「数が多いだけで割と余裕だな」
「そうだな。まあうちのメタルフォートレスたちは優秀だから」
「そこで触れられないバトルヒーロー達……」
「あいつらは後で上から何か言われるはずだから。俺は関係ないから。
……ああ…また上司に叱られるのか……」
「どんまい」
あの爆発から10分ほどでキラーマシーンはあらかた片付いた。
爆発で破壊できた数が多かったのと、爆風で飛んできたゼクスたちを月下香がまとめて片付けたのが大きかった。
てか月下香が強すぎたのだ。今まで不死系のヘルソーンとか倒した数だけ強くなるカースドソウルとかが相手だったから目立たなかったけど、月下香はやっぱり強かったのだ。始めの方こそ中途半端に電撃を与えたせいでキラーマシーンが活性化したりしたものの吸収できないほどの電撃を浴びせることで破壊ないし停止させていった。ケット・シーもあくまで猫が精神の昇華によって強くなっただけの動物だから電撃は有効だった。そもそも月下香の周りの静電気を嫌がってケット・シーは近寄ってこなかったしこの戦いは実は楽勝だった。
キラーマシーンも残り少ない。この戦いもすぐに終わるだろう。
「ま、たまにはこんな戦いがあってもいいよな」
「俺はいつもこんな感じだけどな」
「まあまあ、でこの猫たちどうする?」
「そうだな……青の世界の研究材料にでもすればお咎めなしになるかも……」
「ま、待つにゃ! 謝るにゃ、だから見逃してほしいにゃ」
「ダメだな。そんなことしたら俺の首がとぶ。自業自得だ」
輝がじりじりと猫たちを追い詰めていく。
「ちょっと待つにゃあ!」
その時後ろから声がかかった。
このしゃべり方はケット・シーか。なんだよまったく。
「青の世界の者達、ちょっと待ってほしいにゃ。我々は喧嘩したくて来たわけじゃ無いにゃ」
声の方を向くと立派な鎧を着た猫。
〈近衛隊長ソマリ〉がいた。
「あ? 待ったってなんだよ? 仕掛けてきたのはそっちだろうが、ソマリさんよぉ」
輝は今とても機嫌が悪いようだ。
あ?(威圧)って感じだ。
「う、それ言われるときついにゃ。そして何で名前を……」
「いいから用件だけ言えよ」
「わ、わかったにゃ。これは王様が言いだしたことなんだにゃ」
「あん? どういうことだ、キラーマシーン出もパクってくるように言われたのか?」
アカン、輝の素が出てる。
「そうなんだにゃ。王様はきまぐれだからこ困ってるんだニャ。今日我々がしたことは謝るにゃ。だから今日のところは見逃してほしいにゃ」
「つったってこっちは損害出てるんスよ。そこんところどうなンスかねぇ? ソマリさん」
「わかってるにゃ。後でちゃんと青の世界宛に相応のものを送っとくにゃ」
「……それが嘘だったら、青の世界はケット・シー殲滅に乗り出すからな」
「本当にゃ。安心してほしいにゃ」
「……わかった。今回は見逃してやる。ただ……次やったらボコす!」
「わ、わかってるにゃ。ありがとうございますにゃ。お前ら全員退くのにゃ~!」
ソマリがそう言うとケット・シーは皆素直に言うことを聞きぞろぞろと退き返していった。
「青の世界の機械欲しかったにゃ……」
「……来たらボコすぞ」
こんなやり取りをしながら今回の戦闘はあっけなく終わった。
「しかし、よかったのか? 勝手に逃がしたりしたらまた上の人に怒られるんじゃないのか?」
「だいじょぶだと思うぞ? こっちは賠償金もらえるし、それが白の世界のものだったら解析して戦力増強。それに今回の戦闘データもある。仮に今回の青の世界宛に何か送ってくるってのが嘘だとしてもそれは青の世界が白の世界に攻め込む理由になる。今の世界はゼクスに風当たりが強いが、白の世界は人間保護を唱えているからな。ゼクスはともかく人間に恨まれるとゼクス使いが減るからな。攻め込む理由ってのは必要だよ」
「そういうもんか。でもあっちの世界だとダームスタチウムがパクられてたけど大丈夫なのか? 時期的にはそろそろだからこれがきっかけであっちから仕掛けてくるかもしんないじゃん?」
「そん時はその時。だいじょぶ、青の世界の科学力をなめるな。たかが二足歩行の猫だ。恐れるに足らん」
「それフラグ」
「ははは、ホントにだいじょぶだって。フラグブレイカーと呼ばれた俺をなめるな」
これが輝の最後であった。
ま、そんなわけないけどな。
「ん、……了解です。
……集、こっちに白のゼクスが数体来ているらしい。おそらくエンジェルだろうとのことだ。だから俺たちはここまでだ。元気でやれよ」
「ああ、ありがとう。そっちも頑張れよ。あと、静也によろしく伝えといてくれ」
「わかった。じゃあな!」
そういって輝はメタルフォートレスに乗り込んできた道を引き返していった。
結局静也には会えなかったがまああいつも元気にやっていけるだろう。
さあ、白の世界には何があるのか……。
楽しみだ。
なんか青の世界編終わってしまった。