「ぐああああああ……なんでこんなことにいいいいいい……!」
輝はひとり頭を抱えていた。
そこは一見ただの事務所のように見えるが実はバトルフォースやメタルフォートレスをサポートしている青の世界の所有物である。
「くそ……やっぱりあの時捕まえて置くべきだったか……」
輝がこうなったのはつい1時間ほど前のことである。
「あいつら、こんなもん送りつけやがって……」
輝の目の前にあるのは山積みになったダンボールと発泡スチロール。
中には新鮮な魚とマタタビ、そしてがらくたの山だった。
~輝のもとに荷物が届く前日~
ミケ王の城にて
「王様! 大変なのにゃ!」
「ソマリ、そんなに慌ててどうしたのにゃ」
ソマリがバタバタと慌てた様子でミケ王の前に来る。
「キラーマシーンを捕まえそこなった上に青の世界に目を付けられたのにゃ!」
「それはどういうことかにゃ!?」
「実はかくかくしかじか……」
「た、大変だにゃあ! 今すぐ青の世界宛ににゃあたちのとっておきを送るのにゃあ!」
「わかりましたにゃ!」
ソマリ達家臣はバタバタと動き始めた。
「あ、青の世界の殺戮機械なんかに殺されたく無いにゃあ……」
~それからしばらくして~
「王様、贈り物の準備が整ったにゃ」
「それはよかったにゃ。で、何を送るにゃ?」
「はっ! 宝石と市場で取り扱っていた壺などを送りますにゃ」
「にゃ……それだけでダイジョブかにゃ?
にゃあの大切にしているものも送るにゃ」
「それはどんな?」
「まずは先月川辺を歩いてた時に見つけたこの意思を持ってくにゃ。
それから『いいこいいこ』してくれる人間がくれたお菓子がおいしかったからそれも持ってくにゃ。
あと……」
ミケ王がそういって椅子の後ろから取り出したのは空き缶やビー玉、マタタビや猫缶。
つまりはがらくたの山だった。
「ミケ王、そんなものを送っては青の世界が……」
「言うにゃソマリ。にゃあも今回は反省してるにゃ。にゃあのわがままでソマリたちを青の世界と戦わせるわけにはいかにゃいからにゃあ」
そうじゃないと叫びたいソマリだったが、ミケ王があまりに真剣に言うので仕方なくそのまま青の世界に送ったのであった。
~そして輝のもとに届き~
「なんだってがらくたばっか送ってきたんだよぉ……」
輝が頭を抱えているとゲンマたちがやってきた。
「どうした輝、頭でも痛いのか?」
「痛いのは胃ですよ……」
輝はため息をつきながら事情を説明した。
「そうか、あの猫たちこんなものを送ってきたのか」
「そうなんですよ。……ああ、上になんて言えばいいんだ」
「すごいな、子どもの体操着なんかもあるぜ」
グライドが笑いながら言う。
「こっちはフライパンだ」
マルカブが呆れながら言う。
「こっちは鋏だ。まったく、どこから盗んでくるのか……」
アダーラが鋏をチョキチョキさせながら言う。
「ん? その体操着貸してみろ」
「ああ、いいぜ」
「…これは、やはりうちの生徒のものだ!」
「なんだと! じゃあそっちの鋏は……!」
「ならマルカブが持ってたフライパンは」
「マジだ、これは俺の同僚の鋏だ。そういえばなくしたとか言ってたな」
「これはうちのレストランのフライパンだ。もしかして他にも誰かから盗んだものがあるんじゃないか?」
それからはまるでパズルをしていくかのように持ち主が見つかっていった。
ゲンマたちの知り合いや被害届のある物、さらには青の世界の所有物まであった。
「よかった、これでなんとかクビは免れそうだ」
輝はホッと息を吐く。
それから輝は上司にいろいろ言われたが、なんとか首を免れた。
余談だがこれを機に青の世界の警戒は厳しくなり、特にケット・シーに対しては即時発砲するまでになりましたとさ。
ミケは残念系なんだけど憎めないからたちが悪い。