フラグだと意識しすぎたせいか何も起こらず鬼ごっこは終了した。
何にも起こらないと逆に寂しく感じるな。
「今日はありがとー」
「じゃあなーしゅうー」
アントラーさんの子ども達ともお別れだ。
俺はあれからこの子達と仲良くなってた。
うん、バルバルス見つけたら速攻で倒そう。
そう思いながらアントラー親子にお別れをして帰路についた。
帰る途中でラビットさんが話しかけてきた。
「集君今日どうするの?
タイガーさんはたぶん今日中には帰ってこれないよ」
「え? なんでですか?」
「タイガーさん、今日ローリエさんのとこに行ったんでしょ?
あそこに行った日はなかなか帰ってこないんだよ。
特に誰かと一緒に行った日はね」
怒ってるタイガーさんとそれをのらりくらりと躱すローリエさんが容易に想像できる。
チーターさんはローリエさんの入れた紅茶でも飲んで悶絶してるんだろうなあ……ご愁傷様です。
「ご飯なら私の家に来ればいいよ。
どうせみんな来るしね」
「ありがとうございます。そうさせてもらいます」
★★★★
俺はラビットさんの家で夕飯を食べた後、俺が止まっているタイガーさんの家に向かっていた。
そして家が見えてきたとき森の木からガサガサ音が聞こえた。
「ん?」
そちらを見てみるとケガをしたクイーンビーが出てきた。
「うお! 〈可憐蜜蜂クイーンビー〉じゃんか!
って、ケガしてんだけど大丈夫なのか?」
クイーンビーは俺を見た時、驚いた顔をしてから攻撃しようとしてきたが途中で倒れてしまった。
「大丈夫か!?」
「ふしゃー!」
「うおっと!」
俺が近づくと威嚇してきた。
……あんまり怖くないけど。
「大丈夫だよー。怖くないよー。……ふへへ」
俺、小さい生き物って好きなんだよね。
守ってあげたくなるよな。
ちょうど小学生1,2年生くらいの大きさだし頭をなでたくなる。
可愛さのあまり、変な声出た気がするけど気にしない。
……なんか俺の頬が緩むにつれてクイーンビーの顔が強張ってく気がする。
うーん、怖がらせる気はないんだが……。
そうだ! こんな時のカードデバイスだろ。
「キャプチャー!」
俺がカードデバイスをかざして言うとクイーンビーはカードデバイスに吸い込まれていった。
「ゼクス! ゲットだぜ!」
…とまあネタは置いといて、ラビットさんのとこでクイーンビーの治療をしよう。
★★★★
「お邪魔しまーす。
ラビットさん。救急箱貸してください」
「集君どうしたの?」
かくかくしかじか…………。
俺はさっきのことを説明してクイーンビーの治療をした。
傷つけようとしてるわけじゃないのになんで暴れるんだろう?
俺がやろうとすると暴れたのでラビットさんに押さえてもらって、腕をケガしてたので包帯を巻いてあげた。
包帯を巻くと安心したのか少し大人しくなった。
だけど切れたり破れたりしてる翅はどうすればいいんだろう……。
「集君、今思ったんだけどカードデバイスってケガも直せるんじゃなかったっけ?」
「あっ、そういえば。
キャプチャー」
すっかり忘れてた。
別に嫌がるクイーンビーに触るのを正当化したかったわけじゃないんだからね!
クイーンビーをカードデバイスに入れた。
「すいません、お世話になりました」
「いいよ。まだ寝る時間じゃないしね」
「ありがとうございました」
俺はラビットさんと別れ、タイガーさんの家に戻った。