Z/Xの世界で生き延びる!   作:よーと

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 私の好きな武器は『バールのような物』と『バール』です。
 ナイフもAKも刀も好きですけど、やっぱりバールが一番好きです。
 そんなわけで今日も『Z/Xの世界で生き延びる!』始まりまーす!


91話「キモオタと武器オタ」

 「あっ、戻って来ました!」

 

 工房のある町に近づいた時、こだちが指で指して言った。

 あれから時間結構経ったしな、心配させちゃったか。

 こだちの周りには武装を済ませたマイスターやブレイバー、そしてアリス達三人の姿があった。

 俺達の周りに野次馬たちも集まる。

 

 「大丈夫ですか!?

  帰りが遅かったから心配しましたよ」

 「ああ、悪い」

 「なあ集、ボロボロだけど何があったんだ?」

 

 スコルから降り、体についた汚れを落としながら答える。

 

 「ちょっとギガンティックに襲われちゃってさ」

 「じゃあさっきの地鳴りはもしかして……」

 「そう、ギガンティックだよ。

  いやー、参ったね。

  さすがに数が多くて逃げるしかなかった」

 

 おどけて見せるけど、実際かなりヤバかったと思う。

 少し休んだらクリムゾンハートを助けに行かないとあいつもヤバいだろう。

 

 「集、やっぱり集じゃないか!」

 「ん?

  ……お前……もしかして凌士(りょうじ)か?」

 「そうだよ、やっぱり集も来てたのか。

  それで、大丈夫だったのか!?」

 「この通り、なんともないよ」

 

 人混みを掻きわけ出てきたのは、元の世界でクラスメイトだった岡田凌士だった。

 オタクで背が低くて小太りで早口な奴だ。

 あれでもこいつ……。

 

 「お前、痩せたか?」

 「久々に会ったのにそれかよ!

  いやまあ痩せたけどさ。

  それより何があったんだ?

  それに集は他のみんなに……てゆうかどうしてここに。

  ああ、それよりも……」

 「待て待て、いっぺんに聞くな」

 「ハア…ハア…そうだね。

  じゃあうちに来なよ、そこでゆっくり話そう」

 「え?

  何お前、高校生の分際で自分の家持ってるの?」

 「おれにもいろいろあったんだよ……。

  まあ、ついてきなよ」

 

 トテトテと痩せたといってもまだ出ている腹を揺らしながら小走りで移動する凌士について行く。

 ついて行くのは俺だけだ。

 元の世界の事とかあるからな。

 案内されたのは工房からすこし離れた所にあるアパートだった。 

 

 「はい、ここがおれの家だよ。

  そこら辺に座ってて、今お茶出すから」

 「悪いな。

  ……ふーん、結構片付いてるんだな。

  それに……これってナイフ?」

 「粗茶ですが。

  そうだよ、おれ今ここで鍛冶の修行やってるんだ」

 「へえ、なんでまた」

 「そこだよ、まったく聞いてくれ!」

 「お、おう」

 

 いきなりでかい声出しやがって。

 

 「ほら、集もたぶん一緒だろうけど、光ったと思ったらこの世界に来ただろ?

  それで気づいたらおれはこの町にいたんだ。

  いろいろ説明省くけど、生きてくためにマイスターの仕事を手伝ってるんだ。

  まったく……見たいアニメも積みゲーもまだまだたんまりあるっていうのに……。

  ああ、早く元の世界に帰りたいお」

 「へー、そうなんだー」

 「なんで興味なさそうな返事なんだよっ!

  まあいいや、次は集だね」

 「あいよ。

  俺は―――」

 

 簡単に今までの事とさっきのギガンティックと青年の事を説明した。

 

 「はーん、おれたち以外のも転移者がいて、神様がチート能力くれるのか……。

  ごめん、おれチート持ってます、すいません」

 「は?

  もしかしてお前も使徒なの!?」

 「俺の場合使徒じゃなくて代行者だったけどね。

  たぶん内容は一緒だろうね。

  で、なった理由だけど……その……怒らない?」

 「怒らない怒らない」

 「そのさ、あの世界のアニメとゲームをこっちに持ってこれるのうりょ…グヘ!」

 「バッキャロー!

  そんなんだからいつまでもキモオタって言われるんだよ!」

 「だ、だからって殴ることないじゃないか……。

  ほら、『一週間フレンズ』と『それでも世界は美しい』、それに『魔法科高校の劣等生』と『ブラック・ブレット』全話」

 「あ、これはどうも。

  ……ってそうじゃない!」

 「あ、こっちか。

  はい『天元突破グレンラガン』Blu-ray BOX完全生産限定版」

 「あ、これ前から見たかったんだよね。

  …じゃなくて」

 「じゃあブロッコリーから発売されてる『神々の遊び』を…」

 「そおい!」

 「ああ、なんてことするんだ!」

 「少女漫画は好きだけど、女性向け恋愛ゲームなんざしねぇんだよ!」

 「oh…ジーザス」

 

 アニメは全部ありがたく貰うとして、こいつがどんな仕事を引き受けたのか知らないことには動きづらくてしょうがない。

 

 「で?

  お前はどんな仕事引き受けたんだ?」

 「うーんとね、仕事って言うほど大層なことじゃなくて、ただの赤の世界の監視役だね。

  白の世界の神様に頼まれたんだけど、特に監視以外にやれって言われたことはないよ」

 

 うーん、白の世界らしいっちゃらしいんだけど、神様まで『めざめよー』って感じなのか?

 はっきり言って未来を勝ち取る覇気が足りない感じがするんだよな。

 

 「まあ、とりあえず今は赤の世界の動向を探るだけで、気ままに鍛冶仕事を手伝ってますよ」

 「そういうことならよかった。

  ん、よかったのか?」

 「うーん、微妙なとこ……」

 「おーい、凌士起きてるか?

  起きてるよな?

  入るぞー」

 

 ドアが勢いよく開き、ゼクスが数人入ってくる。

 

 「わっ、グリーブさん」

 「お、さっきの白のゼクスに乗ってた奴か。

  あのまま帰ってこなかったら、俺達が探しに行ってたとこだったぜ」

 「すいません」

 「なに、無事だったならいいんだ。

  最近ギガンティックがやけに統率取れててな。

  どの道討伐隊が組まれてたとこだ。

  まあそんなことは置いといて、今日は飲もうぜ!」

 「やめてください!

  いつも吐くまで飲むんですから。

  てか今日はって、今日もの間違いでしょ!」

 「まあそう言うなって……。

  おい、みんな飲むぞー!」

 「「「「おー!」」」」

 

 部屋には〈鉄靴職人グリーブ〉と〈鍛練鍛冶フォージ〉、〈大剣工房クレイモア〉と〈剣鍛冶グラディウス〉の若き職人達。

 そして〈刀職人 一刀〉と〈戦斧工房バルディッシュ〉の老職人達が酒瓶や樽を持ってやってきた。

 

 「おっふ……。

  集助けてくれ」

 「無理だって……。

  ま、まあ俺はおいとましようかな」

 

 酔った人の相手するのは苦手なんだ。

 それに俺はまだ飲めないしな。

 ガシィ。

 

 「なんですか、離してくださいよ」

 「なあ一緒に飲もうぜ。

  愚痴聞いてほしいんだよ。

  何なら格安で靴作ってやってもいいぜ」

 

 くっ……なかなか良さそうな条件だが、ここで乗ってしまってはいけない気がする。

 それにクリムゾンハートを助けるという使命が……。

 

 「で、でも明日は朝早いし……」

 「まあそう言うなって。

  ほら、そこ座れ。

  ……さあ、みんな!

  かんぱ~い!」

 「「「「かんぱ~い!」」」」

 「「か、かんぱーい」」

 

 く、流れで座らされてしまった。

 何とか逃げ道を…。

 

 「集……頑張ろう」

 

 凌士は何か悟ったような顔でそう言った。

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