良いですか?

  • いいよ!幸せにするならね!
  • いいよ!曇らせるならね!
  • ダメだよ!今のままがいいな!
  • ダメだよ!すぐ死ぬならいいよ!
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