休憩するためにいったん下がり、集落に戻った。
どうやら俺たちのいた集落が攻略の拠点になっているようだ。
そこには怪我人や作戦を練っている人たちがいた。
どうやら現状は芳しくないようで皆難しい顔をしている。
怪我人は次から次へと運ばれてくる。
中には腕を食いちぎられたのか肘から先がない人もいる。
「くそっ! 油断した。
俺の腕が……!」
「待ってろ! 今治療してやる」
「すいません、俺のカードデバイスに入れれば治るかもしれません」
もしかしたらカードデバイスの中にしばらくいれば治るかもしれない。
そう思った俺は治療している人に話しかけた。
「君はタイガーさんのとこの……。
それが本当なら手伝ってくれないか。
怪我人が多いせいで手が足りないんだ」
「大丈夫です。どの人からやればいいですか?」
「ああ、それだったら―――」
「おい、集。
お前は休みに来たんだろ。
しばらく休めよ」
「シェパードさん……。
俺は大丈夫ですよ。
俺のやり方だったら休憩しながらできますから」
「そうは言ったって少しはしっかり休憩取んないととダメだろ」
「……わかりました。
少し休憩したらやることにします」
「あんまり気張りすぎんなよ……」
「大丈夫ですって」
シェパードさんが心配してくれたので休憩するが、すぐに戻って治療の手伝いをしよう。
確かに疲れてはいるけど、これだけ怪我人がいて治療できる自分が休むってのはちょっと納得がいかない。
休憩室に戻るとラビットさん達がいた。
「集君、こっちだよー」
「皆さん戻ってたんですね」
「うん、ちょっと前に戻ってきたんだー。
それにしても集君やるねー。
ソーンクレストをバンバンやっつけてたじゃん!」
「ありがとうございます。
ラビットさん達もかなりの数を倒したみたいですね」
「そうだよー。
これだけの数だからね、つい本気で戦っちゃったよ。
あ、おにぎり食べる?
ご飯まだでしょ?」
「ありがとうございます。」
渡されたのはホカホカしたこぶしより大きなおにぎりだった。
「いただきまーす…………うっま!」
「そうでしょー!
給仕班にセージってゆーシチューをとってもおいしく作るリーファーの子がいるんだけど、
その子がこのおにぎり作ってくれてるんだ。
セージちゃんはね、料理がとってもうまいんだよー」
そうか、セージが作ってるのか。
俺が今食べているのはただの具が入ってない塩おにぎりだけど、めちゃくちゃうまい。
なんかお婆ちゃんが握ってくれた塩おにぎりを思い出す……。
俺はおにぎりを食べながらみんなの話を聞いた。
どうやら同じ集落にいた女の子には怪我人はないみたいだ。
そして、タイガーさんとライノさんなどの武闘派ライカンスロープが最前線に立ってみんなに指示してるようだ。
と、話してるうちにおにぎりを5個も食べていた。
そろそろお腹もいっぱいだし治療しに行こう。
「俺はこれから怪我した人たちの治療しに行きたいと思います。
皆さんはどうするんですか?」
「私たちはもう少し休んだらまた戦いに戻る予定だよ。
集君頑張ってねー」
「はい! 皆さんも気を付けて」
「じゃーねー」
俺が治療しに行くとそこは患者でいっぱいで足の踏み場がないくらいだった
「ああ、来てくれましたか。
早速ですがお願いします」
「はい。
キャプチャー」
俺は片っ端からキャプチャーしていくことにしたわけだが数が多い。
何人治療できるかわからないけど頑張ろう。
やってる途中で不意に思たんだけど、カードデバイスは中に蓄えているリソースでゼクスを回復させるんだったよな。
それなら意図的にリソースを供給すれば早く治ったりするんだろうか。
そう思いリソースを多くこめてからアクティベートするとケガの治りが何もしないときより早くなった。
そればかりか四肢の欠損も治っている。
えー、このカードデバイスどーなってんだよ……。
欠損した部位は入れてないから質量保存の法則無視してませんか。
まあ、カードデバイスに入ってる時点で法則なんてあってないようなもんなんだけど……。
欠損部位が治った人たちにはものすごい感謝された。
でもそのせいでカードデバイスに入って治療したいという人たちが急増して大変だった。
それは治療班の人たちが何とかおさめてくれたが、おかげで俺は大忙しだ。
カードデバイスは一人ずつしか治療できないので、俺も包帯や薬を使い方を教えてもらって治療しているとき、シェパードさんに呼ばれた。
なんでも作戦会議に参加してほしいらしい。
「でも、俺は作戦なんか立てられませんよ?」
「ああ、作戦はもうできているんだ。
ただその作戦には集の参加が必要だから聞くだけ聞いてくれ」
「そういうことならいいですよ」
俺が作戦に組み込まれるとは……。
どんな作戦何だろうか?
早く黒の世界編に行きたい