Z/Xの世界で生き延びる!   作:よーと

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 サブタイ思いつかなかった。
 オディウムの影的なものは完全に思いつき(というか攻撃方法が物理なのはどうかと思ったから勝手に設定させてもらった)
 作者的には鋼の錬金術師のプライドとか、ドラクエのシャドーだとか、ゲームとかでよくあるダメージ与えると雑魚だけど分身できちゃうみたいなやつだとオモトル。
 次話でアテナが救出側にいる補足します。


103話「社畜に救いはない」

 必死に横っ飛びして瓦礫の陰に隠れる。幸いにも影は速くはない。小学生のまあまあ足の速い子が走るくらいの速度。威力もさほどないし、射程も長くない。先程から俺の隠れている瓦礫がガリガリと削られる音がするが大丈夫だ。

 俺は今オディウムの射程範囲外ギリギリにいるのだ。リソース供給範囲もギリギリなので射程に出たり入ったりを繰り返してる。

 影のイメージとしては、普通の影のように地面を這うのではなく、三次元的に動くような感じだ。この影は物理攻撃で対処できるからこうやって物陰に隠れれば対処できる。ナイフで切られても無事なだけの強度があればだが。

 

 「手持ちのゼクスを派遣しきったゼクス使い狙うのやめてくれよな…」

 

 バーサークバイクは以前呼び出したことがあるが、言うことを聞かない上に引き殺されかけたから、いざとなった時は使うが依然封印中だ。

 

 「でもそろそろここも危ないか」

 

 ガリガリと瓦礫を削る音は止まない。ナイフで切られても無事と言ったが、切れ味も力も落ちないとなれば別だ。しばらくここでちょっかい出していたせいかオディウムや他の黒のゼクスに目を付けられて俺の周りには赤黒い影と空中をゆったりと浮遊するノスフェラトゥ、それを払いのける月下香たちで賑やかになっている。

 

 「何故目覚めてしまったの……? 私は目覚めたくなかったのに。……ああ、私の眠りを妨げたものが憎い」

 

 オディウムがそう言うとより一層影の力が強まり、伸びた赤黒い血のような錆のような影が月下香とオディウムの周りにいた黒のゼクスを含む生命体を貫く。

 

 「八つ当たりかよッ! スコル!」

 「わかっとるて!」

 

 俺達が安眠妨害したわけじゃないのに味方もろとも殺しに来るとは七大罪の傲慢さんになれるんじゃないかと思う理不尽さ。

 〈骨蛇スケルタルヴァイパー〉を噛み砕いていたスコルに拾ってもらい影から逃げる。

 

 「なあ、あれは呪いの一種か? さっきからオディウムの殺したゼクスからも影が出てるように見えるんだが…」

 「しばらく見とったが、奴は『憎しみ』の増大と吸収、そしてそれをエネルギーとして放出できるみたいやな。さっきから敵味方構わず憎しみを増大させては吸収して放出。その繰り返しや。倒したゼクスからも影が伸びてきてるんは本気出してきたっちゅうことやろ」

 

 それは面倒な。と思うと同時にそれなら案外いけんじゃね?とも思う。

 

 「今案外いけんじゃね? とか思ったやろ」

 「なんでわかった」

 「これでもまあまあ付き合いあるしな。

  で、なんで無理か。ある程度考え感じることができる知的生命体に、仲間を倒されて、自分が傷ついて、敵を憎まずに倒しましょうなんて難しいやろ」

 「じゃあ青の世界のゼクスなら」

 「それも難しいな。増幅吸収に反応しないという点はいいんやけど、攻撃自体は通るやろ。今戦場にいるのが全て青のゼクスなら地力だけの勝負になったんやろうけど、各色連合してる今ではそれは望めんやろ」

 

 なるほど。各色遠征して関東に来てるが故にリソース供給が難しいのに加え、黒のゼクスを始め、オディウムはパワーサイクルがよくできている。

 それにオディウムはゼクス使いを狙ってくる。集中して、最優先で、というわけではないもののやりにくい。ゼクス使いが倒れたら遠征組のゼクスは力尽きるのを待つだけだからな。

 影の柔軟な攻撃とパワーサイクル、黒の軍勢。押されているのは俺達の方だった。

 

 「だが、倒せないわけじゃないさ。近づけるしダメージも入ってる」

 

 リソースを補給しにスコルの背中まで跳んできた月下香が言う。

 

 「確かにそうだけどジリ貧だぜ?」

 「なんだいつものことじゃないか」

 

 言ってくれる。だが確かにプラセクト戦もカースドソウル戦も苦戦だったが何とかなってきたんだ。

 

 「まあお前次第で戦況は変わるさ。意志を変えればだけどね」

 「ん、それはどういう」

 「さ、リソースをくれよ。早くしないと追いつかれちまうよ」

 「げっ」

 

 俺達のすぐ後ろには〈骨鮫スケルタルシャーク〉が今にも喰らいつかんばかりの大口を開けていた。それも一匹ではない。群れを成していた。

 

 「虚空の牙は強きものを好んで噛み砕く、だっけか。」

 

 月下香とスコルにリソースを与えながら呟く。

 〈ファングクラッシュ〉―黒の世界では弱ければ滅びるが、強いからといって滅びを免れるわけではない。強い故に滅びることもあるのだ。

 そのフレイバーテキスト通りわかりやすい効果を持ったイベントカードだったと記憶している。

 

 スケルタルシャークは強い者しか襲わない。というわけではなさそうだが優先して攻撃するようで先程から各色の強者を始め、同じ世界のオディウムも襲っていた。

 そのスケルタルシャークが俺達を襲っているってことはつまりそういうことだ。

 

 「でかけりゃ勝てるってわけじゃないよッ!」

 

 月下香がスコルに乗ったまま前にゆきスケルタルシャークを正面から一刀両断する。戦闘に参加してしばらく経つが、疲れを見せずばったばったと敵を切り倒していく姿はまさに戦乙女といえよう。

 

 「ヨホホホホホ! 皆さん流石ですねえ」

 「あんたはスケルタルセールスさん…! なぜこんなところに…。そして集英社に訴えられても知らないぞ」

 「慎吾…角さんもそんなこと言ってましたが、よく考えればVジャンプも集英社だからどちらかといえば尾田っちだそうですよ」

 「なるほど」

 「いやそんなことよりツッコんでやれよ! 関西人もとい関西ゼクスとしてはツッコミがなくて呼吸困難になるわッ!」

 

 スコルが言う通りスケルタルセールスさんはツッコミ待ちしてますと言わんばかりの登場だった。というのも恐らく自社商品であろう〈駆け回るペインフルホイール〉の鎖に捕まりながら最高時速420kmで現れたのだから。

 

 「ツッコミを気にするとは流石は関西ゼクスですね! そんなあなたにはこの〈切り刻むボーパルサイス〉!

 肉でも野菜でも切れ味抜群! あなたの体毛もバッサリすっきり! ツッコミのキレもより一層高まること間違いなしです!」

 「誰がうまいこと言えと」

 「そんなことより慎吾はどうしたんだ? 見当たらないんだが」

 「ああ、彼ならちょうど東北方面に出張したところですよ。うちのやや癖のある商品ではこの戦いの中で商売をするのは至難の業ですから。比較的落ち着いてる緑の世界ならと判断しました」

 

 なるほど。慎吾もいい上司を持ったものだ。スケルタルシャークに体当たりしてゆくペインフルホイールに振りまわされながら骨がバラバラに粉砕してなければかっこよかったであろう。

 

 「しかし困りました。ただでさえ扱いが難しい我が社の商品が、オディウムさんの邪気にあてられて言うことを聞かなくなり脱走し始めたものですから大損害ですよ。いくら黒の世界とはいえこの状況が続くようでは疲弊しますし、円卓会議を構成する企業も少なからず損害を受けることになるのであまり好ましくないのですがね」

 

 まあ私には止められないんですがね、と笑いながらバラバラになった体を再構築していく。

 

 「じゃあ七大罪の奴らがオディウムを止めたりしてくれるのか?」

 「いえ、あの方たちはまだこの状況を傍観すると思いますよ。強者故に日頃から面白いことを求めてる方たちですから、今この混沌とした戦いはショー気分でどこかで見てるでしょう。会社に損害が出ようと後始末は部下たちですし。うちの社長なんかは自分より目立ってることに腹を立ててやってくるかもしれませんがね」

 

 七大罪の援護は見込みなしか。本軸でも干渉なしだったから予想はできていたが。 

 

 「ああ!〈ぽかぽかするブレインゼイブル〉が! すいません捕まえてください!」

 「あ……悪い」

 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!! 商品が!! また社長に……うう」

 

 ブレインゼイブルが無謀にも月下香に火を噴いたものだから無残に切り崩されてしまった。

 同時に膝をつき落ち込むスケルタルシャークさん。

 憎しみに囚われていたゼクスたちもこの瞬間だけは同情しているように思えた。

 




 フレイバーテキストや史実に沿ったものにしていきたいですが、同時に書いてないところ見えないところはユーザーが勝手に考察妄想していいと考えていますので、自重しながら書いていこうと思います。
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