Z/Xの世界で生き延びる!   作:よーと

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 輝の過去話です。


53話「青の世界に転移した二人」

 「お前も大変だったんだな……。

  まあ慎吾が無事でよかったよ……。

  俺もこっちに来てから大変だったぜ?」

 

 俺たちは公園で話をすることにした。

 建物の中で話してもよかったんだが、メタルフォートレスに変形できる施設ばっかりだということで輝が知る限りメタルフォートレスのいないこの公園にした。都合の悪い話もあるかもしれないしな。

 今ちょうど俺の話が終わったところだ。

 

 「人攫い屋ねえ……。

  こっちはそういうのは聞かないけど関東はそんなのあるのか。

  一応ゲンマさんとか警備担当の人とかに言っとくか」

 

 「そういや輝ってゲンマさんとかのパートナーじゃないのか?」

 

 「違う違う。俺はあの人たちのオペレーターだ。

  まあ、話は長くなるけど、ゆっくりコーラでも飲みながら聞いてくれ」

 

 輝は自販機で買ったコーラを投げ渡して言う。

 

 「話す前に言っとくけど実は俺は静也と一緒にこっちに来たんだ」

 

 「え、そうなのか」

 

 「ああ、最初は二人一組で飛ばされたのかと思ったけど、集の話聞いたらそうでもないみたいだな」

 

 二人で飛ばされることもあるのか…。

 

 「そう、で静也は?」

 

 「今はアヴィオール隊のゼクス使いとして遠征に行ってるよ。

  初の遠征だしあくまで予行練習だから、明日か明後日、遅くても1週間後には帰ってくると思う」

 

 「そうか…まあ、無事みたいでよかった」

 

 「ああ……体は無事なんだがな……」

 

 「ん? なんかあったのか?」

 

 「ああ、これは話をしてけばわかると思うから先に俺たちが転移してきたときの話をするぞ」

 

 「わかった」

 

 静也に何かあったんだろうか?

 

 「俺たちが転移した場所は集と違ってBPの近くじゃなくて、ここよりBPから離れた町の路地裏だった。

  まあこっちもBPから結構離れてるしゼクスの襲撃はほとんどないんだけど、そこはホントゼクスの襲撃なんてないとこでさ、みんな普通に過ごしてる平和な町だった。だけど俺たちは混乱したよ、だって学校にいたのに光ったと思ったらいきなり町に出たんだぜ? 信じられねえだろ。で、そこにいるのは俺だけじゃなく静也もいるとわかって少し安心して、俺たちは現状確認のために路地裏から出て探索することにした。町並みは元の世界とほとんど変わらないから最初は不思議なことも起きるもんだと楽観してたんだ。看板とか見ても名古屋だったから帰れない距離でもないしな。でも金がないのは困ったぜ」

 

 あーそうだな。俺も最初金がなくて困ったな。

 輝たちも町に転移したせいで現状の把握がうまくできなかったんだろう。

 

 「まあ、金がないのはしゃーないから二人で何とか日給のバイト探して金稼いだんだ。その時はヒッチハイクで日本一周みたいな感じで金がない状況を楽しんでたんだ。それで何とか気のいいおっちゃんに静也の人の良さで1日止めてもらったんだよ。で、そこで飯を食ってた時に気づいたんだ、テレビでゼクスの特集がされてたからな。俺たちは驚いたよ、なんたってゼクスの世界に転移したってんだから。そこからおっちゃんに話聞いたり新聞見たりして情報を集めてゼクスの世界に来たことを確信したんだ。」

 

 そこで輝はコーラを飲む。

 俺とは違って安全なとこで現状を知ることができたんだしよかったんじゃないだろうか。

 

 「次の日俺たちはどうするか考えたんだけど、カードデバイスはないし協力的なゼクスもいない。そもそも今の日本の状況がよくわからなかった。俺たちは集と違って原作の設定はフレーバーテキストぐらいしか見てこなかったしな。しかもまだ3年経ってないってことで元の世界の知識はほとんど意味ない、しばらく途方に暮れたよ。それでも何かしなきゃいけないって意思はあったからとりあえず道沿いに歩いてたら、キラーマシーンが現れて町を襲ったんだ。もちろん俺たちも危なかった、まあ見ての通りピンピンしてるけどな。で、そこを助けてくれたのがさっきのゲンマさん達ってわけだ。そしてまた静也が頑張ってゲンマさん達に取り入って青の世界と繋がりを作ったんだ。そこからはまあ、いろいろあったけど俺は平常時はアダーラさんのいるレストランでバイト、仕事中はゲンマさん達のオペレーター兼リソースタンクとして、静也はアヴィオール隊のゼクス使いとして青の世界の指揮の下働くことになったんだ」

 

 なかなか大変だったみたいだな。

 たぶん一番大変だったのが今はしょったいろいろあってオペレーターに、ってとこなんだろうけど。

 

 「お前らも大変だったみたいだな……。

  でもどうして静也が無事じゃないみたいな言い方するんだ?

  体じゃないってことは怪我してるとかじゃないんだろ?」

 

 「まあな……。

  静也って彼女いただろ? あいつ、あづみLOVEとか言ってたけどなんだかんだでやっぱり彼女が1番だったみたいで、ちょっとな……。俺たちはあいつのこといつも元気な場を盛り上げてくれるムードメーカーだと思ってただろ? でも実はそんなことなくてあいつはあいつなりにいつも悩んでたりするんだ、誰かに嫌われちゃいないかとかな。…あいつが目に見えて元気なくなってきたのが転移から1週間たったころだ。それまでは空元気だろうがなんだろうが明るく振舞ってたんだけど、それからは弱音を吐くようになった。元の世界に帰りたいとか、彼女に会いたいとか……あとあいつはこの世界に来たのが自分のせいだと思ってるみたいでさ、めっちゃ謝られたよ。そのせいかな、俺と顔を合わせるのが辛くなってったみたいでさ、自分からアヴィオール隊に入って遠征に行きたいって言いだしたんだ。

まあ、1番は彼女に会いたいから元の世界に帰る方法を見つけるためなんだろうけど……だからあいつは集はもちろんみんなを元の世界に返すってプレッシャーがあるんだ。最近はますます元気がなくなってムードメーカーだった頃の静也は見る影もないよ。」 

 

 「……そうか、そんなことが。

  俺は静也に会わない方がいいのかもしれないな……。」

 

 俺が静也を追い詰めてしまうかもしれない。

 

 「それはどうなんだろうな…。

  もしかしたら元気つくかもしれないし、ますますプレッシャー与えるかもしれないし……。

  まあ、そこは集に任せるよ」

 

 任せるって言われてもな……。

 輝は残っていたコーラを一気に飲んで立ち上がる。

 

 「俺はそろそろ戻んなきゃならないからメアドだけ交換しとこう。

  静也が戻って来たり、元の世界に戻れる方法がわかったら伝える」

 

 「ああ、よろしく。

  あと静也のこと頼んだ」

 

 「ああ、任せとけ!」

 

 メアドを交換した後、輝はアダーラがいるというレストランに戻っていった。

 さて、もう日も暮れかけているし俺も戻るか。

 




 if

 輝は自販機で買ったコーラを投げ渡して言う。
 カキッ!(コーラのキャップを開ける音)
 ブッシャアアアアアア!
 集「うおっ!」
 輝(計画通り!)
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