ヒロイックサーガにも出てきてるしなあ……扱いづらい。
ラスボスになってしまうかもしれん。
「ほんっっっっとうに、すいいませんでした!」
俺たちは小さい事務所で謝っていた。
「輝、マジ助かった」
「本当、大変だったんだぞ。
なんだってあんなことしたんだ」
そう、こうなったのには理由があるのだ。
★★★★
「あそこよ」
アリスが指をさす。
俺たちは隠れながら青のBPに近づいていた。
BP付近は数十キロ立ち入り禁止になっているんだが、基樹が運転できるってことで車で移動した。
BPに近づかなくてもゼクスはいるがキラーマシーンとの戦いで消耗したところを狙う作戦だ。
アリスが指をさしたのは巨大なブロックのようなものでできたメタルフォートレスだった。
「あれは……テクさん、テクさんじゃないか!」
「知ってるの?」
「あ、いや……まあ知ってるんだけど。
あいつはテクネチウム、いい奴だと思うよ」
「そう、ならちょうどいいわ。
あのゼクスを捕まえましょう」
「おお、ついにメタルフォートレスをこの手に!」
「ちょっと待て、今行ったらキラーマシーンに……」
「ヒャッホー、今行くぜ! 待ってろ、テクネチウム!」
「あ、おい!」
基樹のやつ、勝手に飛び出しやがって……!
「タイショウ ヲ ハッケン。タダチニ マッショウ シマス」
言わんこっちゃない。
「チッ、俺が援護するからお前らはここで隠れてろ!
アクティベート」
月下香をアクティベートする。
キラーマシーンがうじゃうじゃいる中に基樹みたいな生身の人間が突っ込んだら死……なない!?
基樹はキラーマシーンのレーザー光線をうまく躱しテクネチウムに近づいていく。
「テクネチウム! 俺の相棒になってくれ!」
「む、なぜこんなとこに……ここは危ない、どこかに隠れ……いや、囲まれてしまったか……。
しょうがない、私の中に入るんだ!」
「え、マジで! やったぜ!」
基樹は嬉々としてテクネチウムに乗り込んでいく。
「あいつ……人の気も知らないで……」
「集、不味いことになりそうだぞ……!」
月下香が言うので周りを見ると〈奇襲機械レイド〉の集団がやってきていた。
見えるだけで30以上いるんじゃないだろうか。
「護りながらでは厳しい、目的を達成したんなら退くぞ!」
月下香もカースドソウルとの戦い以降退くことを覚えた気がする。
自分だけが優れているわけではないとわかったような……とこんなこと考えてる場合じゃない。
「基樹、退くぞ! さっさとキャプチャーしちまえ!」
「おうよ! こうか?
……キャプチャー!」
あ…あいつ中にいながらキャプチャーしやがった。
「何を……!」
テクさんはカードデバイスに吸い込まれてゆく。
「おお、成功した……ぜ…………って!
落ちるぅぅぅぅううううう!」
バカがいる。
やっぱりゼクスの中にいてもゼクスだけカードデバイスに入っていくのか。
「ううううう! ぐへぇっ!
いってえええ!」
基樹はなんとか受け身をとったみたいだけど相当の衝撃を受けただろう。
「基樹! キラーマシーンがすぐそこまで来てる、車を出せ!」
「いてて……わかってるって」
★★★★
と、こんな感じにテクさんをキャプチャーし逃げてきたんだが、さすがに数が多く月下香でも殲滅しきれなかった。
となると俺たちが逃げたとこにも来るわけで、町は大混乱。
そこに例のごとくやってきたバトルヒーロー達に助けてもらい、なんとか町に来たキラーマシーンは殲滅し終わり混乱は収まったわけだ。
だが青の世界の情報網は伊達じゃない。
すぐに俺たちが原因だったことはバレ、ヤバそうな処分が下りそうなところを輝が助けてくれたってわけだ。
みんな正座だ、反省してるのだ。
そこまでの説明を終えた俺たちは輝を見た。
「お前ら、そのせいでどれだけの人を危険にしたかわかってんのか、この」
「すいません」
「そして俺がお前らの処分の決定権をもらえるようにどれだけ走り回ったことか!
さらにその処分を軽くするためにどれだけ頭を下げたか!」
「本当にすいません、助かりました」
「すいませんで済んだらバトルヒーローはいらねえんだよ!
……はあ、だけど無事でよかったよ。
最初この話を聞いたときはヒヤッとしたぜ……」
「心配してくれたんだな、ありがとう」
「そのあと怒りで熱くなったけどな」
うっ、輝が嫌味を言うなんて相当だな。
「ハア……まあお前らの処分は厳重注意だけだ。
まけにまけた結果だ。
普通は監視とか罰金とか懲役とかあるけど、今回は一般人が危険区域に迷い込んだってことにして誤魔化しておいいたからな。青の世界からはこんなもんだ。
だが一般人は知らん。一応隠蔽しておいたがお前らがキラーマシーンを連れて来たとこを目撃した人はいるだろうし、どう思われるかは俺たちの知ったとこではない。まあ警察の世話にはならない程度に誤魔化しておく」
「そこまでしていただいてありがとうございます。
……ほらお前らも」
「「「ありがとうございました」」」
俺たちは思いっきり頭を下げた。
こういう時は土下座なのかもしれないが、輝は土下座をさせるのが好きじゃないからな。
「……まあいいだろう。
で、今度はテクネチウムの件なんだが……どうする?」
「はい! 俺にください!」
基樹がすぐさま顔を上げ、結婚を認めてもらいに来た男のような真面目な顔で言う。
そんな顔できたんだな。
「……こう言ってるがテクネチウム、どうする?」
輝が耳に付けているオペレーターがしているような機械に言う。
「―――私としてはついていってもいいが、町を護るという使命が――――」
「ああ、その件なら気にしなくてもいいらしい。
なんでもテクネチウムはこれから量産化されるらしい。
といっても十数体だがな」
「なん――だと――」
「試作機のあなたはいずれ破棄されるか溶かされ他のメタルフォートレスに再構築される予定だった。
今テクネチウムが1体減ったところで大差はない」
「今まで頑張ってきて量産が決まったならいいんだろうな―――だが私はもう必要とされないのか―――」
テクネチウムが少し悲しそうな声で言う。
「そんなことないぞ! 俺にはお前が必要だ、一緒に来てくれ!」
基樹がテクネチウムに叫ぶ。
ここだけ見てるとロボットアニメの主人公が機体獲得のシーンみたいだ。
「フッ――青の世界に見限られた私にそんなこと言ってくれる奴がいるとはな――いいだろう、連れていってくれ」
「ああ、これからよろしくな! テクネチウム!」
輝「テクネチウムがキラーマシーンに破壊されたといえばなんとか……。
ああ、でも青の世界の監視網を舐めると……。
また上司に会いに行くのか……ハア」
友達のために頑張る輝。
テクネチウムはブロックでできていること今までの功績で量産が決定したという設定。
で、試作機のテクさんは破棄されるか他のメタルフォートレスの部品となるか、バージョンアップのちにまた戦場に駆り出される予定だった。という設定。
難しいことは輝が何とかしてくれるでしょ(他人事)