Z/Xの世界で生き延びる!   作:よーと

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 ちーちゃん頑張ってますね。
 リゲルは票が割れているのでしょうか? あまり伸びないですね。
 軍師もなかなか頑張ってますね。
 さすが軍師。

 軍師「天災軍師とは呼ばせない!」


第四章 「残念イケメンと恋とケーキ戦争 近畿・四国編」
63話「副会長→組織の財布」


 「ふう、やっと落ち着いたな」

 

 エンジェル達の御向かいを受け無事に白の加護を受ける関西へと入った俺達は、みんなと別れ、自衛隊の勧誘を躱し、アリス達とホテルに泊まることにした。風呂に入った後だからぽかぽかする。

 

 「まさかあんなにしつこく勧誘されるなんて思ってなかったぜ」

 

 基樹がベットに腰をつきながら言う。

 

 「俺たちが欲しいみたいな言い方してたけど、本当に欲しがってるのはカードデバイスだろ?

  今は力が弱まってるとはいえ政府の機関だし、断るの大変だったぜ」

 

 基樹の言う通り自衛隊の勧誘を躱すのは大変だった。カードデバイスを使い日本を復興させるとか、諸外国から国を守るとか、もっともらしいことを言ってたが要はカードデバイスとそれを使いこなせる人材が欲しいだけだろう。もちろんこれまでの活躍を見てのことだったのかもしれないが、カードデバイスさえ渡せばあっさり引くような感じだったからこちらも気分が悪くなる。

 俺たち4人は全員カードデバイスは手放さなかったが、俺以外の雇われたゼクス使いは数名が入隊するらしい。入隊しても何かしら理由を付けられてカードデバイスを取り上げられるのではないのか、と思う俺は捻くれてるのだろうか?

 

 「それに入隊してもすぐに九州に行かないといけないんだろ?

  なんだっけか、天災軍師? とかいうのがいるから行かないといけないとか言ってたな」

 

 ……なんとなく基樹の思ってる軍師とは違う気がするがそうなのだ。なんでも若くして才気あふれる青年が九州で自衛隊に協力しているとかなんとか。

 たぶんみんな大好き『天才軍師』こと『黒崎神門』さんですね。……決して『天災軍師』などではない。

 俺たちが九州に行くころには軍師がブイブイ言わせてるのだろうか。

 

 「そんなこといつまでも言ってないでこれからのこと話しましょう」

 「はいよ。で、姫。なにか予定とかあるの?」

 「ないわ!」

 「「ないんかい」」

 

 アリスは相変わらずの無計画だ。

 

 「だからみんなで話し合うんじゃない。

  今日はホテルに泊まったけど、お金がかかるからいつまでもここに泊ってられないしどこかみんなで泊まれて事務所にもできるようなところが欲しいわね」

 「ホテルは金がかかるって……俺が全額出したんですが」

 

 ホテルに来たものの、3人は金がほとんどないってことで全額俺が出した。まあ3人も4,5万は持ってきてるんだろうけど、服とか食事とかこれからのことを考えると俺が出した方がいいだろうってことになった。

 俺は護衛の仕事で金がかなり入ったから1日くらい4人でホテルに泊まるくらいどうってことない。金が勿体ないってことで1部屋にしたしな。

 

 「集はお金がたくさんあったんだからいいじゃない。でここら辺で事務所とかあるのかしら?」

 「それは調べないとわからないけど、事務所ってことは関西を拠点にするのか?」

 「ええ、悩んだのだけどまずこの辺に拠点を作ってしばらくは関西を中心に活動しようと思うの。私たちはまだ組織を立ち上げたばかりだし、どこに行っても始めは誰も依頼してくれないだろうからここで頑張って評判を上げていこうと思うの」

 「なるほど、いいんじゃない」

 

 計画性があるんだかないんだか。

 だけど言ってることはまともだしこれでいいんじゃないかな。

 

 「じゃあ明日は拠点にできるとこを探すとして、ゼクスはどうするんだ?」

 「集と基樹がゼクスを持ってるんだからあまり急ぐ必要はないと思うわ。それに私は赤の世界のゼクスをパートナーにしたいからここではつかまえなくてもいいわ。まかなはどうする?」

 「……わたしはセイクリッドビーストがいい」

 「じゃあ拠点を見つけたらまかなのゼクス探しに行きましょう」

 「了解」

 「じゃあ今日はもう寝ましょ。男2人は床で寝てね」

 「え、姫。それはひどくねーか」

 「しょうがないじゃないベットが2つしかないんだから」

 

 金をケチったせいでベットは2つだけ、しかもシングルベットだ。

 女の子2人だったら一緒に寝れるかもしれないが男はきついだろうし男となんか寝たくない。

 

 「しゃーねーか」

 「そうだな、じゃあ俺は寝るぞ」

 「あれ、集なんで寝袋なんかあんの? 俺のは?」

 「これは俺の持ち物だから、お前らのはない」

 「えー俺のないの。たく、しゃあねえな……」

 

 基樹はブツブツ言いながら椅子に毛布をかけて寝始めた。

 ちなみに俺の荷物は東北の無人の町でパクってきたもの一式だ。寝袋から非常食、服、地図等がある。また必要になるかはわからないがこれからも持っていくつもりだ。

 あ、メール来てる。これ返したら俺も寝よ。

 

 

 

 

 「おはよ」

 「おは」

 

 目を覚ますとアリスとまかなは起きていた。

 俺はいつも早朝5時くらいに月下香の鍛練のために起きるから毎日二度寝して7時くらいに起きている。

 基樹は寝ずらいといっていたくせにまだ寝ている。

 

 「それじゃご飯を食べたらみんなで拠点探しに行きましょうか」

 

 

 

 「うー、首がいてぇよ」

 「そりゃ椅子で寝てたんだししょうがないだろ」

 

 朝飯を食べた俺たちは拠点探しに町に出た。

 始めは4人で探していたが、基樹が服を買いに行きたいとのことで俺と基樹は別行動することになった。

 そうそう、忘れていたが俺たちがいるのは兵庫県神戸市だ。

 いくら白の世界の領土が平和とはいえBPの近くにはいたくないし、飛鳥の高校が神戸市だから俺がここに行くように自衛隊の人に誘導しといた。ほとんどの人たちがこの辺りに住むことになるだろう。翔達もこの辺の学校に通うことになる。若葉ちゃんと千尋ちゃんは飛鳥と同じ『私立聖竜学園高等学校』に通うらしい。あそこは金がかなりかかった気がするけど、避難者ってことと俺というフリーのゼクス使いが知り合いにいるってことで入学できるようになったらしい。

 なぜ俺がゼクス使いだと知っている。入学するのはここに来る前だろうから俺は関係ないだろう。避難者だから入学オーケーだったけど俺もこともあってなお良くなったとか。それとも誰かが糸を引いてるとか?

 

 「お、あそこの店に入ってみようぜ」

 「おう」

 

 気にしててもわからないし今は基樹に付き合ってやろう。

 

 

 

 

 「で、どこか見つかったのかしら?」

 「ずっと服見てました。さーせん」

 「さーせんじゃないわよ! まったく、こっちはずっと歩き回ってたっていうのに……」

 

 アリスはプンプン怒ってる。

 昼時になったから集まろうってことでファミレスに来たが俺たちがずっと服を見ていたことを知り、基樹はアリスに怒られてる。おこなの? って感じだ。

 そうそう、『おこ』っていえば、古文などでは『愚かなこと』『ばかげていること』また、そのさま。をさす意味らしい。

 

 「集、聞いてるの? あんたがいながらなんで基樹と一緒に遊んでんのよ」

 「フヒヒ、サーセンww」

 「まじめに聞きなさいよ!」

 

 怒られちゃった。

 

 「姫、落ち着けよ」

 「誰のせいで怒ってると……」

 「まあまあまあ、アリスたちの方はどこか見つけたか?」

 

 このままじゃ長い時間説教されそうだから基樹に助け船を出す。

 

 「ダメだったわ。探したけどすでに使われてたり、事務所としては使えても住めなかったりしたから。探偵事務所とかそんなのより私たちの方がこれから活躍するんだから譲ってくれてもいいのに」

 

 アリスはまたプンプンし始めた。

 基樹はこのままじゃまた俺たちが標的になると思ったのか話を振る。

 

 「そっか、それは残念だったな。午後は俺たちも頑張って探すからさ、アリスたちは休んでろよ。絶対見つけてくるから安心しろ」

 

 おい、自分で首を絞めてどうする。 

 ピロン♪

 

 「あ、メールだ。ちょっと失礼」

 

 俺のスマホにメールが来た。

 えーと……千尋ちゃんからか。

 

 『件名:昨日言ってた拠点について

  本文:こんにちは(^-^)

     昨日言ってた拠点はもう決まりましたか?

     もし決まってないなら学校が貸せるらしいので、学校に来てください。』

 

 女の子らしい絵文字やデコメがあるメールだ。

 にしても都合がいい。

 

 「なあ、千尋ちゃんが通う学校がどこか貸してくれるらしいけどどうする?」

 「お、ちょうどいいな。そこ行ってみようぜ」

 

 基樹は探す手間が省けて喜んで食いついてくる。

 

 「まあいいんじゃない?」

 「と、会長も申し上げていますので、さっそく行ってみようぜ!」

 

 基樹はそういって早足でファミレスから出ていく。

 

 「そうね、じゃあ行ってみましょうか」

 

 アリスとまかなもテーブルを発つ。

 

 「え、おい。金はどうすんだよ」

 

 タッタッタ。

 

 「あいつら……!」

 

 そして俺一人が取り残され金を払うことになった。

 今思うとテーブルの奥に俺を配置したのも、やけにデザートを頼んだのもこうするためだったのか。

 いつの間にか俺の役職が副会長から組織の財布になっているようだ。

 

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