Z/Xの世界で生き延びる!   作:よーと

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 なんか友人と遊んでるうちに10弾を3箱予約してしまった、よーとです。
 今回から三人称です。
 戦闘シーンはやっぱり三人称の方が書きやすいね!
 一人称と三人称が混じったこの小説は、プロの方に見られたらとても怒られそうです。
 


96話「強い奴、強そうな奴」

 真希が正面から地を這うように駆けて行く。

 真希が繰り出す拳は少女のものとは思えない程の破壊力がある。

 常人ではまず対処できないだろう。

 しかし、ゼクスである月下香は応じる。

 

 シュッ! と電撃を帯びた七支刀が空を切り裂いた。

 本来ならこれだけで勝敗が決まっていただろう。

 しかし、真希はチートの持ち主、フッと姿が消えたかと思うと月下香の背後に現れ殴りにかかる。

 月下香は見えていたのか振り向きながら七支刀を振るうが一瞬遅く、仕方なく七支刀で受ける。

 

 ボフゥッ! と七支刀で受け止めながら距離ととるためにわざと吹き飛ばされたが、それと同じスピードで真希は追ってくる。

 七支刀の上から打ち込んだ拳にはすくなからず電流が流れたはずだが、まるで痛みなど感じていないかのように次々に拳を打ちこんで行く。

 

 「チィ……」

 「あたしは負けられないんだ!

  あんたがいくら強かろうと、何度傷つこうと倒して見せる!」

 

 拳の雨は止むことなく月下香を襲う。

 ホウライは本来カウンターや専守防衛型である。

 そのため相手が先に仕掛けてくることが多いので、月下香も別段防御するのが下手というわけではない。

 しかし、殴られるというのは殴られる距離にいるということである。

 そうなると取りまわしの利きづらい一メートル以上ある七支刀と拳では、圧倒的に拳の方が有利だった。

 

 「これはヤバいかもな……スコル、準備は大丈夫か?」

 「さすがにあの中に入りたくないなんて言えないもんな。

  もち大丈夫や」

 「よし、なら――」

 「待てッ!

  こいつとはサシでやらせろ!」

 

 月下香は七支刀で拳を受け流しながら言った。

 

 「だけどこのままじゃ……」

 「かまわん!

  久々にこんな強そうな奴(・・・・・)とやるんだ、サシでやらなきゃつまらないだろ!

  それに、こいつのことも少し知りたいしね」

 

 明らかに劣勢の状況でも笑って見せた。

 この勝負脳が! と集は心の中で毒づく。 

 

 「ふざけやがって……!

  あんたみたいな強い奴(・・・)にはあたしの気持ちなんかわからないさ!」

 

 劣勢にもかかわらず笑った月下香が気に入らなかったのか、さらに拳を速く振るう真希。

 

 「おっと……。

  足元がお留守だよ」

 「くっ……!」

 

 月下香は、殴ることに集中しすぎたためにおろそかになった足元を足払いでバランスを崩しにかかった。

 真希は一瞬反応が遅れながらも対処するが、ほんの少し、拳のスピードが落ちた。

 

 「ほら、反応が遅れてるぞッ!」

 

 その隙に、少し距離をとり斬りかかる。

 真希は何とか避けるが切っ先が頬を掠める。

 

 「ッ……」

 

 血が少し流れ、すぐに止まる。

 

 「やっぱり少し硬いね……。

  本当だったらもっと斬れてもいいはずなんだけど……。

  アンタは身体強化と再生力が売りなのかい?」

 「そうだよ、身体強化と再生力とあと……いや、これはあんたにはわかんないだろうね。

  あんたみたいに強い奴には笑っちゃうような能力だ……」

 

 真希は自嘲地味に笑った。

 

 「そうか……アンタ――」

 「さて、次はこうはいかないからねっ!」

 

 月下香は少し悲しそうな目で真希の目を見た。

 真希は月下香に被せるように言い放ち、また正面から拳を放つ。

 

 「……いい動きだね」

 

 月下香は拳を捌きながら素直に敵を称賛した。

 

 「そうやって上から目線で見てくれちゃって、何様だよっ!」

 

 しかしそれが真希の逆鱗に触れたのか、怒涛の連撃を繰り出す。

 

 「ほら、徐々にリズムが遅れてきてるよッ!」

 「く……ッ!!」

 

 スピードはチート持ちである真希の方が速いのか、じりじりと後退させられてゆく。 

 経験で言えば月下香の方が圧倒的に多い。

 しかし、対処しきるまでの差。

 それが一定まで達すれば、真希の一撃を止められず月下香の体は肉片と化す。

 

 「さっきまでの威勢はどうしたんだよッ!

  あたしはまだまだやれるぞ!!」

 

 そう言うやいなや、攻撃がどんどん苛烈になってゆく。

 一歩間違えば致命傷になるであろう拳を受け流しながらも、それでも月下香はどこか悲しそうな顔で真希の目を見つめる。

 

 「すごくイライラする……。

  なんでそんな顔するんだよっ!」

 

 怒りのままに振った拳を、月下香は敢えて受け流さずに正面から受け止める。

 

 「……昔、アンタみたいな奴がいたからね……。

  アンタを見てると思いだすよ」

 

 怒涛の連撃が止み、力が拮抗する。

 真希に睨まれながらもなお続ける月下香。

 月下香はそのまま、顔をグイと近づけ真希を見つめる。

 

 「ソイツは導いてくれる人がいたから助かったけど、アンタはそんな人がいなかったんだろう。

  見ていてとても可哀想だよ……。

  だから、少し助けてやりたくなるね」

 

 しかしその瞬間、ドバァ!! という衝撃音が炸裂した。

 月下香はかろうじて直撃は免れたものの、衝撃を受け流しきれなかったのか腕が震えている。

 

 「可哀想だって?

  あたしのことなんか何にも知らないくせに……。

  あんたがしようとしてるのはただのお節介だ!

  同情なんかいらないんだよッ!」

 

 「お節介だと思ってるのはアンタだけだってのを教えてやるよ」

 

 

 睨みあった二人が動き出し、再び強者(ふたり)が激突する。

 何人にも追いつけぬ速さで、秘めた思いを持って。

 

 




 集「( ゜Д゜)ポカーン」&風圧で吹き飛ばされる&リソースタンク
 主人公は月下香だったんだね(錯覚
 集は書かれてないだけで、ちゃんと仕事(リブート)してます。
 今見えている部分だけでは真希と月下香のやりとりがなんのこっちゃ状態なので、真希視点で閑話でも書いて、この時の心境とか説明したいと思います。

 九州編が終わったらヒロイックサーガ編入ります。
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