100話記念なんてありません。
時間が取れなくなってるのもありますが、なんかスランプぎみっぽいです。
次は27日に更新できるようにしたいと思います。
「ハハッ!
君結構強いね、当たったらひとたまりもなさそうだ」
「くっ……当たらん……!」
クリムゾンハートが高速で攻撃を繰り出すが、青年は大剣を使い、いなしてゆく。
「つい最近までキラーマシーン相手に殺し合いしてきたけど、あれじゃ物足りないんだよねぇ……。
やっぱり
「やはり貴様が青の世界を襲った転移者か!?」
「あ、分かっちゃったか。
青の世界の情報網は侮れないね……。
もしかして俺がどんな奴かも分かってたりするのかい?」
青年は大剣を振りながら余裕の表情で言う。
「たしか、名は
赤の世界の眷属……。
そしてやけに戦い慣れてるという報告が上がっている」
「そうそう、それであってるよ。
流石は青の世界の眷属、クリムゾンハートさんだね」
銀二はにこやかに笑いながら大剣を振りまわしクリムゾンハートの攻撃を迎え撃つ。
その隙に集は真希のもとに駆け寄る。
「おい!
大丈夫か!?」
「……」
「おい、逃げるぞ!」
「来ないで……見ないで……」
真希はうつ伏せのまま顔も上げずに、小さくそういった。
「何言ってんだ、逃げんぞ!」
「あたしは、あたしにはもう無理なんだ……だから」
「え、おいバカッ!」
集がもう少しで真希のとこに着くという時に、真希は口をもぞっと動かしたと思うと、舌を出して大きく口を開けた。
「バカバカバカ、自殺とか、馬鹿な、ことする、なっ!」
舌を噛み切る瞬間に前屈みに、右手を伸ばしながら跳ぶことで、なんとか口に指をねじ込ませた。
……が――。
「うーうー!」
「痛い! 痛い! 超痛い!」
噛む勢いが強かったのと、指を入れられながらも噛むのをやめない真希に、集は悶絶していた。
「手伝いに来たわ!
早くあっちに避難しましょう!」
「うん、ここあぶない」
「彼女でもない女の子の口に指を入れるとか、そうそうない体験だな。
よかったな集!」
「くぅ~……!!
こうなりゃかまうもんか。
引っ張ってでも連れてくぜ!
あと基樹は後でぶん殴る」
「う~!」
右の指をかまれながら、左手で真希の腹を抱え、アリスたちが腕を持って無理矢理抑えつけながら走る。
「人差し指と中指がマジ痛いです! 離してくださいお願いしますッ!」
「役得役得ゥ! さっさと走りな!」
「くそてめぇ……他人事だと思いやがって!」
笑いながら走る基樹に、集が悪態をつく。
「ホントにマジで限界……うぉぉおお!?」
「きゃ!?」
集たちの背後から突如爆風が起こり、吹き飛ばされる五人。
「スコルッ!」
「わかっとるて」
そう言いながらスコルは、女性陣の救出に向かった。
「そうだけど違う! ……っと、抜けた!
やっt……ぐはッ!!」
集は指が抜けたのを喜びながら、基樹とともに地面に叩き付けられる。
「くっそ、イテェな……。
クリムゾンハー……ト?」
「ぐ……。
俺の攻撃を打ち消しただと……!?
それにその武器は一体……?」
集が見たのはクリムゾンハートが膝をつき、銀二がロングソードと盾を持ち、楽しそうに笑っているところだった。
「これは神から押し付けられたやつなんだけどね……。
なるほど、確かにこれがなかったら死んでたかもしれない……。
この武器は、赤の世界の特殊な金属でできていて、所有者の思う武器に姿を変えることができるらしい。
まあ、聞いただけで詳しくは知らないし興味もないから、あまり知らないんだけどね」
銀二はロングソードをくるくる回しながら武器を槍に変え、銃身の長い銃に変え、そして先程まで使っていた大剣に変えて見せた。
「こんな風に俺が思うように変えられる。
そしてそのクオリティは今見せた通り、君との戦闘にも対応できるくらい。
流石は神から貰った武器だ」
刀身を見つめながらしゃべっていた銀二は、不意に何か思いついたのか、にやりと笑った。
「そうだ、君はまだ本気で戦ってないよね?
そんな君に本気になる理由をあげよう」
「理由だと……?」
立ち上がったクリムゾンハートは、いつ攻撃されても対処できるように構える。
「俺は前いた世界で殺人鬼だったんだ」
「ッ!?」
クリムゾンハートはデータになかった情報に息を飲む。
「最初に殺したのは同じ部活の同級生。
その後に両親。
そして世話になってた格闘技の師範代。
後は適当に強そうな奴をちょこっと」
銀二は何でもなさそうに言う。
「お前……!
なんでそんなことを……」
「君はあいつに勝ちたい、強くなりたいって思ったことはあるかい?
俺の理由もそれの延長線上でさ、最強になりたかったんだ」
昔話でもするかのように、しみじみと言う。
「師範代を殺したときはなんともすっきりしなかったなぁ……。
あの人は強かったけど、心が弱かった。
長いこと世話になってたからか情が移ったみたいでさ、最後の最後、俺が逆に殺されるくらいの時に隙ができて殺されちゃった。
それからあの世界では退屈だったけど、ここはいいね。
君みたいな体だけじゃなくて心も強い奴がたくさんいる。
楽しみで仕方ないよ」
銀二は本当に楽しそうにくつくつと笑った。
(ッ……神の言ってた殺人鬼ってこいつか……。
だとするとこの戦いは……)
「みんな、たぶんまだあいつには勝てない。
こいつ……真希のこともあるし、ここは一旦逃げよう」
集は少し考えると、退避していた四人に声をかける。
「……わかったわ。
ここは逃げるけど、いつかお縄を頂戴するわ」
「そうだな、相棒の再構築も終わったし、スコルとクリムゾンハートだったら逃げ切れるだろうしな」
アリスたちは逃げることが決まると、キリキリと準備を始めた。
「アクティベート、頼んだぜ相棒」
「任せろ、みんなを無事に福岡まで送り届けて見せよう」
テクネチウムが変形しバイクになると、そこに基樹とアリスとまかなが乗り、集と真希はスコルに跨った。
「クリムゾンハート!
お前も一緒に逃げるぞ!」
「悪いが断らせてもらおう!
俺はこいつを止めなくてはならない!」
「なんでだ、お前なら俺たちを連れて逃げられるだろ!?
お前が正義感強いのも強いのも知ってる。
けど、力があるやつが守る義務なんてないんだ、だから――」
「それは違うぞ」
言葉を遮り、集の方に向き直る。
「俺は力があるから守るんじゃない……。
守るために力を手に入れたんだ。
だから、こいつを放って置くことはできない」
「クリムゾンハート……俺も――」
「集たちは行ってくれ。
すぐに追いつく」
そう言うと銀二の方を向き、ポージングをする。
「天が呼ぶ
地が呼ぶ
人が呼ぶ!
悪を倒せと俺を呼ぶ!
俺は正義の戦士……俺の名はクリムゾンハート!」
綺麗に前口上を決めると、なぜか集たちの方にやってきてスコルとテクネチウムを掴んだ。
「何を……」
「このままでは残って戦うとか言われそうだしな……関東は頼んだぞ」
そしてクリムゾンハートはそのまま集たちの乗るスコルとテクネチウムを遥か上空まで投げた。
むりやりですが、ここで九州編終わらせます。
もっと文才があればやりたいことができたんですが……。
まあ一気にやる必要はないので、小出しにしてやりたいと思います。
次はたぶん27日です。
早く更新することはあっても、遅れることはないようにします。