前回の月下香をカードデバイスに入れた理由をリソースのせいではなく、理性のせいにしました。
そうじゃないと今後の都合が悪くなりそうなので。
東北編はあと3話くらいで終わるのを目指しています。
「……ぃ……い…………おい、聞いているのか!」
「んふぁ! はい聞いてます!」
「ここから出せ」
「ん……ああ、了解」
最初はどこから声が聞こえているのかわからなかったけどすぐにカードデバイスからだと気づいた。
「アクティベート。こんな朝早くから何すんだよ」
「決まっているだろう、朝の鍛練だ。
こういうものは毎日続けてこそ意味がある」
朝って言ってもまだ日が昇ってないじゃないですか。
「そう、俺はまた寝るから」
眠い、こんな時間から起きてられるか。
俺は二度寝した。
★★★★
「ハッ! ヤァ! ハァ-!」
ブンブンブン
「…………」
「ハッ! ハッ! ヤー!」
「うるさいんだけど。
さっきまで外でやってたじゃんかよ、なんで部屋に来た」
俺は目を開けずに言った。
「リソースが足りなくなってきたんでな。
カードデバイスの近くにいないと動けなくなってしまうからな」
「ならやんなくていいじゃん。
日も昇らない時間にやるんじゃない」
「ん、日なら昇ったぞ」
「は?」
そう言われて目を開けると窓から明るくなった町が見えた。
★★★★
あの後起床し飯を食べた俺は必要なものを集めるために町を歩いていた。
眠い……早く寝たからって早く起きられるってわけじゃないんだよ。
起きるときが一番つらいんだよな。
「えーと、必要なものは金と服と食料と……あと地図か」
今俺はでっかい登山用? のリュックサックを見つけたのでそれに服を突っ込んでいっている。
服と食料はあるんだけど金と水がないんだよな。
昨日見つけた金は金だけ抜き取ってあった財布があったのでそれに入れている。
あ、寝袋見っけ。あとマットもないと体が痛くなるって言うし、探して来よう。
一通り必要なものを集めてみた結果、
お金1500くらいと寝袋、マット、保存食、地図、コンパス、アナログ時計などなど。
そして子供がTCGで使ってたと思われるアクションカードケースを見つけたので、それにカードデバイスを入れて腰から下げている。
水もあったんだけど流石に2年前のものは飲めないので、本当の緊急時用に1.5リットルのペットボトル一本だけ持っていくことにした。
これで野宿しても大丈夫そうだな。
移動手段は自転車にした。
車だと事故の可能性があったし、ちょうど折りたたみ自転車があったからな。
「よし、出発するか」
まだ日は昇り始めたばかり、時間は8時だ。
今日中にどこまでいけるか、とりあえず大きい通りをますっぐ進んでいこう。
……ふむ、誰もいませんな。
町を出発してから2時間くらい経ったけど人を見かけない。
ゆっくり進んでるけど、平均時速10kmとして2時間だから20kmくらい進んだはずなんだけどな。
ま、気長に行きますか。
結局今日は誰も見つけられずに野営することになった。
BPからはもう50kmくらいは離れたはずだ。
だがここも人はいない。
確かに緑が少なくなってきたからって、緑に浸食されていないわけじゃない。
所々、木の根や蔓が絡んでいるところがある。
そういえばちーちゃんが緑のBP周辺では電気が使えないとか言ってたな。
確か、仙台か北海道辺りまで行けば使えるようになるんだっけ?
そうなら、みんな電気が使えるところまで避難したのかもな。
だけど地図で見ると、十和田湖から仙台まで直線で200kmくらいあるからな、道なりに行くともっとかかるかもしれない。
しばらくは野営が続くかもな。
野営場所は川の近くにした。
水がいつでも飲めるし、トイレは茂みの中ですればいい。
食事は例のごとく非常食……になると思っていたんだけど、川に魚がいたのでそれをクー子に捕ってもらって塩焼きでおいしくいただきました。
川魚の塩焼きっておいしいよな。自然の恵みを感じる。
川の近くってことで月下香が水浴びをした。
覗くなとは言われたけど、男なら覗かねばなるまい、ってことで覗こうとしたんだけど見つかって断念。
そして目隠しをされたまま川の近くにあった木に縛り付けられた。
これじゃ覗けない……と思っていたのか!
俺にはリソースを見る力があるじゃないか!
肌の色とか質感とか見れないのは残念だけど輪郭だけでも……!
…………って思ってたんだけど、月下香から出ているリソースの量がなかなか多くて輪郭がぼけてあんまりわからなかった。
……残念。