Z/Xの世界で生き延びる!   作:よーと

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 もうしばらくバトルシーンが続きます。


41話「絶望的」

 月下香がトワイライトアッシュの群れに突っ込んで行く。

 今のうちに。

 

 「紫炎、今安全なところに運んでやるからな」

 

 「おっと、させねえ!」

 

 男はトワイライトアッシュを俺のほうに行くように命令する。

 

 「チィ……! 

  集、無理に運ぶよりここにいた方がいい。

  見てみろ!」

 

 月下香に言われ周りを見る。

 

 「……! なんで人も俺たちを狙っているんだ?」

 

 よく見るとゼクスに紛れ男たちも自衛隊を攻撃していた。

 

 「なんでって、仲間を呼んだからに決まってんだろ!」

 

 こいつ、そんなことまで……!

 

 「くそ!」

 

 この男の他にも敵がいるなんて……。

 とりあえず紫炎を避難所の壁に寄りかかせる。

 

 「紫炎、ここで待っててくれ」

 

 「すみません、集さん」

 

 さっさと全部片付けて紫炎を手当してもらおう。

 

 「よう、もういいのか?」

 

 「ああ、俺がお前を倒す!」

 

 「やってみな!

  アクティベート!」

 

 男がトワイライトアッシュをアクティベートする。

 

 「月下香!」

 

 「ああ!」

 

 月下香が目の前のトワイライトアッシュを相手する。

 目の前のやつ以外にも敵はいるので苦戦しそうだ。

 リソースを与えるべきか。

 

 「リブー…」

 

 「おい、よそ見するなよ。

  お前が俺を倒してくれんだろ?」

 

 「くっ!」

 

 横から男が殴り掛かってきた。

 何とか姿勢を低くすることで避けれた。

 

 「ほらよ!」

 

 「かはっ!」

 

 が、男の膝蹴りをもろに腹に食らってしまった。

 

 「おいおい、まさか戦うのはゼクスだけだとか思ってないよなあ?」

 

 「ゲホッ、ゲホ!」

 

 肺の中の空気が全部出たんじゃないかってくらい苦しい。

 男の言うことはもっともだ。

 

 「どうした、来いよ?」

 

 「ハアハア……この野郎!」

 

 「ハッ! その程度!」

 

 殴り掛かろうとしたら、足を踏まれ殴り返された。

 人攫いとかしてるだけあって喧嘩慣れしている。

 

 「くそ!」

 

 俺の手元には昼間の銃がある。

 だがこれを使ってもし奪われたりしたら、俺はもちろん他の人も死ぬだろう。

 銃は使うわけにはいかない。

 

 「ほら見ろよ?

  みんな見てるぜ?」

 

 「あ?」

 

 男が顎で俺の後ろをさす。

 そこには体育館から出た翔や若葉ちゃん、みんながいた。

 

 「なんで……」

 

 「それはこれからあいつらを運ぶからに決まってるだろ」

 

 自衛隊やゼクス使いも苦戦しているから奴らに侵入されてしまったんだろう。

 みんなに銃を突きつけている男たちが見える。

 

 「つってもまだ時間があるからな。

  あいつらにはこの惨状を見てもらいに出てきてもらったってわけだ」

 

 「てめえ!」

 

 「クハハハハ、せいぜい楽しませてくれよ!」

 

 しょうがない、隙をついて銃で……。

 俺は男に向かって殴る振りをしてホルスターに手をかける。

 

 「おっと、いいのか? 銃なんか使ったら俺の仲間がお前の友達を撃ち殺しちまうかもしれないぜ?」

 

 「……ッ!」

 

 危ない、寸前のとこで止まった。

 たしかにこいつを倒せてもみんなは殺されるかもしれない。

 みんなは人質ってことか。

 

 「ほら、ボケっとしてると次行くぞ!」

 

 「ぐ!」

 

 顔面にストレートをもらってしまった。

 俺もすかさず殴り掛かるがすべて躱されてその代わりに殴られ、蹴られ、倒させては立ち上がる。

 口の中で血の味が広がる。

 だが、ここで諦めたら……。

 

 「どうした?

  手が止まってるぞ!」

 

 「かはっ!」

 

 ボディーブローが入った。

 思わず膝をつく。

 

 「ほら!」

 

 今度は髪をつかまれ、顔面に膝蹴りが来た。

 ガードも躱すこともできない。

 物語の主人公だったらまぐれでも一発ぐらいなら当たるもんだけど、俺の攻撃は全然当たらない。

 むしろ男の攻撃が激しくなっている気がする。

 

 倒されたときに周りが見える。

 自衛隊やゼクス使いは押されていて、すでに捕まっている人もいる。

 体育館の方にいた人たちは、みんな表情が暗い。

 泣いたり、しゃがみ込んだり、お祈りしたり、まさに絶望って顔をしている。

 

 周りではバスが炎上していることもあって付近は暑い。

 だが俺は暑いはずなのになぜか寒気がする。

 殴られたところだけが熱く、生きていることを実感させる。

 

 「俺を倒すんじゃなかったのか?」

 

 男の声が遠く感じる。

 

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